入社特典や慰労金などが支給される場合も多く、効率的にお金を稼げる働き方として、求職者に人気の「期間工」。なお期間工を募集している企業の大半は大手メーカーです。そのため、充実した福利厚生を受けられることも魅力の1つのよう。

一方「期間工」という呼称が示す通り、期間工として働ける期間には限りがあります。こうした理由からキャリアパスをイメージしづらく、期間工への応募を躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。

「収入や待遇には確かに惹かれる…。でも、将来のことを考えると期間工ってイマイチ?」

「今、期間工として働いているけれど、このまま正社員になることはできる?」

そんな疑問を解消するべく、この記事では期間工から正社員へのキャリアアップの実情について徹底解説!期間工から正社員になる条件や、気をつけるべきポイントなどをまとめてご紹介します。ぜひお仕事選びやキャリア形成の参考にしてみてくださいね。

期間工から正社員になるのは可能?

まずはじめに「期間工から正社員になるのは可能かどうか」を確認しておきましょう。

結論からお伝えすると、期間工から正社員になることは可能です。就業先にもよりますが、例えば「期間工全体の人数に対して◯%以上」といった形で登用枠を設け、積極的に期間工から正社員登用を行っている企業が多いのです。大手メーカーの中にはなんと、期間工から正社員への登用率が8割を超えるところも。

期間工の正社員登用制度があるおすすめの各企業については、後ほど具体的な登用実績をご紹介します。ぜひ続けてチェックしてみてくださいね。

期間工から正社員になるための条件

期間工から正社員になれることを確認できて、まずはひと安心ですね。ただし、期間工になれば誰でも無条件で正社員になれるわけではありません。

それでは、期間工が正社員になるためには一体どのような条件があるのでしょうか。ここからは「期間工から正社員になるための条件」を1つずつ解説していきます。

正社員登用制度があること

期間工から正社員になるための条件として、まず大前提となるのは「正社員登用制度があること」です。就業先の企業に登用制度自体が存在しなければ、当然ながら期間工から正社員になるのは難しいでしょう。

正社員登用制度や実績の有無については、期間工募集の求人情報で確認できる場合がほとんどです。万が一、気になった期間工の求人に正社員登用に関する情報が無ければ、面接の際などに確認してみましょう。企業側も、あなたに対し「正社員を目指したい=長期的な就業意志を持っている」と捉えてくれて、やる気のアピールにもなり一石二鳥かもしれません。

20~30代の若手であること

期間工から正社員になるための2つめの条件は「20〜30代の若手であること」です。

期間工の募集では、業種・職種未経験の方も歓迎している企業が大半。そのため期間工からの正社員登用は、基本的には特別な知識やスキルがない段階からのスタートとなります。ゆえに企業側としては、今後ののびしろに期待できる20〜30代の若手世代を中心に正社員登用したい…という思惑を抱えているわけです。

とはいえ正社員登用へのチャレンジ自体には年齢制限を設けていない企業もあります。40代以上であっても、自身が企業にとって必要不可欠な人材であることをアピールできれば、可能性はゼロではありません。ただし若手世代に比べるとハードルが高くなるのは否めないので、40代以上で正社員を目指したい方は、期間工からの正社員登用以外のルートを検討してみるのもおすすめです。

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期間工として半年以上勤務していること

期間工から正社員になるための3つめの条件は「期間工として半年以上勤務していること」です。

企業側視点での期間工を正社員登用するメリットは、期間工として企業にとって貢献度の高い活躍をしてくれた人材をそのまま正規雇用できること。つまり企業があなたのことを「自社に必要な人材かどうか」を見定めるために、最低でも半年程度の期間を要するというわけです。

そのため、期間工から正社員を目指す際は基本的にはある程度の長期戦になります。やみくもに焦ってもあまり意味はありません。少なくとも半年間は目の前の仕事にコツコツと積極的に取り組み、地道にやる気をアピールしていきましょう。

職場の上司から評価され推薦されること

期間工から正社員になるための4つめの条件は「職場の上司から評価され推薦されること」です。

5つめの条件として後ほど詳しくご説明しますが、期間工が正社員になるには登用試験に合格しなければなりません。その登用試験を受けるにあたって、上司からの評価や推薦が必要なのです。

なおここでの上司というのは、具体的には現場の係長クラスの管理職の社員にあたります。日頃から、係長クラスの管理職とは、特に良好な関係を築けるよう心がけましょう。さらにチャンスがあれば、正社員を目指していることを直接伝えてみると良いでしょう。

正社員登用試験に合格すること

期間工から正社員になるための条件として、最後にお伝えするのは「正社員登用試験に合格すること」です。

先述の通り、期間工が正社員になる際には登用試験があるのが一般的。企業によっても異なりますが、試験には筆記・面接の両方が含まれる場合が多いようです。なお筆記ではSPI(中学校レベルの国語・算数)などで一般的な知識や処理能力を問われ、一方面接では業務に関する知識や正社員としてのキャリアビジョンなどについて質問されるケースが多い模様です。

上記はあくまで一例なので、実際の試験内容は個々の職場で確認しましょう。また、周囲に期間工から正社員になった先輩がいれば、対策方法についてアドバイスをもらうと良いかもしれません。

期間工から正社員になるメリット

期間工から正社員になるための条件を確認したところで、続いては「期間工から正社員になるメリット」をご紹介。ここでご紹介するメリットに魅力を感じる方にとっては、期間工から正社員を目指して頑張る価値は充分にあるはずです。今後のキャリアをより具体的に思い描くためにも、さっそくチェックしていきましょう。

安定した職場で長く働ける

期間工から正社員になるメリットとして、まずご紹介するのは「安定した職場で長く働ける」ということ。前提として、期間工として働ける期間には限りがあることはご存知でしょうか?実は、1つの企業で続けて期間工として働けるのは最長でも原則2年11ヶ月までとなっているのです。期間が終われば、またイチから新たな仕事を探さなくてはならない可能性が高いでしょう。

一方、期間工から正社員になれば、原則的には定年までの雇用が保証されます。また、期間工を募集している企業の多くは大手メーカーであるため、福利厚生など給与面以外の条件も充実しているところが大半。そうした高待遇を長期にわたって安定して受けられる点は、正社員ならではの大きなメリットなのです。

昇進が目指せる

期間工から正社員になるメリットの2つめは「昇進が目指せるということです。先述の通り働ける期間に限りがある期間工には、基本的には昇進の機会は設定されていません。企業によっては期間工でも昇給はあり得ますが、金額の上限が決まっているのが一般的です。

しかし正社員になれば、多くの企業で昇格のチャンスが設けられています。昇格に伴って役職手当が支給されるなど、給与面も段階的に充実していくケースが多いでしょう。加えて「大手メーカーで役職に就いている」といった社会的な地位や信用を得ることもできます。仕事で自己実現をはかりたい!という希望を持っている方にとっても、昇進が目指せることは大きなメリットだと言えそうですね。

収入面でボーナスが上がる場合がある

期間工から正社員になるメリットとして最後にお伝えするのは「収入面でボーナスが上がる場合がある」ということです。

記事の冒頭でも述べた通り、期間工は様々な特典や慰労金が得られることから、比較的短期間で高収入を得られる働き方として知られています。そのため、期間工から正社員になった直後は、収入が減少するというパターンも少なくはないようです。

しかし正社員になれば、多くの企業で年に2回、夏と冬のボーナスを受け取ることができます。期間工を募集している企業は大手メーカーが中心なので、ボーナスはなかなかの高額になることが多いでしょう。そしてボーナスの支給額は、自身の実績によって大きくアップさせることも可能です。「自分の努力や成長を、目に見える形でしっかり評価してほしい」とお考えの方には、ボーナスアップを狙える正社員という働き方がピッタリではないでしょうか。

正社員になるために気をつけるべきこと

さて、期間工から正社員になるメリットを確認したことで「正社員を目指したい!でも具体的にどうしたら良いの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方のために、この章では「期間工から正社員になるために気をつけるべきこと」をお伝えします。ぜひチェックして、実践してみてくださいね。

遅刻や欠勤をしない

期間工から正社員を目指す上で、気をつけるべき1つ目のポイントは「遅刻や欠勤をしない」ということ。期間工に限った話ではありませんが、勤務シフトに穴を空けがちな人は戦力と見なされず、結果として同僚や上司からも高い評価を得づらくなってしまうのです。そして期間工が働く製造業の現場においては、生産計画に基づいて出勤者の人数を調整しています。そのため、遅刻や欠勤をしないことは期間工として高く評価される上では特に重要な要素になるのです。

もちろん、急な体調不良や身内の不幸など、どうしても出勤できない場合はしかたありません。しかしその際もなるべく早く職場に連絡し、次回の出勤時には上司や同僚へのフォローを忘れないようにしましょう。

職場で良い人間関係を築く

期間工から正社員になるために、気をつけるべき2つめのポイントは「職場で良い人間関係を築く」ということです。

先にお伝えした通り、期間工から正社員を目指す上では現場の上司(係長クラスの管理職)の評価と推薦が不可欠。該当する上司と良好な関係を築くべきなのは言うまでもありません。しかしその上司にだけいい顔をしていても、場合によっては周囲の反感を買い、同僚たちとギスギスしてしまう可能性も。そんな空気を上司に察知されては、結局のところ良い評価を得ることはできないでしょう。正社員登用を目指すなら、多くの人と分け隔てなく接するよう心がけてください。

なお、職場で良い人間関係を築くためには、自分からしっかり挨拶したり、笑顔でハキハキ受け答えをしたり…といった基本的なことが大切です。また職場の飲み会なども、多くの人と交流できるチャンス。もちろん参加は自由ですが、他の予定が無い時には顔を出しておくのがおすすめです。

残業にも積極的に協力する

期間工から正社員になるために、気をつけるべき3つめのポイントは「残業にも積極的に協力する」ということです。

就業先の工場や担当の業務にもよりますが、多くの期間工は時に残業を依頼されます。特に繁忙期には連日残業が発生する場合もあるようです。そんな時にはできるだけ積極的に残業に協力しましょう。すると評価者である上司を含めて、周囲から「頼りになる人材」という好印象を抱いてもらえますよ。

もちろん残業時には残業手当が支給されるはずなので、収入をアップさせることもできて一石二鳥ですね。

上司から評価されるよう仕事に真摯に向き合う

期間工から正社員を目指す上で、気をつけるべき最後のポイントは「上司から評価されるよう仕事に真摯に向き合う」ということです。

正社員登用に際して、上司(係長クラスの管理職)からの評価が重要であることは繰り返しお伝えしてきました。そのためには、上司と良好な関係を築くのが大切なのも先述の通り。しかし上司と仲良くなることだけに努力して、肝心な仕事がおろそかになっていては元も子もありません。上司から「あいつ、良いヤツだけど、仕事はできないんだよな…」と思われるだけで終わってしまいます。

与えられた仕事を正確にこなすことに加え、積極的に改善提案を行うなど、業務に真摯に向き合う姿勢を常に示していきましょう。そうすれば自ずと上司から「あいつは仕事ができるし、おまけに良いヤツだし、正社員に推薦しよう!」と思ってもらえるはずです。

正社員登用制度があるおすすめ期間工

前章では、期間工から正社員になるために気をつけるポイントを知ることができましたね。

ここまで記事を読んで「これなら自分にも取り組めそうだし、やっぱり期間工から正社員を目指したい」と思った方もいらっしゃることでしょう。

そんな方のために、この章では「正社員登用制度があるおすすめ期間工」4選をご紹介します。いずれも期間工から正社員を目指すことができる上、世界的に高い評価を受けている大手メーカーばかり。さっそくチェックして、お仕事選びに役立ててくださいね。

トヨタ

  • 正式社名:トヨタ自動車株式会社
  • 正社員登用実績:5年間で1,023名(2018〜2022年)
  • 登用試験の内容:集団面接 & 筆記試験(SPI)

日本を代表する大手自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)。

トヨタは期間工から正社員への登用実績も業界トップクラスとして知られています。公表されている具体的な数字としては「5年間で1,023名」、なんと平均すると毎年200名以上の方が期間工からトヨタの正社員へのステップアップを実現しているのです。

トヨタは世界的な大企業だけあって、新卒での入社のハードルも高いとされています。そんな企業の正社員を目指せることは、期間工として働くモチベーションにも繋がりますね。

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デンソー

  • 正式社名:株式会社デンソー
  • 正社員登用実績:5年間で1,197名(2018〜2022年)
  • 登用試験の内容:工場長面接、人事・課長面接 & 筆記試験(SPI)

トヨタグループに属する大手自動車部品メーカーの株式会社デンソー(以下デンソー)。

グループ企業であるトヨタと同じく、デンソーも期間工から正社員への登用実績は国内トップクラスです。具体的な数字としては「5年間で1,197名」で、トヨタ同様デンソーも平均すると毎年200名以上の方が正社員にステップアップしています。

デンソーは部品メーカーであることから、自動車業界の中では比較的軽作業も多く、女性も活躍しやすい環境が魅力のようです。

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スバル

  • 正式社名:株式会社スバル
  • 正社員登用実績:累計2,090名(2010年度〜)
  • 登用試験の内容:面接

「インプレッサ」「フォレスター」などの人気車種を手掛ける株式会社スバル(以下スバル)も、積極的に期間工の正社員登用を実施しています。2010年度からの累計登用実績は「2,090名」にのぼり、しかも年間4回も正社員登用の機会が設定されています。

なお生産拠点である群馬県太田市は、電車で約80分と都内へのアクセスも良好。配属先によっては休日に気軽に都心に遊びに行けるとして、求職者にも人気があるようです。

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日産

  • 正式社名:日産自動車株式会社
  • 正社員登用実績:1,138名(2016年4月〜2023年2月)
  • 登用試験の内容:WEB or 対面面接

神奈川県に本社を置く大手自動車メーカーの日産自動車株式会社(以下日産)。同社も「約7年間で1,138名」と多数の期間工を正社員として登用しています。

日産では主に追浜・横浜・相模原・栃木・いわきの5拠点で期間工の募集を行っており、自身の希望する勤務地を選んで応募できることが魅力の1つとなっています(※募集を行っている拠点は時期によって異なります)。

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最後に

さて、期間工から正社員になる条件やメリット、そして期間工から正社員を目指せるおすすめの企業などを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

記事を読んで「さっそく期間工として働いてみたい」と思った方や「期間工以外の働き方についても詳しく知りたい」と思った方は、ぜひジョブハウス工場をご活用ください。

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