結論から言うと、第二種電気工事士の筆記試験(学科試験)の合格率は、直近5年(令和3〜7年度)の平均で約58%です。

年度ごとに見ても56.0〜59.4%の範囲に収まっていて、受験者10人のうち5〜6人が合格する試験です。上期は約59%、下期は約56%と、受ける時期で少し差が出ます。

この記事では、資格をまだ持っていない工場勤務の方に向けて、電気技術者試験センターの公表データをもとに、最新の合格率と推移、難易度の目安、合格に向けた勉強の進め方を解説します。

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第二種電気工事士(筆記試験)の合格率は約58%【令和3〜7年度の最新データ】

第二種電気工事士(筆記試験)の合格率は約58%【令和3〜7年度の最新データ】

まずは、電気技術者試験センターが公表している学科試験の結果から、直近5年間の合格率を確認します。合格率は、合格者数を受験者数で割って算出しています。

令和3〜7年度の上期・下期別の合格率

上期・下期ごとの合格率は、次のとおりです。

年度 上期 下期
令和3年度 60.4% 57.7%
令和4年度 58.2% 53.3%
令和5年度 59.9% 58.9%
令和6年度 60.2% 55.9%
令和7年度 57.7% 55.4%

出典:電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験 学科試験の結果」

5年間で最も高かったのは令和3年度上期の60.4%、最も低かったのは令和4年度下期の53.3%です。差は7ポイントほどで、極端に難しくなったり易しくなったりする試験ではありません。

5年間の平均は、上期が59.3%、下期が56.2%でした。

年間で見ると56〜59%台で安定している

上期と下期の受験者・合格者を合算して、年間の合格率も計算してみました。

年度 受験者数(人) 合格率
令和3年度 156,553 59.2%
令和4年度 145,088 56.0%
令和5年度 134,025 59.4%
令和6年度 132,462 58.2%
令和7年度 139,087 56.6%

年間の合格率は56.0〜59.4%で推移しています。受験者数は、毎年13万人から15万人台です。多くの人が挑戦している、人気の高い国家資格だとわかります。

令和8年度上期は62.2%と近年では高め

最新の令和8年度上期は、受験者78,290人のうち48,692人が合格し、合格率は62.2%でした。過去5年の上期平均(59.3%)を3ポイントほど上回っています。

令和8年度下期の学科試験は、2026年10月25日(筆記方式)などで実施される予定で、結果はまだ公表されていません。

不合格になるのは受験者の約4割

過去5年間の受験者の合計は707,215人、合格者の合計は409,230人でした。合格率にすると約57.9%で、約42%の人は不合格になっている計算です。

「合格率が6割弱なら、ほとんど受かる」とは言い切れません。出題範囲が広いため、過去問に触れないまま本番を迎えると、合格ラインに届かないケースが目立ちます。

平成から令和までの長期推移|上期は高く、下期は低めの傾向

平成から令和までの長期推移|上期は高く、下期は低めの傾向

年度ごとの数字だけでなく、長い期間の動きも見ておくと、今の合格率が高いのか低いのかを判断しやすくなります。ここでは、昭和60年度以降のデータをもとに整理します。

通年1回だった時代の合格率は47〜67%

平成22年度までは、学科試験は年1回で集計されていました。昭和60年度から平成22年度までの合格率は、平成8年度の47.2%から平成21年度の67.1%まで、20ポイントほどの幅があります。

平成22年度は59.8%でした。長い目で見ても、合格率はおおむね5割前後から6割台前半の間を行き来しています。

平成23年度から上期・下期の2回に分かれた

平成23年度以降は、上期と下期に分けて結果が公表されています。期別に見ると、平成28年度下期の46.4%から令和元年度上期の70.6%までと、年度によって大きく動くこともありました。

合格率が極端に変わる年があるため、「去年は易しかったから今年も同じ」と考えるのは禁物です。合格ラインを確実に超える準備が必要です。

下期は上期より合格率が低めになりやすい

上期と下期の平均を、期間を分けて比べてみます。数字は、期間内の合格者数の合計を受験者数の合計で割った値です。

期間 上期 下期
平成23〜令和元年度 62.8% 53.8%
令和3〜7年度 59.3% 56.2%

平成23年度〜令和元年度は、上期のほうが約9ポイント高い状態でした。令和3〜7年度は差が約3ポイントまで縮まっていますが、今も上期のほうが高い傾向です。

下期の受験者数は、平成23年度の18,798人から令和7年度の68,142人まで、約3.6倍に増えました。上期で不合格だった人の再挑戦が増えたことも、下期の合格率が低めになる一因だと考えられます。

令和2年度の上期中止とCBT方式の導入

令和2年度上期は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学科試験が中止されました。その影響で、令和2年度下期の受験者は104,883人と、この期間で最多になっています(合格率は62.1%)。

また、令和5年度以降の数字には、パソコンで受けるCBT方式の受験者・合格者も含まれています。試験方式が増えて、受験しやすい環境が整ってきました。

合格率は6割弱でも油断できない?筆記試験の難易度と出題内容

合格率は6割弱でも油断できない?筆記試験の難易度と出題内容

合格率だけで難しさは決まりません。どんな問題がどれくらい出るのかを知っておくと、勉強の優先順位をつけやすくなります。

学科試験は50問・120分、60点以上が合格ライン

試験の概要は、次のとおりです。出題数や試験時間は、変更される場合があります。最新の情報は、電気技術者試験センターの学科試験のページで確認してください。

項目 内容
問題数 50問(一般30問・配線図20問ほど)
形式 四肢択一
方式 筆記方式またはCBT方式
試験時間 120分
合格ライン 60点以上(30問以上正解)
受験資格 制限なし

1問2点で、100点満点中60点が合格の目安とされています。分野ごとの足切りはなく、総得点で合否が決まると説明されています。つまり、苦手な分野があっても、他でカバーできます。

試験範囲は7分野、配線図は約20問

出題は、基礎理論、配電理論・配線設計、機器・材料・工具、施工方法、検査方法、配線図、保安に関する法令の7分野です。

なかでも配線図は約20問と、全体の4割を占めます。図記号や複線図の読み方に慣れておくと、得点源にできます。

計算問題は約25%、残りは暗記中心の知識問題

資格学校の解説では、計算問題は全体の約25%、知識問題が約75%とされています。計算問題は、直流・交流回路や電圧降下、許容電流などの基本的な内容が中心です。

電卓は使えませんが、難しい計算はほとんど出ないと説明されています。理系が苦手でも、パターンを覚えれば対応できます。

出典:資格の学校TAC「第二種電気工事士 学科試験(筆記試験)の勉強法」

勉強時間の目安は80時間前後、過去問の反復が近道

合格に必要な勉強時間は、筆記と技能を合わせて80時間ほどが目安とされています。1日1時間ずつ進めれば、約3か月で到達できる計算です。

筆記は、配点が高い分野と、毎回出る頻出問題から固めるのが効率的です。直前期には、少なくとも2年分の過去問を、本番と同じ時間配分で解いてみましょう。

出典:日本エネルギー管理センター「第二種電気工事士の12年間の筆記・実技別合格率の推移」

計算が苦手でも、全部は捨てずに後回しで対応する

計算問題は、試験の最初のほうに並んでいます。苦手なら、知識問題を先に解いて、計算問題を後に回す方法があります。

ただし、全問を捨てるのはおすすめできません。「この種類の計算ならできる」というパターンを1〜2個は確実に解けるようにしておくと、合格ラインに近づきます。

筆記合格のその先|学科免除・試験日程・工場での活かし方

筆記合格のその先|学科免除・試験日程・工場での活かし方

筆記試験に合格しても、資格を取得できたわけではありません。合格後の流れと、令和8年度下期の日程、工場で資格が活きる場面をまとめます。

筆記に合格すると技能試験へ、次回・次々回は学科が免除に

第二種電気工事士は、学科試験に合格したあと、技能試験にも合格すると免状の交付を申請できます。技能試験は、学科試験の合格者と免除者が受験できます。

うれしいのは、前回または前々回に学科試験に合格した方は、申請により学科試験が免除される点です。技能試験に落ちても、次回・次々回は学科の勉強をやり直さなくて済みます。

令和8年度下期の日程と受験手数料

令和8年度下期の試験日程は、次のとおりです。申込受付はすでに終了しています。最新の情報は、電気技術者試験センターの第二種電気工事士のページで確認できます。

区分 日程
学科(筆記方式) 2026年10月25日
学科(CBT方式) 2026年9月24日〜11月8日
技能試験 2026年12月12日・13日のいずれか
受験料(ネット申込) 11,100円(非課税)

書面(郵送)で申し込む場合の受験料は12,500円です。原則はインターネット申込となっています。

これから目指すなら、次回の上期試験が目安

令和8年度下期の申込は終了しているため、これから勉強を始める方は次の上期試験が目標になります。令和8年度上期の申込は4月上旬に締め切られていました。次回も同じ時期に申込が行われる見込みなので、早めに情報をチェックしておきましょう。

勉強期間は半年ほど取れるので、まずは過去問を1年分解いて、自分の苦手分野を把握するところから始めてみてください。

工場では設備保全・メンテナンスの仕事で評価されやすい

工場の設備保全やメンテナンスの現場では、配線や制御盤まわりの作業が日常的に発生します。電気の基礎知識がある人材は、現場で頼りにされやすい存在です。

資格を取っておくと、担当できる作業の幅が広がり、キャリアアップの選択肢が増えます。ステップアップを考えている20〜30代の方には、挑戦しやすい最初の資格です。

資格がなくても応募できる工場求人は多い

電気工事士の資格がなくても応募できる工場求人は多くあります。資格手当の有無や金額は会社ごとに異なるため、求人票や面接で確認しておくと安心です。

働きながら資格取得を目指せる職場を探したい方は、求人情報をチェックしてみてください。

第二種電気工事士の筆記試験の合格率に関するよくある質問

Q. 第二種電気工事士の筆記試験の合格率は何%ですか?

直近5年(令和3〜7年度)の平均は約57.9%です。令和7年度は上期が57.7%、下期が55.4%で、令和8年度上期は62.2%でした。

Q. 上期と下期はどちらが受かりやすいですか?

合格率は上期のほうが高い傾向です。令和3〜7年度の平均は、上期が59.3%、下期が56.2%でした。ただし、合格率の差は小さいため、準備が整った時期に受けるのが一番です。

Q. 筆記試験は独学で合格できますか?

独学でも合格を目指せます。受験資格に制限はなく、過去問の反復が合格の近道です。テキストを1冊決めて、過去問を繰り返し解きましょう。

Q. 筆記試験に合格したあとの有効期限はありますか?

技能試験に不合格だった場合、次回・次々回の学科試験が免除されます。申請が必要です。免除の条件や手続きは、公式の案内で確認しましょう。

Q. 筆記と技能の両方に合格したら、次は何をすればよいですか?

免状の交付申請が必要です。手続きは、電気技術者試験センターの免状交付のページに案内があります。

まとめ:合格率は約58%。過去問を軸に、早めの準備で筆記合格を目指そう

第二種電気工事士の筆記試験の合格率は、令和3〜7年度の平均で約58%です。年間の合格率は56〜59%台で安定しているものの、約4割の人は不合格になります。

下期より上期のほうが合格率は高い傾向にあります。ただ、時期よりも、過去問をどれだけ反復できたかが結果を左右します。

80時間前後の勉強で届く資格なので、工場で働きながらでも十分に挑戦できます。まずは過去問を1年分解くところから、始めてみてください。

試験の日程や受験手数料は変更されることがあるため、受験前に公式サイトで最新情報を確認しましょう。

 

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著者:ジョブハウス工場 編集部

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