「第二種電気工事士の合格率って、実際どのくらいなんだろう?」と気になっている方は多いはずです。

結論からお伝えすると、学科試験の合格率は約55〜58%、技能試験は約71〜72%です。国家資格のなかでは比較的取りやすい部類に入りますが、学科試験は2人に1人が落ちる試験でもあります。

この記事では、最新の合格率データや難易度の実態、社会人が無理なく合格するための勉強法まで、工場・製造業で働きながら資格取得を目指す方向けに詳しく解説します。

第二種電気工事士の合格率は学科55%・技能71%!最新データで解説

第二種電気工事士 合格率最新データ

まず、第二種電気工事士試験の合格率を最新データで確認しましょう。試験は年2回(上期・下期)実施され、学科試験と技能試験の両方に合格することで免状が取得できます。

学科試験の合格率と推移

学科試験(筆記・CBT方式)の合格率は、例年54〜62%の範囲で推移しています。最新の令和7年度(2025年度)のデータは以下のとおりです。

年度・期 受験者数 合格率
令和7年度 上期 70,945名 57.7%
令和7年度 下期 55.4%
過去6年平均 58.6%

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター

学科試験は年2回実施されるため、上期で落ちても同年の下期に再挑戦できます。なお、令和5年度からはCBT方式(パソコンによる試験)も選択可能になり、受験の柔軟性が高まっています。

技能試験の合格率と推移

技能試験の合格率は、学科試験よりも高く、例年68〜74%の範囲で安定しています。令和7年度(2025年度)のデータは以下のとおりです。

年度・期 合格率
令和7年度 上期 72.0%
令和7年度 下期 71.4%
過去6年平均 71.8%

技能試験は「学科に合格した人」だけが受験するため、ある程度勉強をしている受験者が多く、合格率が高めに出やすい傾向があります。ただし、作業中のミス(欠陥)が1つでもあると即不合格になるため、「やれば受かる」と油断は禁物です。

第一種と比べるとどれくらい違う?

第二種電気工事士の合格率が「比較的高い」と言われる理由のひとつに、上位資格である第一種との比較があります。

資格 学科合格率 技能合格率
第二種 約55〜58% 約70〜72%
第一種 約40〜45% 約60〜65%

第一種は学科試験の出題範囲が広く、電気理論や高圧・特別高圧設備に関する知識も問われます。第二種は低圧設備(一般住宅・工場内の100V/200V回路)に限定されているため、試験範囲が絞りやすいのが特徴です。

合格率から見える「本当の難易度」

合格率だけを見ると「半分は受かる試験」に思えますが、注意したいのは受験者の層です。第二種電気工事士は受験資格が不要なため、電気とまったく無縁の方から現役の電気工事士まで幅広い層が受験します。

きちんと対策をして受験した人に絞ると、合格率はさらに高くなるとも言われています。つまり、「しっかり勉強すれば、初心者でも十分に合格を狙える資格」というのが実態です。

一方で、「なんとなく」受けると落ちてしまうのも事実。特に学科試験は、電気理論の計算問題や配線図など、初見では難しく感じる分野もあります。事前の対策をしっかり行うことが合格への近道です。

第二種電気工事士の難易度を他の資格と比較してみると

第二種電気工事士の難易度比較

合格率の数字だけでは「難しいのかどうか」ピンとこない方も多いはずです。ここでは、他の資格と比較しながら、第二種電気工事士の難易度を具体的に解説します。

国家資格のなかでのポジション

第二種電気工事士は、国家資格のなかでは「比較的取りやすい」グループに属します。宅地建物取引士(宅建)の合格率が15〜17%、電気主任技術者(電験三種)が8〜10%程度であることを考えると、50〜70%台という合格率は際立って高いといえます。

同じ工場・製造業で役立つ資格のなかでは、危険物取扱者乙種4類(合格率30〜40%)よりも合格率が高く、初めて国家資格に挑戦する方にとってもチャレンジしやすい難易度です。

学科試験が難しいと感じる理由

学科試験で多くの方がつまずくのは、おもに以下の3点です。

  • 電気理論の計算問題:オームの法則や電力計算など、中学〜高校レベルの数学が必要
  • 配線図の読み取り:図面記号を覚え、正しい回路を理解する必要がある
  • 法令・法規の暗記:電気工事士法や電気設備技術基準など、覚える量が多い

特に計算問題は文系・数字が苦手な方にとって心理的なハードルになりがちです。ただし、配点は100点中20〜30点程度で、残りの70〜80点は暗記で対応できる問題が中心です。計算が苦手でも合格ラインの60点は十分に狙えます。

技能試験が難しいと感じる理由

技能試験は、実際の電線や器具を使って40分以内に課題を完成させる実技試験です。難しさの原因は主に以下の2点です。

  • 時間的なプレッシャー:40分という制限時間のなかで正確に作業する必要がある
  • 欠陥の厳しい判断基準:接続ミス・傷・未完成など12カテゴリの欠陥基準があり、1つでも該当すると即不合格

逆に言えば、欠陥さえ出さなければ合格です。候補問題13問が事前に公表されているため、すべてを反復練習して手順を体に染み込ませることが最短ルートになります。

未経験・文系でも合格できる?

結論として、未経験・文系でも十分に合格できます。実際、第二種電気工事士の受験者のなかには電気と無縁の職種の方も多く、高校生でも合格率80%以上(令和4年度実績)という実績があります。

必要なのは「電気の才能」ではなく、「正しい勉強方法と十分な練習量」です。工場・製造業で働きながらでも、スキマ時間を活用すれば合格は十分に見えてきます。

合格に必要な勉強時間の目安と学習ステップ

第二種電気工事士 勉強時間と学習ステップ

「どのくらい勉強すれば受かるの?」という疑問は、受験を検討するうえで最初に知りたいところですよね。ここでは学科・技能それぞれの目安と、働きながら取り組む現実的なスケジュールを紹介します。

学科試験に必要な勉強時間

学科試験の合格に必要な勉強時間は、電気の基礎知識がない方で約40〜60時間が目安です。電気系の業務に就いたことがある方や理系出身の方なら20〜30時間程度でも合格圏に届くことがあります。

試験は100点満点の60点以上で合格となるため、満点を目指す必要はありません。苦手な計算問題は最小限の対策にとどめ、暗記問題で確実に点数を稼ぐ戦略が効率的です。

技能試験に必要な勉強時間

技能試験は、工具操作に慣れるまで約20〜30時間の練習が必要です。ただし「複線図が正確に描けること」と「工具を正確かつスピーディに扱えること」の2つが揃ってはじめて時間内に課題を完成させられます。

最初の数回は時間オーバーすることがほとんどですが、10〜15回程度繰り返すと自然と時間内に収まるようになります。練習材料(電線・器具セット)は市販されており、Amazonなどで購入できます。

社会人・働きながらの現実的な学習スケジュール

工場勤務のシフト制でも取り組みやすい、3〜4ヶ月の学習スケジュール例を紹介します。

期間 やること 目標
1〜2ヶ月目 テキスト通読+図記号暗記 全範囲の把握
2〜3ヶ月目 過去問演習(最低3年分) 安定して65点以上
3〜4ヶ月目 技能試験の候補問題練習 全13問を30分以内で完成

1日の学習時間は30分〜1時間でも十分です。通勤時間や休憩時間にスマホアプリの過去問演習を活用するだけでも、学科対策はかなり進みます。

独学とスクールどちらが向いている?

コストを抑えたい方や自己管理が得意な方には独学がおすすめです。テキスト代と技能練習材料費を合わせても1〜2万円程度で受験準備ができます。

一方、「勉強の習慣がない」「確実に一発合格したい」という方には、通信講座の活用も有効な選択肢です。映像講義で視覚的に学べるため、電気が初めての方でも理解しやすい構成になっています。

合格率を上げる学科試験の対策法

第二種電気工事士 学科試験の対策法

学科試験の合格率は55〜58%と、受験者の約半数が不合格になります。ここでは、効率よく60点以上を確保するための具体的な対策を紹介します。

出題科目と配点の把握から始める

学科試験は全50問(1問2点、100点満点)で、60点以上が合格ラインです。まず出題割合を把握することで、どこに力を入れるべきかが明確になります。

  • 電気に関する基礎理論:約10問(オームの法則・電力計算など)
  • 配線設計・施工方法:約12問(電線の選定・工事方法など)
  • 電気機器・材料・工具:約12問(器具の種類・特徴など)
  • 法令・規定:約10問(電気工事士法・電気設備技術基準など)
  • 配線図:約6問(複線図の読み取り)

計算が苦手な方は「電気理論」を最低限に抑え、暗記中心の法令・機器・配線設計で確実に点数を積み上げる戦略が効果的です。60点合格なので、計算問題をすべて捨てても十分に合格できます。

過去問を中心とした効率的な勉強法

学科試験の出題パターンは毎年似ており、過去3〜5年分の問題を繰り返し解くのが最も効率的な対策です。過去問演習で「この問題はどこがポイントか」を意識しながら解くことで、類似問題が出たときにも対応できます。

過去問はインターネット上で無料公開されているほか、スマホアプリ(「電工二種 過去問」で検索)も多数あります。通勤電車のなかでも手軽に練習できるため、スキマ時間を最大限に活用しましょう。

苦手な「計算問題」の攻略法

計算問題が苦手な方でも、以下の最低限の公式だけ押さえておけば得点につながります。

  • オームの法則:V(電圧)= I(電流)× R(抵抗)
  • 電力の計算:P(電力)= V × I
  • 直列・並列回路の合成抵抗:直列はそのまま加算、並列は逆数の和の逆数

これらの公式を使う問題は毎年数問出題されます。計算問題に充てる時間は全体の20〜30%にとどめ、残りを暗記問題の反復演習に使うのが合格への近道です。

おすすめテキスト・問題集の選び方

テキストは「すいすい合格シリーズ」や「ぜんぶ絵で見て覚える第二種電気工事士」など、図解が豊富なものを選ぶと理解が速まります。問題集は最新年度の過去問が収録されているものを選びましょう。

なお、テキスト選びに迷ったら出版年度を確認してください。電気設備の規定は改正されることがあるため、購入するのは最新版が原則です。古い版は安くても試験範囲が変わっている場合があります。

合格率を上げる技能試験の対策法


技能試験の合格率は約70〜72%と高めですが、事前の実技練習が不十分だと時間切れや欠陥で落ちてしまいます。技能試験突破のための具体的な対策を解説します。

複線図マスターが最短ルート

技能試験の第一関門は複線図(ふくせんず)の習得です。複線図とは、器具への配線をわかりやすく書き直した図のことで、これを正確に描けないと電線の接続を間違えてしまいます。

描き方の手順は「接地側(白線)を器具へ」「非接地側(黒線)をスイッチへ」「スイッチから器具へ」という3ステップで覚えるのがポイントです。最初は紙に繰り返し描いて、5分以内に完成できるレベルを目指しましょう。

候補問題13問を繰り返し練習する

技能試験では毎年、事前に公表される候補問題13問から1問が出題されます。つまり、13問を完璧に仕上げれば、どの問題が出ても対応できるのです。

練習の進め方は以下のとおりです。

  • まず1問目を時間を気にせず丁寧に完成させる
  • 作業手順と使う工具を確認しながら繰り返す
  • 3周目ごろから時間を計測し、40分以内に収める練習をする
  • 最終的に全13問を30〜35分以内で完成できるよう仕上げる

練習に使う材料(VVFケーブル・器具類)は1〜2万円程度で市販の練習セットを購入すると効率的です。

欠陥と判断されないための注意点

技能試験では作品に「欠陥」が1つでもあると即不合格になります。欠陥の主な種類を把握しておきましょう。

  • 誤接続・逆接続:電線を間違えた器具に接続している、極性が逆になっている
  • 未完成:40分以内に作品が完成していない
  • 電線の傷・損傷:ペンチやストリッパーで絶縁被覆を傷つけた
  • リングスリーブのサイズ誤り:電線の本数や太さに対して正しいサイズを選んでいない
  • ランプレセプタクルの結線ミス:ねじの締め方が不十分、絶縁被覆を巻き込んでいる

欠陥の判断基準は試験センターが公表しており、電気技術者試験センターの公式サイトで確認できます。練習中から欠陥ポイントを意識しながら作業する習慣をつけることが大切です。

試験本番の時間配分と心構え

本番で時間内に完成させるための時間配分の目安はこちらです。

  • 複線図の作成:3〜5分
  • 電線の切断・剥ぎ取り:10〜12分
  • 器具への結線・接続:15〜18分
  • 見直し・確認:3〜5分

練習では30〜35分で完成できるレベルに仕上げておくと、本番で多少焦っても余裕を持って見直しができます。「丁寧さ」と「スピード」を両立できて初めて合格ラインに乗ることを覚えておきましょう。

第二種電気工事士を取得すると工場・製造業でどう活かせる?

工場・製造業での第二種電気工事士の活かし方

「合格したあとどう役立つの?」という点も、資格取得を決意するうえで大切な視点です。工場・製造業で働く方にとって、第二種電気工事士は特に価値の高い資格のひとつです。

工場内の電気設備メンテナンスに必須

工場では、照明設備・コンセント・動力設備(モーター・機械)など、多くの電気設備が稼働しています。これらの工事・修理・点検を行うためには、電気工事士の資格が法律上必要です(電気工事士法より)。

設備保全・メンテナンスの担当者として働く場合、第二種電気工事士があれば100V/200Vの低圧設備の電気工事を自分で行えるようになります。外部業者に依頼するコストを削減できるため、企業側にとっても非常に価値の高い人材になれます。

資格手当・昇格・転職でのメリット

第二種電気工事士を取得することで、金銭的・キャリア的なメリットも得られます。

  • 資格手当:月3,000〜10,000円程度(企業によって異なる)
  • 昇格・昇給の評価対象:設備保全・電気担当へのキャリアチェンジが可能
  • 転職市場での評価向上:電気設備を持つ工場・プラント・ビル管理会社などで幅広く活用できる

工場の現場では、電気系の資格保有者は慢性的に不足しています。「手に職をつけてステップアップしたい」という方にとっては、転職活動でも大きなアドバンテージになる資格です。

第一種・施工管理へのキャリアアップにつながる

第二種電気工事士の取得は、その後のキャリアアップへの起点にもなります。

  • 第一種電気工事士:高圧・特別高圧設備(大型工場・プラント)を扱えるようになる
  • 電気主任技術者(電験三種):電気設備の保安監督が可能になり、年収アップが見込める
  • 電気工事施工管理技士:電気工事の現場を管理する立場へステップアップ

第二種電気工事士は「電気系キャリアの入口」とも言える資格です。取得後に経験を積みながら上位資格を目指すことで、年収500〜700万円台の専門職としてのキャリアも十分に狙えます。

取得後のおすすめキャリアパス

工場・製造業での第二種電気工事士活用の流れとして、以下のようなキャリアパスが一般的です。

  • 現場作業員・オペレーター → 設備保全担当(第二種電気工事士取得)
  • 設備保全担当 → 電気設備主任(第一種電気工事士 or 電験三種取得)
  • 電気設備主任 → 施工管理・マネジメント職(施工管理技士取得)

第二種電気工事士は「電気の仕事で食べていくための第一歩」です。取得後のキャリアビジョンを描きながら学習を進めることで、モチベーションを維持しやすくなります。

出典:厚生労働省 職業能力開発関連情報

第二種電気工事士 合格率についてよくある質問

Q. 第二種電気工事士の合格率は毎年変わりますか?

学科試験の合格率は54〜62%、技能試験は68〜74%の範囲でほぼ安定して推移しています。年度や上期・下期によって数%の差はありますが、「半数が合格する学科試験、7割が合格する技能試験」という傾向は大きく変わりません。ただし試験内容の改訂があった年は難易度が変動することもあるため、最新情報は電気技術者試験センターの公式発表で確認することをおすすめします。

Q. 学科だけ合格した場合、技能試験は翌年も免除されますか?

はい、学科試験に合格すると翌年度まで技能試験の受験資格が維持されます。つまり、今年度の学科試験に合格し技能試験が不合格でも、翌年度は学科試験を受けずに技能試験だけ受験できます。この「学科免除」制度を活用することで、2段階に分けて計画的に合格を目指すことも可能です。

Q. 試験に何回も落ちている場合、どこを見直せばいいですか?

学科試験で繰り返し落ちている場合は、過去問演習の量が不足しているケースがほとんどです。テキストを読むだけでなく、最低でも過去3年分の問題を繰り返し解き、間違えた問題を徹底的に復習しましょう。技能試験で落ちている場合は、欠陥の種類と判断基準を改めて確認し、どのミスが原因だったかを振り返ることが重要です。同じ候補問題を時間を計測しながら繰り返し練習することで、合格ラインに近づけます。

Q. 工場での仕事をしながら受験する場合、いつ頃から勉強を始めればいいですか?

上期試験(5〜6月の学科)を受ける場合は、前年12月〜1月ごろから学習を始めるのが理想です。1日30分〜1時間の学習で、3〜4ヶ月あれば学科・技能両方の対策ができます。シフト制や夜勤がある方は、通勤時間のスマホ過去問演習と休日の技能練習を組み合わせるスタイルが続けやすいです。

まとめ:対策さえすれば合格できる資格、工場キャリアの武器にしよう

第二種電気工事士の合格率は、学科試験で約55〜58%、技能試験で約70〜72%です。国家資格のなかでは難易度が低めで、正しい方法で勉強した人の合格率はさらに高く、未経験・文系でも十分に合格できる資格です。

ポイントを振り返ります。

  • 学科試験は過去問演習を中心に、計算問題より暗記問題で点数を積み上げる
  • 技能試験は複線図マスターと候補問題13問の繰り返し練習が最短ルート
  • 工場・製造業で働く方には、設備保全・転職・キャリアアップの観点から特に価値が高い
  • 取得後は第一種電気工事士や電験三種など上位資格へのステップアップが見えてくる

「資格を取ってスキルアップしたい」「転職でアドバンテージを作りたい」と考えているなら、第二種電気工事士はその第一歩として最適な選択肢です。ぜひ今日から計画を立てて、合格を目指してみてください。

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