第一種電気工事士の平均年収は、正社員で約540万円前後です。工場内の電気設備を扱う仕事では、資格の有無によって任される業務範囲や給与に大きな差が生まれます。
本記事では、年齢・企業規模別の年収データに加え、工場勤務ならではの働き方や、年収を伸ばすための具体的な方法まで詳しく解説します。
第一種電気工事士の平均年収はいくら?【最新データで解説】

第一種電気工事士は、電気工事士法に基づく国家資格です。資格の種類によって従事できる工事の範囲が法律で定められているため、資格レベルは年収にも直接影響します。
全体平均年収は約525万円
第一種電気工事士の平均年収は、雇用形態を問わず約525万円、正社員に限ると約542万円というデータがあります。最低年収は204万円、最高年収は2,000万円と、キャリアや働き方による幅も大きい資格です。
出典:建職バンク
年齢別に見る年収の違い【表で確認】
年齢が上がるほど、任される現場の規模や責任範囲が広がり、年収も上昇する傾向があります。年代別の年収目安は以下のとおりです。
| 年齢層 | 年収目安 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 約383万円 |
| 30〜34歳 | 約546万円 |
| 50〜54歳 | 約682万円 |
出典:建設人材バンク
経験年数を重ねるほど年収は上がりやすい
未経験でスタートした場合の月収は21万円台ですが、5〜9年の経験を積むと27万円台まで上昇するというデータもあります。単純な年齢だけでなく、現場経験の蓄積が年収アップの土台になっています。
特に、単独で現場を任されるようになる3〜5年目あたりから収入の伸びが大きくなる傾向があり、この時期にどれだけ幅広い工事を経験できるかが、その後の年収を左右します。
求人サイトと統計データで数字が異なる理由
平均年収の数字は調査元によって差があります。求人サイトの掲載求人をもとにした統計は「募集時の想定年収」であるのに対し、公的統計は「実際に支払われた給与」を集計しているためです。複数のデータを比較しながら、自分の条件に近いものを参考にすることが大切です。
第一種電工の年収を左右する4つの要因(年齢・地域・企業規模・経験)

同じ第一種電気工事士でも、年収には数百万円単位の差が生まれることがあります。主な要因を4つに整理しました。
①年齢・経験年数
前章のとおり、年齢と経験年数は年収に強く影響します。若手のうちは基本作業が中心ですが、経験を積むほど配線設計や現場管理など責任のある仕事を任されやすくなります。
②勤務地域(都市部と地方の差)
都市部と地方では、求人条件に明確な差があります。東京都心部や大阪市内では、地方都市に比べて年収が50万〜100万円程度高く設定されていることが多い傾向です。
これは、都市部に工場や大規模プラントが集中していることに加え、人材の需要が高く採用競争が激しいことが背景にあります。一方で、地方でも大手メーカーの工場が立地するエリアでは、都市部に近い水準の求人が出ることもあります。
③企業規模(大手と中小の差)
大手ゼネコン関連会社や電力会社系列、プラント建設会社では500万〜600万円台が一般的です。一方、小規模な電気工事店やビルメンテナンス会社では、400万円台にとどまるケースも珍しくありません。企業規模別の月収目安は以下のとおりです。
| 企業規模 | 月収目安 |
|---|---|
| 10〜99人 | 約32.1万円 |
| 1,000人以上 | 約34.7万円 |
大手企業ほど月収の水準が高い一方、差そのものはそれほど極端ではありません。企業規模だけで判断せず、担当できる設備の規模や責任範囲も合わせて確認することが大切です。
④保有資格・スキルの幅
第一種電気工事士に加えて、電気主任技術者やビル管理系の資格を組み合わせることで、対応できる業務範囲が広がり、年収アップにつながりやすくなります。
工場勤務での第一種電気工事士|仕事内容と年収相場

工場は、電気設備の規模が大きく、電気工事士の資格を活かしやすい代表的な現場です。ここでは工場勤務ならではの仕事内容と年収の傾向を見ていきます。
工場設備の電気工事・保守点検が主な仕事
工場では、受変電設備や動力配線、生産ライン設備の電気工事・保守点検が主な業務です。設備トラブルが生産ラインの停止に直結するため、資格を持つ人材の需要は安定しています。
点検業務だけでなく、生産設備の増設・改修時の配線工事や、老朽化した設備の更新工事に携わる機会も多く、幅広い経験を積みやすいのも工場勤務の特徴です。
派遣・契約社員の場合の年収相場
工場の電気設備メンテナンスを派遣・契約社員として担当する場合、未経験に近い層では300万円台からのスタートが目安です。経験を積むことで、400万円台まで引き上げやすくなります。
派遣の場合は時給ベースで条件が提示されることが多く、資格手当が時給に上乗せされる求人も少なくありません。まずは現場経験を積み、正社員登用や直接雇用を目指すルートも現実的な選択肢です。
正社員採用の場合の年収相場
メーカーの設備保全部門で正社員として採用される場合は、業界平均と同水準の450万〜550万円程度が目安になります。大手メーカーや化学・食品プラントなど、24時間稼働の工場ではさらに高い水準の求人も見られます。
交代勤務・オンコール対応でさらに上乗せも
24時間稼働する工場では、交代勤務手当や深夜手当が別途支給されるケースが一般的です。設備トラブル発生時に呼び出し対応するオンコール体制がある職場では、待機手当や呼出手当が加算されることもあり、基本給以上に年収が上振れする要因になります。
資格手当・待遇面でのメリット
工場勤務では、資格手当が給与に上乗せされるケースが多く、資格の有無だけで月々の手取りに差がつきやすいのが特徴です。手当の金額は企業によって異なりますが、月1万円前後を目安に設定している求人が多く見られます。
第二種との年収差は?取得するメリットを比較

電気工事士には第一種・第二種の区分があり、対応できる工事範囲と年収の両方に差があります。
第二種電気工事士の年収相場
第二種電気工事士の年収は、400万〜500万円台が目安です。住宅などの一般用電気工作物の工事が中心で、比較的取得しやすい入門資格として位置づけられています。実務経験がなくても受験・免状取得ができるため、電気工事の入り口として選ばれることが多い資格です。
第一種と第二種の年収差はどれくらい
第一種電気工事士の年収は500万〜600万円台が目安で、第二種と比べて一段階上の水準になる傾向があります。同じ現場でも、第一種を保有していることでリーダー的な役割を任されやすくなります。
年収差が生まれる背景には、対応できる工事の種類の違いがあります。第二種は住宅・店舗など小規模な設備が中心なのに対し、第一種は工場やビルなど大規模で専門性の高い設備も担当できるため、単価の高い工事を任されやすいという構造的な理由があります。
対応できる工事の範囲が広がる
工場や商業施設などの自家用電気工作物(600V以下、契約電力500kW未満)の工事を行えるのは第一種電気工事士だけです。工場の設備保全を目指すなら、第一種の取得は大きな武器になります。
受験資格・試験の難易度
第一種電気工事士試験そのものに受験資格の制限はなく、誰でも受験できます。ただし、免状の交付には3年以上の実務経験が必要です。試験日程や出題範囲の詳細は、電気技術者試験センターの試験概要ページで確認できます。
第一種電気工事士が年収を伸ばす3つの方法

資格を取得したあとも、働き方次第で年収の伸びしろは大きく変わります。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
①現場経験を積んでスキルを磨く
配線設計や現場管理まで対応できるようになると、任される仕事の幅が広がり、年収500万円台を超えやすくなります。日々の現場で経験を積み重ねることが、遠回りに見えて最も確実な方法です。
特に、トラブル対応や改修工事など難易度の高い業務を経験しておくと、次のキャリアで「即戦力」として評価されやすくなります。
②関連資格を取得してキャリアの幅を広げる
電気主任技術者や消防設備士など、関連資格を組み合わせることで対応できる業務が増え、年収アップにつながります。技能試験対策には、複線図の書き方が図解でまとまったテキストがよく使われています(Amazon)。
特に工場勤務では、電気主任技術者(電験三種など)を追加で取得することで、設備保全部門の中核人材として評価され、年収レンジが一段階上がるケースもあります。
③大手企業・好待遇求人へ転職する
同じ第一種電気工事士でも、企業によって年収レンジは大きく異なります。年収を大きく伸ばしたいなら、資格取得後に転職市場で自分の市場価値を確認するのが近道です。工場・製造業に特化した転職エージェントを活用すると、条件に合う求人を効率よく比較できます。
第一種電気工事士の年収に関するよくある質問
Q. 第一種電気工事士の平均年収はいくらですか?
正社員の平均年収は約542万円です。年齢や勤務先の企業規模によって、400万円台から600万円台まで幅があります。工場やプラントなど大規模施設の設備保全に携わる場合は、比較的高めの水準になりやすい傾向です。
Q. 第一種電気工事士は独学でも取得できますか?
独学での合格を目指す人も多くいます。学科試験は市販テキストと過去問演習、技能試験は複線図の書き方と実技練習が中心です。ただし、免状の交付には3年以上の実務経験が必要になる点に注意してください。
Q. 工場勤務でも第一種電気工事士は必要ですか?
必須ではない求人もありますが、工場の受変電設備や動力設備は自家用電気工作物にあたるため、第一種電気工事士を保有していると任される業務の幅が大きく広がります。設備保全職として長く活躍したい場合は取得のメリットが大きい資格です。
Q. 未経験から工場の電気設備保全に転職できますか?
第二種電気工事士からステップアップする形で未経験採用を行っている工場もあります。まずは第二種を取得して現場に入り、実務経験を積みながら第一種の受験資格を満たしていくルートも現実的です。
Q. 第一種電気工事士から独立は可能ですか?
独立・請負として働く選択肢もあります。個人で受注する場合の年間売上は800万〜1,000万円以上になるケースもありますが、営業力や人脈づくりも必要になるため、まずは企業に所属して現場経験と実績を積むのが現実的なステップです。
まとめ|資格を年収に変えるなら、まず自分の市場価値を確認しよう
第一種電気工事士の平均年収は約525万〜542万円で、年齢・地域・企業規模によって大きく変動します。工場勤務では、自家用電気工作物の工事を担える第一種の資格が特に評価されやすく、資格手当や待遇面でのメリットも期待できます。
年収を伸ばすうえで重要なのは、資格そのものよりも「資格をどう活かすか」です。現場経験を積むこと、関連資格でスキルの幅を広げること、そして自分の経験を正しく評価してくれる職場を選ぶこと。この3つを意識するだけで、年収の伸びしろは大きく変わってきます。
資格を取得したあとの年収は、現場経験の積み方と働き先の選び方で大きく変わります。今の待遇に伸びしろを感じているなら、まずは自分の経験やスキルが市場でどう評価されるかを確認してみましょう。
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