結論から言うと、40代・未経験でも倉庫の仕事に就くことは十分に可能です。ピッキングや検品、仕分けなど、特別な資格がなくても始められる作業が多く、40代・50代が現場の中心という倉庫も珍しくありません。
ただし、立ち仕事や重い荷物の運搬など、体力面の負担があるのも事実です。大切なのは、きつさの中身を事前に知り、自分に合った職種と職場を選ぶことです。
この記事では、40代未経験の方が倉庫で働くときの採用事情、職種ごとの特徴、きついと感じやすい点とその対策、求人の選び方まで、順番に解説します。
40代未経験でも倉庫で採用されやすい4つの理由

「40代から未経験の仕事に挑戦して、本当に採用されるのだろうか」と不安に思う方は多いはずです。まずは、倉庫の現場で40代が受け入れられている背景を整理します。
物流の拡大で倉庫スタッフの需要が続いている
ネット通販の利用が広がり、倉庫で扱う荷物の量は年々増えています。商品を探して集めるピッキングや、発送前の検品・梱包といった作業を担う人手は、多くの倉庫で常に必要とされています。
求人サイトでも、倉庫・物流の求人は未経験歓迎のものが目立ちます。人手が必要な現場が多いため、年齢よりも「安定して働けるか」が重視される傾向があります。
応募時の年齢制限は法律で原則禁止されている
企業が労働者を募集・採用する際、年齢を理由に制限を設けることは、労働施策総合推進法で原則として禁止されています。求人票に「35歳まで」といった上限が書かれていれば、それは例外的に認められた場合に限られます。
そのため、40代だからという理由だけで応募の土俵に立てないことは、制度上ありません。書類や面接では、年齢ではなく経験・意欲・勤務条件が見られます。
資格や専門知識がなくても始められる作業が多い
倉庫内作業の多くは、入社後の研修やOJTで覚えられる内容です。ピッキングは商品リストを見ながら棚から商品を集める作業、検品は数量や傷を確認する作業と、手順がシンプルです。
前職が営業や事務、サービス業だった方でも、マニュアルに沿って正確に進める力があれば戦力になれます。最初の数週間は先輩の指導を受けながら進める職場がほとんどです。
40代ならではの強みが評価されやすい
倉庫の現場では、スピードだけでなく、ミスの少なさや無断欠勤のなさ、周囲との連携が求められます。社会人経験が長い40代は、報連相や時間管理が身についている点で評価されやすい世代です。
また、現場リーダーや新人の指導役を担える人材は慢性的に不足しています。経験を積めば、リーダー候補として声がかかるケースもあります。
40代の応募で確認されやすい3つのポイント
年齢で断られることはなくても、面接では40代ならではの確認がされることがあります。主に聞かれるのは、体力面、長く働けるか、年下の先輩の指示を受け入れられるかの3点です。
どれも事前に答えを用意しておけば、不安は小さくなります。「週に何回ウォーキングをしている」「年下の先輩にも素直に質問できる」といった具体的なエピソードを準備しておきましょう。
現場では、年下のリーダーのもとで働く場面も珍しくありません。年齢よりも、素直に学ぶ姿勢が信頼につながります。
40代未経験が始めやすい倉庫の仕事4選と体力負担の目安

一口に倉庫の仕事といっても、作業内容によって動き方や体への負担は大きく変わります。40代未経験の方が応募しやすい4つの職種を、体力負担の目安とあわせて見ていきましょう。
| 職種 | 主な作業 | 体力負担 |
|---|---|---|
| ピッキング | 棚から商品を集める | 中 |
| 検品 | 数量や傷を確認する | 小 |
| 仕分け・梱包 | 分けて箱に詰める | 小〜中 |
| フォークリフト | 荷物を運び積み降ろす | 小〜中 |
※体力負担は一般的な目安です。扱う荷物の重さや倉庫の広さによって変わります。
ピッキング:リストを見て商品を集める
ピッキングは、出荷指示に従って棚から商品を探し、カートやかごに集める作業です。ハンディ端末の画面に棚番号が表示されるため、倉庫の経験がなくても迷いにくいのが特徴です。
一方で、広い倉庫を一日中歩き回るため、足腰の疲れは出やすい作業です。歩数が多くなる分、クッション性の高い靴選びが重要になります。
検品:数量・品番・傷を目で確認する
検品は、入荷した商品や出荷前の商品が、伝票どおりかをチェックする仕事です。重い荷物を持つ機会が少なく、体力に不安がある40代でも取り組みやすい作業といえます。
その代わり、数量の数え間違いや品番の見落としが許されないため、集中力と丁寧さが求められます。細かい確認が苦にならない方に向いています。
仕分け・梱包:方面別に分けて、箱に詰める
仕分けは配送先や方面ごとに荷物を分ける作業、梱包は商品を箱に入れて緩衝材で保護し、封をする作業です。ベルトコンベア沿いで進める職場も多く、決まった手順を繰り返します。
梱包は立ったまま、あるいは作業台での作業が中心です。手順を覚えれば、年齢に関係なく同じ品質で仕事ができる点が魅力です。
フォークリフト:荷物の入出庫を担当する
フォークリフトは、パレットに載った重い荷物を運んだり、棚に積み上げたりする仕事です。座って操作するため、重い荷物を自分で持ち上げる負担を減らせます。
最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、技能講習の修了が必要です。未経験で入社して、会社の支援で資格を取得するケースも多く見られます。
職種を選ぶときは「動き方」と「荷物の重さ」で考える
職種選びで迷ったら、「一日どれくらい歩くか」「扱う荷物は何キロか」の2点を求人票や面接で確認してください。同じピッキングでも、衣類中心の倉庫と飲料中心の倉庫では負担がまったく違います。
最初は検品や軽量物の仕分けから始め、慣れてからフォークリフトなどの上位ポジションを目指す進め方も現実的です。
倉庫の種類によって働きやすさは大きく変わる
同じ倉庫でも、扱う商品や設備で環境は別物です。通販・雑貨系の倉庫は軽量物が多く、空調が整った新しい施設も増えています。
一方、飲料や建材、食品の倉庫は重量物が多めです。冷凍・冷蔵倉庫は低温環境での作業になります。自分の体力や体質に合う倉庫のタイプを選ぶことが、続けやすさを左右します。
求人票の「取扱商品」の欄を見て、何を扱う倉庫かを必ず確認しましょう。迷ったときは、面接で一日の流れと扱う荷物の重さを質問するのが確実です。
倉庫の仕事が40代に「きつい」と言われる5つの理由と対策

倉庫の仕事は「きつい」という声も少なくありません。ただし、きつさの原因は多くの場合はっきりしていて、職場選びや働き方の工夫で軽くできます。代表的な5つの理由と対策を紹介します。
理由①:重い荷物を持つと腰に負担がかかる
段ボールやケース単位の商品は、重いものだと10kgを超えることもあります。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、満18歳以上の男性が人力で持ち上げる重量は、体重の40%以下にとどめるよう示されています。
対策は、重量物を扱う頻度が少ない職場を選ぶことと、台車やリフトなどの補助機器が整っているかを確認することです。腰を落として荷物を体に引きつける持ち方も習慣にしましょう。
出典:労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所「腰部負担からみた我が国の重量物持ち上げガイドラインについて」
理由②:一日中立ちっぱなし・歩きっぱなしになる
ピッキングや仕分けは、長時間の立ち仕事と歩行が基本です。慣れないうちは、夕方に足がむくんだり、ふくらはぎが張ったりするかもしれません。
対策としては、安全靴やインソールを自分の足に合うものに替えることが効果的です。休憩時間にふくらはぎをほぐすストレッチを取り入れるだけでも、翌日の疲れ方が変わります。
理由③:夏の暑さ・冬の寒さがこたえる
空調が効いていない倉庫では、夏は熱がこもり、冬は底冷えします。冷凍・冷蔵倉庫では、低温の環境で長時間作業することになります。
求人票の「空調完備」「冷暖房あり」の記載をチェックし、見学や面接で現場の環境を確認すると安心です。夏の水分・塩分補給や、冬の防寒インナーなど、自分でできる備えも忘れずに行いましょう。
理由④:夜勤やシフト勤務で生活リズムが乱れる
物流倉庫は夜間に稼働する拠点も多く、夜勤を含むシフト制の求人が目立ちます。夜勤は手当がつくため収入は上がりやすい反面、40代では回復に時間がかかる方もいます。
対策は、日勤のみ・固定シフトの求人を優先して探すことです。夜勤をする場合は、連続勤務の日数や休日の取り方を事前に確認してください。
理由⑤:同じ作業の繰り返しで飽きやすい
倉庫の仕事は手順が決まっている分、単調に感じることもあります。黙々と進めるのが好きな方には合いますが、変化がないと苦痛に感じる方もいます。
対策は、作業を複数経験できる職場を選ぶことです。ピッキングと検品、梱包を日替わりで担当するなど、ローテーションがある現場なら気分転換になります。
きつさを感じにくい人・感じやすい人の違い
同じ職場でも、きついと感じる度合いには個人差があります。続けやすい方には、決まった手順を守るのが苦にならない、一人で黙々と作業できる、体を動かすことが好き、といった傾向があります。
反対に、変化のある仕事を好む方や、立ち仕事がもともと苦手な方は、負担を感じやすくなります。向き不向きは入社前の職場見学や短期の派遣で確かめられるため、不安なら試してから判断する方法もあります。
「やってみないとわからない」と感じる方は、まず期間を区切って経験してみるのも一案です。合わなければ別の職種へ切り替えれば問題ありません。
40代未経験が失敗しない倉庫求人の選び方5つのポイント

同じ倉庫の仕事でも、職場によって働きやすさは大きく違います。応募前に求人票で確認したい5つのポイントを整理しました。
ポイント①:空調・設備など職場環境が整っているか
夏と冬の過ごしやすさは、長く続けられるかどうかに直結します。「空調完備」「冷暖房あり」「休憩室あり」といった記載があるか、必ず確認しましょう。
近年は、自動搬送ロボットやマテハン機器を導入し、重い荷物を人が運ばなくて済む倉庫も増えています。「自動化倉庫」「最新設備」といった表記も目安になります。
ポイント②:雇用形態(正社員・派遣・アルバイト)を比べる
倉庫の求人には、正社員・派遣社員・アルバイト・パートの3種類があります。コウジョブの調べでは、倉庫内作業の平均は正社員で年収361万円、派遣社員で時給1,235円、アルバイト・パートで時給1,044円となっています。
安定を重視するなら正社員、まず現場の雰囲気を見たいなら派遣、というように目的に合わせて雇用形態を選ぶのがおすすめです。
出典:コウジョブ「倉庫内作業はきついって本当?気になる給与や仕事内容を紹介!」
ポイント③:シフトと休日が自分の生活に合うか
日勤固定か、夜勤ありか、土日は休めるかを確認します。40代は家族との時間や体の回復を考え、無理のないシフトを選ぶことが長続きのコツです。
繁忙期(年末や大型セールの前後など)は残業が増える倉庫もあります。月の平均残業時間や、繁忙期の勤務体制も面接で聞いておくと安心です。
ポイント④:資格取得支援や研修制度があるか
未経験歓迎の求人でも、研修の手厚さには差があります。「フォークリフト免許取得支援」「入社後研修あり」と明記されている求人は、働きながらスキルを上げやすい環境です。
資格を取れば任される業務の幅が広がり、時給や月給のアップにつながることもあります。会社が費用を負担してくれるかも、あわせて確認してください。
ポイント⑤:同世代が活躍しているか
求人票に「40代・50代活躍中」「幅広い年齢層が在籍」と書かれていれば、年齢を理由に居づらくなる心配が少ない職場です。面接時に、現場スタッフの年齢層を質問してみるのも有効です。
可能なら職場見学をお願いしましょう。実際の作業風景や休憩室の雰囲気を見ておくと、入社後のミスマッチを防げます。
40代未経験から倉庫で長く働くための準備とキャリアの広げ方

採用されることはゴールではなく、スタートです。入社前後にしておきたい準備と、働きながら広げられるキャリアの道筋をまとめます。
入社前から体を慣らしておく
倉庫の仕事は、思った以上に歩きます。入社の1〜2か月前から、毎日20〜30分のウォーキングや、スクワットなどの軽い筋トレを習慣にしておくと、最初の一週間が楽になります。
腰痛が気になる方は、体幹を支える腹筋・背筋のストレッチもおすすめです。無理のない範囲で、続けやすい運動から始めましょう。
フォークリフト資格は取得して損がない
フォークリフトの運転技能講習は、教習機関の一例では、普通自動車免許などをお持ちの場合は4日間で受講料35,200円、お持ちでない場合は5日間で37,400円(いずれも教材費別)となっています。
資格があると、応募できる求人や任される仕事が広がります。入社後に会社負担で取得できる職場も多いため、まずは支援制度の有無を確認してみてください。
志望動機は「続けられる理由」を具体的に書く
40代未経験の場合、面接官が気にするのは「すぐ辞めないか」「体力的に問題ないか」の2点です。志望動機では、なぜ倉庫の仕事を選んだのか、どう長く働くつもりかを具体的に伝えましょう。
たとえば、「前職の営業で培った正確な納期管理の経験を、検品の仕事で活かしたい」のように、過去の経験と仕事内容を結びつけると説得力が増します。
前職の経験を倉庫の仕事に置き換えて伝える
事務職なら「正確なデータ入力」、接客業なら「丁寧な対応と報連相」、営業職なら「納期意識と調整力」といったように、前職の強みは倉庫でも活かせます。
職務経歴書では、仕事内容そのものより、「どんな姿勢で取り組んだか」を数字や具体例で書くと伝わりやすくなります。
リーダー・在庫管理・物流管理へキャリアを広げる
現場経験を積んだ後は、作業リーダーや在庫管理、出荷管理といったポジションへ進む道があります。倉庫全体を見渡す役割は、40代の経験や調整力が活きる仕事です。
また、倉庫での経験は製造業の工場や物流センターなど、ほかの現場へ転職するときにも評価される実績になります。将来の選択肢を広げる第一歩として、倉庫を選ぶ方も増えています。
入社後の最初の3か月を乗り切るコツ
入社直後は、慣れない動きや覚えることの多さで疲れが出やすい時期です。最初の1か月は、スピードよりも正確さと安全を優先し、わからないことはその場で質問する習慣をつけましょう。
疲労がたまりやすい40代は、睡眠時間の確保と、休日に体を休める日をつくることが大切です。2〜3か月ほどで作業の流れに慣れ、体も順応してくる方が多くいます。
もし痛みや強い疲れが続くときは、早めに上司へ相談してください。担当作業の調整ができる職場も少なくありません。
40代の倉庫の仕事に関するよくある質問
Q1. 40代未経験でも倉庫の正社員になれますか?
はい、なれます。未経験歓迎の正社員求人は多く、年齢ではなく勤務条件や意欲を見る企業が増えています。まずは雇用形態にこだわりすぎず、派遣やアルバイトから現場を経験して正社員を目指す方法もあります。
Q2. 40代の女性でも倉庫で働けますか?
働けます。検品・梱包・仕分けなど、軽量物を扱う作業は男女問わず活躍している職場が多くあります。求人票で、扱う商品の重さや、補助機器の有無を確認しておくと安心です。
Q3. 倉庫の仕事に資格は必要ですか?
ピッキングや検品、梱包などの多くの仕事では、資格は不要です。フォークリフトを運転する場合は、最大荷重1トン以上なら技能講習の修了が必要になります。入社後に取得を支援してくれる会社もあります。
Q4. 体力に自信がなくても続けられますか?
職種と職場を選べば、続けられる可能性は十分あります。検品や軽作業を中心とした職場、自動化が進んだ倉庫、空調が整った職場を選ぶと負担を抑えられます。無理のない働き方から始めましょう。
Q5. 倉庫の仕事で年収はどのくらいになりますか?
先述のコウジョブの調べでは、正社員の平均年収は361万円です。夜勤手当や資格手当、残業の有無で変わるため、求人票の「想定年収」や手当の内訳まで確認してください。
Q6. 派遣と正社員なら、40代未経験にはどちらがおすすめですか?
安定した収入と待遇を重視するなら正社員、まず職場の雰囲気や仕事との相性を確かめたいなら派遣がおすすめです。派遣から直接雇用に切り替わる制度を設けている職場もあるため、求人票で登用実績の有無を確認しましょう。
Q7. 求人票の「40代活躍中」は、歓迎されていると考えてよいですか?
基本的には、年齢層の幅広い職場だと判断できます。ただし、実際の雰囲気は職場ごとに異なります。面接や見学の際に、現場スタッフの年齢層や、年下の上司がいるかどうかを質問しておくと、入社後のギャップを減らせます。
Q8. 倉庫の仕事で腰を痛めないために、気をつけることはありますか?
荷物を持ち上げるときは、膝を曲げて腰を落とし、荷物を体に近づけて持つのが基本です。ひねりながら持ち上げる動作は避け、重いものは台車や二人作業を活用します。違和感があれば、無理をせず早めに申告してください。
まとめ:40代未経験でも、職種と職場を選べば倉庫の仕事は続けられる
40代未経験でも、倉庫の仕事には十分に挑戦できます。応募時の年齢制限は原則禁止されており、社会人経験や責任感は現場で評価されやすい強みです。
きついと言われる理由は、重い荷物・立ち仕事・暑さ寒さ・夜勤・単調さの5つに整理できます。検品などの軽作業を選ぶ、空調や自動化設備が整った職場を選ぶ、日勤固定を探すといった工夫で、負担は大きく減らせます。
求人を選ぶときは、職場環境・雇用形態・シフト・研修制度・年齢層の5点を確認しましょう。まずは気になる求人を見つけて、一歩踏み出してみてください。

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