結論からお伝えすると、第二種電気工事士は高校生でも受験できます。年齢・学歴・実務経験の制限はありません。

合格率は直近の令和8年度上期で、学科試験が62.2%、技能試験が73.4%です。国家資格のなかでは、学生が挑戦しやすい部類といえます。

ただし、公式の統計では「高校生だけの合格率」は公表されていません。この記事では、公表されている全体のデータをもとに、高校生がどのくらいの確率で合格を狙えるのか、どう準備すればよいのかを整理します。

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高校生でも第二種電気工事士は受験できる?受験資格と学科免除のルール

高校生でも第二種電気工事士は受験できる?受験資格と学科免除のルール

まずは、高校生が受験できるのかという基本から確認しましょう。受験資格だけでなく、工業高校の卒業生が使える「学科免除」の仕組みも押さえておくと、進路の選び方が変わります。

年齢・学歴・実務経験の制限はなし

第二種電気工事士試験に、受験資格は設定されていません。学歴や年齢、実務経験は一切問われないため、高校1年生でも申し込めます。

電気科や工業科に在籍していない普通科の生徒でも、同じ条件で受験できます。「まずは挑戦してみたい」という段階から始められる資格です。

出典:アガルート 第二種電気工事士の受験資格

工業高校(電気科)の卒業生は学科試験が免除される

高校や旧実業学校などで、電気工事士法が定める電気工学の課程を修めて卒業した人は、学科試験が免除されます。工業高校の電気系学科の卒業生が該当すると考えられます。

免除の対象は「卒業した人」です。在学中に受験する場合は、学科・技能の両方に合格する必要があります。

免除の対象になる課程かどうかは、学校や学科によって異なります。気になる方は、学校の進路指導の先生か電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。

学科試験に合格すれば次回以降は技能試験だけで挑戦できる

学科試験に合格すると、一定期間は学科試験が免除されます。令和8年度下期の場合、令和7年度下期または令和8年度上期の学科合格者が対象です。

学科だけ先に合格しておけば、次の回は技能試験の対策に集中できます。部活動や定期テストと両立したい高校生にとって、有効な進め方です。

2026年度の試験日程と、次に狙える回

試験は上期と下期の年2回です。令和8年度下期の日程は次のとおりです。

試験 日程(令和8年度下期)
学科(CBT) 9/24〜11/8
学科(筆記) 10/25(日)
技能 12/12(土)・12/13(日)

令和8年度下期の申込受付は9月3日で終了しています。これから受験を考える方は、令和9年度上期の試験が最初の目標になります。

最新の日程や申込方法は、電気技術者試験センターの公式サイトで確認できます。

第二種電気工事士の合格率は?学科・技能の最新データと推移

第二種電気工事士の合格率は?学科・技能の最新データと推移

次に、気になる合格率を見ていきます。高校生に限定したデータは公表されていないため、まず全受験者の数字を押さえ、そこから「高校生ならどう考えるか」を整理します。

令和8年度上期は学科62.2%・技能73.4%

令和8年度上期の学科試験は、受験者78,290人のうち48,692人が合格し、合格率は62.2%でした。前回の下期(55.4%)から大きく上がっています。

技能試験は、受験者58,393人のうち42,875人が合格し、合格率は73.4%です。学科・技能とも、受験者の過半数が合格している計算です。

出典:資格の学校TAC 第二種電気工事士 合格発表

過去5年の合格率の推移

年度ごとの合格率を並べると、学科は56〜59%台、技能は70〜72%台で安定しています。

年度 学科(%) 技能(%)
2021 59.2 72.8
2022 56.0 72.6
2023 59.4 71.1
2024 58.2 70.3
2025 56.6 71.8

2025年度は、学科の受験者が139,087人、技能の受験者が99,610人でした。毎年10万人規模が挑戦する、人気の国家資格です。

「高校生だけの合格率」は公表されていない

電気技術者試験センターは、受験者全体の人数と合格率を公表しています。一方で、高校生・学生に絞った合格率は、確認できる範囲では公表されていません。

インターネット上には「高校生の合格率は○%」という数字も見かけますが、出どころが不明なものは参考にしないほうが安全です。この記事では、根拠のない数字は載せていません。

高校生が合格率を判断するときの目安

高校生が自分の合格可能性を考えるときは、全体の合格率を基準にするのが現実的です。そのうえで、学校で電気の授業や実習を受けられる環境なら、全体より有利に進められる可能性があります。

普通科の生徒は、電気の基礎(オームの法則など)から学ぶ必要があります。ただし、受験資格に差はなく、高校生だから特別に不利というわけではありません。準備の量で差がつきます。

なお、学科と技能の合格率をそのまま掛け合わせても、最終合格率にはなりません。学科免除の受験者なども含まれるためです。あくまで「学科で約6割、技能で約7割が通る試験」と捉えてください。

高校生が合格するための試験内容と勉強スケジュールの立て方

高校生が合格するための試験内容と勉強スケジュールの立て方

合格率が高めとはいえ、試験の中身を知らずに受けると遠回りになります。学科・技能それぞれの特徴を押さえたうえで、高校生活に合った進め方を考えましょう。

学科試験は50問のマークシート方式

学科試験は、電気理論・配線設計・工事方法・法令などから50問が出題されます。合格ラインは60点以上で、過去問と似た問題が多く出る傾向があります。

方式は、会場でパソコンを使うCBT方式と、従来のマークシートによる筆記方式から選べます。CBT方式は期間内に日程を選べるため、定期テストと重ならない日を選びやすいのが利点です。

技能試験は候補問題13問から1問が出題される

技能試験は、実際に電線や器具を使って配線を作る実技です。出題される問題は事前に公表される候補問題13問のなかから1問だけで、制限時間は40分です。

候補問題は公開されているため、全問を繰り返し練習すれば対策できます。ただし、施工に重大な欠陥があると不合格になります。見た目がきれいでも、ルールどおりに作れているかが問われます。

おすすめの勉強順序は「学科→技能」

最初に学科試験の範囲を固め、合格したら技能試験の練習に入る流れがおすすめです。学科は過去問中心、技能は手を動かす練習が中心と、勉強の性質が異なるためです。

学科試験に合格すれば、技能試験だけに集中できます。学科と技能を別々の回に分けて挑戦できるのは、高校生にとって大きな強みです。

学校生活と両立する年間スケジュールの例

上期(春〜夏)を狙う場合は、年明けから学科の勉強を始め、春に学科試験、夏休み前後に技能の練習に入る形が組みやすいでしょう。夏休みを技能対策に使えるのは大きなメリットです。

下期(秋〜冬)を狙う場合は、夏休みに学科の基礎を固め、秋に学科試験、冬に技能試験を受ける流れになります。この場合、定期テストの時期と重なりやすいため、早めの計画が必要です。

独学と講座・参考書、どちらを選ぶか

学科試験は過去問題集と解説書で独学しやすく、技能試験は工具と練習用の材料を揃えて何度も作る必要があります。独学で進める場合も、技能の練習は材料費がかかる点に注意してください。

工業高校や電気科では、授業や実習で技能の練習ができるケースがあります。部活や学校行事で時間が取れない方は、動画付きの教材や講座を使うのも選択肢です。

高校生が第二種電気工事士を取るメリットと卒業後の進路

高校生が第二種電気工事士を取るメリットと卒業後の進路

高校生のうちに資格を取る意味は、就職や進学で「やる気と基礎力の証明」になる点にあります。工場・製造業を含め、電気の知識が求められる現場は多く、選択肢が広がります。

就職活動で「電気の基礎がある人材」として評価されやすい

第二種電気工事士は、電気設備の工事に必要な国家資格です。高校卒業後に就職する場合、電気系の資格を持っていることは志望動機の裏付けになります。

設備保全や電気保全を募集している工場では、電気の基礎知識がある人材は貴重です。未経験でも「資格を自分で取った」という行動力が評価につながります。

工場の設備保全・ビルメンテナンスなど活躍の場が広い

電気工事士の知識は、工場の生産設備の点検、ビルの設備管理、住宅の電気工事など、幅広い現場で活かせます。特に工場では、設備を止めないための保全担当が常に求められています。

最初は未経験でも、現場で経験を積みながらステップアップしやすい職種です。資格手当を設けている企業もあるため、求人票で待遇を確認しておくとよいでしょう。

資格がないと電気工事はできない

コンセントの増設や配線の交換といった一般住宅などの電気工事は、資格がないと行えません。電気工事士の資格は、仕事として電気工事をするための「入場券」です。

家庭の電気を安全に扱う責任のある資格だからこそ、取得しておけば社会での信頼につながります。

第一種電気工事士へのステップアップもできる

第二種電気工事士に合格したあとは、より大きな電気設備を扱える第一種電気工事士を目指す道もあります。第二種は、電気系の資格を積み上げていく最初の一歩です。

第一種の合格率や難易度は、第一種電気工事士は独学で合格できる?の記事で詳しく解説しています。将来の見通しを持つうえで参考にしてください。

申込から免状交付までの流れと、受験前に知っておきたい注意点

申込から免状交付までの流れと、受験前に知っておきたい注意点

合格したあとにも、免状の交付という手続きがあります。受験前から流れを把握しておくと、慌てずに進められます。

試験の申込は電気技術者試験センターで受け付けている

申込は電気技術者試験センターが受け付けており、受付期間は試験ごとに決まっています。令和8年度下期の場合、2026年8月17日から9月3日までと、約2週間しかありませんでした。

受付期間を過ぎると申込めないため、次の試験を受ける場合は募集開始の時期を早めに確認しておきましょう。

受験料は改定されているため、必ず最新の金額を確認する

受験手数料は令和8年度の試験から改定されたとされています。金額は変更される場合があるため、申込前に公式の受験案内で最新の金額を確認してください。

未成年の場合は、受験料の支払い方法や申込について、保護者の方に事前に相談しておくと安心です。

技能試験に必要な工具は自分で準備する

技能試験では、ペンチやドライバーなど、決められた工具を自分で用意して持ち込みます。工具は、技能試験に使える工具がセットになった製品も販売されています。

学校の実習で使える工具があるかどうかは、事前に先生へ確認しておくと安心です。

合格後は免状の交付申請が必要

試験に合格しても、免状を受け取るまでは電気工事士として仕事はできません。免状の交付は、住民登録のある都道府県に申請します。

手続きの詳細は、お住まいの都道府県のページで確認できます。例として、宮城県の第二種電気工事士免状交付申請のページがあります。

第二種電気工事士を高校生が受けるときのよくある質問

Q. 普通科の高校生でも合格できますか?

A. 合格できます。受験資格に学科の制限はなく、電気科以外の生徒も受験しています。電気の基礎から学ぶ分、準備の時間は余裕をもって確保してください。

Q. 高校生の合格率は公表されていますか?

A. 確認できる範囲では、公表されていません。電気技術者試験センターが発表するのは受験者全体の数字で、令和8年度上期は学科62.2%、技能73.4%です。

Q. 学科と技能は同じ回に受けないといけませんか?

A. 同じ回である必要はありません。学科試験に合格すれば、一定期間は学科が免除されます。学科に合格してから、技能試験の準備に集中する進め方も可能です。

Q. 工業高校を卒業すれば、試験は受けなくてよいのですか?

A. 学科試験が免除される場合がありますが、技能試験は受験が必要です。免除の対象になる課程かどうかは、学校や電気技術者試験センターの案内で確認してください。

まとめ:第二種電気工事士は高校生でも十分に狙える資格

第二種電気工事士は、年齢や学歴の制限がなく、高校生でも受験できる国家資格です。令和8年度上期の合格率は、学科62.2%、技能73.4%でした。

高校生に絞った合格率は公表されていないものの、全体の合格率を見る限り、しっかり準備すれば現実的に合格を狙えます。学科→技能の順で進め、学校生活と両立できるスケジュールを組むことが、合格への近道です。

資格を取ったあとは、工場の設備保全をはじめ、電気の知識を活かせる仕事が広がります。まずは次の試験日程を確認し、過去問に触れるところから始めてみてください。

 

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