第二種電気工事士の技能試験の合格率は、直近の2025年度で71.8%、2026年度上期で73.4%です。学科試験を通過した方の約7割が合格する計算になります。

合格のカギは、作品に「欠陥」がないことと、制限時間の40分以内に仕上げることの2点です。落ちる約3割の多くは、難しい技術が原因ではなく、欠陥の見落としや時間配分のミスです。

この記事では、最新の合格率データと不合格になりやすい原因、一発合格のための練習方法を整理しました。工場勤務の方が資格を活かすポイントもあわせて解説します。

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第二種電気工事士の技能試験の合格率は約7割【2021〜2026年度の推移】

技能試験の合格率の推移

まずは、技能試験の合格率がどのように推移してきたのかを確認しましょう。数字を知っておくと、試験の難しさを現実的にイメージできます。

直近5年の合格率は70〜73%台で安定

技能試験の合格率は、年度合計で見ると毎年70%台前半で推移しています。2021年度から2025年度までの合格率は次のとおりです。

年度 受験者(人) 合格率(%)
2021 116,276 72.8
2022 97,659 72.6
2023 95,337 71.1
2024 94,238 70.3
2025 99,610 71.8

2026年度上期の受験者は58,393人、合格者は42,875人で、合格率は73.4%でした。直近5年でも最も高い水準です。

出典:TAC「第二種電気工事士 合格発表!受験者数・合格率」(電気技術者試験センターの公表データをもとに集計)

上期と下期で合格率は数ポイント変わる

同じ年度でも、上期と下期で合格率に差が出ることがあります。たとえば2023年度は上期が73.2%、下期が68.8%でした。

ただし、差はおおむね1〜4ポイント程度です。どの時期に受けても、約7割が合格する試験と考えて問題ありません。時期を選ぶより、準備の質を高めるほうが合格に直結します。

学科試験より技能試験のほうが合格率は高い

第二種電気工事士の試験は、学科試験に合格した方だけが技能試験に進めます。2025年度の合格率を比べると、技能試験のほうが約15ポイント高くなっています。

試験 受験者(人) 合格率(%)
学科 139,087 56.6
技能 99,610 71.8

技能試験は、すでに学習を進めた方が受ける試験です。そのため、合格率が高くなる傾向があります。

学科から通算すると合格者は約4割が目安

学科試験と技能試験の合格率を単純に掛け合わせると、2025年度は約40%です。受験者全体で見れば、最終合格まで進めるのは4割前後という目安になります。

ただし技能試験の受験者には、学科試験の免除者や前回の学科合格者も含まれます。あくまで目安として捉えてください。

学科に合格しても、技能試験で気を抜くと不合格になります。技能試験は準備を重ねた分だけ結果に出る試験です。

技能試験の内容と合格基準|候補問題13問から1問出題・制限時間40分

技能試験の内容と合格基準

技能試験は、実際に電線や器具を使って配線作品を完成させる実技試験です。試験の形式を先に押さえておくと、練習の方向性がはっきりします。

配線図から作品を組み立てる実技試験

技能試験では、与えられた配線図をもとに、その場で支給される材料を使って作品を仕上げます。使う工具は、受験者が自分で持参します。

学科試験に合格した方、または学科試験の免除を受けた方だけが受験できます。試験の詳細は、電気技術者試験センターの公式ページで確認できます。

出題は事前公表の候補問題13問から1問

技能試験の問題は、事前に公表される候補問題No.1〜No.13の中から1問が出題されます。何が出るかは当日までわかりませんが、13問のどれかであることは確実です。

つまり、13問すべてを練習しておけば、未知の問題に出会うことはありません。この点が、技能試験の合格率が高い大きな理由です。

合格基準は「欠陥がない」ことと「時間内に完成」

合格のための条件はシンプルです。作品に欠陥がなく、制限時間の40分以内に完成させることです。

点数で競う試験ではないため、他の受験者との比較は関係ありません。欠陥が1つでもあれば不合格になるため、「ほぼできた」では合格できない点に注意が必要です。

令和8年度下期の試験日程

令和8年度下期の学科試験は、筆記方式が2026年10月25日(日)です。CBT方式は2026年9月24日(木)から11月8日(日)の期間で実施されます。

技能試験は、2026年12月12日(土)または13日(日)の予定です。学科試験の合格発表から技能試験まで時間は多くありません。学科の自己採点で合格圏内と見込めたら、早めに技能の準備を始めましょう。

技能試験で不合格になる4つの原因|約3割が落ちる理由

不合格になる4つの原因

約3割の方が不合格になる理由を知っておけば、同じ失敗を避けられます。代表的な原因は次の4つです。

原因1:欠陥の見落とし

最も多いのが、欠陥による不合格です。電線の被覆をむく際に心線に傷をつけてしまう、圧着のサイズや刻印を間違える、器具のねじ締めが甘いといったミスが典型例です。

欠陥の判断基準は、電気技術者試験センターが公開しています。練習のときから基準に照らして自分の作品を確認する習慣をつけましょう。

原因2:複線図や結線の間違い

配線図から複線図を正しく描けないと、結線そのものを間違えてしまいます。たとえばスイッチとランプの接続先を取り違えると、動作しない作品になり、不合格です。

複線図は、施工の「設計図」にあたります。複線図のミスは、作業を始める前の段階で結果が決まってしまう点に注意してください。

原因3:時間切れで未完成

制限時間は40分です。練習では余裕があっても、本番は緊張で手が止まりがちです。時間内に完成しなければ、それだけで不合格になります。

難しい問題ほど作業が多く、時間をかけすぎる傾向があります。練習の段階から、時間を計って作業することが欠かせません。

原因4:工具の不備や使い慣れていない

工具は自分で持参するため、不具合があると作業がスムーズに進みません。新品の工具を試験直前に初めて使うと、手になじまず、ミスや時間ロスにつながります。

工具は早めに購入し、本番と同じ工具で練習しましょう。使い込むことで、作業スピードも自然に上がります。

一発合格を目指す対策|工具・練習量・時間配分のポイント

一発合格を目指す対策

原因が見えたところで、具体的な対策に移りましょう。ポイントは「道具」「練習」「時間」の3つです。

必要な工具を早めにそろえる

技能試験に必要な主な工具は、ペンチ、ドライバー、電工ナイフ、ウォーターポンププライヤ、スケール、リングスリーブ用の圧着工具などです。ケーブルストリッパを使うと、被覆むきの作業が安定します。

持参できる工具の条件は、受験案内に定められています。最新の受験案内で指定を確認してから購入すると、無駄な買い物を防げます。工具と材料がセットになった練習用キットも市販されています。

候補問題13問を繰り返し練習する

候補問題は、電気技術者試験センターのサイトで公表されます。13問すべてに目を通し、できれば全問を最低2周することを目安にしましょう。

1周目はゆっくり正確に、2周目以降は時間を計って取り組みます。同じ作業を繰り返すことで、手順が体に染み込みます。

複線図を素早く正確に描けるようにする

複線図は、練習の初期から身につけたいスキルです。描き方のルールを覚えれば、どの候補問題でも同じ手順で描けるようになります。

最初は時間がかかっても、複線図は2〜3分で描き切ることを目標にしましょう。ここで迷わなくなると、作業全体のスピードが大きく上がります。

本番の時間配分を決めておく

40分を有効に使うには、あらかじめ配分を決めておくことが有効です。たとえば、複線図に5分、施工に28分、見直しに7分という目安が考えられます。

最後の見直しでは、欠陥につながりやすい箇所を重点的に確認します。圧着の刻印、器具の締め付け、心線の露出などを順にチェックしましょう。

工場勤務で第二種電気工事士は活かせる?取得後のキャリア

工場での資格の活かし方

資格を取ったあと、どう活かせるのかも気になるところです。工場で働く方にとって、第二種電気工事士は選択肢を広げてくれる資格です。

設備保全・メンテナンス職で評価されやすい

工場の設備保全やメンテナンスの仕事では、電気の知識を持つ人材が求められます。配線や電源まわりの作業に対応できると、任せられる仕事の幅が広がります。

電気工事の資格が必要な作業を、自分で担当できるようになることは大きな強みです。未経験から保全職を目指す際にも、アピール材料になります。

資格手当や待遇に反映されることも

企業によっては、資格取得に応じて手当が支給されたり、昇給や昇格の条件になったりします。金額や制度は会社ごとに異なるため、求人票や面接で確認することが大切です。

資格そのものが、書類選考や面接で評価される材料になるのも利点です。20代・30代のうちに取得しておくと、キャリアの選択肢が増えます。

働きながら取得するためのスケジュールの立て方

仕事と両立する場合は、学科試験と技能試験の間隔を意識して計画を立てましょう。学科の勉強中から、技能で使う複線図や工具の確認を並行して進めると、後半が楽になります。

平日は短時間の学習、休日にまとまった施工練習というリズムが続けやすい方法です。技能の練習は、休日に時間を確保するのがおすすめです。

資格取得を支援してくれる職場を選ぶ

勉強時間や受験費用の負担を減らしたい場合は、資格取得支援のある職場を選ぶ方法があります。受験料の補助や、勉強時間への配慮がある企業もあります。

求人を探すときは、資格取得支援の有無や、保全・電気関連の仕事内容を確認しましょう。働きながらステップアップしやすい環境かどうかが、判断基準になります。

第二種電気工事士の技能試験に関するよくある質問

Q. 技能試験の合格率は何%ですか?

A. 直近の2025年度は71.8%、2026年度上期は73.4%です。約7割の方が合格しています。ここ数年は、70%台前半で安定しています。

Q. 技能試験で落ちる人の特徴は?

A. 欠陥の見落としや時間切れで落ちる方が多いです。練習不足のまま本番を迎えると、手順の抜けや作業の遅れにつながります。候補問題を時間を計って練習することが、最も有効な対策です。

Q. 技能試験に落ちた場合、学科試験は免除されますか?

A. 一定の条件のもとで、次回以降の学科試験が免除される制度があります。免除の条件や手続きは年度によって確認が必要です。電気技術者試験センターの公式ページで最新情報をご確認ください。

Q. 技能試験の練習は何回くらい必要ですか?

A. 人によって差はありますが、候補問題13問を最低2周する方法が一つの目安です。全問を一通り練習すれば、本番で初見の問題に出会うことはありません。苦手な問題は、重点的に繰り返しましょう。

Q. 工具は何を用意すればいいですか?

A. ペンチ、ドライバー、電工ナイフ、ウォーターポンププライヤ、スケール、圧着工具などが基本です。工具の条件は最新の受験案内に従ってください。練習用のキットを利用すると、材料と工具を効率よくそろえられます。

まとめ:技能試験は対策すれば合格できる試験です

第二種電気工事士の技能試験の合格率は約7割で、準備をした方が着実に合格できる試験です。最後に、記事のポイントを整理します。

  • 2025年度の合格率は71.8%、2026年度上期は73.4%
  • 候補問題13問から1問が出題され、制限時間は40分
  • 合格には「欠陥がないこと」と「時間内の完成」が必要
  • 不合格の主な原因は、欠陥の見落とし・結線ミス・時間切れ・工具の不備
  • 13問を時間を計って練習し、本番の時間配分も決めておく

技能試験は、練習した分だけ結果に表れる試験です。資格を取得すれば、工場での設備保全や電気関連の仕事など、キャリアの選択肢も広がります。まずは候補問題の練習から始めてみましょう。

 

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