「物流」と「倉庫」は求人票で似たような意味で使われがちですが、実際の仕事内容には明確な違いがあります。

倉庫の仕事が商品の「保管」を中心とするのに対し、物流の仕事は入荷から出荷までの一連の流れを担う点が大きな特徴です。

この記事では、物流と倉庫それぞれの仕事内容、必要な資格、年収の違いを具体的に解説します。転職先を選ぶ際の判断材料としてお役立てください。

物流と倉庫はどう違う?定義と役割をわかりやすく解説

物流と倉庫、そもそも何が違う?

まずは「物流」と「倉庫」という言葉が指す範囲の違いを整理しましょう。混同されがちですが、担う役割はそれぞれ異なります。

物流の仕事とは?モノを届けるまでの一連の流れ

物流とは、商品を生産者から消費者・取引先まで届けるための一連の活動を指します。輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報管理という6つの機能を含む、幅広い概念です。

求人でいう「物流の仕事」は、この中でも入荷・仕分け・出荷手配・配送手配など、モノの流れそのものを管理・実行する業務を指すことが一般的です。

倉庫の仕事とは?保管を中心とした業務

倉庫は、物流機能のうち「保管」に特化した施設です。倉庫の仕事は、入荷した商品を適切に管理し、必要なタイミングで正確に取り出せる状態を保つことが中心になります。

倉庫作業は「保管」、物流はそれに加えて「入出荷・仕分け・配送手配」までを含む点が最大の違いです。

物流センターと倉庫、施設としての違い

物流を担う代表的な施設が「物流センター」です。物流センターは保管だけでなく、入荷・仕分け・流通加工・検品・出荷までを一括で行う拠点で、出入口が多く荷物の出入りが頻繁という特徴があります。

一方の倉庫は、商品の保管が主な目的のため、出入口が限定的で、荷物の出入り頻度も物流センターほど多くありません。出典:SBフレームワークス株式会社

求人票で「物流」「倉庫」が混同されやすい理由

実際の求人票では、倉庫内で行う業務の一部が「物流の仕事」と表記されているケースも少なくありません。同じ施設内でも、保管中心の作業か、入出荷まで含む作業かで担当業務が変わるため、応募前に業務内容をよく確認することが大切です。

【比較表】物流と倉庫、仕事内容の違いを一覧でチェック

仕事内容はここが違う!

ここからは、物流と倉庫、それぞれの具体的な仕事内容を比較しながら見ていきましょう。

物流の主な仕事内容(入荷・仕分け・出荷手配など)

物流の仕事では、次のような業務を幅広く担当します。

  • 入荷した商品の受け入れ・検品
  • 配送先ごとの仕分け作業
  • 出荷伝票の作成・配車手配
  • 在庫管理システムへの入力
  • トラックドライバーとの荷受け・荷渡し

物流拠点の規模によっては、フォークリフトを使った荷役作業や、複数の配送業者との調整業務も発生します。配車手配や在庫管理システムへの入力など、判断力が求められる業務が含まれる点も倉庫作業との違いです。

倉庫の主な仕事内容(保管・ピッキング・検品・棚卸)

倉庫の仕事は、次のような保管に関連する業務が中心です。

  • 商品を棚や決められた場所に格納する「入庫作業」
  • 注文に応じて商品を取り出す「ピッキング」
  • 数量や状態を確認する「検品」
  • 在庫数を実際に数えて記録と照合する「棚卸」

ピッキングは倉庫作業の中でも件数が多く、未経験者が最初に任されやすい業務のひとつです。

物流・倉庫の両方に共通する業務

物流・倉庫のどちらの現場でも、正確さとスピードの両立が求められる点は共通しています。誤出荷や検品ミスは取引先からの信頼低下に直結するため、細かい作業でも丁寧さが重視されます。

未経験者がまず任されやすい業務

未経験から物流・倉庫業界に入る場合、最初はピッキングや検品、梱包など、マニュアル化されたシンプルな作業から任されるケースがほとんどです。慣れてくると、リフト作業や配車手配など、判断力が求められる業務にステップアップしていきます。

物流と倉庫で役立つ資格・スキルの違いとは

役立つ資格をチェック

物流・倉庫どちらの仕事も資格なしで始められる求人は多くありますが、資格を持っていると任される業務の幅が広がり、給与アップにもつながります。

物流の仕事で役立つ資格(フォークリフト・運行管理者など)

物流の仕事、特に配送・配車業務に関わる場合は、以下の資格が役立ちます。

  • フォークリフト運転技能講習修了証
  • 普通・中型・大型自動車運転免許
  • 運行管理者(貨物)

運行管理者は、緑ナンバーの運送事業者が事業所への配置を義務付けられている資格です。受験には1年以上の実務経験、または国土交通大臣認定の基礎講習修了が必要で、試験は選択式30問、合格ラインは6割程度とされています。出典:Hacobu

試験日程や受験申請の詳細は運行管理者試験センターの公式サイトで確認できます。

倉庫の仕事で役立つ資格(フォークリフト・危険物取扱者など)

倉庫の仕事では、以下の資格が業務の幅を広げます。

  • フォークリフト運転技能講習修了証
  • 玉掛け技能講習
  • 危険物取扱者(薬品・化学製品を扱う倉庫の場合)

フォークリフトの資格は、都道府県労働局長登録教習機関で学科・実技講習を受講し、修了試験に合格すると取得できます。所持免許によって講習時間は異なりますが、最短11時間から取得可能です。出典:CIC日本建設情報センター

資格なしでも始めやすい求人の見分け方

求人票に「未経験歓迎」「資格不問」と記載されている案件は、ピッキングや仕分けなど、資格がなくてもすぐに始められる業務が中心です。入社後に会社負担でフォークリフト資格を取得できる求人も多いため、資格取得支援の有無もあわせてチェックすると安心です。

未経験からのキャリアアップステップ

未経験からのキャリアは、ピッキング・検品などの現場作業からフォークリフト等の資格取得を経て、リーダー・現場管理へ進むのが一般的な流れです。物流の場合はここに配車管理や運行管理者資格の取得が加わり、管理職への道が開けます。

物流と倉庫、給与や働き方はどう違う?

年収・働き方の違いは?

最後に、気になる年収や働き方の違いを見ていきましょう。

物流・倉庫の平均年収を比較

求人ボックス給料ナビの集計によると、倉庫作業の平均年収は430万円、倉庫内作業は440万円です。出典:求人ボックス 給料ナビ

一方、物流の配送業務に関わるトラックドライバーの平均年収は、中小型トラックで434万〜449万円、大型トラックで507万円程度とされ、車両の大きさや取得資格によって差が出ます。

職種 平均年収(万円)
倉庫作業 約430
倉庫内作業 約440
中小型ドライバー 434〜449
大型ドライバー 約507

雇用形態(正社員・派遣・アルバイト)による違い

倉庫の仕事は、アルバイト・派遣から始めやすい求人が豊富です。一方、物流の配車・運行管理に関わる業務は、正社員採用が中心となる傾向があります。

派遣・アルバイトから正社員登用を行っている企業も多いため、まずは現場を知ってから正社員を目指すという選び方も可能です。

勤務時間・シフトの違い

倉庫は24時間稼働の物流拠点も多く、日勤・夜勤の2交代・3交代制シフトが組まれることが一般的です。物流の配送業務は、早朝出発や長距離輸送によって拘束時間が長くなる場合があります。

将来性・キャリアパスの違い

ネット通販の拡大にともない、物流・倉庫業界全体の需要は今後も底堅く推移すると見込まれています。倉庫作業からリーダー・管理者へ、物流の配車担当から運行管理者・拠点責任者へと、それぞれ異なるキャリアパスを描けるのが特徴です。

物流と倉庫の違いに関するよくある質問

物流と倉庫、どちらが未経験でも働きやすいですか?

どちらも未経験歓迎の求人は多くありますが、保管中心の倉庫業務(ピッキング・検品など)は覚える工程がシンプルなため、比較的取り組みやすい傾向があります。慣れてきたら物流側の業務に挑戦するという進み方もおすすめです。

物流の仕事にはどんな資格が必須ですか?

業務内容によって異なりますが、必須資格がない求人も多くあります。配送業務ではフォークリフトや運転免許、運行管理者資格があると任される業務の幅が広がり、給与面でも有利になりやすいです。

倉庫作業員から物流の仕事へキャリアチェンジできますか?

可能です。倉庫でのピッキング・検品経験を積んだ後、フォークリフト資格を取得し、配車・仕分けなど物流側の業務へステップアップするケースは多く見られます。

まとめ

物流と倉庫は密接に関わり合いながらも、担う役割は異なります。倉庫は「保管」、物流は「入荷から出荷までの一連の流れ」を担う仕事です。

それぞれの仕事内容・必要資格・年収の違いを理解したうえで、自分に合った働き方を選びましょう。

工場・製造業で、あなたのキャリアを次のステージへ。

工場・製造業での転職やキャリアアップをお考えなら、 工場・製造業に特化した、完全無料の転職支援サービス 「ジョブハウスエージェント」をご利用ください。 業界に精通したアドバイザーが、経験や希望条件に合わせて最適な求人をご提案します。

著者:ジョブハウス工場 編集部

工場・製造業に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス工場」編集部です。工場・製造業の仕事内容や待遇、期間工・派遣など、幅広い情報を現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。

あわせて読みたい関連記事