フォークリフトには複数の種類があり、現場や用途によって使い分けられています。「カウンター式とリーチ式の違いがわからない」「電動とエンジン、どちらが自分の職場に合うの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、フォークリフトの種類と違いを形状・動力・資格の観点から徹底解説します。現在フォークリフトを扱う仕事をしている方はもちろん、これから工場・倉庫への転職を検討している方にも役立つ内容をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。

フォークリフトの2大種類「カウンター式」と「リーチ式」の違い

カウンター式とリーチ式の違い

フォークリフトの種類を語るうえで、まず押さえておきたいのが「カウンターバランスフォークリフト(カウンター式)」と「リーチフォークリフト(リーチ式)」という2大タイプです。この2つは日本の工場・倉庫で最も多く使われており、違いを理解しているかどうかで仕事の効率や転職の幅が大きく変わります

カウンターバランスフォークリフトの特徴と主な用途

カウンターバランスフォークリフトは、車体後部に「カウンターウェイト(おもり)」を搭載したタイプで、日本で最も普及しているフォークリフトです。前方のフォークで荷物を持ち上げた際のバランスを、後部のウェイトで保つ仕組みになっています。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 安定性が高く、重い荷物(1〜5トン超)でも安定して運搬できる
  • 屋外や広い通路でも走行しやすい
  • 3輪タイプと4輪タイプがあり、用途に応じて選べる
  • エンジン式・電動式の両方がラインナップされている

主な使用場所は、工場の製造ライン、屋外の資材置き場、港湾や建設現場などです。荷物が重く、広いスペースを使える環境に適しています。

リーチフォークリフトの特徴と主な用途

リーチフォークリフトは、フォーク(爪)が前方に「リーチ(伸縮)」する機能を持つタイプです。車体がコンパクトで、狭い通路でも小回りが利くことが最大の強みです。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 車体が小さく、狭い通路での走行・棚入れに優れている
  • 高所へのパレット積み上げ(5〜10メートル以上)が得意
  • 立ち乗り操作が基本(座乗タイプもあり)
  • ほぼ電動(バッテリー)式のみのラインナップ

主な使用場所は、自動倉庫、高層ラックの倉庫、物流センターなどです。スペースの効率化が求められる環境で力を発揮します。

カウンター式とリーチ式、現場での使い分け

カウンター式とリーチ式の主な違いを一覧で整理すると、下表のようになります。

比較項目 カウンター式 リーチ式
車体サイズ 大型 小型
必要通路幅 3m以上 1.5〜2m程度
積載荷重 1〜10トン以上 1〜3トン程度
揚高 3〜5m程度 5〜10m超も可
主な用途 製造・屋外・港湾 倉庫・物流
動力 エンジン/電動 ほぼ電動のみ

2つのタイプは「競合」ではなく「役割分担」が基本です。広い工場ではカウンター式、棚が高く通路が狭い倉庫ではリーチ式、というように現場の条件によって使い分けます。

運転難易度の違い:初心者はどちらから始めるべきか

フォークリフト初心者にとって、カウンター式とリーチ式ではどちらが扱いやすいかというと、一般的にはカウンター式のほうが入門しやすいとされています。

カウンター式は座って操作できるため体への負担が少なく、感覚的に自動車の運転に近い動きです。一方、リーチ式は立ち乗りが基本で、フォークを前方に伸ばす操作や狭い通路での旋回が加わるため、慣れるまでに時間がかかります。

どちらも基本的には同じ「フォークリフト運転技能講習」の資格で操作できます。まずカウンター式で基礎を身につけ、リーチ式にステップアップするキャリアパスを取る方が多いです。

動力源による違い:エンジン式・電動式のメリット・デメリット比較

エンジン式と電動式のメリット・デメリット比較

フォークリフトは形状だけでなく、動力源によっても種類が分かれます。大きく分けると「エンジン式」と「電動(バッテリー)式」の2つです。動力の違いは、使える場所・維持費・作業環境に大きな影響を与えるため、転職先を選ぶ際にも知っておきたいポイントです。

エンジン式(ガソリン・ディーゼル・LPG)の特徴

エンジン式フォークリフトは、内燃機関を動力源とするタイプで、燃料の種類によってさらに3種類に分かれます。

ガソリン式は燃料補充が手軽で、比較的小型の機種に多く使われます。出力の調整がしやすい反面、燃料コストはやや高めです。

ディーゼル式は大型機種に多く採用されており、トルクが強く重い荷物の運搬に向いています。燃料コストが安く耐久性も高いため、港湾・建設現場などで活躍します。

LPG(液化石油ガス)式は排気ガスが比較的クリーンなため、半屋外の工場など「屋内ではないが換気が十分でない」環境でよく使われます。ガスボンベを交換するだけで即座に作業を再開できる点も評価が高いです。

エンジン式全般として、長時間稼働・屋外使用に強い一方、排気ガスが発生するため屋内使用には換気設備が必要です。

電動(バッテリー)式の特徴

電動式フォークリフトは、バッテリー(蓄電池)を動力源とするタイプです。近年、環境配慮や作業環境改善のニーズを受けて普及が加速しています。

主なメリットは以下のとおりです。

  • 排気ガスがゼロのため、屋内・食品工場・医療施設での使用に適する
  • 騒音が少なく、深夜・早朝の作業にも向いている
  • 振動が少なく、精密機器を扱う現場にも対応できる
  • エンジン式と比べてメンテナンス費用が低い傾向にある

一方、デメリットとして、充電時間(数時間〜一晩程度)が必要なこと、バッテリー交換コストがかかること、寒冷地ではバッテリー性能が低下することが挙げられます。最近ではリチウムイオンバッテリーを搭載した機種も増え、充電時間の短縮と長寿命化が進んでいます。

エンジン式 vs 電動式:どちらを選ぶべきか

エンジン式と電動式の違いを比較すると、以下のようになります。

比較項目 エンジン式 電動式
使用環境 屋外・半屋外向き 屋内・クリーン環境向き
排気ガス 発生する ゼロ
騒音 やや大きい 静か
稼働時間 長時間連続可 充電時間が必要
維持費 やや高め 低い傾向

どちらが優れているということではなく、現場の環境・用途・ランニングコストによって選ぶのが正解です。近年は脱炭素の流れを受けて電動式への移行が進む傾向にあります。

動力源の違いで変わる作業環境

動力源の違いは、作業者の日常環境にも直結します。エンジン式が主流の職場では換気が常に必要で、燃料補充のオペレーションも発生します。一方、電動式が主流の職場では充電スケジュールの管理や、バッテリーの扱いに関する知識が求められます。

転職を検討する際に「エンジン式の経験しかない」「電動式は未経験」という状況でも、基本操作は共通しているため短期間で順応できるケースがほとんどです。

カウンター・リーチ以外のフォークリフト種類と特徴

カウンター・リーチ以外のフォークリフト種類と特徴

カウンター式とリーチ式が2大タイプである一方、工場や倉庫にはそれ以外の特殊なフォークリフトも存在します。これらを知っておくことで、転職先の現場で見かけたときに戸惑わずに済み、マルチスキルを身につけるヒントにもなります。

サイドフォークリフト:長尺物の運搬に特化

サイドフォークリフトは、車体の側面にフォークが装備されているタイプで、長尺の資材を運ぶ専門機として知られています。

パイプ・鉄鋼・木材・鋼管など、通常のフォークリフトでは縦に差し込めない長い荷物を、横向きのまま積み込んで走行できます。鉄鋼・製材・建材業界の工場や倉庫で多く使われています。通常幅の通路でも直進しながら棚に横差しできる点が最大の強みです。

ウォーキーフォークリフト:狭所・小型倉庫向け

ウォーキーフォークリフト(電動パレットトラックとも呼ばれます)は、オペレーターが乗り込まず歩きながら操作するタイプです。

1トン未満の小型荷物を低い高さで移動させるのに使われ、狭い倉庫・小売のバックヤード・スーパーの搬入口などで活躍します。操作がシンプルなため、フォークリフト資格(特別教育)を取得した方が最初に使うケースも多い機種です。

オーダーピッキングトラック:高所からのピッキング作業

オーダーピッキングトラックは、オペレーター自身が荷物と一緒に上昇し、高い棚から直接ピッキングできるタイプです。大型物流センターや自動倉庫で使われており、EC(ネット通販)の急成長を背景に需要が拡大しています。

通常のリーチフォークリフトと異なり、人が荷物と同じ高さまで上がれるため、精度の高いピッキング作業が可能です。

特殊フォークリフトが活躍する職場

特殊フォークリフトが使われる職場は、扱う荷物や倉庫の構造によって分かれます。

  • 鉄鋼・製材・建材系の工場 → サイドフォークリフト
  • 小売・食品・ドラッグストアの物流センター → ウォーキーフォークリフト
  • 大型EC物流・通販倉庫 → オーダーピッキングトラック

転職先でどの種類のフォークリフトを使うか事前に確認しておくと、業務をよりスムーズに覚えられます。

フォークリフトの資格と種類の関係:どの免許で何が乗れる?

フォークリフトの資格と種類の関係

フォークリフトを仕事で扱うには、法律で定められた資格が必要です。「種類によって資格が違う」と思い込んでいる方も多いですが、実際には最大荷重によって区分が決まります。ここでは資格とフォークリフトの種類の関係を整理します。

フォークリフト運転技能講習(最大荷重1トン以上)

最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、「フォークリフト運転技能講習」の修了証が必要です。この資格を取得すれば、カウンター式・リーチ式・サイド式など、最大荷重1トン以上のフォークリフト全般を操作できます

講習の概要は以下のとおりです。

  • 学科:走行装置・荷役装置の構造と取扱い、関係法令など
  • 実技:走行の操作、荷役の操作
  • 所要日数:一般的に4〜5日間(所持免許・経験により短縮あり)
  • 受講費用:2〜5万円程度(スクールや地域によって差がある)

出典:厚生労働省 – 安全衛生関係主要様式・技能講習

フォークリフト特別教育(最大荷重1トン未満)

最大荷重1トン未満のフォークリフト(小型フォークリフト)を運転する場合は、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受ける必要があります。

  • 学科:安全作業の方法、走行・荷役装置の構造など(6時間以上)
  • 実技:走行操作・荷役操作(6時間以上)
  • 所要日数:2〜3日間
  • 費用:1〜2万円程度

ウォーキーフォークリフトは1トン未満であることが多く、この特別教育で対応できるケースが多いです。

資格取得にかかる費用・日数の目安

資格区分 日数 費用目安
技能講習(1t以上) 4〜5日 2〜5万円
特別教育(1t未満) 2〜3日 1〜2万円

費用は受講するスクールや地域によって変わります。また、雇用保険の被保険者で一定の条件を満たす場合、「教育訓練給付金制度」により受講費用の20%(上限10万円)が支給されることがあります。詳細は厚生労働省の公式ページでご確認ください。

資格を活かした転職でキャリアアップする方法

フォークリフトの技能講習修了証は、一度取得すれば期限なしで使用できる「一生もの」の資格です。工場・倉庫・物流業界では即戦力として評価されるため、未経験からでも就業しやすいポジションに就きやすくなります。

さらに、カウンター式・リーチ式・サイド式など複数の機種を扱えるようになると、より幅広い求人に応募できます。経験を積みながら扱える機種を増やしていくと、給与アップや正社員転換につながるケースも多いです。

フォークリフトの種類別・現場別の選び方と仕事活用法

現場別の選び方と仕事活用法

種類と資格の知識を身につけたら、次は実際の職場でどう活かすかです。現場によって主流のフォークリフトが異なるため、転職先を選ぶ際の参考にしてください。

工場・製造業での主流はカウンター式

工場・製造業では、カウンター式(特にエンジン式)が主流です。重い原材料や完成品を屋外・屋内問わず運搬する必要があるためです。大型の部品・製品を1〜5トン以上の荷重で扱うケースも多く、安定性の高いカウンター式が適しています。

自動車製造・鉄鋼・化学・食品工場など、多様な製造現場でカウンター式が活躍しています。

物流・倉庫ではリーチ式が強い

物流センターや倉庫業では、リーチ式の需要が高いです。限られた敷地に多くの荷物を保管するため、通路が狭く棚が高い設計が多く、リーチ式の特性が活きます。

大型EC関連倉庫や3PL(3者物流)の大型物流センターでは、リーチ式が標準的な設備になっています。物流系の転職を考えている方は、リーチ式の経験・資格を重点的にアピールすると効果的です。

複数種類を扱えると転職市場での価値が上がる

「カウンター式+リーチ式」の両方を扱えると、工場でも倉庫でも対応できるため求人の幅が大きく広がります。フォークリフトオペレーターとして市場価値を高めるには、1種類だけでなく複数のタイプを扱った経験が大きなアドバンテージになります。

経験を積みながら扱える機種を増やしていくことで、より好条件の職場への転職がしやすくなります。

フォークリフト経験を活かせる求人の見つけ方

フォークリフト経験者が求人を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 使用するフォークリフトの種類(カウンター式/リーチ式/その他)
  • 動力源(エンジン式か電動式か)
  • 最大荷重(資格区分の確認)
  • 扱う荷物の種類・重さ

工場・製造業に特化した求人サービスを活用することで、フォークリフト経験者が優遇される求人を効率よく探せます。

フォークリフトの種類についてよくある質問

Q. カウンター式とリーチ式は同じ資格で運転できますか?

はい、どちらも「フォークリフト運転技能講習」の修了証があれば運転できます。最大荷重1トン以上であれば種類(カウンター・リーチ・サイドなど)を問わず同じ資格で対応可能です。「カウンター式の資格を持っているがリーチ式は乗れない」という心配は不要です。

Q. 電動フォークリフトとエンジン式フォークリフトは、資格の種類が違いますか?

いいえ、動力源による資格の区別はありません。最大荷重が1トン以上かどうかのみで、必要な資格(技能講習 or 特別教育)が決まります。エンジン式でも電動式でも同じ修了証で運転できます。

Q. フォークリフトの資格は何日で取れますか?

最大荷重1トン以上の技能講習であれば4〜5日が一般的です。普通自動車免許や小型フォークリフト特別教育の受講経験がある場合は一部講習が免除され、3〜4日で修了できるコースもあります。1トン未満の特別教育は2〜3日程度で完了します。

Q. 工場と倉庫ではどちらのフォークリフトを使うことが多いですか?

工場(製造業)ではカウンター式が主流で、倉庫・物流センターではリーチ式の割合が高くなります。ただし1つの職場で両方を使うケースも珍しくないため、両方の経験を積んでおくとキャリアの幅が広がります。

まとめ:フォークリフトの種類と違いを理解してキャリアを広げよう

この記事では、フォークリフトの種類と違いを以下の観点から解説しました。

  • カウンター式とリーチ式の形状・用途・難易度の違い
  • エンジン式と電動式の動力源別メリット・デメリット
  • サイド式・ウォーキー・ピッキングトラックなど特殊フォークリフトの特徴
  • 技能講習と特別教育の資格区分と費用・日数
  • 現場別・種類別の選び方と転職への活かし方

フォークリフトの資格は一度取れば一生使える強みになります。カウンター式とリーチ式の両方を扱えるようになることで、工場・倉庫・物流と幅広い現場で活躍できるオペレーターになれます。

現在の仕事にフォークリフトが含まれている方も、これから資格取得を目指す方も、種類の特徴を理解したうえで転職や仕事選びに活かしてください。

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著者:ジョブハウス工場 編集部

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