期間工といえば、短期間だけの勤務なのにしっかり稼げるのが魅力とされています。今回はそんな期間工として働きたい方におすすめの資格を9つ紹介します。

また資格を取ることのメリットについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

期間工に資格は必須?

「でも、期間工って資格を取らなくても働けるんじゃないの?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。結論から申し上げますと、ご存じの通り、期間工として働くために資格は必須ではありません。ただ他の職種もそうであるように、資格を持って期間工の仕事に臨むと、収入面やキャリアの面で嬉しいメリットがあるのです。

期間工で資格を取るメリット

期間工の仕事に就くのに資格は不要ですが、資格を持ちつつ期間工の仕事に就くと良いことがあるとお伝えしました。具体的にどんなメリットがあるのかご紹介していきます。

資格手当で収入が上がる

期間工の仕事というと、ライン作業で部品などを組み立てているイメージが強いかもしれません。しかし期間工の仕事はそれ以外にも、部品を運搬する業務や、溶接・塗装・検査といった作業があり、資格がないと従事できない作業や工程もあるのです。例えばフォークリフトを使って重量物を運搬する作業は、フォークリフトの資格を持っている人が行います。また溶接の資格をもっている場合には、溶接の工程を担当することが可能です。

こうした資格を持っている人には毎月の給料とは別で資格手当が支給される場合が多いため、その分収入アップが見込めます。

正社員登用されやすくなる

期間工が働くメーカーの多くは正社員登用制度を設けています。そのため勤務日数などの諸条件をクリアし、正社員登用試験に合格すれば、期間工から正社員になることができます。正社員登用自体に資格は必須ではありませんが、業務に活かせる資格を持っていれば、正社員登用の選考の際に大きなアドバンテージとなるでしょう。

また資格を取得することで従事できる業務の幅が広がるため、正社員登用後の待遇面やポジション面でも優遇される可能性が高くなります。

転職しやすい

資格を取っておくとある一定の知識や技術を身につけた人材として企業から評価されます。そのため期間工の仕事に従事し、その後転職をするというときにも転職先の幅を広げられます。新しいキャリアを築く際にも役立つので、資格の取得は長い目で見てもメリットがあるのです。

期間工におすすめの資格

それでは、期間工として働く際にどのような資格が役立つのでしょうか?詳しくご説明していきます。

フォークリフト

重い荷物をフォークリフトで運ぶ際に必要となるフォークリフトの運転免許は、多くの製造現場で求められる資格です。資格をお持ちの方なら分野問わずさまざまな工場で活躍できるでしょう。

ちなみに、フォークリフトの運転免許には最大積載荷重が「1トン以上」と「1トン未満」の2区分があります。最大積載荷重1トン未満のフォークリフトの場合、「フォークリフト運転特別教育」という講習を受けることで運転が可能になりますが、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトで作業する際は「フォークリフト運転技能修了書」の資格の取得が必要です。教習所などで「フォークリフト運転技能講習」を受講したあとに学科・実技の修了試験に合格すると取得できます。

溶接

素材を溶かしつなぎ合わせる溶接の仕事は熱を用いる作業になるため、溶接機械の操作方法や注意事項をしっかり把握し、慎重に作業を行う必要があります。だからこそ資格取得者だけができる仕事なのです。そんな溶接の種類はフォークリフト以上に様々な種類があります。今回は初心者向けの資格であり、自動車工場などで役立つ「ガス溶接」「アーク溶接」の資格をご紹介します。

ガス溶接の作業に携わる場合、「ガス溶接技術者」の資格を取得する必要があるようです。まずボイラー・クレーン安全協会などが実施する「ガス溶接技能講習」を受講してから学科試験に合格すると取得できます。

アーク溶接の作業に携わる場合は「アーク溶接作業者」の資格を取得する必要があるようです。ボイラー・クレーン安全協会などが実施する「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受講すれば、修了試験なしで取得できます。

玉掛け

玉掛けとは、重い荷物をクレーンで持ち上げる際に、荷物をフックにかけたり外したりする作業のことを表します。大型クレーンを使った玉掛け作業には資格が必要です。玉掛けの資格は「クレーンの制限荷重が1トン以上」と「クレーンの制限荷重が1トン未満」の2区分に分けられます。

制限荷重1トン以上の大型クレーンを使って玉掛け作業を行う場合は、労働安全衛生法にもとづく「玉掛け技能講習」の取得(受講)が必要です。クレーン教習所などで講習を受講したあとに修了試験に合格すると取得できます。

一方、制限荷重1トン未満のクレーンを使用した玉掛け作業の場合は、必ずしも資格が必要となるわけではありません。ただ、労働安全規則にもとづく「玉掛け特別教育」の取得(受講)が推奨されています。こちらについてはクレーン教習所などで講習を受講すれば、修了試験なしで取得することが可能です。

電気工事士

電気工事士とは、ビルや工場、一般住宅などの電気工事をする際に必要な資格のことです。資格は「第一種」と「第二種」の2区分があり、下記のように取り扱えるKW数やV数が異なります。

  • 第一種:第二種の範囲プラス最大500KW未満の工場・ビルなどの設備工事
  • 第二種:600V以下で受電する一般住宅・店舗などの設備工事

電気工事士の資格は第一種・第二種ともに電気技術者試験センターが実施する一時試験(筆記)と二次試験(実技)に合格することで取得できます。

危険物取扱者

危険物取扱者の資格は消防法に基づく危険物の取り扱いや、危険物を取り扱う現場に立ち会う際に必要となります。特に自動車工場や化学工場などでは、消防法に規定された危険物(ガソリンや化学物質など)を貯蔵していることが多いです。そのため危険物を取り扱う業務はなくてはならない仕事と言えます。

危険物取扱者の資格には「甲種」「乙種」「丙種」の3区分があり、それぞれ扱える物質や作業範囲が異なるようです。今回は工場などの実務で役立つ乙種をご紹介します。危険物取扱者「乙種」は取り扱いと立ち会いが可能な物質により、以下の区分に分けられているようです。

  • 第1類(酸化性個体)
  • 第2類(可燃性個体)
  • 第3類(自然発火性物質・禁水性物質)
  • 第4類(引水性液体)
  • 第5類(自己反応性物質)
  • 第6類(酸化性液体)

乙種の資格は、全国各地の消防試験研究センターが行う筆記試験に合格することで取得できます。第1類から第6類までの資格はそれぞれ独立しているので、各資格を別々に受験・取得することが必要です。

クレーン・デリック

クレーン・デリック運転士免許とは、つり上げ荷重が5トン以上の各種クレーン、デリックを運転するために必要な資格です。大型の資材を用いる現場では欠かせない資格となります。クレーン・デリック運転士免許には「床上運転式クレーン限定」、「クレーン限定」、「限定なし」の3区分があります。運転できるクレーンの種類は区分によって異なるようです。

  • 床上運転式クレーン限定:吊り上げ荷重5トン以上の床上運転式クレーンの運転業務
  • クレーン限定:吊り上げ荷重5トン以上を含む全てのクレーンの運転業務
  • 限定なし:吊り上げ荷重5トン以上を含む全てのクレーン・デリックの運転業務

クレーン・デリック運転士免許(各種)は、全国各地の安全衛生技術センターで行われる学科・実技試験に合格することで取得可能です。

また、クレーン教習所などで「クレーン・デリック運転実技教習」を受講し、修了試験に合格した場合は実技試験が免除になります。

電気主任技術者

電気主任技術者は受電設備や配線などの保守業務に必須となる資格です。資格を持っていると工場やビル、発電所や変電所などの保安監督の仕事に就けます。電気主任技術者の資格には「第一種」「第二種」「第三種」の3区分があり、それぞれ扱える電力が異なるようです。

  • 第一種:全ての事業用電気工作物
  • 第二種:電圧17万V未満の事業用電気工作物
  • 第三種:電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5千KW以上の発電所を除く)

第一種・第二種の電気主任技術者の資格は、電気技術者試験センターが実施する一次試験と二次試験に合格すると取得できます。また第三種の資格は一次試験のみの合格で取得することが可能です。

普通自動車運転免許

普通自動車の運転免許を持っていれば、自動車工場で完全車両の移動作業や出荷作業などを担当することが可能です。ただし、普通自動車免許を取得するためにはある程度の期間、教習所に通う必要があります。そのため、クーリング期間や期間工の仕事に就く前に取得しておくことがおすすめです。

大型特殊自動車運転免許

期間工を募集しているメーカーの中にはバスやトラック、重機などの大型車両や特殊車両を製造している工場もあります。そうしたメーカーでは、車両の点検や移動の業務を行うことがあるので、大型特殊自動車などの運転免許を持っていれば業務の幅を広げられるかもしれません。

期間工を募集しているおすすめメーカー

資格取得のメリットや各種資格の取得方法などをお伝えしてきました。ここで、そんな資格を活かせる期間工を募集しているメーカーについてご紹介します。ぜひ企業を選ぶ際の参考にしてみてください。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は日本最大級の自動車メーカーです。そんなトヨタの期間工は日々の給与や満了慰労金・満了報奨金などでしっかり働いた分だけ稼げることで定評があります。各種手当の支給額や待遇面、労働環境など、総合的な満足度も高く、正社員登用率も高いので、福利厚生を重視する方やキャリアアップを目指したい方におすすめです。

日産自動車

日産自動車は神奈川県を中心として栃木、福島県などの工場でも期間工を募集しているようです。積極的にWEB面接を実施しているため、遠方から気軽に応募することができます。現地面接も場所によっては予約なしで行けるので、すぐに選考を進めたい方にもぴったり。日産自動車の期間工は手厚い手当や充実した福利厚生に加えて、寮環境が整っているので、ワークライフバランスを重視したい方には特におすすめ!また勤務態度や業務面で問題がなければ、半年で正社員に登用されるケースもあるようです。

ホンダ

ホンダの期間工の仕事は埼玉や熊本、三重などで募集をかけており、お住まいが近い地域を選んで働けるのがポイントのひとつです。また決められた生産ラインでの作業や補助作業がメインのため、専門的な知識や技術は必要ありません。未経験から始めやすく、満了一時金184万円などまとまった収入が得られるのがポイント。その他にも食事補助手当があったり、ワンルームタイプの寮に住めたりと、働く上で嬉しいポイントがたくさんあります。

デンソー

デンソーの期間工は待遇が良いだけでなく働きやすさも抜群なため、定着率が高いという特徴があります。収入や住環境の良さもありつつ、仕事をしながら育児の相談をすることもでき、ご家庭を持つ方にとっても働きやすい会社です。また社員同士の親睦を深めるために全社カラオケ大会や全社運動会のイベントを実施していて、仕事以外でもコミュニケーションを取りやすい環境となっています。

アイシン

アイシンは愛知県に本社がある自動車部品メーカーです。作業内容は部品製造や設置がメインのため、比較的重労働が少ないと言えます。

またアイシンは正社員登用数が多い企業で、正社員登用試験が年に複数回行われています。身体に負担がかかりづらい仕事を選びたい方や部品メーカーの工場で正社員を目指したい方には、アイシンの期間工がおすすめです。

最後に

今回は期間工におすすめの資格をご紹介しました。こちらの記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。期間工の仕事を探してみたいと思った方は無料の会員登録から始めてみてください。理想の仕事をジョブハウス工場で見つけましょう!