クレーン関連の資格を取得する費用は、免許か技能講習かによって大きく変わります。移動式クレーン運転士免許は13万〜16万円程度かかる一方、玉掛け技能講習は2万円台から挑戦できます。

「工場でクレーンを扱える人材になりたいけれど、資格取得にいくらかかるのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、クレーン・デリック運転士免許や玉掛け技能講習など資格別の費用相場を整理したうえで、費用を抑えられる助成金制度、資格を活かして工場でキャリアアップする方法まで解説します。

この記事でわかること

  • クレーン関連5資格の取得費用と日数の相場
  • 受講料を最大10万円抑えられる教育訓練給付金の使い方
  • 未経験から資格取得支援がある工場求人の探し方

クレーン関連資格の費用はいくら?資格の種類別に相場を解説

クレーンを扱う資格は、操作できるクレーンの種類や吊り上げ荷重によっていくつかの区分に分かれており、取得費用も数万円から十数万円まで幅があります。

クレーン関連資格は法律上「免許」「技能講習」「特別教育」の3段階に分かれています。国家試験の合格が必要な「免許」が最も難易度・費用ともに高く、講習を修了すれば取得できる「技能講習」「特別教育」は比較的取り組みやすいのが特徴です。まずは扱いたいクレーンの種類・吊り上げ荷重に応じて、どの区分の資格が必要かを確認しましょう。

クレーン関連資格の種類別費用相場
資格 費用目安 日数目安
クレーン・デリック運転士免許 10万〜12万円 数週間程度
移動式クレーン運転士免許 13万〜16万円 2週間程度
床上操作式クレーン技能講習 2.9万〜5万円 2〜3日間
小型移動式クレーン技能講習 2.8万〜3万円 3日間

出典:トラッカーズ「クレーン免許の取得費用とは?」、日本クレーン協会・兵庫支部「受講料一覧表」

クレーン・デリック運転士免許の費用

天井クレーンなど据え付け型の大型クレーンを操作できる免許です。教習所で学科・実技をセットで受講すると10万〜12万円程度、すでに実技の一部が免除される資格を持っている場合は実技のみで10万円程度に抑えられます。

移動式クレーン運転士免許の費用

クレーン関連資格の中でも取得費用が高めなのが移動式クレーン運転士免許です。教習所に通う場合は13万〜16万円程度が相場で、吊り上げ荷重に制限のない移動式クレーンを扱えるようになります。

床上操作式クレーン運転技能講習の費用

吊り上げ荷重5トン未満の床上操作式クレーンを対象とした技能講習です。費用は教習所によって差があり、2.9万〜5万円程度が目安。他のクレーン資格を持っていると受講時間が短縮され、費用も数千円安くなるケースがあります。

小型移動式クレーン運転技能講習の費用

吊り上げ荷重1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンが対象です。費用は2.8万〜3万円程度で、3日間の講習で取得できます。工場内の資材搬入や構内作業で使う機会が多い資格です。

クレーン作業に欠かせない玉掛け技能講習の費用

クレーンで荷物を吊り上げる際、荷にワイヤーやフックを掛ける「玉掛け」の作業には別途資格が必要です。クレーン免許とセットで取得する人が多く、費用体系も似ています。

玉掛け技能講習の費用
コース 費用目安 日数
技能講習フルコース 2.1万円前後 3日間
クレーン資格保有者向け免除コース 1万円台後半〜 1〜2日間
特別教育(1トン未満) 1.5万〜1.8万円 2日間

出典:日本クレーン協会・兵庫支部「受講料一覧表」

玉掛け技能講習(フルコース)の費用

吊り上げ荷重1トン以上の荷を扱う場合に必要な資格です。未経験者向けのフルコースは学科12時間・実技7時間の計19時間、3日間の講習で、費用は2万円前後が相場です。

クレーン資格保有者向け免除コースの費用

クレーン・デリック運転士免許など特定の資格をすでに持っている場合、学科・実技の一部が免除され、講習期間が1〜2日間に短縮されます。費用も1万円台後半程度に下がるのが一般的です。

特別教育(1トン未満)の費用

吊り上げ荷重1トン未満の軽量な荷物を扱う場合は、技能講習より簡易な「特別教育」で対応できます。2日間の講習で、費用は1.5万〜1.8万円程度です。工場内の軽作業であれば特別教育で十分なケースも多くあります。

玉掛けとクレーン資格の同時取得コース

教習所によっては、玉掛け技能講習とクレーン技能講習をまとめて受講できる併合コースが用意されています。個別に申し込むより数千円〜1万円程度安くなることが多く、これから両方を取得したい人におすすめです。

クレーン資格取得の費用を左右する4つの要因

同じ資格でも教習所によって費用に数万円の差が出ることがあります。ここでは費用が変動する主な要因を整理します。

クレーン資格取得の費用を左右する4つの要因

資格の種類(操作できる重量・免許か技能講習か)

国家試験に合格する必要がある「免許」と、講習を修了すれば取得できる「技能講習」「特別教育」では、必要な学科・実技時間が異なるため費用も変わります。扱える吊り上げ荷重が大きくなるほど、費用も高くなる傾向があります。

学科・実技の受講形式

すでに関連資格を持っていて実技のみ受講する場合と、学科・実技をすべて受講する場合とでは、数万円の差が生じます。自分がどのコースに該当するか、事前に教習所へ確認しておくと安心です。

教習所・地域による料金差

同じ床上操作式クレーン技能講習でも、教習所によって費用は2.9万円台から5万円程度まで幅があります。都市部と地方、公的機関と民間教習所でも差が出やすいため、複数の教習所を比較するのがおすすめです。

保有資格による免除の有無

クレーン・デリック運転士免許を持っていると玉掛け技能講習の一部が免除されるなど、資格の組み合わせによって受講時間・費用を抑えられます。先にどの資格を取得しておくと後の費用が安くなるかを考えて順番を決めるのも一つの方法です。

なお、上記の受講料以外にも、テキスト代が別途数千円かかる教習所や、自宅から離れた教習所に通う場合の交通費・宿泊費がかかるケースもあります。見積もりを取る際は、受講料に何が含まれているかを事前に確認しておくと想定外の出費を防げます。

クレーン資格の費用負担を減らす2つの制度

クレーン関連資格の取得費用は、公的な給付金や勤務先の支援制度を使うことで実質的な負担を減らせる場合があります。

クレーン資格の費用負担を減らす2つの制度

教育訓練給付金の対象と受給額

雇用保険の一般被保険者(在職者・離職者ともに一定の加入期間が条件)が、厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講・修了すると、教育訓練経費の20%(上限10万円)がハローワークから支給される制度です。クレーン関連の教習所講座がすべて対象になるわけではないため、申し込み前に受講先の教習所が指定講座かどうかを確認しておく必要があります。

出典:教育訓練給付金.JP「建設機械の資格と技能講習の種類、玉掛けの資格と教育訓練給付制度」

人材開発支援助成金(企業向け)

クレーン・デリック運転士免許や移動式クレーン運転士免許、床上操作式・小型移動式クレーンの技能講習などは、人材開発支援助成金(建設労働者確保育成助成金)の対象になる場合があります。これは資本金3億円以下または常用労働者300人以下の建設事業主を対象に、経費と受講期間中の賃金の一部を助成する制度です。助成金は個人ではなく会社に支給されるため、対象となるのは主に建設業許可を持つ事業主です。

出典:コベルコ教習所「建設労働者確保育成助成金」

会社の資格取得支援制度を確認する方法

製造業の工場では、上記の公的助成金とは別に、会社独自の資格取得支援制度(受講費用の全額・一部負担、資格手当の支給など)を設けているケースが少なくありません。転職・入社を検討する際は、求人票の「待遇」「福利厚生」欄や面接で、資格取得支援の有無・対象資格を確認しておくと安心です。

助成金・支援制度を使う際の注意点

教育訓練給付金は受講開始前にハローワークへの手続きが必要なケースが多く、事後申請では対象外になることがあります。会社の支援制度も「一定期間の在籍が条件」「資格取得後に一時退職すると返還が必要」など条件が付くことがあるため、利用前に必ず制度の詳細を確認しましょう。

クレーン資格を取得して工場でキャリアアップする方法

クレーン関連資格は、工場内の物流・生産ラインで重宝される実務スキルです。取得費用はかかりますが、キャリアの選択肢を広げる投資として考える価値があります。

クレーン資格を取得して工場でキャリアアップする方法

未経験からでも取得できる資格を選ぶ

クレーン関連資格は実務経験不問・満18歳以上であれば受講可能なものがほとんどです。まずは費用を抑えやすい玉掛けの特別教育や小型移動式クレーン技能講習から始め、実務経験を積みながら上位の資格を目指す進め方も現実的です。

資格取得支援がある工場求人の探し方

求人サイトで「資格取得支援」「クレーン免許歓迎」などのキーワードで絞り込むと、入社後の費用負担を抑えられる求人を見つけやすくなります。未経験者を対象に、入社後の資格取得をサポートする工場求人も増えています。

クレーン資格を活かせる工場の仕事内容

クレーン資格があると、金属加工工場での資材の吊り上げ・移動作業、物流倉庫でのコンテナ・パレットの積み下ろし、造船・鉄骨関連工場での部材搬送など、担当できる業務の幅が広がります。資格手当が支給される工場も多く、無資格者より高い時給・月給が期待できます。

クレーン資格取得後のキャリアアップ・年収アップの目安

クレーン運転士関連職種の平均年収は約439万円、アルバイト・パートの平均時給は1,497円、派遣社員では1,593円というデータもあります。正社員では月給37万円程度が相場という調査もあり、無資格の一般作業員より高い水準を狙いやすい職種です。

さらに複数の資格(クレーン+玉掛けなど)を組み合わせて保有することで、現場での役割が広がり、班長・リーダー候補としての評価にもつながりやすくなります。

出典:求人ボックス給料ナビ「クレーン運転士関連の仕事の平均年収・時給」

クレーン免許・玉掛けの費用に関するQ&A

Q. クレーン免許を最短・最安で取得する方法は?

吊り上げ荷重1トン未満の作業であれば、玉掛けの特別教育(1.5万〜1.8万円・2日間)から始めるのが最安ルートです。工場での実務内容に応じて、必要な資格の範囲から段階的に取得するとムダな出費を抑えられます。

Q. クレーン免許と玉掛け、どちらを先に取るべき?

クレーンで荷物を吊り上げるには、クレーンの操作資格と玉掛けの資格が両方必要です。どちらを先に取っても問題ありませんが、教習所によっては同時取得コースで数千円〜1万円程度安くなるため、まとめて申し込むのも一つの方法です。

Q. 未経験でもクレーン資格は取得できますか?

取得できます。多くのクレーン関連資格は実務経験を問わず、満18歳以上であれば受講可能です。実際に工場や倉庫の未経験者採用でも、入社後にクレーン資格の取得を支援する企業が増えています。

クレーン関連資格の取得費用は、資格の種類によって数万円から十数万円まで幅があります。教育訓練給付金や勤務先の資格取得支援制度をうまく活用すれば、実質的な負担を抑えながらキャリアの選択肢を広げられます。まずは自分の目指す仕事内容に必要な資格から、無理のない範囲で取得を検討してみましょう。

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