仕事と同時に住むところまで決められる「寮付き求人」。中には寮費無料で住める社員寮もあり、節約・貯金したい求職者の方に人気のようです。
しかし過去に寮を利用した経験がなければ、いまひとつその実態がイメージしづらいかもしれません。
「そもそも社員寮ってどんな感じ?寮で暮らすメリットは?」
「暮らすところまで会社の人と一緒って…どうなの?」
「来月から相部屋の寮に入る予定!快適に過ごすために気をつけなきゃいけないポイントって?」
こうした疑問を解消するべく、この記事では寮のメリットや相部屋での生活の注意点について詳しく解説!寮付き求人への応募を検討中の方や、寮生活に興味をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
社員寮とは?
まずは「そもそも社員寮とは何なのか?」について確認しておきましょう。
社員寮とは、就職先である企業・会社が福利厚生の一環として提供してくれる住居のこと。記事の冒頭で触れたとおり、採用されれば仕事と同時に住居まで決めることができるのが寮付き求人の特徴であり、大きな魅力の1つです。
なお業界によらずさまざまな企業が社員寮を用意していますが、特に工場や製造業には寮付きの求人が多数存在します。
社宅と社員寮の違い
ところで、求人サイトなどで「社宅」と「社員寮」の両方の表記を目にしたことがある方も多いかと思います。両者の違いは一体何なのでしょうか?
結論からお伝えすると「社宅」と「社員寮」に明確な違いはありません。どちらも同じく企業・会社が従業員のために用意する住居を指します。
そのため、この2つの表記の差は単なる「イメージの違い」と考えて良いでしょう。一般的には「社宅:家族向けの住居」「寮:単身者向けの住居」がイメージされる傾向にあるため、このように区別されるケースが多いようです。ただし両者に法的な定義の違いなどはなく、どちらの表記を用いるかは言ってしまえば単なる企業ごとの好みのようなもの。いずれの表記の場合も、実際にどんな住居なのかは個々の求人情報をしっかり確認するのがおすすめです。
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社員寮と派遣寮の違い
続いては「社員寮」と「派遣寮」の違いについてチェックしましょう。
大まかに言えば「派遣寮」は「社員寮」の一種です。社員寮のうち、派遣会社が自社の派遣社員のために用意する住居を派遣寮と呼びます。
なお、派遣社員募集に関する求人情報などで両者が使い分けられている場合には、以下のような違いがあると考えるのが良さそうです。
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ただしこちらも厳密な定義ではなく、あくまで一般的な傾向の話。もし寮付き求人に応募される場合には、利用できる寮の詳細について面接などで事前にしっかりと確認しましょう。
◆派遣会社の寮について、詳しくはこちらの記事もチェック!
社員寮の部屋のタイプについて
ここまでで「社員寮とは何なのか」をざっくり把握することができましたね。
それを踏まえ、ここからは社員寮の実態についてもう少し詳しく見ていきましょう。この章では社員寮の部屋のタイプについて、大きく3つに分けてそれぞれの特徴をご紹介します。
ワンルーム・個室
社員寮のタイプのうち、最初にご紹介するのは「ワンルーム・個室」タイプです。
「ワンルーム寮」とは、通常のアパートやマンションと同じような構造の物件を企業が所有、または借り上げて、1部屋ずつ従業員に割り当てるパターンの寮のこと。一般的なアパート同様、部屋ごとに独立したキッチン・洗面所・浴室・トイレなどの設備も備えているケースが大半です。ワンルーム寮の場合、他の入居者と共有するのは建物の玄関・通路・階段など、ごく限られたスペースのみ。そのため自室に一歩入れば完全なプライベート空間であり、リラックスして過ごすことができるでしょう。
こうしたワンルーム寮の他に「個室タイプの集合寮」も存在します。このタイプのうち大多数は企業が所有する比較的大きな物件。いわゆる「企業寮」や「メーカー寮」には個室タイプの集合寮が多いようです。このタイプの場合、各利用者の居室として1人ひとりに完全な個室が割り当てられます。そのうえで食堂・大浴場・ランドリーなどの設備を共用します。物件のつくりとしては大規模なビジネスホテルをイメージすると良いかもしれません。
ワンルーム・個室タイプの寮はいずれも自分専用の空間をしっかり確保できるため、プライバシーを重視したい方にとっては安心ですね。
相部屋
社員寮のタイプとして、続いてご紹介するのは「相部屋」タイプです。
相部屋と一口に言っても、共有するスペースの範囲は寮によってさまざま。例えば2LDKや3LDKの部屋を複数名で利用し、鍵付きの寝室が各人に割り当てられるケースも。この場合、リビング・洗面所・トイレ・キッチンなど寝室以外のスペースを同部屋の利用者同士で共用します。完全な相部屋というよりは、いわゆるシェアハウスのようなイメージが近いかもしれません。
一方、正真正銘の相部屋タイプの寮もあります。こちらのタイプの場合、例えば就寝時にも2段ベッドを利用するなど、生活空間の大部分を他の利用者と共有することになるでしょう。いわばユースホステルやゲストハウスのようなイメージです。人によっては「1人になれる時間が少な過ぎて辛い…」と感じるようですが「学生時代の部活の合宿や、修学旅行みたいで楽しい!」といった意見も。集団生活に抵抗の無い方であれば比較的過ごしやすそうですね。
家族寮
社員寮のタイプとして、最後にご紹介するのは「家族寮」タイプです。
このタイプの寮は、従業員本人に加えその家族も一緒に入居することができます。物件は戸建てであったり、ファミリータイプのマンションの一室であったり、間取りや広さはケースバイケース。ただ家族で暮らすことを前提として用意されているため、基本的に最低限の広さは確保されていると考えて良いでしょう。
企業にもよりますが、家族での生活を支援するための施設やサービスが充実している場合があります。例えば小さなお子さんがいる世帯であれば、家族寮に近い保育所や託児所の紹介を受けられる、といったケースがある模様。こうしたサポートは特に大企業で手厚く用意されているところが多いようです。
家族寮の注意点として独身寮に比べると入寮条件がやや厳しい場合もある、ということが挙げられます。入寮を希望する際は、事前に企業側の担当者としっかり認識のすり合わせをしておきましょう。
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寮生活のメリット
さて、前章で社員寮にもさまざまなタイプがあることが分かったかと思います。
記事を読み進めるうちに、社員寮への興味が一層強まった方もいらっしゃるかもしれません。そんな方のために、続いては寮生活のメリットをチェックしていきましょう。
生活にかかる固定費を抑えられる
寮生活のメリットとして、まず押さえておきたいのは「生活にかかる固定費を抑えられる」ということ。
記事の冒頭で触れたとおり、寮付き求人のなかには寮費無料のところも少なくありません。無料とまではいかなくても、社員寮の寮費は通常の家賃相場に比べて割安である場合が大半です。ですから寮に入れば必然的に家賃の分の出費を抑えることができます。賃貸物件に住んでいる、または住もうとしている人にとって、家賃分の負担を減らせるのはとても大きなメリットだといえます。
また、寮費に加えて水道・光熱費も無料というところもあります。さらに、なかにはインターネット料金まで無料だったり、寮内の食堂を格安で利用できる寮も。家賃だけではなく水道・光熱費などのインフラ費用や食費までカットできれば、自然と貯金も増やせるでしょう。
物件探しなどの手間が省ける
2つめにご紹介する寮生活のメリットは「物件探しなどの手間が省ける」ということです。
物件を企業が所有しているにしろ借り上げているにしろ、社員寮には企業の紹介で入寮できる場合がほとんどです。そのため通常の引越しの際のように、自身で不動産屋を訪ねたり、候補の物件をいくつも見て回ったりする必要は基本的にありません。また物件の賃貸契約に加え、水道・光熱費などに関する契約もすべて企業側で行ってくれるケースも多いようです。このように面倒な手続きをパスして引越しできるのはなかなか魅力的ですよね。
ただしこれは裏を返せば、必ずしも希望どおりの物件・部屋に入寮できるとは限らないということ。寮の空き状況にもよりますが、原則的には入居先は選べないと考えたほうが良いでしょう。そのため、例えば「南向きの部屋じゃないと嫌だ!」「絶対に3階以上の部屋が良い!」といった譲れない条件をお持ちの方は、くれぐれもご注意を。なお広義の寮付き求人の中には、従業員が自ら選んだ一般物件を企業が借り上げてくれる例も存在します。住まいに関するこだわりが強い方は、そうした求人を探してみるのも1つの手かもしれません。
寮と勤務場所が近い場合が多い
3つめにご紹介する寮生活のメリットは「寮と勤務場所が近い場合が多い」ということです。特に同じ職場で働く人ばかりが入居している寮については、勤務場所まで徒歩数分程度のところも。大規模な工場などの寮であれば、職場と同じ敷地内に寮がある、といったパターンもあるようです。とにかく楽に短時間で通勤したい!という方は、寮と職場が徒歩圏内の寮付き求人を探すのもいいかもしれません。
また職場まで徒歩圏内とはいかなくても、寮と職場間でシャトルバスなどによる無料送迎が行われているケースがあります。送迎があれば、出勤時に朝から満員電車に乗ったり、退勤時に疲れた状態で車を運転したり…といったストレスから解放されるのが嬉しいですね。
社員同士の仲が深まる
寮生活のメリットとして、最後にご紹介するのは「社員同士の仲が深まる」ということ。
寮のタイプにもよりますが、寮生活においては往々にして同僚や先輩たちと1つの屋根の下で暮らすことになります。日頃から顔を合わせる機会が増えるため、自然と社員同士の交流も深まるでしょう。集合寮には飲み会などが頻繁に開催されるところも多いので、職場ではあまり会話する機会がない相手と仲良くなるチャンスもありそうですね。
特に相部屋タイプの寮であれば一緒に食事をしたり、枕を並べて眠ったりと文字通り「寝食をともにする」可能性もあります。家族同様の付き合いを通じて、単なる同僚以上の絆が生まれるかもしれません。
◆寮生活のメリット&デメリットについて、詳しくはこちらの記事もチェック!
相部屋になった際の注意点
コストを抑えて生活できたり、物件を探す手間が不要だったり…と寮生活にはさまざまなメリットがあることが分かりましたね。メリットを確認したことで「実際に社員寮で生活してみたい!」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
しかし寮生活にはプラスの点がたくさんあるからこそ、気をつけなくてはならない点もあります。特に共同生活の要素が多い相部屋タイプの寮で暮らす際には、押さえておくべきポイントがいくつか存在するのです。
そこでこの章では相部屋タイプの寮生活の注意点をまとめてお伝えします。さっそくチェックして、ぜひ快適な寮生活に役立ててください。
家事の分担ルールをしっかり決める
相部屋生活の注意点として、まずお伝えするのは家事の分担ルールについてです。
相部屋の利用者が分担して行うべき家事として、代表的なのは掃除です。料理や洗濯についてはそれぞれ「自分の分は自分でやる」といったスタンスで基本的には問題ないはずですが、掃除についてはそうもいきません。相部屋では部屋のほとんどが共用スペースとなるため、どこからどこまでの掃除が「自分の分」に該当するかを区別するのは至難の業だからです。
掃除の分担自体は、ルームメイト全員が納得していればどんなルールでも構わないでしょう。とはいえ不公平感が出ないようスペースごとの当番制などが一般的なようです。また「言った・言わない」「やった・やらない」のトラブルを防ぐため「誰が・いつ・どこの掃除をするのか」がはっきり分かるようなチェックリストの類を作るのも良いでしょう。
もしかすると、分担ルールを決めること自体を面倒に感じる方もいるかもしれません。しかし最初に全員が納得できるルールをしっかり設定しておくことで、後々の大きなトラブルを回避できるはずです。
貴重品の管理などはしっかりする
相部屋生活の注意点として、続いてお伝えするのは貴重品の管理についてです。
個人の専有スペースが少ない相部屋で貴重品を放置すれば、さまざまなリスクが想定されるのは言うまでもありません。相部屋タイプの寮に入居する際は、まず持ち込む貴重品自体を最低限にとどめるのがおすすめです。
相部屋タイプの寮においては、個室がなくても鍵付きのロッカーなどが割り当てられる場合が多いようです。持ち込んだ貴重品については、そうしたスペースできちんと保管するようにしましょう。不安を感じる方は、小型の金庫などを自分専用の貴重品収納として導入するのも良いかもしれません。
相手の生活リズムに配慮する
相部屋生活の注意点として、最後にお伝えするのは生活リズムへの配慮についてです。
相部屋に限らず、社員寮には「日勤」「夜勤」「シフト制」など、さまざまな勤務形態の従業員同士が1つ屋根の下で暮らしているケースも少なくありません。勤務時間が異なれば当然、睡眠や休息を取る時間も人によってバラバラ。そのため「自分が眠っている際に聞こえてきたら嫌だと感じるような音は極力出さない」といった思いやりを持つことが大切です。
こと相部屋においては特に、ルームメイトの生活音や習慣がお互いの暮らしにダイレクトに影響を与えます。ルームメイトの就寝時・休息時にはなるべく静かに過ごすのはもちろんのこと、テレビやパソコンなどの光が相手の睡眠を邪魔していないか、といった点にも気を配りましょう。また相部屋では多くの場合、トイレ・キッチンのコンロ・洗面所の蛇口など、数に限りのある設備も共用することになります。お互いの生活リズムに配慮のうえ、共用設備は決して独占せずに譲り合って使うよう心がけましょう。
なお、あまりにもかけ離れた生活リズムの人同士が相部屋で暮らした場合、双方にとって無用のストレスにつながる恐れもあります。万が一そのような事態に陥ったら、まずは寮の管理者や上司に相談して、部屋を替えるなどの対策を講じてもらいましょう。
最後に
さて、社員寮のタイプごとの特徴や寮生活のメリット、そして相部屋での注意点までまとめてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
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