溶接の夜勤は、日勤より収入を伸ばしやすい一方で、体への負担と安全面の備えが欠かせない働き方です。深夜の時間帯は法律で25%以上の割増賃金が付くため、同じ溶接の仕事でも手取りに差が出ます。
この記事では、溶接の夜勤で増える金額の目安、2交替・3交替といったシフトの違い、必要な資格、体調管理のコツまでを順に解説します。未経験から溶接の夜勤求人を検討している方は、求人選びの参考にしてください。
溶接の夜勤はきつい?日勤との違いと向いている人

溶接の夜勤がきついかどうかは、生活リズムへの慣れと職場環境で大きく変わります。まずは夜勤の時間帯と、きついと言われる理由、メリットを整理しておきましょう。
溶接の夜勤は何時から何時まで?
法律上の「深夜」は、原則として午後10時から翌朝5時までの時間帯です。工場の夜勤はこの時間帯をまたいで働くシフトを指します。
勤務時間は工場ごとに異なります。たとえば2交替制なら21時〜翌7時、3交替制なら22時〜翌7時といった例があります。休憩は拘束時間が長いほど多く取れる傾向があります。
溶接の夜勤がきついと言われる3つの理由
1つ目は、昼夜逆転による生活リズムの乱れです。慣れるまでは睡眠が浅くなり、日中に疲れが残りやすくなります。
2つ目は、眠気と集中力の問題です。溶接は火花や高温を扱うため、眠気でミスをすると火傷やけがにつながる点には注意が必要です。
3つ目は、家族や友人と予定が合いにくいことです。平日の昼間に休みを取れる反面、土日の予定は合わせづらくなります。
夜勤で働くメリット
最大のメリットは収入です。日勤のみの仕事と比べて、月収が5万〜10万円以上高くなるケースがあるとされています。
通勤ラッシュを避けやすく、平日の昼間に役所や病院へ行ける点も好評です。夜勤の人数が少なめの職場では、日中より落ち着いて作業できると感じる人もいます。
溶接の夜勤に向いている人・向いていない人
向いているのは、決まった時間に眠る習慣を作れる人や、コツコツと精度の高い作業を続けられる人です。収入を優先して貯金したい方にも合います。
一方で、睡眠が浅くなりやすい人や、日勤と夜勤を頻繁に切り替えるのが苦手な人は負担を感じやすくなります。その場合は夜勤専属の求人や、固定シフトの職場を探すと続けやすくなります。
溶接の夜勤はいくら稼げる?深夜手当の計算方法と収入の目安

夜勤で収入が増える仕組みは、深夜手当(深夜割増賃金)です。計算方法を知っておくと、求人票の月収例が妥当かどうかも判断しやすくなります。
深夜手当は時給の25%以上アップ
労働基準法では、午後10時から午前5時までの深夜に働かせた場合、1時間あたりの賃金の25%以上の割増賃金を支払う義務があると定められています。
この割増は、あらかじめ決まっていた所定の勤務時間内でも対象です。つまり、夜勤の「基本時給」とは別に、深夜帯の分だけ上乗せされます。
出典:愛知労働局「割増賃金」
時給別・深夜帯の時給早見表
日勤の時給が1,300円なら、深夜帯の時給は1,625円以上になります。月に100時間の深夜労働をした場合、深夜手当だけで32,500円増える計算です。時給別の早見表を用意しました。
| 日勤の時給(円) | 深夜帯の時給(円) | 1時間の増加分(円) |
|---|---|---|
| 1,300 | 1,625 | 325 |
| 1,500 | 1,875 | 375 |
| 1,800 | 2,250 | 450 |
| 2,100 | 2,625 | 525 |
※割増率25%で計算した最低ラインの目安です。会社が独自の夜勤手当や交替手当を上乗せする場合もあります。
時給2,100円の場合の月収を試算
ジョブハウスには、特殊車両および部品の溶接で時給2,100円、月収例42万円以上といった求人が掲載されています。時給2,100円なら、深夜帯の時給は2,625円です。
22時〜翌5時の7時間が深夜帯だと、1日あたりの増加分は525円×7時間=3,675円です。月20日勤務なら、深夜手当だけで月73,500円ほど上乗せされる試算になります。実際の金額は勤務時間や手当の設計で変わるため、求人票で確認してください。
残業と重なるとさらに割増率が上がる
夜勤中に法定時間外の残業が発生した場合は、時間外の割増(25%以上)に深夜の割増(25%以上)が加わり、合計50%以上の割増になります。
残業が多い職場ほど収入は伸びますが、体への負担も増えます。月収例を見るときは、残業込みの金額かどうかも確認しておくと安心です。
溶接の夜勤シフトは2交替・3交替?勤務時間と休日のパターン

同じ「夜勤」でも、シフトの組み方で体への負担は変わります。求人に応募する前に、代表的な3つのパターンを押さえておきましょう。
2交替制は1回の勤務が長く休日が多め
2交替制は、日勤と夜勤の2グループで回す方式です。1回の勤務は12時間前後と長くなり、たとえば日勤が7時〜19時、夜勤が21時〜翌7時といった例があります。
拘束時間が長い分、勤務日数が少なく休日が多めになりやすいのが特徴です。休憩は合計1〜2時間程度が目安です。
3交替制は1回の勤務が短く負担が分散される
3交替制は、1日を3つの時間帯に分けて回す方式です。代表例は、甲番が7時〜15時、乙番が15時〜22時、丙番が22時〜翌7時という割り振りです。
1回の勤務が8時間前後で収まるため、1日あたりの体力的な負担は比較的小さいのがメリットです。ただし、時間帯が週ごとに変わる職場もあり、生活リズムは整えにくくなります。
「4勤2休」など休日パターンの考え方
交替制の工場では、4日働いて2日休む「4勤2休」のようなサイクルが多いとされています。カレンダー通りの土日休みではない代わりに、まとまった連休を取りやすくなります。
年間休日数は職場により差があります。ジョブハウスの溶接求人には、土日祝休みの日勤のものも掲載されているため、夜勤の有無と休日の両方で比較してください。
夜勤専属か、日勤との交互か
夜勤だけで固定される「夜勤専属」は、生活リズムを一定に保ちやすい働き方です。相談により、日勤のみ・夜勤のみを選べる工場もあります。
日勤と夜勤を交互に行うシフトは、体への負担が大きくなりがちです。慣れないうちは、最初は日勤専属で仕事に慣れてから夜勤に移る配慮のある会社を選ぶと安心です。
求人票で確認したい4つのポイント
夜勤の求人を見るときは、次の4点を必ず確認しましょう。
- 夜勤の勤務時間と休憩の長さ
- 深夜手当とは別の夜勤手当・交替手当の有無
- シフトのサイクルと年間休日数
- 夜勤専属や日勤への切り替えの相談ができるか
不明点は、応募前にキャリアアドバイザーを通じて確認することもできます。
溶接の夜勤で働くために必要な資格と安全ルール

溶接の仕事は、資格がなくても始められる求人があります。ただし、アーク溶接では法律で定められた教育が必要で、夜間は特に安全面の備えが大切です。
未経験でも始められる?資格は必須ではない
溶接の仕事に、必須とされる資格はありません。求人の中には「未経験・初心者も歓迎」とうたうものもあり、入社後に先輩から教わりながら覚えていきます。
一方で、溶接経験者には経験者手当を用意する求人もあります。資格や経験があるほど、時給や手当で有利になると考えておきましょう。
アーク溶接を行うには「特別教育」の修了が必要
アーク溶接等の業務に就くには、事業者が行う特別教育を受けることが労働安全衛生規則で定められています。教育時間は最低で学科11時間・実技10時間です。
多くの場合、会社が費用を負担して受講させてくれます。入社前から修了している必要はありませんが、求人票に「特別教育の費用は会社負担」と書かれているかを見ておくと安心です。
出典:東京労働局「安全衛生教育(特別教育・職長教育・雇入れ時の教育)」
キャリアアップに役立つ溶接技能者の資格
特別教育とは別に、溶接の技量を証明する民間の資格があります。代表例が、日本溶接協会が実施する溶接技能者評価試験です。
資格を取ると、より難易度の高い溶接を任されやすくなり、手当にもつながります。試験日程や受験の条件は日本溶接協会の公式サイトで確認できます。
溶接ヒューム対策は健康を守るために欠かせない
金属アーク溶接で出る「溶接ヒューム」は、2021年4月から順次、特定化学物質(第2類)として規制が強化されました。継続して屋内で作業する職場では、空気中の濃度測定などが必要です。
夜勤は日中より管理の目が届きにくい職場もあるため、換気や保護具の運用をきちんと行っているかの確認が大切です。防じんマスクなどの保護具をきちんと使えるかは、職場選びの大切な基準です。
出典:愛知労働局「『溶接ヒューム』及び『塩基性酸化マンガン』が特定化学物質(第2類)になりました」
夜間作業で気をつけたい安全のポイント
夜間は眠気で判断が鈍りやすく、火花による火傷や、アーク光による目の炎症のリスクが高まります。遮光面や保護手袋は、昼間以上に確実に着用してください。
眠気を感じたら、無理に続けず休憩や仮眠を取ることが原則です。ミスを防ぐ体制が整っているかどうかも、面接や職場見学で確認しておきましょう。
溶接の夜勤を無理なく続ける体調管理のコツ5つ

夜勤を長く続けるカギは、仕事中よりもむしろ、仕事以外の時間の過ごし方にあります。今日から取り入れやすい5つのコツを紹介します。
コツ1:寝る時間と寝室環境を固定する
夜勤明けは、毎回ほぼ同じ時間に寝るのが基本です。遮光カーテンやアイマスクで寝室を暗くするだけでも、日中の睡眠の質は大きく変わります。
夜勤に入る前の日中にも睡眠を取っておくと、勤務中の眠気を抑えやすくなります。出勤の数時間前までに起きる、といった自分なりのルールを作りましょう。
コツ2:休憩中は20〜30分の仮眠を取る
休憩時間に20〜30分ほど仮眠を取ると、後半の集中力を保ちやすくなります。長く寝すぎると、起きたあとにぼんやりしてしまうので注意してください。
仮眠の場所が確保されているかは、職場によって差があります。休憩室や仮眠スペースの有無も、見学時に確認したいポイントです。
コツ3:食事は胃に負担の少ないものを選ぶ
深夜に脂っこいものや量の多い食事を取ると、胃腸に負担がかかり、眠気も強くなります。勤務前に軽く食べ、休憩中は消化のよいものを選ぶのがおすすめです。
カフェインは眠気対策に役立ちますが、勤務終了の数時間前からは控えめにしましょう。帰宅後の寝つきが悪くなるのを防げます。
コツ4:夜勤明けは軽い散歩とシャワーで切り替える
夜勤明けは体が冷えやすく、そのまま寝ても疲れが取れにくいことがあります。軽く散歩して代謝を上げたり、帰宅後にシャワーを浴びたりすると、眠気を誘いやすくなります。
明るくて眠れないときは、アイマスクや耳栓も有効です。夜勤明けにスマホを長時間見ないことも、睡眠の質を守るコツです。
コツ5:負担が大きいときはシフトを相談する
日勤と夜勤の交互シフトで体調を崩しやすいなら、夜勤専属や日勤への切り替えを相談する選択肢もあります。我慢して続けるより、早めに伝えたほうが長く働けます。
転職を考える場合は、自分に合ったシフトの求人を選ぶことが何より大切です。ジョブハウス工場のキャリアアドバイザーに、希望の働き方を相談することもできます。
溶接の夜勤に関するQ&A
Q. 溶接の夜勤は未経験でも応募できますか?
A. 応募できる求人があります。「未経験・初心者歓迎」の溶接求人もあり、入社後に特別教育を受けて仕事を覚える流れが一般的です。
ただし、夜勤は日勤より少人数の職場もあり、教えてもらえる環境かどうかは職場次第です。教育体制や先輩の人数を確認してから応募すると安心です。
Q. 夜勤手当は必ず支給されますか?
A. 22時〜翌5時に働いた場合、深夜割増賃金(25%以上)の支払いは法律上の義務です。基本給に含まれているかどうかは、求人票や雇用契約で確認が必要です。
これとは別に、会社が独自の夜勤手当や交替手当を設けている場合があります。「月収例」にどこまで含まれているか、応募前に聞いておきましょう。
Q. 夜勤だけの勤務は選べますか?
A. 夜勤のみの勤務を選べる求人があります。日勤と夜勤の2交替が基本でも、「夜勤のみ」「日勤のみ」の相談に応じる工場もあります。
希望が通るかは会社の人員状況によります。応募時に希望を伝え、入社後のシフトの決まり方も確認しておくとミスマッチを防げます。
Q. 溶接の夜勤は何歳くらいまで続けられますか?
A. 年齢の上限は一律には決まっていません。ただし、夜勤は年齢とともに体への負担を感じやすくなるため、自分の体力と相談しながら続けられる働き方かを見極めることが大切です。
溶接の技術は長く役立つスキルです。夜勤で収入を伸ばしながら資格を取り、将来は日勤の専門職を目指すというキャリアも描けます。
まとめ:溶接の夜勤は「手当・シフト・安全」の3点で求人を選ぼう
溶接の夜勤は、深夜手当で日勤より収入を伸ばしやすい仕事です。時給2,100円の場合、深夜帯の時給は2,625円になり、月20日勤務で深夜手当だけで7万円台の上乗せが見込めます。
一方で、生活リズムの乱れや眠気による事故のリスクがあるため、シフトの組み方・特別教育の費用負担・ヒューム対策の3点は必ず確認しましょう。体調管理のコツを押さえれば、無理なく続けやすくなります。
夜勤の求人は、条件の見比べが重要です。自分に合う働き方を探すなら、工場求人に詳しいキャリアアドバイザーに相談してみてください。

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