製造業の仕事を見ていると、時々目にする「バリ取り」という言葉。
「そもそもバリ取りってどんな仕事なの?」
「結構きつい作業なのかな?」
など、分からないことも多いですよね。実はバリ取りとは、製造業には欠かせない作業の一つです。そこでこの記事では、バリ取りの仕事内容を具体的にご説明。最後にバリ取りに向いている方やバリ取りが活躍できる職場をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
バリ取りとは?
そもそも「バリ」とは金属製品やプラスチック製品を機械加工した際に発生する出っ張りやトゲのことを指します。
JISにおけるバリの定義
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簡単に言えば、機械加工の際に発生する部品のいらない部分のこと。そしてこれを取り除く作業が「バリ取り」です。
バリ取りってなんで必要なの?
「どうしてわざわざバリを取らないといけないの?」と不思議に思いますよね。しかし部品にとって余計な部分であるバリを残しておくと、以下のような弊害が起きかねません。
<バリの残留で起こりうる弊害>
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不要なバリがあると、部品同士のかみ合わせが悪くなり、組み付ける際に不具合が発生してしまいます。また部品がしっかり組み付けられないことで、製品の性能低下にも繋がりかねません。
しかも金属のバリは鋭利なので、組付けの作業員やひいては製品の使用者が怪我を負ってしまう可能性もあります。過去には作業員が手を切り労災になったケースや、自転車に乗っていた使用者がキズを負って訴訟を起こしたという事例もあるほどです。
さらに電気部品のバリは、周辺機器をショートさせる危険性もあります。
このように、バリを取らないことで起こりうる弊害は思った以上に多いので、バリ取りの仕事はとても重要な作業の一つなのです。
バリ取りの方法とは
バリ取りの方法は主に
- 手作業で行う場合
- 機械を使う場合
の2つがあります。
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
(1)手作業で行う場合
バリ取りを手作業で行う際は、材質に合わせた工具を用います。
<手作業でバリ取りを行う場合>
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材質が金属なのか、またはプラスチックかによって使用する工具が異なります。
(2)機械を使う場合
金属部品のバリ取りは、バリ自体が鋭利なため、作業員が手を切ってしまう可能性も。そこで専用機を使ったバリ取りの方法もあります。
<バリ取りの専用機>
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バレル加工は、研磨剤でバリ取りをする手法です。またサーマルデバリングは、バリを燃焼させて取り除きます。その他にも電解加工や化学除去でバリを溶かして除去する方法など、材料に合わせて様々な手法があるのです。
バリ取りの仕事が向いている人って?
バリ取りは重要な作業だからこそ、実は適性が問われる仕事でもあります。
<バリ取りに向いてる人の特徴つ>
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例えば小さな部品のバリを取るときには、細かく慎重な作業が必要になります。さらに一言で部品と言いえど形状も大きさも様々。そこで、様々な部品のバリを丁寧に取れる、手先が器用で細かい作業が得意な方が向いていると言われています。
さらにバリ取りは基本的にルーティング作業が続きます。しかし手を抜いてしまうと部品が品質規格から漏れかねません。そこで根気強く作業に取り組める几帳面な方が向いているのです。
また、もし部品にバリが残っていたら、製品不能になる可能性が高まることは勿論、使用者が怪我をしてしまうケースも発生するかもしれません。そんな事態を避けるためにも、バリ取りというルーティングワークながら慎重さが求められる作業を、責任を持って取り組める方が活躍できるのです。
バリ取りの就職先は?
バリ取りが得意になると、金属やプラスチックを加工するようなメーカーで活躍できるようになれます。
<バリ取りの就職先>
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いずれの就職先も、機器に使用される部品や最終製品でバリ取りの作業が発生します。先程も述べた通り、バリ取りは機械化が進みつつある作業ですが、やはり最終的な仕上げは作業員が行うケースも少なくないようです。
しかもバリ取りでは力仕事がほとんど発生しないので、女性でも活躍できる仕事です。特に女性ならではのきめ細やかな仕事は、製造業で重宝されます。
またバリ取りの仕事を極めれば任せられる仕事の幅も増えるでしょう。例えばといし取替えの作業に必要な「研削といし取替試運転作業者」の特別講習を受けて国家資格を取ることで、さらなるキャリアアップを成し遂げることもできます。
地道な作業ながら、重宝されるバリ取りの仕事
ここまでバリ取りの仕事の概要や、主な活躍先を紹介しました。先程も述べた通り、バリ取りは細かい作業が求められる地道な作業ではありますが、製品の品質を維持したり製品の使用者の安全を守ったりなど、実は重要な仕事でもあります。
細かい部品のバリ取りは、慣れないうちは大変かもしれませんが、比較的誰でもチャレンジしやすく他社へのキャリアアップの可能性も大いにある仕事です。
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