物流倉庫の仕事は、未経験・無資格からでも始めやすく、20代・30代で転職を考える方に選ばれています。
とはいえ「きつい」という声もあり、実際の働き方や年収相場が気になる方も多いはずです。この記事では、物流倉庫の仕事内容から、きついと言われる理由の実態、給与相場、そして未経験からの転職を成功させるポイントまで、具体的な数字を交えて解説します。
物流倉庫の仕事内容とは?主な職種と1日の流れ

物流倉庫の仕事と一口に言っても、担当する工程によって業務内容は大きく異なります。まずは代表的な職種と、未経験者が入社後にどのような流れで働くのかを見ていきましょう。
ピッキング(商品のピックアップ)
ピッキングは、注文された商品を棚から集めてくる作業です。ハンディ端末に表示される指示に従って商品を探すため、倉庫内の配置さえ覚えれば未経験でもすぐに対応できます。
歩く距離が長くなりやすいのが特徴で、1日1万歩を超えることも珍しくありません。
慣れるまでは商品を探すのに時間がかかりますが、多くの職場で1〜2週間ほどOJT期間を設けているため、焦らず覚えていけます。
検品・仕分け作業
検品は、商品の数量や状態を確認する作業です。仕分けは、出荷先や配送ルートごとに商品を分類する作業を指します。どちらも細かいミスが後工程に影響するため、集中力と正確さが求められます。
近年はバーコードやハンディ端末によるシステム管理が進み、経験がなくても手順通りに作業すればミスを防ぎやすくなっています。
梱包・出荷準備
梱包は、検品・仕分けを終えた商品を箱詰めし、送り状を貼って出荷できる状態に整える作業です。繁忙期は出荷量が増えるため、スピードと丁寧さの両立が求められます。
使用する緩衝材やダンボールのサイズは商品によって異なり、出荷締め時間に間に合わせるスケジュール管理も求められます。
フォークリフトなどの機械操作
重量のある荷物を扱う倉庫では、フォークリフトによる運搬作業もあります。フォークリフトの操作には技能講習の修了が必要ですが、入社後に会社の支援で資格を取得できるケースも多くあります。
資格を持っていると、時給が100〜200円程度アップする求人も見られます。玉掛け技能講習などを組み合わせて取得する人もおり、対応できる作業の幅を広げることでキャリアアップにもつながります。
未経験者の1日の流れ(タイムスケジュール例)
未経験者の場合、最初の数日は先輩スタッフについて作業の流れを覚えるところから始まります。出社後の朝礼で当日の作業割り当てを確認し、午前と午後で担当工程を分けて作業を進める職場が一般的です。
休憩時間もしっかり確保されているケースが多く、体力を回復させながら働けます。残業は繁忙期に発生しやすいものの、閑散期は定時で退勤できる職場も多く、メリハリをつけて働けるのも特徴です。
物流倉庫への転職は「きつい」と言われる理由と実態

「物流倉庫の仕事はきつい」という声を検索で目にして、不安に感じている方もいるでしょう。ここでは、実際によく挙げられる理由とその実態を具体的に見ていきます。
体力的な負担はどれくらい?
ピッキングや仕分けは立ち仕事が中心で、1日の中で歩く距離や荷物を持つ動作が多くなります。ただし、扱う商品の重さは倉庫によって差があり、軽量な商品を扱う倉庫であれば体力にあまり自信がない方でも対応しやすいのが実情です。
一般的な段ボール1箱の重さは10〜15kg程度が目安とされ、重量物を扱う部門では台車やコンベアなどの設備を活用して負担を軽減している職場も増えています。
夏場・冬場の温度環境
空調が効きにくい倉庫では、夏場に室温が上がりやすく、熱中症のリスクが高まります。厚生労働省も職場での熱中症対策を呼びかけており、水分補給や休憩の徹底が重要とされています。
近年は空調完備の倉庫も増えており、求人選びの段階で職場環境を確認することが大切です。冬場は逆に冷え込みが厳しくなる倉庫もあるため、防寒着の貸与など季節ごとの対策が取られているかも事前にチェックしておくと安心です。
単調な作業が続くという声
同じ作業の繰り返しになりやすいため、「飽きてしまう」という声もあります。一方で、余計な気を遣わずに黙々と取り組める点をメリットと感じる人も多く、向き不向きが分かれるポイントです。
職場によってはラジオを流したり、休憩中に会話を楽しんだりできる環境もあり、単調さの感じ方は職場の雰囲気にも左右されます。
人間関係のストレスが少ない傾向
接客業や営業職と比べると、社外の人と接する機会が少なく、人間関係のストレスを感じにくいという声が多いのも特徴です。黙々と作業に取り組みたい方には働きやすい環境といえます。
ただし、出荷のピーク時にはチームで声を掛け合いながら作業を進める場面もあるため、最低限のコミュニケーションは必要になります。
「きつい」と感じやすい人の特徴
反対に、単調な作業が苦手な方や、体を動かす仕事に慣れていない方は「きつい」と感じやすい傾向があります。事前に職場見学や求人票で作業内容・環境を確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。
反対に、コツコツとした作業が得意な方や、決められた手順を丁寧にこなすのが好きな方には、大きなストレスなく続けやすい仕事といえます。
物流倉庫で働くメリット・向いている人の特徴

きつさの実態を踏まえたうえで、物流倉庫の仕事には転職先として選ばれる理由も数多くあります。ここではメリットと、どんな人に向いているかを整理します。
未経験・無資格でも始めやすい
物流倉庫の求人の多くは、学歴や職歴、資格を問いません。入社時点でスキルがなくても、研修やOJTを通じて仕事を覚えられるため、これから経験を積みたい20代・30代の転職先として選ばれています。
研修期間は数日〜1か月程度の職場が多く、最初は簡単な工程から任されるため、段階的にスキルを身につけられます。
シフトの融通が利きやすい
早番・遅番・夜勤など複数のシフトを用意している倉庫も多く、ライフスタイルに合わせて働き方を選べます。急なシフト変更に対応しやすい職場も多く、家庭の事情がある方にも向いています。
週3日からOKとする求人や、扶養の範囲内で働ける短時間シフトを用意している職場もあり、ライフステージの変化にも対応しやすい点が魅力です。
黙々と作業に集中できる
チームでの連携は必要ですが、基本的には自分の担当工程に集中して取り組むスタイルです。人と接するより、一つの作業に集中したいタイプの方には働きやすい環境です。
電話対応やクレーム対応といった精神的な負荷が少なく、自分のペースを保ちながら働きたい方に選ばれやすい理由の一つです。
体を動かす仕事が好きな人に向く
デスクワークよりも体を動かす仕事のほうが性に合う、という方にはぴったりの職種です。適度な運動になり、体力づくりを兼ねて働きたい人にも支持されています。
座りっぱなしの生活で運動不足を感じている方が、健康維持を兼ねて物流倉庫の仕事に転職するケースも増えています。
女性・第二新卒でも活躍しやすい理由
軽量な商品を扱う部門やピッキング業務は、力の強さよりも正確さが求められるため、性別を問わず活躍しやすいのが特徴です。第二新卒など社会人経験が浅い方でも、基礎から仕事を覚えられる環境が整っています。
実際に、食品や日用品など軽量な商品を扱う部門では女性スタッフの比率が高い職場も多く、性別を問わず長く活躍できる環境が整っています。
物流倉庫の給与・年収相場【雇用形態別】

転職を検討するうえで気になるのが給与水準です。雇用形態ごとの相場を確認しておきましょう。
正社員の年収相場
求人ボックス 給料ナビによると、倉庫作業の正社員平均年収は454万円、月給換算で約38万円、初任給は23万円程度が目安です。
出典:求人ボックス 給料ナビ
勤続年数や役職によって差がありますが、未経験からでも着実に年収アップを狙える職種です。賞与を支給する企業も多く、基本給に加えて年2回程度のボーナスが年収に上乗せされるケースもあります。
派遣社員の時給相場
派遣社員の平均時給はおよそ1,376円です。日払い・週払いに対応する派遣会社も多く、まとまった収入を早めに得たい方にも選ばれています。
未経験者でも即日勤務が可能な求人が多く、実務経験を積みながら早い段階で高めの時給を得やすいのも派遣の特徴です。
アルバイト・パートの時給相場
アルバイト・パートの平均時給も1,376円前後と、派遣社員とほぼ同水準です。短期間で働きたい方や、扶養の範囲内で働きたい方にも人気があります。
学生や主婦(主夫)の方でも、週2〜3日から始められる求人が多く見つかります。
| 雇用形態 | 給与目安 |
|---|---|
| 正社員 | 年収454万円 |
| 派遣社員 | 時給1,376円 |
| アルバイト・パート | 時給1,376円 |
年代別に見ると、20代のうちは経験値による差が小さい一方、30代以降はリーダー職や管理職を任されることで年収が伸びていく傾向があります。
給与を上げる3つの方法
①資格を取得する ②勤続年数を重ねる ③条件の良い企業へ転職する、この3つが給与アップの基本戦略です。特にフォークリフトなどの資格取得は、比較的短期間で時給アップに直結しやすい方法です。
②の勤続年数は、同じ職場で経験を積むほど任される業務の幅が広がり、リーダー職への登用につながりやすくなります。③の転職では、同業界内でも待遇の良い企業へ移ることで年収アップが期待できます。
未経験から物流倉庫への転職を成功させるポイント

最後に、実際に転職活動を進める際に押さえておきたいポイントを解説します。
志望動機の書き方のコツ
志望動機では、「なぜ物流倉庫の仕事を選んだのか」「なぜその企業なのか」を具体的に伝えることが重要です。前職で培った几帳面さや体力、チームワークなど、活かせる強みを一つに絞って伝えると説得力が増します。
例えば「前職の接客業で培った丁寧な対応力を、検品作業の正確さに活かしたい」のように、具体的なエピソードを添えると印象に残りやすくなります。
面接でよく聞かれる質問
「体力に自信はありますか」「シフト勤務は可能ですか」といった質問は定番です。想定される勤務時間帯や繁忙期の対応可否について、事前に自分の考えを整理しておくとスムーズに答えられます。
「なぜ物流業界を選んだのか」「長期的に働けるか」といった定着意欲を確認する質問もよくあるため、入社後のキャリアイメージも合わせて準備しておきましょう。
転職前に取っておくと有利な資格
フォークリフト運転技能講習は3日程度で修了でき、18歳以上であれば受講可能です。資格があると配属先の選択肢が広がり、時給アップにもつながりやすくなります。
教習機関は一般社団法人全国登録教習機関協会の一覧から探せます。費用は3万円前後が相場ですが、雇入れ時教育の一環として企業が負担してくれるケースもあるため、求人票の福利厚生欄も確認しておくとよいでしょう。
転職エージェントを活用するメリット
求人票だけでは分からない職場の雰囲気や残業の実態は、転職エージェントに相談することで確認しやすくなります。希望条件を伝えるだけで、未経験者歓迎の求人を絞り込んで紹介してもらえるのも利用するメリットです。
特に、ハローワークや求人サイトには載らない非公開求人を紹介してもらえる場合もあり、選択肢を広げるうえでも活用する価値があります。
よくある質問
Q. 物流倉庫の仕事は未経験でも本当に転職できますか?
可能です。多くの求人が学歴・資格不問で募集しており、入社後の研修で仕事を覚えられます。20代・30代であればポテンシャル採用の対象になりやすく、未経験からのスタートを歓迎する企業も増えています。
Q. 物流倉庫の仕事はどのくらいきついですか?
担当する工程や倉庫の環境によって差があります。立ち仕事や歩く距離が多い点は共通しますが、空調完備の倉庫や軽量商品を扱う部門であれば、体力に自信がない方でも対応しやすい傾向です。求人票で作業内容と職場環境を確認しておきましょう。
Q. 物流倉庫の平均年収はどれくらいですか?
正社員の平均年収はおよそ450万円前後、派遣・アルバイトの時給は1,300円台が目安です。資格取得や勤続年数、転職によって年収アップを目指せます。
Q. フォークリフトの資格がなくても転職できますか?
資格がなくても対応できる部署は多くあります。ピッキングや検品、梱包などはフォークリフト不要な業務です。入社後に資格取得を支援してくれる企業もあるため、まずは無資格でスタートし、後から取得することも可能です。
まとめ
物流倉庫の仕事は、未経験・無資格からでも挑戦しやすく、シフトの融通や年収アップの可能性など、20代・30代の転職先として多くのメリットがあります。
一方で、体力面や職場環境によって「きつい」と感じる場面があるのも事実です。求人票だけでは分からない実態は、転職エージェントに相談しながら、自分に合った職場を見極めていきましょう。
工場・製造業で、あなたのキャリアを次のステージへ。
工場・製造業での転職やキャリアアップをお考えなら、 工場・製造業に特化した、完全無料の転職支援サービス 「ジョブハウスエージェント」をご利用ください。 業界に精通したアドバイザーが、経験や希望条件に合わせて最適な求人をご提案します。
著者:ジョブハウス工場 編集部
工場・製造業に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス工場」編集部です。工場・製造業の仕事内容や待遇、期間工・派遣など、幅広い情報を現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。
あわせて読みたい記事
- 物流工場でのピッキング・検品・仕分けの仕事内容を紹介します!この記事で紹介したピッキング・検品・仕分けの各作業について、求人例や1日の流れをさらに詳しく解説しています。実際の勤務イメージを具体的につかみたい方におすすめです。
- 工場の軽作業・ピッキング・検査ってご存知ですか?ピッキングと合わせてよく募集される「軽作業」「検査」の仕事内容を掘り下げて紹介しています。体力面で不安がある方が仕事を選ぶ際の参考になります。
- 自動車工場での仕事ってきつい?仕事内容や働き方まで徹底解説!「きつい」と言われがちな工場系職種の実態を、自動車工場の視点から解説した記事です。物流倉庫と共通する体力面・環境面の悩みを比較しながら読むと理解が深まります。
- 製造業の職種とは?仕事内容と製造業で働くメリットについてご紹介します!物流倉庫以外にも視野を広げたい方向けに、製造業全体の職種とキャリアの広がりを紹介しています。未経験からのキャリアアップ先を比較検討する際に役立ちます。

