第二種電気工事士の資格を持っていれば、転職市場では確実に有利になれます。電気工事士は全国的に人手不足が続いており、未経験でも採用される職場が増えています。
この記事では、第二種電気工事士を活かした転職先の選び方から、年収の実態、未経験・30代でも転職できるのかといった疑問まで、転職に役立つ情報をまるごと解説します。「資格は持っているけど転職に活かせるか不安」という方にこそ読んでほしい内容です。
第二種電気工事士は転職市場でなぜ引く手あまたなのか

まず転職を考えるうえで、市場での自分の価値を把握することが大切です。第二種電気工事士はなぜこれほど求められているのか、その背景から見ていきましょう。
電気工事士の求人数は慢性的な高水準
電気工事士の求人市場では、常に需要が供給を上回っている状態が続いています。経済産業省のデータによれば、電気工事士の就業者数は高齢化が進んでおり、今後10年間で大量退職が予想されています。
求人サイトでは「電気工事士」関連の求人が常時数千件規模で掲載されており、転職活動を始めた後に「求人がない」という状況に陥る可能性は低いといえます。工場・製造業においても電気設備の保全・管理を担う人材は慢性的に不足しており、資格保有者を積極的に採用する企業が増えています。
工場・製造業での電気工事士ニーズが急拡大
工場・製造業における電気工事士のニーズは、近年特に高まっています。スマート工場化(IoT・自動化設備の導入)が加速する中、工場内の電気設備の設置・保守・改修を担える人材への需要が急増しているためです。
具体的には、以下のような場面で第二種電気工事士の知識・資格が直接活きます。
- 生産ラインの電気設備の点検・修理
- 新設備導入時の配線・結線作業
- 電気系トラブルの一次対応と復旧
- 省エネ改修に伴う電気工事
電気工事士法の規定により、一般用電気工作物への工事作業には電気工事士の資格が法的に必要です。つまり、無資格者ではできない業務を担えることが、資格保有者の市場価値を高めています。
第二種と第一種の違い—まず知っておきたい業務範囲
第二種電気工事士は、一般用電気工作物(住宅や600V以下の小規模施設など)の工事ができる国家資格です。工場や大規模施設の電気設備には「第一種電気工事士」が必要になるケースもありますが、第二種だけでも対応できる現場は非常に多くあります。
| 資格 | 対応できる工事範囲 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物(住宅・600V以下の小規模施設) |
| 第一種電気工事士 | 一般用+最大電力500kW未満の自家用電気工作物 |
転職後のキャリアアップとして、第二種取得後に実務経験を積み、第一種電気工事士の試験合格→免状申請(3年以上の実務経験)を目指す流れが一般的です。段階的にキャリアを積み上げられるのも、この資格の大きな魅力です。
資格手当・給与への直接的な影響
第二種電気工事士の資格を保有していると、「資格手当」として月額3,000円〜1万円程度が別途支給される企業も多くあります。年収に換算すると3.6万〜12万円のプラスとなります。
同じ職種・同じ経験年数であっても、資格あり・なしで給与水準が異なるケースは珍しくありません。「資格手当あり」の求人に絞って検索できるのも、資格取得者ならではの強みです。
第二種電気工事士を活かせるおすすめ転職先6選

第二種電気工事士の資格を活かせる転職先は、電気工事会社だけではありません。工場・製造業をはじめ、幅広い業界・職種が選択肢として広がります。代表的な6つの転職先を詳しく見ていきましょう。
①電気工事会社(一般電気工事)
最もイメージしやすいのが、電気工事会社への転職です。住宅・マンション・商業施設などの電気設備工事(配線・コンセント設置・照明工事など)が主な仕事になります。
未経験でも入社後に先輩社員と一緒に現場を経験しながら技術を習得できる会社が多く、資格を持っていれば即戦力候補として歓迎されます。一人前の職人として独立を目指すキャリアパスもあります。
②工場・製造業の設備保全・メンテナンス
工場の生産設備や電気設備を維持・管理する「設備保全」は、第二種電気工事士の知識が直接活きる職種です。生産ラインを止めないために設備の定期点検・予防保全を行い、故障が起きたときは迅速に修理対応します。
求人ボックスの調査によれば、設備保全職の平均年収は約435万円です。工場での勤務は夜勤・交替勤務が含まれる場合もありますが、その分夜勤手当がつき年収が上乗せされるケースもあります。
③ビル・施設の設備管理(ビルメン)
オフィスビル・ショッピングモール・病院などの電気・空調・給排水設備をまとめて管理する「ビルメンテナンス(ビルメン)」も人気の転職先です。定期点検や小規模な修繕対応が主な業務で、重労働が少なくホワイトカラーに近い働き方ができると評判です。
第二種電気工事士は、ビルメン業界で重宝される「ビルメン4点セット」(電気工事士・ボイラー技士・危険物取扱者・冷凍機械責任者)の一つです。複数の資格を揃えるほど採用されやすく、年収も上がりやすくなります。
④施工管理・現場監督
電気工事の現場を管理・監督する「施工管理」は、作業者よりも給与水準が高い傾向にあります。現場でのコスト管理・工程管理・安全管理などを担い、プロジェクトを動かす立場です。
将来的には「電気工事施工管理技士」(1級・2級)の資格取得を目指すことで、より大規模な工事の管理を任せられるようになり、年収600万円以上も視野に入ります。
⑤サービスエンジニア
産業用機械・医療機器・セキュリティ設備などのメーカーや販売会社に就職し、顧客先でのメンテナンス・トラブル対応を担うのがサービスエンジニアです。電気系の知識があることで採用時に優遇されるケースが多く、顧客対応スキルも磨けるため総合的な市場価値が高まります。
メーカー系のサービスエンジニアは、業界によっては平均年収500万円を超えるポジションも多く、給与面でも魅力的な選択肢です。
⑥太陽光・再生可能エネルギー関連
脱炭素・再生可能エネルギーへの移行が加速する中、太陽光発電設備の設置・保守を担う電気工事士の需要が大きく伸びています。新築住宅への太陽光パネル設置義務化の動きもあり、今後もこの分野での求人は増加傾向が続く見通しです。
屋外での作業が多い点はありますが、比較的新しい分野のため経験者が少なく、第二種電気工事士を持っていれば早期にキャリアを積み上げやすい環境があります。
気になる年収・未経験・年齢の疑問をまるごと解消

転職を考えるとき、「実際の年収はどれくらいか」「未経験でも採用されるのか」「自分の年齢で転職できるのか」といった疑問が出てくるはずです。よくある疑問を一つずつ解消していきます。
第二種電気工事士の平均年収はいくら?
電気工事士全体の平均年収は450万〜550万円程度といわれています。ただし、就職直後・未経験の場合は300万〜400万円台からスタートするケースが多く、経験年数・資格レベル・勤務先によって給与幅は大きく異なります。
| 経験・状況 | 目安年収 |
|---|---|
| 未経験・入社直後 | 300万〜400万円 |
| 経験3〜5年 | 400万〜550万円 |
| 経験5年以上・資格あり | 550万〜700万円 |
出典:がてん.info「電気工事士の年収はどれくらい?平均450万〜550万円の実態」
第一種電気工事士や施工管理技士の資格を追加で取得すると、さらに年収の上限が広がります。長期的なキャリア設計として、資格取得のステップを描いておくことが大切です。
未経験でも電気工事士として転職できる?
結論から言えば、未経験でも転職できます。電気工事士の業界では、技術者の高齢化・人手不足が深刻なため、資格さえ持っていれば未経験を歓迎する企業が多数存在します。
求人票に「未経験者歓迎」「資格取得支援あり」と明記されているケースも多く、入社後の研修・OJTでしっかり技術を習得できる環境が整っている会社を選べば、実務経験ゼロからでも一人前の電気工事士として成長できます。
ただし、現場仕事では安全への意識と体力が求められます。「電気の基本的な仕組みに興味がある」「手を動かす仕事が好き」という方には向いている職種です。
30代・40代でも転職は可能?
電気工事士の転職は、30代・40代でも十分に可能です。特に工場の設備保全やビルメンテナンスの分野では、経験・安定感を重視する企業も多く、年齢よりも「資格保有」「誠実さ」「継続意志」が評価される傾向にあります。
一方で、体力的な負荷が大きい現場作業系の仕事では、若手と同じ条件で採用されるのが難しいケースもあります。30代以降の転職では、「管理・監督寄りのポジション」や「室内設備管理」など、技術の幅を活かした職種を狙うのが賢い選択です。
第一種電気工事士を取ればさらにキャリアアップできる
第二種電気工事士を取得後、実務を積みながら第一種電気工事士の試験に挑戦することで、扱える工事の範囲が大きく広がります。大規模工場・高圧受電設備のある建物・インフラ設備など、より規模の大きな現場に携われるようになります。
さらに「電気主任技術者」や「電気工事施工管理技士」へのステップアップも見えてきます。資格のキャリアパスが明確なのは、電気工事士という職種の大きな魅力の一つです。
第二種電気工事士の転職を成功させる5つのポイント

資格を持っているだけで転職が成功するわけではありません。準備と行動の仕方で結果は大きく変わります。転職を成功させるための5つのポイントを解説します。
①工場・製造業特化の転職サービスを使う
一般的な転職サイトよりも、工場・製造業に特化した求人サービスを使うほうが、自分のスキルに合った求人を効率よく見つけられます。設備保全・電気保全の求人数が豊富で、企業側も電気工事士の資格に精通した採用担当者がいるケースが多いです。
転職エージェントを活用すると、非公開求人の紹介を受けられたり、給与交渉のサポートをしてもらえたりするメリットもあります。複数のサービスを並行して使いながら、自分に合った求人を見極めることが大切です。
②関連資格を組み合わせて市場価値を高める
第二種電気工事士単体でも十分な武器になりますが、関連資格を追加で取得することで、採用されやすさと年収が大きく変わります。
- 第一種電気工事士:高圧設備・大規模工場の工事ができるようになる
- 電気工事施工管理技士(2級・1級):現場管理・監督のキャリアへ進める
- 電気主任技術者(3種):電気設備の保安監督が可能になる最高峰資格
- 危険物取扱者(乙4):ビルメン4点セットの一つ。取得難易度が低く取り組みやすい
試験の受験資格や難易度は資格によって異なります。詳細は一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトで確認できます。
③実務経験・エピソードを具体的にアピールする
面接では、「電気工事士の資格を持っています」という事実だけでなく、「どんな現場で・何を・どのくらいの期間経験したか」を具体的に伝えることが採用に直結します。未経験であっても、「電気系の DIY 経験がある」「趣味で電気の勉強をしていた」など、資格取得に至った動機や背景を話すことで熱意が伝わります。
職務経歴書には、担当した工事内容・現場規模・使用した工具や資材などを可能な限り具体的に記載しましょう。
④転職時期は春・秋の採用シーズンが狙い目
電気工事士の求人は通年掲載されていますが、4月入社・10月入社に向けた採用活動が最も活発になる時期(1〜2月、7〜8月)は、特に求人数が増える傾向にあります。
ただし、工場の設備保全や建設系の電気工事は年間を通じて人手が不足しているため、「求人が多くなるまで待つ」よりも、準備が整ったらすぐに動くほうが有利なケースも多いです。
⑤複数社への並行応募で交渉力を高める
1社ずつ順番に選考を受けるよりも、複数社に並行して応募するほうが、時間効率・精神的な余裕の両面でメリットがあります。内定を複数持つことで「どの会社が本当に条件がいいか」を比較でき、給与交渉の際にも有利に働きます。
希望する職種と条件を明確にしたうえで、5〜10社程度を並行して進めるペースで転職活動を進めると、結果的にスムーズに転職先が決まりやすくなります。
第二種電気工事士の転職でよくある質問
Q. 第二種電気工事士の資格だけで転職は有利になりますか?
はい、十分に有利になります。電気工事士は国家資格であり、資格がないと従事できない業務が法律で定められています。そのため、求人票の段階で「資格保有者優遇」「資格手当支給」と明記している企業も多く、未取得者との差別化が明確です。第二種だけでも一般住宅・小規模施設の電気工事を担えるため、幅広い転職先から選べます。
Q. 電気の仕事は未経験でも採用してもらえますか?
資格保有者であれば、未経験でも採用される可能性は十分あります。特に電気工事会社や工場の設備保全では、人手不足を背景に「資格さえあれば入社後に技術を教える」という方針の企業が増えています。面接では、資格取得の動機や「現場で技術を身につけたい」という意欲を具体的に伝えることが採用につながります。
Q. 第二種と第一種、どちらを先に目指すべきですか?
まずは第二種電気工事士を取得し、転職後に実務経験を積みながら第一種を目指すルートが一般的です。第一種電気工事士の免状取得には3年以上の実務経験が必要なため、先に就職して経験を積むことが前提になります。試験自体は実務経験なしで受験できるので、転職後に計画的に学習を進めるとよいでしょう。
Q. 転職後に年収が下がる可能性はありますか?
転職直後は前職より年収が下がるケースもあります。特に異業種からの転職や、キャリアチェンジを伴う場合は、最初の1〜2年は収入が下がることを想定しておくほうが現実的です。ただし、電気工事士は経験年数や資格の追加取得によって年収が上がりやすい職種です。短期的な収入よりも「3〜5年後のキャリア」を基準に転職先を選ぶことをおすすめします。
まとめ
第二種電気工事士は、転職市場で確実に武器になる国家資格です。電気工事会社・工場設備保全・ビルメンテナンス・施工管理・サービスエンジニアなど、幅広い転職先から自分に合ったキャリアを選べます。
未経験でも歓迎している求人は多く、30代・40代でも資格と意欲があれば転職のチャンスがあります。転職を成功させるには、工場・製造業特化のサービスを使い、関連資格の取得計画を立てながら、複数社に並行して応募する行動力が大切です。
まずは転職エージェントへの登録や求人サイトの検索から一歩を踏み出してみましょう。資格を持つあなたなら、希望の転職先を見つけられる可能性は十分にあります。
工場・製造業で、あなたのキャリアを次のステージへ。
工場・製造業での転職やキャリアアップをお考えなら、 工場・製造業に特化した、完全無料の転職支援サービス 「ジョブハウスエージェント」をご利用ください。 業界に精通したアドバイザーが、経験や希望条件に合わせて最適な求人をご提案します。
著者:ジョブハウス工場 編集部
工場・製造業に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス工場」編集部です。工場・製造業の仕事内容や待遇、期間工・派遣など、幅広い情報を現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。
関連記事
-
製造業に携わるなら、取っておいて損はない資格を紹介します!
電気工事士をはじめ、工場・製造業で評価される国家資格を一覧で解説。資格取得が給料アップ・採用通過率に直結する理由や、フォークリフト・機械保全など電気工事士と組み合わせると効果的な資格も紹介しています。
-
工場に資格は必要なのは本当?資格を取る前に読んでほしいこと3選!
「資格がなければ工場で働けないのか?」という疑問に正面から答える記事です。資格の種類(特別教育・技能講習・国家資格)の違いや、取得することで高収入・昇進・採用有利につながる具体的な理由を解説しています。



