日産自動車でのライン作業
26歳の時に半年間、期間従業員として働いた経験談をお話しいたします。
面接の時に「溶炉での仕事となります」と言われ、その意味がまったく分からず現場に入りました。現場では、軍手と作業用手袋の二枚重ね、目にはゴーグルと耳栓、ヘルメットと安全靴の重装備でしたので、普通の現場ではないなと感じましたが、やっぱり普通ではありませんでした。
車のエンジン回りは、アルミなどの金属で出来ており、熔炉の中で金属を溶かし、大きなマシンに鋳型を設置して型を作り上げ、出来上がった部品にプレスをかけて仕上げていくという製造工程です。
マシンで作られた部品は、熱いだけでなく、かなりの重さです。部品の温度が下がると作業に入りますが、ライン作業というよりも、パレットに積まれた部品をフォークリフトで運び込み、それを手作業で持ち上げて作業を行い、仕上がった部品をまた別なパレットに移し替えるという作業でした。
経験が少ない作業員は見よう見まねで簡単にできる作業場につくことになります。なぜかと言うと、この現場は耳栓をしている為、人の話し声がほとんど聞こえません。その為、何かを教えたり作業指示を与えたりということがほとんどできない現場です。
まずは、リーダーらしき人がやって見せる。そして実行する。問題なく出来るようであれば、そのまま終了時間まで同じ作業をする。この繰り返しです。
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一番つらかった作業
エンジンの外側をカバーする部品は、かなり重いです。私の経験から一番つらかった作業は、この重い部品を水の中に入れて部品に穴が開いていないかどうか、不良品を見つける作業です。
寒い時期に、この作業が割り当てられた時は地獄でした。エプロンが届かない足元などが濡れると、足元がとても冷たくなります。また部品の持ち運びや部品の上げ下ろしを何時間も行うため、腰が痛くなります。足腰の痛みと冷たさは結構体にこたえます。
翌日も同じ作業の時は、身体に疲労感が重く残っていて、とてもつらかったことを覚えています。
あまりにもつらくて、作業ピッチが非常に遅くなってしまった時に、帽子に赤いラインがある人(恐らくリーダーだと思います)が助けてくれました。作業を代わってくれたのです。誰もやりたがらないきつい作業だということを、この人は知っていたのだと思います。
耳栓をしているので、まったくコミュニケーションの取れない職場でしたが、上の者が身体を使って後姿を見せる。という点については男気がある職場だと思いました。とてもつらい仕事でしたが、このリーダーのおかげで、半年間の作業期間を乗り越えられたのかもしれません。
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口コミ提供者情報
・勤務先 日産自動車 富士工場(現在はジャトコ)
・勤務地 静岡県 富士市
・性別 男性
・年齢 50代
