電気製品を作る上でプリント基板は欠かせない存在です。この記事では、プリント基板の詳しい説明、プリント基板を含む機構部品の種類、製造工程を紹介していきます。


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プリント基板とは

プリント基板とは、電子部品の機構部品という分類に入ります。


電子部品

電子部品とは電子回路を構成する基本的な部品です。電子部品には主に3種類あります。いずれも製造には高い技術力が必要とされます。


・能動部品(半導体)・受動部品・機構部品

能動部品について詳しく知りたい方はこちらから受動部品について詳しく知りたい方はこちらから

このコラムでは機構部品について詳しく解説していきます。


機構部品

機構部品には能動部品や受動部品などを固定・接続し、電気を通したり出力として取り出したりする機能があります。そして機構部品は構造部品、補助部品と呼ばれることもあり、能動部品や受動部品のような電気的な役割を持っていません。


しかし電気回路の動作や動作速度を左右する、重要な部品です。例としてスイッチコネクタなどが挙げられます。さらにプリント基板も機構部品に属しています。


電子回路と電気回路

ここまでで電子回路と電気回路という単語を使用してきましたが、実は電子回路と電気回路には違いがあります。


まず電子回路は電気回路に含まれます。電気回路とは導体による電流の通路です。そして強電が電気回路に対応する一方で、弱電が電子回路に対応します。


電気をエネルギーとして利用するものを強電、通信または信号として利用するものを弱電と呼びます。強電は電気をエネルギーとして利用するため電圧も高くなり、取り扱いには資格が必要なものもあるほどです。



工場で何を作っているのか?(機構部品)


プリント基板

プリント基板とは、電子部品を固定して配線するための板です。また能動部品や受動部品、その他の機構部品の配置前後で名称が異なります。


コアレス基板

基板内にはビルドアップ層とコア層と呼ばれる導線層があり、その導線層からコア層をのぞいた基板です。他にも基板レスと呼ばれる携帯機器向けチップなどに使われる薄型のものも存在します。


DIP ソケット

※”引用元:https://www.k-tokiwa.co.jp/MProductDetail.do?id=18044

基板と集積回路(IC/LSI)をつなぐコネクタの一種です。


ガラスエポキシ基板(ガラエポ)

プリント基板の一種で、熱硬化処理が施されたコア層と配線に銀箔が用いられたビルドアップ層によって構成されています。熱硬化処理を施す際に、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂を染み込ませるため、ガラスエポキシ基板と呼ばれています。


リレー(継電器)

※”引用元:http://www.koyo-el.co.jp/product/product1-04.html

電子石と接点機構で構成される中継スイッチです。コイルに与えられる電圧・電流で接点の開閉を行います。


ヒートシンク(放熱器)

金属で作られた、トランジスタやICなどの熱を外気に逃す部品です。その他にも、スイッチ、ソケット、コネクタ、プラグ、アンテナ、電線等があります。以前までは海外メーカーとの競争があまり激しくなかった機構部品産業も、昨今では徐々に激しくなっています。


これにより世界での競争に勝てるよう日本の中堅会社・中小企業の多くは特定の製品や技術に特化することで優位性を確保できるような戦略を進めています。



電子部品(機構部品)ってどんなところで使われてるの?

コンセント 

”引用元:https://americandenki.co.jp/P/P-1/#

建物内の壁コンセントの内側には、抵抗体・リード線・電力ヒューズなどといった機構部品が使われています。


AVアンプ

この製品はホームシアターなどで使用され、映像や音声信号の入出力、音量や音色の調整をするために用いられます。熱が発生しやすいため、内部には複数個のヒートシンクが使用されています。


ROMカートリッジ 

多くの企業が商品にこの製品を使用していています。よく目にするものはゲームソフトだと思います。具体的に述べますと、ROMカートリッジとゲーム機本体の接続は、接続コネクタ・ケーブルコネクタといった機構部品が使われています。



プリント基板はどのようにつくられているのか

ここでは、機構部品の中でもプリント基板の製造工程について説明していきます。近年では新たな技術が開発されたことにより、基板の種類も多岐に渡ります。


プリント基板の製造工程

素材切断

片面基板用銅張積層板を決まったサイズに切断します。



レジスト印刷

配線パターン(素材の銅箔を残したい部分)の通りに、エッチングレジストで保護します。



エッチング

レジストで保護していない部分の銅箔を剥がします。



剥離工程

レジストで保護していた部分のレジストを剥離し、配線パターンを形成します。



ソルダーレジスト印刷

パターン間の絶縁及び、はんだ付け工程で望まない部分へのはんだ付着を防ぐためにソルダー(はんだ)レジスト印刷を施します。



穴あけ

電子部品のリード線を挿入する穴や、取り付け穴といった穴あけ加工を施します。



表面処理

配線パターンの銅箔の防錆及び、はんだ付けをしやすいように表面にメッキなどを塗布します。



シンボルマーク印刷

電子部品を配置するガイドの役割をになるシンボルマークと呼ばれるものを印刷します。



ーター加工

外形などの加工を行います。



完成基板の導通チェック

断線、ショートのチェックを確認します。




 最後に

以上で半導体・電子工場の生産品・生産工程に関する、電子部品(機構)のコラムは終わります。

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