倉庫のボーナスは、雇用形態によって「出る・出ない」がはっきり分かれます。正社員なら年2回の支給が一般的ですが、派遣社員やアルバイトでは支給されないケースが多いのが実情です。

厚生労働省の統計によると、2025年夏のボーナス平均は全産業で42万6,337円でした。一方、倉庫が含まれる運輸業,郵便業は38万5,978円にとどまり、製造業の58万8,660円とは約20万円の差があります。

この記事では、倉庫で働く方のボーナスの相場、少ないといわれる理由、支給時期と金額の決まり方、そしてボーナスを重視した求人の選び方まで、順を追って解説します。

ジョブハウス工場

倉庫のボーナス相場はいくら?統計と雇用形態別の目安

倉庫のボーナス相場の目安

「倉庫職だけ」を対象にした公的なボーナス統計はありません。そのため、倉庫業が含まれる産業の統計と、雇用形態ごとの支給実態をあわせて見るのが現実的です。ここから順に確認していきましょう。

【2025年夏】産業別のボーナス平均を比べると

倉庫の仕事は、物流会社などの「運輸業,郵便業」、商品を扱う「卸売業,小売業」、メーカー併設なら「製造業」に分かれます。2025年夏の支給事業所平均は次のとおりです。

産業 平均(円) 前年比
調査産業計 42万6,337 +2.9%
製造業 58万8,660 +7.4%
運輸業,郵便業 38万5,978 −2.5%
卸売業,小売業 37万9,774 −0.7%

調査産業計のボーナスは前年から増えましたが、運輸業,郵便業と卸売業,小売業は減少しました。倉庫が多く含まれる産業は、製造業より夏のボーナスが約20万円低いというのが、統計から見える実態です。

出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」2025年夏季賞与(事業所規模5人以上)

倉庫の正社員は「年2回・数十万円台」が目安

倉庫の正社員は、年2回(夏と冬)の支給が一般的です。運輸業,郵便業の夏季平均385,978円を基準にすると、1回あたり30万〜40万円前後が一つの目安になります。

ただし、この平均には管理職や大手物流企業の社員も含まれています。倉庫の現場スタッフは、これを下回るケースが少なくありません。

夏と冬が同水準だと仮定した単純計算では、年間の支給額は70万円台後半です。あくまで産業全体の平均であり、個別の求人では必ず支給実績を確認してください。

なお、全産業では支給事業所の割合が73.4%、つまり約4社に1社はそもそも夏のボーナスを出していません。

出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)「夏季賞与の支給状況」

契約社員・派遣社員は「ボーナスなし」が多数派

契約社員や派遣社員の場合、まとまったボーナスは支給されないケースが多数派です。派遣では、賞与にあたる分があらかじめ時給に織り込まれていることが一般的です。

派遣社員の待遇は、法律上「派遣先の正社員との均衡」または「労使協定」にもとづいて決まる仕組みです。賞与を支給するかどうかも、この枠組みの中で派遣会社ごとに異なります。

一方、派遣会社に無期雇用される「無期雇用派遣」では、賞与が支給される会社もあります。気になる方は、事前に派遣会社へ確認しておきましょう。

派遣会社の情報公開や待遇は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認できます。

アルバイト・パートは寸志や決算手当が中心

倉庫のアルバイトやパートで、正社員と同じ形のボーナスが出ることはまれです。支給があっても、寸志や決算手当といった形が中心で、金額は正社員とは開きがあります。

求人によっては「賞与あり」と書かれていても、金額や条件は大きく異なります。勤続年数や出勤日数を条件にしている会社も多いため、応募前に条件を確認しておくと安心です。

賞与がなくても、時給が高い、シフトの自由度が高いといった魅力がある職場もあります。ボーナスの有無だけでなく、年間の総収入で比べる視点を持ちましょう。

倉庫のボーナスが「少ない・出ない」といわれる4つの理由

倉庫のボーナスが少ない・出ない4つの理由

「倉庫はボーナスが少ない」という声は、求職者のあいだでよく聞かれます。背景には、仕組み上の理由がいくつかあります。理由を知っておけば、求人を見るときの判断軸にもなります。

理由1:賞与は法律上の義務ではなく、会社ごとの決まり

実は、ボーナスの支給は法律で義務づけられているわけではありません。支給するかどうか、いくら支給するかは、就業規則や雇用契約で会社が決めます。

賞与の定めを設ける場合、会社は就業規則に記載する必要があります。詳しい規定は労働基準法(e-Gov法令検索)で確認できます。

つまり、同じ倉庫の仕事でも、会社によって賞与の有無や水準が変わります。「倉庫だから出ない」ではなく、「その会社の制度次第」と考えるのが正確です。

理由2:荷主との契約単価に収益が左右されやすい

物流倉庫の多くは、荷主企業の荷物を預かって保管・出荷する仕事で収益を得ています。荷主との契約単価が収益の土台になるため、業績が賞与に反映されにくい傾向があります。

人件費や燃料費、家賃などが上がっても、単価をすぐに引き上げられるとは限りません。その結果、賞与の原資を確保しにくい会社もあります。

前述の統計でも、運輸業,郵便業は2025年夏に前年を下回りました。業界全体の収益環境が、賞与額に影響していると考えられます。

理由3:派遣・アルバイトなど非正規の比率が高い現場がある

倉庫の現場では、繁閑の波に対応するため、派遣社員やアルバイトを多く活用する会社があります。こうした働き方は賞与の対象外とされるケースが多いのが実情です。

そのため、「倉庫で働く人の多くはボーナスをもらっていない」という印象が広がりやすくなります。正社員として採用されれば、状況は変わります。

賞与を重視するなら、募集される雇用形態を最初に見極めましょう。同じ倉庫でも、正社員募集か派遣募集かで待遇は大きく異なります。

理由4:賞与分があらかじめ月給や時給に含まれている

求人によっては、賞与相当額を12か月で割り、毎月の給与に上乗せしているケースがあります。月給が高く見えても、実質的にはボーナス込みの金額かもしれません。

「賞与なし・月給が高め」の求人は、年収で比べると「賞与あり・月給が低め」の求人と大差ない場合もあります。毎月の手取りが安定する点を好む方には、向いている形です。

求人票の「賞与込み」「年俸制」といった表記は、見逃さないようにしましょう。この確認だけでも、条件の読み違いを防げます。

ボーナスの支給時期と金額はどう決まる?

ボーナスの支給時期と金額の決まり方

ボーナスを受け取れる職場に入るなら、仕組みも理解しておきたいところです。支給の時期、金額の計算方法、受け取る条件を押さえておくと、求人票や面接で聞くべきことが見えてきます。

支給時期は夏(6〜7月)と冬(12月)が基本

ボーナスは、夏は6〜7月、冬は12月に支給する会社が多数です。年2回が最も一般的で、このほかに決算期に業績に応じて支給する「決算賞与」を設ける会社もあります。

JILPTの整理によると、2025年夏のボーナスを支給した事業所は全体の73.4%でした。労働者の割合でみると、支給事業所で働く人は84.6%にのぼります。

規模の大きい会社ほど支給される傾向があるため、小規模な倉庫会社では支給の有無を確認する必要があります。

金額は「基本給×支給月数」+査定が基本

多くの会社では、基本給に支給月数をかけた金額をベースに、個人の評価(査定)を加減して決めます。たとえば基本給20万円で1.5か月分なら、1回あたり30万円です。

注意したいのは、月給に含まれる残業代や手当は、計算のもとになる基本給に入らないことが多い点です。月給が同じでも、基本給の比率によってボーナスは変わります。

求人を比べるときは、月給の総額だけでなく「基本給がいくらか」も確認しましょう。

ここで、賞与の有無で年収がどう変わるかを試算してみます。

パターン 条件 年収(万円)
A 賞与あり 月給25万円・賞与年60万円 360
B 賞与なし 月給28万円・賞与なし 336

※パターンAは基本給20万円×1.5か月分×年2回を想定した試算です。月給の高さだけでは判断できず、年収で比べると差が逆転することがわかります。

算定期間と「支給日在籍」の条件に注意

ボーナスには、評価の対象となる「算定期間」があります。たとえば冬の賞与なら、6〜11月の勤務実績が対象になる、といった形です。

また、支給日に在籍していることを条件にする会社も少なくありません。支給の直前に退職すると、算定期間に働いていても受け取れない場合があります。

転職を考えているなら、退職のタイミングは賞与の支給日を踏まえて決めるのが賢明です。就業規則に条件が書かれているので、あらかじめ確認しておきましょう。

入社1年目は満額にならないことが多い

入社して最初のボーナスは、算定期間に満たないため、満額が出ない会社が一般的です。日割りや月割りで計算されたり、寸志程度になったりします。

試用期間中は賞与の対象外とする会社もあります。「入社したらすぐ数十万円もらえる」と思い込まないことが大切です。

1年目の賞与の扱いは、面接で質問してよい項目です。聞きにくいと感じるかもしれませんが、入社後のミスマッチを避けるために有効です。

ボーナスを重視する人の倉庫求人の選び方5つのポイント

ボーナスを重視する人の倉庫求人の選び方

ボーナスのある倉庫で働きたいなら、求人票の読み方が重要です。「賞与あり」の文字だけで判断せず、中身まで確認しましょう。ここでは、応募前にチェックしたい5つのポイントを紹介します。

ポイント1:求人票の「賞与」欄は前年度実績まで見る

「賞与あり」という記載は、支給を保証するものではありません。「年2回・前年度実績◯か月分」のように、回数と実績が書かれている求人のほうが信頼できます。

ハローワークの求人票にも、賞与の有無や前年度の実績を記載する欄があります。気になる求人は、ハローワークインターネットサービスで同じ会社の募集内容と見比べると、記載のずれに気づけます。

「賞与:業績による」「賞与:見込み」とだけある場合は、実績が出ていない可能性があります。面接で確認しておきましょう。

ポイント2:「年収例」は入社者の実績かどうかを確認する

求人サイトの年収例は、どの条件の人の実績かによって意味が変わります。残業が多い人の例や、役職者の例が含まれていると、実際の年収より高く見えます。

参考までに、求人ボックスの掲載求人では、倉庫内作業の平均年収は440万円、平均時給は1,192円と紹介されています。ただし、求人上の金額と実際の支給額には差があります。

モデル年収を見るときは、「入社1年目」「残業何時間」「賞与は含むか」の3点を確認しましょう。

出典:求人ボックス 給料ナビ「倉庫内作業の年収・時給」

ポイント3:運営会社と倉庫の種類で待遇に差が出る

同じ倉庫でも、運営する会社によって待遇は大きく変わります。メーカーの自社倉庫、大手物流グループの倉庫、ECの物流センターなどがあり、メーカーや大手グループは賞与制度が整っている傾向があります。

一方、人材派遣会社が請け負う倉庫業務は、時給は高めでも賞与がないことが少なくありません。誰が雇用主になるのかを、必ず確認しましょう。

工場の敷地内にある倉庫や、製造ラインとつながる倉庫は、製造業の待遇が適用される場合もあります。気になる求人では、雇用主の会社名を調べておくと判断しやすくなります。

ポイント4:資格と手当で年収を底上げする

賞与以外にも、年収を左右する要素があります。代表的なのがフォークリフトの資格です。最大荷重1トン以上の運転にはフォークリフト運転技能講習の修了が必要で、資格手当を出す会社もあります。

夜勤手当や、重量物を扱う作業の手当がつく職場もあります。基本給が同じでも、手当次第で年収に差が出ます。

入社後に資格取得を支援してくれる会社なら、未経験からでも収入を伸ばしやすくなります。支援制度の有無は、求人票で見逃さないでください。

ポイント5:賞与なしでも「総額」で勝てる求人を探す

賞与だけにこだわると、選択肢が狭まります。慰労金・報奨金・入社祝い金・寮費補助などを合わせた「1年間の総額」で比べると、賞与なしでも手元に残るお金が多い求人があります。

工場系の求人では、賞与の代わりに満了慰労金や報奨金を設ける企業もあります。倉庫の仕事に限らず、広く見るとよりよい条件に出会えるかもしれません。

ボーナスの有無ではなく、年間の総収入と働きやすさで比べるのが、後悔しない求人選びのコツです。

倉庫のボーナスに関するよくある質問

倉庫のボーナスに関するよくある質問

Q1. 倉庫のアルバイトにボーナスはありますか?

ボーナスが出ない会社が多数派です。支給がある場合も、寸志や決算手当といった形が中心で、正社員の賞与とは金額に開きがあります。求人票の記載や面接で確認しましょう。

Q2. 派遣で倉庫に勤務する場合、ボーナスをもらう方法はありますか?

無期雇用派遣として働く、または紹介予定派遣で正社員を目指す方法があります。通常の登録型派遣では、賞与にあたる分が時給に含まれているのが一般的です。

Q3. 倉庫の正社員のボーナスはいつもらえますか?

夏(6〜7月)と冬(12月)の年2回が一般的です。会社によっては決算賞与があります。正確な時期は就業規則で決まっているため、入社前に確認してください。

Q4. 入社してすぐ辞めてもボーナスはもらえますか?

もらえないことが多いです。算定期間の在籍や、支給日に在籍していることを条件にする会社が一般的です。条件は就業規則で決められているため、事前に確認しましょう。

Q5. ボーナスを重視するなら、倉庫と工場どちらがよいですか?

統計上は、製造業の夏季賞与(58万8,660円)が運輸業,郵便業(38万5,978円)を上回っています。ただし会社によって差が大きいため、募集の雇用形態と賞与の実績を比べて判断しましょう。

まとめ:倉庫のボーナスは「雇用形態」と「会社選び」で決まる

倉庫のボーナスは、雇用形態と会社の制度によって大きく変わります。正社員なら年2回の支給が一般的ですが、派遣やアルバイトでは支給されないことが多く、賞与分が時給に含まれる場合もあります。

2025年夏の統計では、運輸業,郵便業のボーナス平均は38万5,978円でした。製造業の58万8,660円と比べると、水準の差があるのが現実です。

求人を選ぶときは、賞与の回数と前年度実績、基本給の額、運営会社、手当や慰労金まで含めた年間の総額で比べましょう。賞与なしでも、トータルで魅力的な求人は見つかります。

ボーナスや待遇を比べながら求人を探したい方は、工場・製造業の求人にも視野を広げてみてください。

 

稼げる工場求人がわかる・選べる転職サイト
ジョブハウス工場 会員登録

ジョブハウス工場は、工場求人数業界No.1!
ご希望の方は<完全無料>で、あなたにおすすめの求人情報を受け取れます◎
まずは最短45秒で会員登録!

著者:ジョブハウス工場 編集部

豊富な転職実績や最新データをもとに、工場ワークの気になるポイントや現場の情報をわかりやすく解説します。

ジョブハウス工場

あわせて読みたい関連記事

ボーナスの水準や仕事の中身をさらに詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。