製紙業界の売上高1位は王子ホールディングスで、2026年3月期は1.86兆円でした。平均年収も同社が850万円で首位です。

一方で、営業利益率ではレンゴーが3.7%で最も高く、「規模が大きい会社=働きやすい会社」とは言い切れません。

この記事では、国内の製紙大手6社を売上高・平均年収・利益率・従業員数のランキングで比較します。製紙工場で働くときの職種や勤務形態も、あわせて整理しました。

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製紙業界の売上高ランキング|王子HDが1.86兆円で首位【2026年3月期】

製紙業界の売上高ランキング

まずは国内の製紙大手6社を、連結売上高の順に並べます。上位3社は1兆円を超えており、4位以下との差が大きい業界です。

日本製紙連合会によると、国内の紙・板紙の年間生産量は約2,202万トンにのぼります。それだけ大きな市場を、少数の大手が支えている構図です。

売上高ランキング6社の一覧

6社の連結売上高と前年比は、次のとおりです。

順位 会社 売上高(前年比)
1位 王子HD 1.86兆円(+0.7%)
2位 日本製紙 1.19兆円(+0.9%)
3位 レンゴー 1.01兆円(+1.5%)
4位 大王製紙 6,668億円(-0.3%)
5位 北越コーポレーション 2,877億円(-5.9%)
6位 三菱製紙 1,575億円(-10.5%)

出典:製紙業界ランキング(国内6社・2026年3月期)

首位の王子HDは、2位の日本製紙より約6,700億円多い売上です。1位と2位の間にも、大きな差があります。

1〜3位は1兆円超えの大手3社

王子HDは、国内の紙づくりに加えて、アジアや欧州にも拠点を持つ総合メーカーです。海外展開を進めていることが、売上規模を支えています。

日本製紙は新聞用紙や印刷用紙のほか、家庭紙や紙パック向けの原紙なども手がけています。

3位のレンゴーは、段ボールや板紙を主力とする会社です。前年比+1.5%と、上位3社の中では最も伸びています。

4〜6位は特色のある中堅3社

大王製紙は、家庭紙(ティッシュやおむつなど)に強い会社です。売上は4位ですが、後ほど紹介するとおり、コスト面では6社の中で優れた数字を出しています。

北越コーポレーションは、洋紙と紙加工の両方を持つ会社で、5位に入りました。三菱製紙は、写真用紙や機能紙など、専門性の高い製品を扱っています。

6位の三菱製紙は前年比-10.5%と、下位2社で落ち込みが目立ちます。

前年比で見ると、上位と下位で明暗が分かれる

上位3社が横ばいから微増なのに対し、北越コーポレーションは-5.9%、三菱製紙は-10.5%でした。大手3社は安定し、下位2社は減収という構図です。

紙の需要は、ペーパーレス化の影響で減る傾向にあります。矢野経済研究所も、2025年の紙・板紙の出荷量は再び減少する見通しとしています。

ただし、段ボールや家庭紙など、暮らしに欠かせない分野は底堅い動きです。会社ごとに、どの分野を主力にしているかで業績が変わります。

売上高ランキングを求人選びにどう使うか

売上高が大きい会社は、工場の数や拠点が多く、求人の数も出やすい傾向があります。勤務地の選択肢を広げたい方には、大手3社が検討しやすいでしょう。

ただし、売上高はあくまで会社全体の規模です。実際に働く工場の仕事内容や勤務形態は、求人ごとに確認する必要があります。

製紙は、紙の種類によって工場の設備も働き方も変わります。会社名だけでなく、どの製品をつくる工場かもチェックしておくと安心です。

詳細は日本製紙連合会の公式サイトで、紙・板紙の生産や需給の統計を確認できます。

製紙会社の平均年収ランキング|王子HDが850万円、レンゴーが818万円

製紙会社の平均年収ランキング

次に、平均年収のランキングを見ていきます。製紙大手6社の平均年収は、633万円から850万円の範囲に収まりました。

ただし、数字の読み方にはいくつか注意点があります。

平均年収ランキング6社の一覧

各社の有価証券報告書に基づく、単体ベースの平均年収です。カッコ内は前年比を表します。

順位 会社 平均年収(万円)
1位 王子HD 850(+0.6%)
2位 レンゴー 818(+5.0%)
3位 日本製紙 692(+2.2%)
4位 三菱製紙 680(+2.2%)
5位 大王製紙 637(+2.1%)
6位 北越コーポレーション 633(+3.3%)

6社すべてが前年を上回りました。特にレンゴーは前年比+5.0%と、伸びが目立ちます。

王子HDの850万円は「持株会社の数字」に注意

1位の王子HDは、単体の従業員数が464人と少なく、持株会社として管理部門などを担う人員の平均です。連結の従業員数は38,757人にのぼります。

つまり、工場で働くスタッフの年収とは、母数がそもそも異なります。工場勤務を考えるなら、グループ会社や個別の求人の条件を見ることが大切です。

上場24社で見ても、大手は業界上位に入る

パルプ・紙セクターの上場24社に広げると、平均年収の中央値は591.6万円でした。大手6社はいずれも、この中央値を上回っています。

24社の中では、ニッポン高度紙工業が773万円で3位、特種東海製紙が716万円で4位に入りました。大手以外にも、年収水準の高い会社があります。

一方で、下位には500万円台前半の会社も並びます。同じ製紙・紙加工の業界でも、会社によって200万円以上の開きがあります。

出典:パルプ・紙 平均年収ランキング(EDINET DB)

年収は「職種」と「シフト」でも大きく変わる

ランキングは会社全体の平均です。工場の現場スタッフは、基本給に加えて、夜勤手当や交替勤務の手当で収入が変わります。

同じ会社でも、日勤のみの職種と、3交替制の職種では、月収に差が出ることがあります。求人を見るときは、年収の例が「夜勤込みか」を必ず確認してください。

また、寮や社宅の有無によって、手元に残るお金も変わります。家賃の負担が少ない求人は、見た目の年収以上に貯金しやすい場合があります。

利益率・財務で見る製紙業界ランキング|安定して働けるのはどの会社?

利益率・財務で見る製紙業界ランキング

転職先を選ぶときは、売上や年収だけでなく、会社の体力も気になるところです。ここでは利益率と自己資本比率、従業員数のランキングを見ていきます。

営業利益率はレンゴーが3.7%で1位

営業利益率とは、売上のうち本業でどれだけ利益が残ったかを示す数字です。製紙業界は設備投資が大きく、利益率が高くなりにくい業界といえます。

6社の営業利益率と自己資本比率は、次のとおりです。営業利益率の高い順に並べています。

会社 営業利益率 自己資本比率
レンゴー 3.7% 37.3%
大王製紙 3.6% 26.6%
北越コーポレーション 2.6% 59.9%
日本製紙 2.1% 29.2%
王子HD 1.9% 41.0%
三菱製紙 0.2% 46.3%

1位のレンゴーと2位の大王製紙は、わずか0.1ポイント差でした。大王製紙は前年から+2.1ポイントと、改善幅が最も大きい会社です。

大王製紙は売上原価率76.2%で最もコスト効率が高い

売上原価率とは、売上に対してモノをつくるためにかかったコストの割合です。低いほど、効率よく利益を出せていることを示します。

6社の中で最も低かったのは、大王製紙の76.2%でした。前年から2.3ポイント下がっています。

反対に最も高かったのは、三菱製紙の87.1%です。製造コストの管理は、工場で働く人の仕事にも直結する部分です。

自己資本比率は北越コーポレーションが59.9%でトップ

自己資本比率は、会社の資金のうち返済不要のお金が占める割合を示します。高いほど、財務面の安定度が高いといえます。

北越コーポレーションは59.9%で1位でした。次いで三菱製紙が46.3%、王子HDが41.0%と続きます。

一方、大王製紙は26.6%で6位でした。利益率が改善している会社でも、財務の安定度は別に見る必要があります。

連結従業員数は王子HDが38,757人で最多

従業員数の多い順に並べると、次のようになります。数字はいずれも連結ベースです。

  • 1位:王子HD(38,757人)
  • 2位:レンゴー(25,573人)
  • 3位:日本製紙(15,042人)
  • 4位:大王製紙(11,639人)
  • 5位:北越コーポレーション(3,728人)
  • 6位:三菱製紙(2,513人)

従業員数が多い会社ほど、拠点や配属先の選択肢が広い傾向があります。ランキングは1つの指標だけで判断せず、複数の数字を組み合わせて見ることが大切です。

なお、今回の数字は2026年3月期のものです。決算が更新されると順位が入れ替わる可能性があるため、応募前には最新の決算を確認してください。

ランキング上位の製紙工場で働くには?未経験からの職種・勤務形態・選び方

製紙工場で働くには

ランキングを見て、製紙工場で働いてみたいと感じた方もいるでしょう。ここでは、現場の仕事内容や勤務形態、求人を選ぶときのポイントをまとめます。

製紙工場の主な仕事は「抄紙機オペレーター」と仕上げ工程

製紙工場の中心となる仕事は、抄紙機(しょうしき)を操作するオペレーターです。抄紙機は、原料から紙を薄く平らにつくる大型の機械です。

そのほか、紙の小切りや巻取り加工、検品といった仕上げ工程があります。機械の監視と調整が中心で、体力よりも集中力や正確さが求められる仕事です。

未経験の求人では、全工程をひと通り経験して流れを学ぶ研修を設けている工場もあります。配属後に、得意な工程を伸ばしていく流れです。

2交替・3交替制の勤務と深夜手当の仕組み

製紙工場は機械を止めずに稼働させるため、交替制の勤務が一般的です。求人では、4勤2休の2交替制や、朝番・中番・夜番の3交替制といった例が見られます。

3交替制の夜番は、22時から翌7時までという求人もあります。生活リズムが変わるため、体調管理は重要です。

労働基準法では、22時から翌5時までの深夜労働に対して、25%以上の割増賃金を支払うことが定められています。詳細はe-Gov法令検索の労働基準法で確認できます。

求人によっては、法定を上回る割増率を設定している場合もあります。夜勤を含む年収例かどうかは、応募前に必ず確かめましょう。

未経験でも始められる?研修と取得できる資格

製紙工場の求人には、未経験歓迎のものが数多くあります。ある工場では、先輩スタッフの半数以上が未経験からの入社だと案内しています。

クレーン、玉掛け、フォークリフトといった資格を、入社後に取得できる求人も目立ちます。資格取得の費用を会社が負担してくれるかどうかも、確認したいところです。

資格を持っていない20〜30代でも、入社後にスキルを積み上げていけるのが、工場の魅力です。

求人を選ぶときの4つのチェックポイント

ランキング上位の会社だからといって、すべての工場の条件が良いとは限りません。応募前に、次の4点を確認しておくと安心です。

  • シフトの形態(日勤のみ・2交替・3交替)と夜勤の頻度
  • 年間休日数と、土日祝休みの有無
  • 夜勤手当や深夜割増の金額・割合
  • 寮・社宅の有無と、家賃や光熱費の負担

日勤中心で残業のない求人もあれば、夜勤を前提にした求人もあります。働き方の希望と合うかどうかが、長く続けられるかの分かれ目です。

条件の比較に迷うときは、求人サイトのキャリアアドバイザーに相談する方法もあります。希望に合う工場を、一緒に探してもらえます。

製紙業界ランキングに関するQ&A

Q1. 製紙業界で売上高が最も大きい会社はどこですか?

王子ホールディングスです。2026年3月期の連結売上高は1.86兆円で、2位の日本製紙(1.19兆円)、3位のレンゴー(1.01兆円)が続きます。

Q2. 製紙大手の平均年収はどのくらいですか?

大手6社の単体ベースで、633万円から850万円です。1位は王子HDの850万円、2位はレンゴーの818万円でした。ただし、持株会社を含むため、工場勤務の年収とは異なる場合があります。

Q3. 製紙工場は未経験でも働けますか?

働けます。未経験歓迎の求人は多く、研修で工程をひと通り学べる工場もあります。クレーンや玉掛けなどの資格を、入社後に取得できる求人もあります。

Q4. 製紙工場には夜勤がありますか?

交替制の工場が多く、夜勤を含む求人は少なくありません。一方で、日勤のみや土日祝休みの求人もあるため、応募前にシフトの形態を確認しましょう。

まとめ|ランキングは複数の指標で見て、求人は条件まで確認しよう

2026年3月期の製紙業界は、売上高と平均年収で王子HDが首位、営業利益率ではレンゴーが首位でした。大王製紙はコスト効率が高く、北越コーポレーションは財務の安定度が際立ちます。

順位は指標ごとに入れ替わるため、1つの数字だけで会社を判断しないことが大切です。実際に働く工場の仕事内容、シフト、手当までを求人票で確かめてください。

 

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著者:ジョブハウス工場 編集部

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