電気工事士の資格取得を検討しているなら、「実際いくらかかるの?」という疑問は当然です。受験料だけでなく、テキスト代・工具代・練習材料費と費用が積み上がりやすく、事前に把握しておかないと想定外の出費につながることもあります。
この記事では、第二種・第一種電気工事士の取得にかかる費用の全内訳を2026年最新情報で解説します。費用を抑えるための節約術や補助制度の活用法、さらに工場・製造業で働く方が電気工事士を取得すべき理由まで詳しく紹介します。
電気工事士の資格取得にかかる費用の総額【2026年最新版】

まずは全体像を把握しましょう。電気工事士の取得費用は、受験料・教材費・工具費・免状交付費と複数の費用が発生します。学習方法によって合計金額は大きく変わります。
第二種電気工事士の費用の目安は独学で約3.5万〜7万円
最も取得者が多い第二種電気工事士の場合、独学で挑戦すれば費用は約3.5万〜7万円に収まります。通信講座を利用すると7万〜12万円程度、専門学校では10万円を超えることもあります。
費用の内訳を一覧でまとめると以下の通りです。
| 費用項目 | 独学(目安) | 通信講座(目安) |
|---|---|---|
| 受験料 | 11,100円 | 11,100円 |
| テキスト・問題集 | 3,000〜5,000円 | 講座費用に含む |
| 工具一式 | 5,000〜35,000円 | 5,000〜35,000円 |
| 練習材料セット | 5,000〜15,000円 | 含む場合あり |
| 免状交付費用 | 5,300〜8,000円 | 5,300〜8,000円 |
| 通信講座費用 | — | 30,000〜70,000円 |
| 合計目安 | 約3.5万〜7万円 | 約7万〜12万円 |
第一種電気工事士はさらに費用がかかる?
第一種電気工事士の受験料は、2026年度はインターネット申込で13,000円(非課税)です。第二種より1,900円高く設定されています。試験難易度も高いため、テキストや問題集が増えやすく教材費がかさむ傾向があります。
また、免状の交付には3年以上の実務経験が必要なため、試験合格後もすぐに免状を取得できるわけではありません。費用面では第二種と大きく変わりませんが、学習期間が長くなりやすく、その分教材費・講座費用が積み上がりやすい点は注意が必要です。
費用は学習方法で大きく変わる
電気工事士の取得費用を最も大きく左右するのが、どの学習方法を選ぶかです。主な選択肢は3つあります。
- 独学:最も費用を抑えられる方法。市販テキストと工具・練習材料をそろえれば約3.5万〜7万円で合格を目指せます
- 通信講座:映像授業や添削サポートが受けられる。費用は約7万〜12万円が目安で、学習ペースを管理しやすいのが特長
- 専門学校・通学講座:直接指導を受けられる分、費用は10万円以上になることが多い。現場経験がまったくない初心者向き
すでに電気や機械に触れる仕事をしている方、特に工場・製造業に従事している方は、独学でも十分対応できるケースが多いです。
費用の全体像を把握するためのチェックリスト
資格取得前に以下のチェックリストで費用を見積もっておくと、後から「こんなにかかるとは」という失敗を防げます。
- □ 受験料:11,100円(インターネット申込)
- □ テキスト・問題集:3,000〜5,000円(独学の場合)
- □ 工具:すでに持っている / 購入が必要(5,000〜35,000円)
- □ 技能練習材料:5,000〜15,000円
- □ 免状交付費用:5,300〜8,000円
- □ 通信講座・スクール:利用する場合は30,000〜70,000円
- □ 交通費(試験会場まで):数千円〜
受験料・免状交付費用の内訳と支払い方法

電気工事士の取得費用の中で確実に発生する固定費が、受験料と免状交付費用です。これらは学習方法に関係なく全員が支払う必要があるため、最初に正確な金額を把握しておきましょう。
受験申込費用は11,100円(インターネット申込・2026年度)
2026年度の第二種電気工事士の受験手数料は以下のとおりです。
- インターネット申込:11,100円(非課税)
- 郵送による書面申込:12,500円(非課税)
原則インターネット申込が推奨されており、書面申込よりも1,400円安く済みます。申込の際には、クレジットカード・コンビニ払い・ペイジーなど複数の支払い方法から選択できます。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 第二種電気工事士試験
免状交付申請にかかる費用は都道府県によって異なる
試験合格後、免状の交付申請は各都道府県の窓口に対して行います。申請にかかる費用は都道府県ごとに異なりますが、目安として以下の費用が発生します。
- 交付申請手数料:5,300円〜(都道府県による)
- 証明写真代:600〜1,000円程度(スピード写真)
- 住民票取得費:300円程度(発行手数料は自治体による)
- 合計目安:5,300〜8,000円前後
事前に居住する都道府県の担当窓口(通常は産業労働局や商工労働部)で必要書類と費用を確認しておくとスムーズです。
受験料の支払い方法と注意点
インターネット申込の場合、支払い方法はクレジットカード・コンビニ決済・ペイジーなどから選べます。申込後のキャンセルによる返金は原則できないため、試験日程と自分のスケジュールをよく確認してから申し込みましょう。
また、申込期間が短く設定されているため、毎年の申込開始日は試験センターの公式サイトを事前にブックマークしておくことをおすすめします。2026年度の上期試験の申込は通常1〜2月ごろに始まります。
再試験・再申込の場合の追加費用
学科試験に合格したものの技能試験を不合格になった場合、次の試験で学科試験が免除されます(合格した年の翌年まで有効)。この場合でも受験料は再度必要です。
学科・技能ともに不合格だった場合は、次年度に再度全額の受験料(11,100円)を支払う必要があります。一発合格を目指して十分な練習を積んでおくことが、費用を抑える上でも重要です。
教材・工具・練習材料にかかる費用を一覧で比較

受験料や免状交付費は固定ですが、教材・工具・練習材料の費用は選び方で大きく変わります。節約のポイントを知った上で購入すれば、数万円単位でコストを抑えることができます。
学科試験テキスト・問題集の費用相場
学科試験の対策に必要なテキストと問題集の費用は、合計で3,000〜5,000円が目安です。テキスト1冊(1,500〜2,500円)と過去問題集1冊(1,500〜2,000円)を購入すれば、基本的な学習は完結します。
書籍を購入せず、無料の過去問サイトやアプリを活用する方法もあります。学科試験は過去問の繰り返しが有効なため、問題集は1冊に絞り、それを何周もする学習スタイルが費用対効果に優れています。
技能試験に必要な工具一式の費用(5,000〜35,000円)
技能試験では、ペンチ・ドライバー・ストリッパーなどの工具が必要です。工具の費用は購入方法によって大きく異なります。
- バラ購入(最低限のみ):5,000〜10,000円
- 工具セット(ホーザンなどの定番品):15,000〜35,000円
工場・製造業に従事している方は、すでに職場で使用している工具を流用できる場合があります。その場合、工具費を大幅に節約できます。ただし、電線の被覆をはぐ「ワイヤーストリッパー」は技能試験の速度に直結するため、試験対応品の購入を検討する価値があります。
技能練習用材料セットの費用と購入方法
技能試験の練習には、電線・端子台・コンセントなどの材料が必要です。材料費の目安は以下のとおりです。
- 練習材料セット(1回分):3,000〜5,000円
- 練習材料セット(3回分・推奨):8,000〜15,000円
技能試験では13の課題(候補問題)が公表されており、そのいずれかから1問が出題されます。最低でも全候補問題を1周できる量の材料を用意しましょう。練習量が不足すると技能試験での失敗リスクが上がり、再受験で費用が二重にかかるため、材料費は節約しすぎないほうが結果的にお得です。
通信講座・スクールを使う場合の費用と効果
通信講座の費用は30,000〜70,000円程度が相場です。工具・材料が含まれるセット型の講座もあり、バラバラに購入するより割安になることもあります。
通信講座を選ぶ際は、以下の点を確認すると費用対効果が高くなります。
- 教育訓練給付制度の対象講座かどうか(対象なら費用の最大20%が戻ってくる)
- 工具・材料がセットに含まれるか
- 不合格時の保証制度があるか(再受講が無料または割安になるかどうか)
費用を安く抑える4つの節約術

電気工事士の取得費用を少しでも抑えるために有効な方法を4つ紹介します。工夫次第で数万円の差が生まれることもあります。
教育訓練給付制度を使えば受講費の最大20%が戻ってくる
雇用保険の被保険者(または被保険者だった方)が対象の教育訓練給付制度を活用すると、対象講座の受講費用の20%がハローワークから支給されます(上限10万円)。
電気工事士の通信講座や専門学校の中には、一般教育訓練給付金の対象に指定されているものがあります。たとえば受講費用が5万円の講座なら、最大1万円が給付されます。利用条件として、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回は1年以上)であることが必要です。
詳細や対象講座の検索は、ハローワークインターネットサービス(教育訓練給付金)から確認できます。
職場の資格取得支援制度を確認する
工場・製造業の企業の中には、業務に関係する資格の取得費用を一部または全額負担する支援制度を設けているところがあります。電気工事士は設備保全・電気設備の管理に直結する資格であるため、対象になるケースがあります。
まずは総務・人事部門に確認してみましょう。受験料・テキスト代・工具費まで会社が負担してくれる場合、自己負担はほぼゼロになります。
工具・材料の上手な調達術
技能試験用の工具は試験が終わった後も実務で使い続けられます。ただし費用を抑えたい場合は以下の方法が効果的です。
- 必要最低限の工具だけ購入する:ペンチ・ドライバー・ワイヤーストリッパーなど必須工具に絞ることで、費用を5,000〜10,000円程度に抑えられる
- 工場で使用している工具を流用する:職場で許可が得られれば、試験練習で活用できる可能性がある
- 練習材料は必要最低限に:全候補問題を1回分練習できる量から始め、苦手な課題のみ追加購入する
独学で合格するための無料リソースの活用法
独学派には、無料で活用できる学習リソースが豊富にあります。
- 電気技術者試験センターの公表問題:過去問が無料で公開されており、繰り返し解くことで学科試験の得点力が上がる
- YouTubeの技能試験解説動画:候補問題の複線図や施工手順を映像で確認できる無料動画が多数公開されている
- スマホ学習アプリ:スキマ時間に過去問演習ができる無料アプリを活用することで、テキスト代を節約できる
費用をかけてでも電気工事士を取るべき理由【工場・製造業勤務の方へ】

「費用をかけてまで取る必要があるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし工場・製造業で働く方にとって、電気工事士の資格は特に費用対効果の高い投資です。
電気工事士資格で年収はどう変わる?
求人ボックスの集計データによると、電気工事士の仕事の平均年収は約474万円です。20代では300〜450万円台、30代では500〜700万円台に上がるケースが多く、第一種電気工事士の取得でさらに高単価の求人に手が届くようになります。
工場のライン作業など一般的な製造業の作業職と比べると、電気工事士の有資格者は月収・時給ともに高くなりやすい傾向があります。同じ工場内でも「設備保全担当」「電気設備管理」などのポジションに就けると、昇給や手当の対象になりやすくなります。
工場勤務から電気工事士へのキャリアアップ事例
工場で働きながら第二種電気工事士を取得し、社内の設備保全部門へ異動したり、電気工事会社・設備管理会社に転職するキャリアパスは決して珍しくありません。
工場での就業経験は、現場の実態を知った上で電気設備の保全・管理業務に臨める強みになります。特に以下のような業務経験がある方は、試験勉強への親しみも高く、実践的なスキルを活かしやすいです。
- 生産設備のトラブル対応・点検作業の経験
- 電気盤・制御盤の交換・確認業務の経験
- 電動工具・配線作業の経験
資格取得費用の回収期間は最短で1〜2年
仮に資格取得にかかった費用を7万円(独学の上限想定)とし、資格取得による月収の増加分を5,000円とすると、費用回収期間は約14か月です。昇給・手当の条件によっては回収期間はさらに短くなります。
「資格取得に7万円かかる」と聞くと高く感じるかもしれませんが、長期的な収入向上を考えると、最も効果の高い自己投資のひとつです。
第二種取得後のキャリアパスと次に目指すべき資格
第二種電気工事士の取得をスタートにした場合、次のキャリアパスが考えられます。
- 第一種電気工事士:より大規模な電気設備の工事が可能になり、年収アップに直結
- 電気主任技術者(電験三種):高圧受電設備の管理ができ、工場・ビル管理の専門職として活躍できる
- 認定電気工事従事者:第二種取得後に講習(認定証取得)で最大600Vまでの自家用電気工作物の工事ができるようになる
電気工事士の資格は「取って終わり」ではなく、上位資格へのステップアップにつながるキャリアの起点になります。
電気工事士の費用に関するよくある質問
Q. 電気工事士の資格取得にかかる総額はどのくらいですか?
独学の場合は約3.5万〜7万円が目安です。内訳は受験料11,100円・テキスト代3,000〜5,000円・工具費5,000〜35,000円・練習材料費5,000〜15,000円・免状交付費5,300〜8,000円です。通信講座を利用する場合は7万〜12万円程度になります。教育訓練給付制度や職場の支援制度を活用すれば、さらに費用を抑えることができます。
Q. 学科試験だけ合格して技能試験を受けなかった場合、受験料は戻ってきますか?
受験料の返金は原則できません。ただし、学科試験に合格した場合は翌年まで学科試験が免除され、技能試験のみ再受験できます。翌年の技能試験を受ける際は再度受験料(11,100円)が必要です。
Q. 工具は試験が終わった後も使えますか?
はい、電気工事士試験で使用した工具(ペンチ・ドライバー・ワイヤーストリッパーなど)は実務の現場でもそのまま使えます。工具は一度購入すれば長期間使用できるため、初期投資として考えると費用対効果は高いといえます。工場での設備保全や電気工事の仕事に就く際にも活用できます。
Q. 教育訓練給付制度はどうやって申請しますか?
まず受講を開始する前に、最寄りのハローワーク(公共職業安定所)で受給資格の確認と支給申請書の交付手続きを行います。受講修了後、1か月以内に支給申請書・領収書などの必要書類をハローワークに提出することで給付金が支給されます。詳細はハローワークに直接お問い合わせください。
まとめ:電気工事士の費用は計画的に準備すれば怖くない
電気工事士の資格取得にかかる費用は、独学であれば約3.5万〜7万円が現実的な目安です。受験料・工具・教材・免状交付費を事前に把握し、教育訓練給付制度や職場の支援制度をうまく組み合わせれば、自己負担をさらに抑えることができます。
工場・製造業で働く方にとって、電気工事士は設備保全・キャリアアップの両面で大きな武器になる資格です。取得費用は最大でも10万円以内に収まるケースがほとんどで、資格手当や昇給で1〜2年以内に費用を回収できる可能性が十分あります。
まずは費用の全体像をチェックリストで確認し、学習方法を選んで動き出しましょう。転職やキャリアアップを検討中なら、ジョブハウス工場のキャリアアドバイザーに相談することで、電気工事士資格が活きる求人を紹介してもらうこともできます。
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