「電気工事士の年収って、実際どのくらいなんだろう?」——転職や資格取得を考えている方なら、誰しも気になるポイントです。

結論からお伝えすると、電気工事士の平均年収は約474万〜548万円(出典によって異なる)で、日本の全職種平均(約461万円)と同水準か、それを上回るケースが多いです。さらに資格の種類・勤務先・経験年数によっては、年収1,000万円以上を目指すことも現実的なキャリアパスのひとつです。

この記事では、電気工事士の平均年収を一種・二種別・年代別に整理したうえで、年収アップにつながる5つの方法と、転職時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

電気工事士の平均年収は約474万円——資格・経験次第で大きく変わる実態

電気工事士の平均年収

まず、電気工事士の年収の全体像を確認しておきましょう。統計データには複数の調査があり、調査手法や対象によって数値が異なります。

厚生労働省統計に見る電気工事士の年収水準

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、電気工事士(電気・電子・電気通信工事従事者)の平均年収は約550万円台と報告されています。一方、求人データをもとにした民間調査では約474万円という数値も出ており、調査対象の違いが数値差に影響しています。

どちらの数値も参考になりますが、いずれにせよ「日本全体の平均給与(約461万円)と同水準か、それをやや上回る職種」という位置づけです。専門資格を必要とする職業として、安定した収入水準が確保されているといえます。

出典:厚生労働省 job tag「電気工事従事者」

第一種電気工事士の年収目安

第一種電気工事士は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(工場・ビル等の大型設備)まで扱える上位資格です。扱える工事範囲が広い分、求人の幅も広がり、年収500万〜700万円台を狙える求人が増えてきます。

企業によっては「第一種取得者には月額2万〜5万円の資格手当」を支給するケースも多く、第二種と比較すると年間で30万〜60万円の差が生まれることもあります。大手電気設備会社や製造業の工場内技術職では、第一種保持者を優遇する求人が目立ちます。

第二種電気工事士の年収目安

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗・事務所の電気工事を行うための資格です。比較的取得しやすく、工場・住宅・商業施設など幅広い現場で活躍できます。平均的な年収は400万〜500万円台が多く、経験を積むことで着実に伸ばせる職種です。

第二種の資格でも、夜間・土日工事など働き方次第で月収を伸ばせる環境は多くあります。入口として第二種を取得し、実務経験を積みながら第一種に挑戦するキャリアが一般的です。

一人親方・独立開業した場合の年収

独立・開業した電気工事士は、案件の取り方や規模によって収入が大きく変わります。軌道に乗れば年収600万〜1,000万円以上を稼ぐケースも珍しくありません。ただし、案件の安定確保や保険・税務面の自己管理が必要になるため、独立前に十分な実務経験と人脈を積んでおくことが重要です。

区分 年収目安
第二種(正社員) 400〜500万円
第一種(正社員) 500〜700万円
独立・一人親方 600〜1,000万円以上

年代別に見る電気工事士の年収推移——20代・30代・40代の実態

年代別年収推移

電気工事士の年収は、経験年数・資格レベル・担当できる工事の規模が大きくなるほど伸びていきます。年代ごとの傾向を把握しておくと、自分のキャリアプランが描きやすくなります。

20代の電気工事士の年収(スタートライン)

電気工事士として社会に出る20代前半は、年収350万〜430万円前後が一般的です。未経験・第二種取得直後であれば300万円台からスタートするケースもあります。

ただし、20代は「経験を積む時期」と割り切れる年代でもあります。電気工事の現場では、施工の手順・安全管理・図面読解など、教科書では学べない実務スキルが早期に身につきます。2〜3年の現場経験と第一種の取得が、30代の年収に直結します。

30代で年収500万円台を目指すために

20代のうちに第一種電気工事士を取得し、現場経験を5年以上積んだ30代は、年収450万〜560万円の層が中心になります。工場内の設備保全や電気設備の施工管理補佐など、責任ある業務を担当できるようになり、給与が一段階上がるタイミングです。

30代は「資格と経験の掛け算」が効き始める時期です。転職市場でも第一種保持者は即戦力として評価されやすく、年収100万〜150万円のアップを実現する転職事例も少なくありません。

40代以降のベテランが稼ぐ600万〜800万円の世界

現場経験10年以上・第一種取得・施工管理技士などの上位資格を持つ40代になると、年収600万〜800万円台に届く方が増えてきます。大手メーカーや電力会社系の関連会社、電気設備専門の上場企業では700万円を超えるポジションも存在します。

また、現場監督・工事主任などの役職に就くと、マネジメント手当が加算され年収が底上げされます。40代を超えてからも、資格の更新や新技術への適応を続けることが、高収入を維持するカギになります。

年収が伸び悩むパターンと打開策

資格を取得しても「同じ会社に長くいるだけ」では、賃金テーブルの上限に頭打ちするケースがあります。とくに中小規模の電気工事会社や地方の施設管理会社では、昇給幅が限られていることも。年収500万円台で止まっている方は、以下の打開策を検討してみてください。

  • 上位資格(第一種・施工管理技士)を取得して資格手当を増やす
  • 大手企業・上場企業・製造業大手への転職を検討する
  • 役職・現場リーダーへのキャリアアップを上司と交渉する
  • 副業・独立で収入の柱を増やす
年代 年収目安
20代前半 350〜430万円
20代後半〜30代前半 430〜550万円
30代後半〜40代 550〜700万円
50代以降(管理職) 700〜900万円

電気工事士の年収を左右する4つの要因(資格・業種・規模・地域)

電気工事士の年収を左右する4つの要因

「同じ電気工事士なのに、なぜ年収にこれほど差があるのか?」——その答えは、主に4つの要因にあります。自分の状況と照らし合わせて確認してみてください。

資格の等級と資格手当の差

電気工事士の資格は「第二種」「第一種」の2段階があります。第一種は実務経験3年以上(または認定電気工事従事者認定証の取得後)で申請・取得できる上位資格です。

多くの企業が第一種保持者に月額2万〜5万円の資格手当を支給しており、第二種のみと比べると年収で30万〜60万円の差が生まれます。さらに「電気工事施工管理技士(1級・2級)」などの上位資格を取得すると、資格手当がさらに加算されるケースも多いです。

詳細な試験スケジュールや受験要件は、一般財団法人 電気技術者試験センター(ECEE)の公式サイトで確認できます。

勤務先の業種・規模(工場・ゼネコン・電気設備会社)

勤務先の業種と規模は、年収に大きな影響を与えます。大手電気設備会社・大手メーカーの製造ライン・ゼネコン系の電気工事部門では、給与水準が中小企業に比べて高い傾向があります。

  • 大手メーカー(工場設備保全): 年収600万〜800万円も視野に入る
  • 大手電気設備会社: 安定した昇給・賞与体系が整っていることが多い
  • 中小の電気工事会社: 現場経験は積めるが賃金テーブルが低い場合も
  • ビルメンテナンス会社: 安定しているが年収500万円台が上限になりやすい

地域差(都市部vs地方)

電気工事士の年収は、勤務地の都市規模によっても差があります。首都圏・大阪・愛知などの大都市圏では、工事需要が多く求人競争もあるため、年収が高い傾向です。一方、地方では求人数は少ないものの生活コストも低いため、実質的な生活水準は必ずしも低くはありません。

首都圏と地方の年収差は年間50万〜100万円程度になるケースもあります。転職先を検討する際は、給与水準と生活費のバランスを合わせて確認することをおすすめします。

役職・マネジメント経験の有無

現場作業員から現場リーダー・工事主任・工事監理職へとキャリアアップすると、職責手当・管理職手当が加算され年収が大きく上がります。現場監督クラスになると年収600万〜700万円を目指せるポジションも多く、技術力だけでなくマネジメントスキルが求められるようになります。

「技術を磨き続けるエキスパート」か「マネジメントで上を目指す管理職」か——30代後半から40代にかけて、どちらのキャリアパスを選ぶかが年収の伸び方を大きく左右します。

電気工事士が年収1,000万円に近づく5つの方法

電気工事士が年収1,000万円に近づく5つの方法

電気工事士として年収1,000万円を実現することは、決して夢物語ではありません。ただし、それには戦略的なキャリア設計が必要です。以下の5つの方法を組み合わせることで、着実に収入を伸ばせます。

①第一種電気工事士を早期に取得する

第二種取得後、なるべく早いタイミングで第一種電気工事士を目指すことが、年収アップへの最短ルートです。第一種の試験は筆記と技能の2段階で、合格率は例年30〜40%程度と決して簡単ではありませんが、対策テキストと過去問演習で合格できる試験です。

第一種を取得するだけで資格手当が増え、応募できる求人の幅も一気に広がります。20代のうちに取得できれば、30代でのキャリアアップが格段に有利になります。

②電気工事施工管理技士・電気通信工事施工管理技士の上位資格を取る

電気工事士の資格に加えて、「電気工事施工管理技士(1級・2級)」を取得すると、工事現場の施工計画・工程管理・品質管理・安全管理などを担う管理職ポジションへの道が開けます。

1級電気工事施工管理技士を持つ技術者は、大型建設プロジェクトや工場の大規模設備工事の「主任技術者・監理技術者」として配置できるため、企業から非常に重宝されます。1級取得者には月額3万〜6万円の資格手当を支給する企業も多く、年収600万〜800万円のポジションに就きやすくなります。

試験の詳細・申込情報は一般財団法人 全国建設研修センターの公式サイトで確認できます。

③大手メーカー・ゼネコンへ転職する

中小の電気工事会社から大手メーカーや大手電気設備会社・ゼネコングループへの転職は、年収を一気に引き上げる最も効果的な手段のひとつです。大企業では給与水準・賞与・各種手当が中小企業に比べて充実しており、同じ電気工事士でも年収差が100万〜200万円以上になることもあります。

特に自動車・半導体・化学といった大手製造メーカーの設備保全部門や、社会インフラ整備を担う電力関連会社は、電気工事士の需要が高く年収水準も高めです。20代〜30代前半であれば未経験業種でも採用される可能性があります。

④現場リーダー・工事監理職を目指す

技術者として実績を積みながら、現場リーダー・工事主任・施工監理といったポジションを狙うことも有効です。マネジメント職は「自分の手を動かす」だけでなく「チームを動かす」スキルが求められますが、その分だけ評価も上がりやすくなります。

現場監督クラスになると、役職手当込みで年収600万〜700万円を目指せるケースが増えます。「技術力はあるが昇給が止まっている」という方は、管理職へのステップアップを上司に打診することを検討してみてください。

⑤独立・一人親方として稼ぐ

最も高い収入を実現できる可能性があるのが、独立して一人親方や電気工事事業者として働く道です。案件を自分で獲得できるようになれば、会社員の給与体系に縛られることなく、年収800万〜1,000万円以上を目指すことも十分可能です。

独立のリスクとしては「案件の安定確保」「社会保険の自己負担」「確定申告などの事務作業」があります。まずは会社員として十分な実務経験を積み、信頼できる取引先・顧客関係を構築したうえで独立を検討するのが王道です。

電気工事士への転職・キャリアチェンジで年収を上げる現実的なステップ

転職で年収アップの現実的なステップ

年収アップを狙う際、転職は最も効果の出やすい手段のひとつです。ここでは転職市場の実態と、年収交渉・転職準備で押さえておくべきポイントを整理します。

未経験からの転職は可能?求人市場の実態

電気工事士の資格保持者は、他業種からの転職でも歓迎されるケースが多くあります。工場・製造業・ビル管理・インフラ系など電気工事士を必要とする業界は広く、有資格者であれば未経験業種でも採用される可能性は十分にあります。

一方で、完全未経験(資格なし)から電気工事の世界に入りたい場合は、まず第二種電気工事士の取得を優先しましょう。筆記・技能の2段階試験ですが、独学でも3〜6ヶ月程度の学習で合格できるレベルです。

年収交渉で押さえておきたいポイント

転職時の年収交渉では、現職の年収をベースに交渉するのが基本ですが、「資格の種類」「実務経験年数」「担当できる工事の規模」を具体的に示すことで、より高い提示を引き出せることがあります。

  • 保有資格(第一種・施工管理技士など)と取得年を明確に伝える
  • 担当した工事の規模・件数・役割を数字で示す
  • 希望年収を「前職+○万円」ではなく市場相場をもとに根拠を示す
  • 入社後の資格取得・研修制度も条件として確認する

転職活動を成功させるための準備

電気工事士の転職市場では、即戦力を求める企業が多いため、職務経歴書に「どの現場で」「どんな工事を」「どんな規模で」担当したかを具体的に記載することが重要です。

工事経歴書の作成は必須です。施工した工事の種別・工期・発注者・金額の概算を整理しておくと、面接でスムーズにアピールできます。転職エージェントを活用すると、非公開求人の紹介や書類添削・面接対策のサポートも受けられます。

工場・製造業での電気工事士の需要

工場・製造業は電気工事士の需要が特に高い業界です。生産ラインの電気設備保全・新設・改修など、製造拠点が稼働し続けるために電気工事士は欠かせない存在です。

また、工場の自動化(ロボット導入・IoT化)が進む現在、電気・制御・シーケンス(PLC)の知識を持つ電気工事士の需要はさらに高まっています。電気工事士の資格に加えて制御系の知識を身につけると、製造業での市場価値が大きく上がります。

電気工事士の年収に関するよくある質問

Q. 電気工事士の年収は平均いくらですか?

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では約550万円台、求人データをもとにした民間調査では約474万円と報告されています。調査の対象・手法によって数値は異なりますが、日本全体の平均給与(約461万円)と同水準か、それをやや上回る職種です。資格の種類・勤務先・経験年数によって350万〜700万円台と幅があります。

Q. 第一種と第二種では年収にどのくらい差がありますか?

多くの企業で第一種電気工事士には月額2万〜5万円の資格手当が支給されるため、年間では30万〜60万円の差になることがあります。また第一種を持つことで応募できる求人の幅が広がり、より高い給与水準の求人にアクセスしやすくなります。20代〜30代前半のうちに第一種を取得しておくと、長期的な年収上昇につながります。

Q. 電気工事士は将来性がある職業ですか?

電気工事士は将来性の高い職種のひとつです。住宅・工場・インフラなど電力を使うあらゆる場所で必要とされる資格であり、AI・自動化が進んでも電気設備の施工・保全作業は人の手が必要です。さらに再生可能エネルギー(太陽光・蓄電池)普及や工場のスマート化(IoT・自動化ライン)により、電気工事士の需要は増加傾向にあります。

Q. 未経験から電気工事士に転職できますか?

第二種電気工事士の資格があれば、未経験業種からの転職でも採用される可能性は十分あります。工場・ビル管理・電気設備会社など電気工事士を必要とする業界は広く、若手であれば未経験でも採用するケースが多くあります。完全に資格がない場合は、まず第二種の取得を優先してから転職活動を進めるのが効果的です。

まとめ

電気工事士の平均年収は約474万〜550万円台で、日本全体の平均と同水準か、それをやや上回る水準です。しかし、同じ「電気工事士」でも資格の種類・勤務先・経験年数・地域によって年収は大きく変わります。

年収を上げるために効果的な方法を5つまとめると:

  • ① 第一種電気工事士を早期に取得する
  • ② 電気工事施工管理技士など上位資格を取得する
  • ③ 大手メーカー・ゼネコンへ転職する
  • ④ 現場リーダー・工事監理職を目指す
  • ⑤ 独立・一人親方として稼ぐ

電気工事士は「資格×経験×転職」の掛け算で年収が伸びる職種です。20代〜30代のうちに資格取得と実務経験を積み上げておくことが、将来の年収を大きく左右します。転職を考えている方は、ぜひ工場・製造業に特化した求人サービスを活用して、自分に合ったキャリアパスを見つけてみてください。

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著者:ジョブハウス工場 編集部

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