田舎を楽しもう

今でも鮮明に思い出すのは、毎朝窓の外に広がる富士山の眺望と、夜の暗さです。最寄のコンビニまで徒歩20分くらいだったでしょうか。1本道の両側はどこまでも畑で、ろくに街灯もなくて、でも、星灯りがいつもきれいでした。相当に不便なところでしたが、自転車の貸し出しもあり、仕事に行くときは派遣会社の送迎があったので、とくに苦にはなりませんでした。

寮への唯一の不満

寮は古くも新しくもない八畳ほどの1DK。風呂トイレ別で家具つき、ただ、なぜかカーテンがありませんでした。食事などは工場で摂ることがほとんどだったので、調理器具を揃える必要はなく、買ったのはシャンプーやボディソープぐらいでした。唯一の不満が、寮費が普通の賃貸契約と変わらないか、それより少し高いくらいだったことです。


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工場派遣は不安定だけど様々な体験ができる

最初は、電子基盤のチェックの仕事をしていました。プリントされた配線が切れたりショートしたりしていないかを、目視で確認する仕事です。残業はあったりなかったり。一日終わるころには肩や背中が痛くなることもありましたが、そんなに大変な仕事ではありません。この部署にあたったらラッキーですね。

どういう事情でか、シート状の基盤を重ねてプレスする部署にも一時期まわされました。その後、近くにあったホンダのバイク工場に飛ばされ、部品を鋳造する仕事をしたりもしました。

派遣なので、仕事の増減によって何が起こるかわかりません。次の仕事を紹介してもらえないこともあります。私も、契約期間を全うせずに家に帰ることになりました。不安定な身分であることは、覚悟しておいたほうがいいかもしれません。 


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工場勤務は気持ち次第で魅力的な経験ができる

工場の仕事は日本中にあるので、いろんな場所に行けて、いろんな風景を見ることができます。それぞれの風土や、それぞれの言葉、食べもの。本当に多様です。

工場で働く人、というのは案外似たり寄ったりだったりするのですが、積極的に探せば、思いもかけない人生を生きている人に出会うこともあります。こんな考え方があるのかと、驚かされるときもあります。

つまらない大人ばっかりだ。若い人ならそう思うこともあるかもしれません。ダメな面ばかり見ていれば、みんな同じに感じられてしまいます。でも、それがその人の全てではないかもしれません。

仕事をするのも一緒ですね。勝ち組・負け組みの2分法からは、零れ落ちてしまうものが必ずあります。与えられた環境で、何を学ぶか。何を手に入れるか自分の気持ち次第で、たくさんのお金とともに、それ以上の価値のあるものを持って帰ることができるかもしれない。それが工場で働く魅力だと思います。


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・勤務した会社:NEC(日本電気株式会社)

・口コミ提供者:40代男性

・口コミ提供日: 2021/9/25