フォークリフトとは?

フォークリフトとは、工場や物流倉庫などにおいて、物資の積み下ろしや構内輸送などに使用される特殊な自動車です。フォークリフトは工場での利用頻度が高く、免許を取得することでお仕事の幅が広がります

フォークリフト免許、実は最短2日最高でも5日で取得できるお手軽な資格。

今回は国家資格であるフォークリフト免許について、免許の必要性や取得方法などを詳しくご紹介します。取得を考えている方はぜひ参考にしてみてください。


フォークリフトに免許は必要?罰則は?

まず気になるポイントがこちら。

フォークリフトを運転するの免許は必要なのか?無資格で運転したらどうなるのか?

フォークリフト免許の必要性と無資格運転での罰則について説明します。


フォークリフトの資格の必要性について

一般的に「フォークリフト免許」と表されますが、フォークリフトは免許ではなく資格です。正しくは、フォークリフト運転技能講習修了(最大積載荷重が1トン以上の場合)といいます。


上記で(最大積載荷重が1トン以上の場合)と示したように、フォークリフトは荷物を載せられる重さにより、受講が必要な講習が異なります。


最大積載荷重 受講が必要な講習

1トン以上の場合

フォークリフト運転技能講習

1トン未満の場合

フォークリフト運転特別教育

業務に必要なフォークリフトにあわせて取得するといいでしょう。


いずれも都道府県労働局長登録教習機関で講習が受けられます。特別教育の場合には、各企業の事業所でも受講が可能です。


無資格の罰則について

自動車やトラックと同様、フォークリフトの無資格運転は違法行為です。

労働者の安全と衛生について基準が定められている労働安全衛生法(厚生労働省)によると、無資格運転が発覚した際には、運転者と雇用者の両方が懲役や罰金の対象となります。

具体的には、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」の罰則が課されます。


フォークリフトを無資格で運転したことにより、実際に下のような事故が発生しています。

  無資格の労働者にフォークリフトを運転させたとして、

  代表取締役を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の

  容疑で書類送検した。また、同社の労働者が、無資格の

  別の労働者が運転するフォークリフトに轢かれて右足大

  腿骨骨折などの怪我を負う労働災害が発生している。


「バレなければいい」と軽い気持ちで運転すると、思わぬところで怪我に繋がる可能性があります。

フォークリフトを運転する際には、必ず資格を取得しましょう。


フォークリフトの資格の難易度は?

資格取得の敷居が低いのがフォークリフト免許の特徴、取得すれば一生モノのスキルです。

次はフォークリフト免許の受験資格や合格率について説明します。


フォークリフト免許の受験資格

まず、資格取得に際し年齢宣言はありませんが、業務を行うためには18歳以上からという制限が設けられています。

フォークリフト免許は、いま保有している資格及び業務経験により、必要な日数が異なります。


コース区分(講習時間)

平均日数

いま保有している資格及び業務経験

11時間

2日

・大型特殊免許(カタピラ限定を除く)所有者

・普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許を有し、小型フォークリフト特別教育終了後、最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験が3ヶ月以上ある方

15時間

3日

・小型フォークリフト特別教育修了後、最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある方

31時間

4日

・普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者

35時間

5日

・いずれにも該当しない方

申し込みをする際には、自分がどの区分に当てはまるのかしっかりと確認しましょう。


フォークリフト免許試験の合格率

フォークリフト免許の合格率は95%以上と比較的取りやすい資格だといえます。

国家資格であるにもかかわらず、これだけ合格率が高いのは珍しいです。


ここで、主な国家資格の合格率を比較してみましょう。

主な国家資格 合格率(およそです)
司法試験 33%
栄養士 65%
介護福祉士 70%
フォークリフト 95%

こうして比較すると、フォークリフトの資格は取りやすいといえるでしょう。


これだけ合格率が高いとなれば、資格取得に踏み切れなかった方たちも「やってみよう!」と思えたのではないでしょうか。


フォークリフト免許取得の費用について

フォークリフトの資格取得についておおよそはわかってきましたでしょうか?

ここからは、資格取得までにかかる費用、活用できる助成金について解説します。


教習所の受講料や試験の受験費用を解説

コース区分別の受講料や教本代、その他免許取得までにかかる一連の費用についてご紹介します。

先に説明したように、これまでの業務経験や保有している資格によって、受講時間が異なってきます。また、それに伴い受講料にも変動があります。

自分はどの区分で、およそいくらかかるのかについて、表にまとめてみました。

コース区分 費用相場
11時間(2日) 12,000円〜
15時間(3日) 16,000円〜
31時間(4日) 30,000円〜
35時間(5日) 35,000円〜

その他費用

資格取得までにかかるお金は受講料だけではありません。他にどのくらいお金が必要になってくるのか、説明します。

内容 費用(※一例です)
教本代 1,500円
実技の補習講習 5,500円
財務諸表等の請求 2,200円
日程変更手数料 5,500円
修了証の再発行 2,200円

※各都道府県によって変動がありますので参考価格です。


活用できる助成金

フォークリフトは比較的低価格で資格が得られますが、助成金を活用すればよりお得に。

対象となるのは「教育訓練給付制度」といい、一定条件を満たす方が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了した場合に、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額(上限10万円)をハローワークから支給されるものです。

教育訓練給付制度について】


受給可能なのは以下2つのいずれかに該当する場合です。

雇用保険の被保険者(通算3年以上)

雇用保険の被保険者であった方(通算3年以上、経過後1年以内)


こちらの制度を活用したい場合には、講習の申し込みをする前に、所轄のハローワークに利用できるか問い合わせをしましょう。

全国のハローワーク所在案内について】


確認後に、教習所へ「教育訓練給付制度」を使用することを告知してから申込みをしましょう。


フォークリフトの取得手順

フォークリフト免許を取得するまでの手順をご紹介します。

講習受講希望日がある場合には、多くの教習所では受講日の1週間前まで申込みを受け付けています。日程には余裕をもって申し込むことをおすすめします。


教習所へ申し込み

【STEP1】

お近くの教習所を探しましょう。


【STEP2

講習コースと講習受講希望日を決めましょう。


【STEP3】

申込書・本人確認書類・講習受講料などを用意して申込みをしましょう。

申込み方法としては、インターネット・電話・郵送などあります。


【STEP4】

申込み完了を確認したら、受講日まで待ちます。

時間や服装、持ち物については各教習所の指示に従いましょう。


学科講習・試験

フォークリフトの学科講習では、主に4種類の内容があります。


フォークリフト本体の構造や取り扱いの方法について

フォークリフトの仕組みや操縦方法など、基本的な取り扱い方法を学びます。


フォークリフトの荷役の構造や取り扱い方法について

フォークリフトの役割である荷物の積載を担う「フォーク」など、運ぶ荷物に合わせたフォークリフトの取り扱い方法を学びます。


フォークリフトの運転に必要な力学について

フォークリフトを走行させるうえで知っておくべき力学について学びます。


フォークリフト操縦における関係法令について

フォークリフト操縦に関係する法律や条例、条項について学びます。


4種類の講習を合計10時間程度受講したら学科試験を行います。

試験時間はおよそ60分、学科試験で出題される問題は講習で扱うため、ほとんどの方が合格できます。

学科試験の合格後、実技講習を行います。


実技講習・試験

学科試験に合格したら、次に実技講習に移ります。

フォークリフトの実技講習では、主に2種類の内容があります。


フォークリフトの走行操作について

フォークリフトの荷役操作について

課題として出されたコースを走行し、走行方法や荷役の使い方の練習を行います。


フォークリフトの運転は自動車の運転と似ているため、それほど難しくないと思われます。


実技講習終了後に、改めて課題として練習したコースを走行し、実技試験を行います。

100点満点中の70点が合格ラインです。減点方式のため、大きなミスがないように気をつけましょう。


免許取得完了

実技試験合格後は、講習の修了証が配布されます。

これで晴れて「フォークリフト運転技能講習修了」となります。


フォークリフト免許で運転できるフォークリフトの種類

資格を取得すると運転できるフォークリフトの種類を5つ解説します。


カウンターバランスフォークリフト

最も一般的なフォークリフトです。工場でよく使われているのもこちらのタイプのフォークリフトです。

車体前方にフォークなどの荷役装置を備えており、操作方法は自動車と同様です。大きい荷物を運ぶ場合にも、車体の後ろにおもりが付いているため、転倒しにくいという特徴があります。


サイドフォークリフト

車体の真横に荷台がついたフォークリフトです。

鋼材や木材、パイプ、カーペットなど、比較的長いものを運ぶ際に活躍するフォークリフトです。


リーチフォークリフト

カウンターバランスフォークリフトに比べて背が高く、運転者は立って操縦します。小回りがきき、狭い場所での作業に適しています。ただ、背が高い分バランスが取りにくく、転倒する危険もありますので、使用する際には注意してください。


オーダーピッキングフォークリフト

車体の全部に運転者が乗り、荷台とともに運転席も昇降するフォークリフトです。落下防止のために安全帯の使用が義務付けられています。

高所に荷物を移動させるときに適しています。


ウォーキーフォークリフト

運転者が歩いて操縦するフォークリフトです。車両の乗り降りがないため、ピッキングの作業効率を上げることができます。

他のフォークリフトが入れないような狭い場所で荷物を移動させるのに適しています。


フォークリフト免許が活かせる業種

フォークリフト免許は取得できれば一生使えるスキルとなります。


工場では、人間が扱えない重さや大きさの部品を扱うことがあります。そうしたときに活躍するのがフォークリフト。

ジョブハウスで掲載中のお仕事で、フォークリフト免許が活かせるお仕事をご紹介します。


機械・金属・鉄鋼のお仕事一覧

人の手で運べないような大きいサイズの部品を扱う際には、フォークリフトを用います。パイプなどの長いものを運ぶことができるのもフォークリフトのいいところ。

工場内で使用する場合には、部品や周辺の設備に傷をつけないように、気をつけて運転するようにしましょう。


物流のお仕事一覧

完成している製品を運ぶときにフォークリフトは大活躍します。

ただし、完成品を運ぶ際には、傷をつけたり壊してしまったりしないよう、最新の注意をはらいましょう。


自動車関連のお仕事一覧

自動車部品の製造と組立が別れている場合、部品の運搬が必要になってきます。その際の積み下ろしにフォークリフトが使われます。

広い工場内では、迅速に部品を運ぶことが求められるため、フォークリフトでスムーズに運ぶことで効率よく業務が行なえます。


まとめ

今回はフォークリフト免許とはなにか?から申込み方法、取得後の活用方法までフォークリフトの情報を網羅的にご紹介しました。


フォークリフト免許は国家資格のなかでも合格しやすく、比較的安価で取得することができます。

資格を持っておくとお仕事選択の幅が広がるため、取得する価値は十分あります。


この記事を読んでフォークリフト免許に興味をもった方は是非挑戦してみてください!