電気工事士1級(第一種電気工事士)の合格率は、令和7年度で筆記試験が57.4%、技能試験が58.1%でした。どちらも約6割で、数字だけ見ると受かりやすそうに感じます。
ただし、受験者は筆記と技能の両方を突破する必要があります。この記事では、最新の合格率の推移、難しいといわれる理由、合格に必要な勉強時間までをまとめました。
工場の設備保全や電気まわりの仕事でステップアップしたい方は、ぜひ参考にしてください。
電気工事士1級の合格率は?令和7年度は筆記57.4%・技能58.1%【最新統計】

電気工事士1級の試験は、筆記試験と技能試験の2段階です。合格率も、それぞれ別に公表されています。まずは直近の数字を見ていきましょう。
筆記試験の合格率は57.4%(令和7年度)
令和7年度の筆記試験は、受験者36,154人のうち20,735人が合格しました。合格率は57.4%です。
上期と下期に分けると、上期が56.5%、下期が57.9%でした。時期による大きな差はありません。
技能試験の合格率は58.1%(令和7年度)
技能試験は、受験者28,403人のうち16,509人が合格し、合格率は58.1%です。
内訳は、上期(令和7年7月実施)が55.1%、下期(同年11月実施)が60.3%でした。下期のほうがやや高い結果です。
出典:電気技術者試験センター「令和7年度第一種電気工事士下期技能試験の結果について」
令和6年度との比較|5〜6割台で安定
令和6年度は、筆記が56.7%(受験者35,320人・合格者20,030人)、技能が59.9%(受験者28,372人・合格者17,004人)でした。
| 年度 | 筆記(%) | 技能(%) |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 56.7 | 59.9 |
| 令和7年度 | 57.4 | 58.1 |
2年続けて筆記・技能とも5〜6割台です。極端に難化・易化しているわけではなく、合格率はおおむね6割前後で安定していると考えてよいでしょう。
最終合格率はどれくらい?
筆記と技能の両方に受かって初めて「合格」です。単純に2つの合格率を掛け合わせると約33%になります。
ただし、受験者の層が年度や回で異なるため、これはあくまで目安の数字です。「3人に1人くらいが、1回の挑戦で両方を突破するイメージ」と捉えておくとよいでしょう。
受験者数はどれくらい?
令和7年度の受験者数は、筆記が36,154人、技能が28,403人でした。令和6年度も筆記35,320人、技能28,372人と、ほぼ同じ規模です。
毎年3万人前後が挑戦している人気の資格で、合格者は筆記で約2万人、技能で約1.7万人にのぼります。決して一部の人しか受からない試験ではありません。
電気工事士1級は難しい?合格率6割でも油断できない理由
合格率6割と聞くと、簡単そうに思えるかもしれません。しかし、受験者の多くは電気の仕事に就いている人や、2種に合格した人です。ある程度準備をしてきた層での6割だと考えましょう。
受験資格はなし|誰でも受験できる
電気工事士1級は、学歴や実務経験を問わず誰でも受験できます。2種を持っていなくても、最初から1級に挑戦できます。
受験のハードルは低いため、準備不足のまま受ける人が一定数いることも、合格率に影響している可能性があります。
筆記は50問中30問(6割)で合格
筆記試験は50問出題され、合格ラインは60点(30問)が目安です。電気理論、配電、配線図、施工方法、法令と、出題範囲が広いのが特徴です。
2種よりも高圧の設備に関する内容が増えるため、2種の知識だけでは足りません。
技能は60分・欠陥1つで不合格
技能試験は、公表されている候補問題10問のうち1問が出題されます。制限時間は60分で、実際に電線や器具を使って施工します。
配線のミスや施工不良など、重大な欠陥が1つでもあれば不合格になる採点方式です。技能で約4割が不合格になるのは、この厳しさが理由です。
2種との違い|高圧設備まで範囲が広がる
2種は一般住宅や小規模店舗など、600ボルト以下で受電する設備が対象です。1級はこれに加えて、最大電力500キロワット未満の工場やビルなどの設備も扱えます。
工場で働く方にとっては、1級は工場の電気設備に直結する資格といえます。
技能試験で落ちやすいミスとは
技能試験は、時間内に完成させることが大前提です。完成しなかった場合や、配線を間違えた場合は、基本的に不合格になります。
ほかにも、電線の接続が不十分だったり、器具の取り付けに不備があったりすると欠陥と判断されます。「見た目は完成しているのに不合格」というケースが起こりやすい点に注意しましょう。
電気工事士1級の合格に必要な勉強時間は?筆記・技能それぞれの対策

合格率が約6割ということは、対策をすれば十分に狙える試験です。ここでは、勉強時間の目安と具体的な進め方を紹介します。
勉強時間の目安|2種合格者は100〜150時間
第二種電気工事士に合格済みの方であれば、筆記と技能を合わせて100〜150時間が目安とされています。
電気の知識がまったくない初学者は、これより多めに見ておくと安心です。仕事と両立する場合は、半年ほど前から計画を立てましょう。
筆記試験は過去問の反復が基本
筆記試験は、過去問と似た問題が繰り返し出題されます。まずは過去問題集を解き、間違えた問題の解説を読む流れを繰り返してください。
学習の順番は、出題の多い配線図と施工方法から始めるのがおすすめです。得点源を先に固めると、苦手な計算問題にも余裕を持って取り組めます。
特に配線図の読み取りは、パターンに慣れるほど得点しやすくなります。計算問題は、公式を覚えるより実際に解いて身につけるのがコツです。
技能試験は「ミスをしない練習」が重要
技能は候補問題10問が事前に公表されています。すべて自分の手で作り、60分以内に仕上げる練習が欠かせません。
単に時間内に終わらせるだけでなく、欠陥につながるミスをしないことを意識しましょう。施工のチェックポイントを書き出して見直すと効果的です。
独学と通信講座の選び方
筆記は独学でも合格を狙えます。一方、技能は工具や材料をそろえて練習する必要があり、独学だと自分のミスに気づきにくい面があります。
不安な方は、技能だけ講座やセット教材を活用する方法もあります。自分の経験や予算に合わせて選びましょう。
試験直前の1か月は何をする?
直前期は、新しい教材に手を出さず、これまで解いた問題の見直しに集中しましょう。筆記は間違えた問題だけを集めて解き直すと、効率よく得点を伸ばせます。
技能は、候補問題を一通り作り終えたら、時間を計って本番と同じ条件で練習します。作業の手順を固定しておくと、本番でも慌てにくくなります。
電気工事士1級は工場で活かせる?免状の実務経験と転職での強み

試験に合格しても、それだけで電気工事ができるわけではありません。合格後の流れと、工場で働く方にとってのメリットを整理します。
免状の交付には実務経験3年が必要
試験に合格しても、免状を受け取るには原則として3年以上の実務経験が必要です。実務経験が足りない場合でも、合格の事実は残ります。
経験を積んだ時点で免状を申請できるため、未経験の方も先に合格しておく価値があります。
工場の設備保全・電気保全で評価されやすい
工場には、受電設備や制御盤など、電気設備がたくさんあります。電気の資格を持つ人材は、設備保全や電気保全の現場で重宝されます。
製造ラインのオペレーターから保全職へキャリアアップしたい方にとって、有力な選択肢のひとつです。
資格手当や求人での評価
工場や企業によっては、資格取得者に資格手当を支給したり、応募条件や歓迎条件に電気工事士を挙げたりしています。
待遇は会社ごとに異なるため、気になる求人の募集要項で確認しましょう。
手当の有無や金額は、応募前に確認しておくと入社後のミスマッチを防げます。資格取得を支援する制度があるかも、あわせてチェックしておきたいポイントです。
電気保全をめざす場合のステップ
工場の電気保全をめざすなら、まず試験に合格し、現場で実務経験を積む流れが基本です。経験を積みながら免状の申請条件を満たしていきます。
今の職場に電気設備の担当がいない場合は、保全職を募集している工場に転職するのもひとつの方法です。求人では、資格の有無だけでなく、未経験から育成してくれるかも確認しましょう。
令和8年度の試験日程と申込方法
試験は上期と下期の年2回実施されています。令和7年度の技能試験は、上期が7月5日(土)、下期が11月22日(土)でした。
令和8年度下期は、学科試験がCBT方式(2026年9月11日〜10月18日)と筆記方式(10月4日)で行われ、技能試験は2026年11月21日(土)に実施されます。今期の受験申込は終了していますが、来年以降の挑戦に向けて流れを知っておくとよいでしょう。
試験の詳細は電気技術者試験センターの第一種電気工事士ページ、申込方法は受験申込み方法・支払い方法のページで確認できます。
電気工事士1級の合格率に関するQ&A
Q. 電気工事士1級の合格率は何%ですか?
A. 令和7年度は筆記試験が57.4%、技能試験が58.1%でした。両方に合格する必要があるため、最終的な合格率は3割前後が目安です。
Q. 電気工事士1級は2種より難しいですか?
A. 一般に1級のほうが難しいといわれます。出題範囲が高圧設備まで広がり、技能試験も複雑になるためです。
Q. 未経験でも1級を受験できますか?
A. 受験資格はなく、誰でも受験できます。ただし、免状の交付には原則3年以上の実務経験が必要です。
Q. 電気工事士1級の試験は年に何回ありますか?
A. 上期と下期の年2回です。令和7年度の技能試験は、7月5日と11月22日に実施されました。最新の日程は電気技術者試験センターの公式サイトで確認してください。
Q. 工場で働きながら合格を目指せますか?
A. 可能です。筆記は過去問を中心に隙間時間で進められます。技能は施工練習の時間が必要なので、休日にまとまった時間を確保するとよいでしょう。
Q. 筆記試験に合格したあと、技能試験は有利になりますか?
A. 筆記と技能は別々に合否が決まります。技能の合格率は約6割なので、筆記合格後も練習を怠らないことが大切です。
まとめ|合格率は約6割。計画的な対策で1級は十分に狙える
電気工事士1級の合格率は、令和7年度で筆記57.4%、技能58.1%でした。両方を突破する最終合格率は3割前後が目安です。
欠陥1つで不合格になる技能試験がポイントですが、過去問の反復と施工練習を重ねれば、十分に合格を狙えます。工場の電気保全へキャリアアップしたい方は、ぜひ挑戦してみてください。
最後に、今日から始められる行動を3つ挙げます。
- 電気技術者試験センターで、次回の試験日程と申込期間を確認する
- 過去問題集を1冊用意し、筆記の1回分を解いてみる
- 技能の候補問題10問を確認し、必要な工具と材料をそろえる
まずは現在の実力を知ることが、合格への第一歩です。電気の資格を活かせる工場の求人を探している方は、ジョブハウス工場でもチェックしてみてください。

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