日本製紙は印紙・製紙業界の求人の中では、王子ホールディングスと並ぶ最大手企業です。

売上高は1兆円の大台に乗っており他企業を圧倒しています。今回は日本製紙の概要だけでなく、同社で働く工場ワーカーがどのような仕事をしているのかについてもお話していきます。

 

日本製紙ってどんな会社?

日本製紙は、王子ホールディングスについで、業界第二位の製紙会社です。前身企業は十條製紙、東北振興パルプ、山陽国策パルプ、大昭和製紙の4社で上記の順に合併し現在の形になっています。

新聞紙や家庭用品はもちろん、様々な業界で使われる機能性用紙なども作っており、製品の数は多岐にわたります。

 

・売上高

1兆70億97百万円(連結、2015年度)となっています。

・シェア

約23パーセントと、製紙業界の4分の1を占めています。

・従業員数

5,174人(2016年4月1日現在)となっています。


 


日本製紙の事業内容とは

日本製紙の主な事業は、紙、紙パック事業、液体用紙容器事業、ケミカル事業、エネルギー事業、アグリ事業、セルロースナノファイバー事業の6つに分けられます。この他にもレジャー施設の運営なども行っていますが今回はこの6つに焦点を絞って説明していきます。

 

紙、紙パック

伝える、拭く、包むなど日常のさまざまな場面で活躍する紙。安全性や品質に妥協することなく、日々開発、改良を行っています。

日本製紙の紙、紙パック事業は大きく5つに分けることが出来ます。それぞれ見ていきましょう。

 

・情報紙

新聞紙や印刷用紙などのことです。「伝える」ことを大事にした製品の安定供給を行っています。カラー印刷の適性が高く、環境にも配慮した生産を行っていることが特徴です。

 

・家庭用品

生活の快適さを向上させるため、肌に触れることを意識して作られています。特に高齢者向けのヘルスケア製品に力を入れており、様々なニーズに合わせた商品のラインナップになっています。


・包装用紙

封筒や紙袋などを作っている事業です。特徴として破れにくいことが挙げられます。

 

・機能性特殊紙

様々な業界で使われている、特殊な機能を備えた紙を作っています。印字性に優れたもの、水に溶けやすいもの、感熱式のものなど使用用途に合わせた最適な製品を開発、生産しています。

紙、紙パック事業は5つの分野展開により、日本だけでなく、世界にも進出しています。

 

液体用紙容器事業

紙パック事業の優れたノウハウを活かしカートン、充填機、メンテナンスのシステム販売を行っています。それぞれの顧客のニーズに合わせて形状や内容物などを一つ一つ形するために各企業と密接なやり取りを行っています。 

 

ケミカル事業

ケミカル製品とは、溶解パルプや樹脂といった化学製品のことです。紙製品のようにわかりやすく目に見えるものではないケミカル製品ですが、日々の生活を送る中で必ず触れ合っています。

こちらは主に3つの柱で構成されています。

 

・溶解パルプ

日本製紙の溶解パルプ製品は特殊な加工技術を用いており、不純物が少なく白色度が非常に高いという特徴があります。

 

・機能性化成品

セルロース誘導体、リグニンといった木材成分を元に製品を作っています。自然由来の食品添加物などがこれにあたります。

 

・機能性コーティング樹脂

塗料やインキ、接着剤に配合される、非常に粘着力の高い塩素化ポリオレフィンや特殊変性ポリオレフィンを生産しています。車体や建物、包装フィルムなどの塗装に使われます。

 

エネルギー事業

日本製紙では最近、既存の発電所設備の他に木質バイオマス発電や太陽光発電といった電力生産に力を入れています。

紙の原料となる木材の知識やケミカル製品のノウハウを存分に活かし、年々その規模を拡大しています。

 

アグリ事業

アグリ事業では、「木」を総合的に利用する事業です。日本製紙では、容器内挿し木技術という特殊な植木方法を使って従来は育成の難しいとされていた植物まで発根させています。

木を使って作るだけでなく、木を育てる事業も行っているのです。

 

セルロースナノファイバー事業

日本製紙では、ケミカル事業で培ったノウハウを生かすべく、バイオケミカル分野の素材開発に力を入れています。

その中でも特にセルロースナノファイバーの開発を盛んに行っています。温度変化に伴う伸縮性はガラスの同等、アラミド繊維並みに強い弾性、透明性やガスバリア性に優れていたりと、様々な強みをもつセルロースナノファイバー。

これを自動車産業や電子機器産業などに利用するため日々、研究や開発を行っています。


 

以上が日本製紙の6つの事業です。紙だけを作っているのではなく、紙以外にも「木」の特徴を生かした製品も作っています。


 

日本製紙の未来

次に日本製紙の今後の展望について考察していきます。

日本製紙は2016年以降、特に売電とセルロースナノファイバー事業に注力しています。

売電では燃料に間伐材由来の未利用材を使用した火力発電所の完成の他、石炭と木質バイオマスを使う火力発電所の運営など「紙」以外の分野での利益拡大を図っています。

また、セルロースナノファイバー事業では従来の炭素繊維に負けない製品を作るべく、セルロースナノファイバーの軽くて強いという性質を生かした補強材としての用途を研究しています。

「紙」だけでなく「木」を使った新たなビジネスモデルの開拓が盛んに行われています。

これから、この業界の求人はさらに成長がみこまれるので大量募集の求人が多く掲載されています。

 

日本製紙の仕事とは

日本製紙への転職を考えている方、求人に興味がある方はもちろんですが、それ以外でも製紙工場への就職を考えている方は必見です。

日本製紙では、製紙工場のほかに、火力発電所やバイオマス発電に関する仕事も出てきています。

電力自由化に伴い、売電に力を入れているからです。今後はより、発電事業に力を入れていく方向ですので、そういった分野にも注目してみるとよいでしょう。

 


最後に

以上で日本製紙のあれこれを教えます!の記事を終わります。

 

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《ジョブハウス工場》には今回紹介した日本製紙だけでなく他の製紙会社の記事も掲載しています。

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