製造業界の正社員求人を探す中で、こんな不安や疑問を持ったことはないでしょうか。

「やっぱり製造業で正社員になること自体、難しいのかな?」

「正社員になっても、仕事内容がすごくきつかったらどうしよう…。」

求人票を見ているだけでは、なかなか分からないことも多いですよね。そこでこの記事では、どうすれば製造業で正社員になれるかを具体的にご説明します。さらに正社員のメリットとデメリットを両方ご紹介するので、ぜひ仕事探しのノウハウとして読んでみてください。

そもそも製造業ってどんな業界?

製造業を一言で説明すると「日本社会の基盤である”ものづくり産業”」です。言い換えれば、私たちの生活に必要なもののほとんどは製造業によって作られていると言っても過言ではありません。ただし、同じものづくりでも、建造物を作る建設業や飲食物を作り、提供するサービス業は異なる業界です。

製造業は主に6つの分野に分けられます。

<製造業の分野6つ>
  1. 機械関連
  2. 金属・鉄鋼関連
  3. 電子部品・電子デバイス関連
  4. 科学関連
  5. 食品関連
  6. 医薬品関連

製造業の分野はこれだけ多岐にわたっており、さらに小規模な町工場からグローバル企業まで様々な規模の企業が製造業に従事しています。

製造業界にはどんな雇用形態が多いの?

そこで気になるのが「製造業で働く人の中に正社員は多いの?」という疑問ですよね。もちろん製造業でも正社員として活躍している方はいますが、一方でアルバイト・パート・契約社員など企業と直接雇用関係を結んで働いている方や、派遣社員やギグワーカーなど、企業と直接雇用を結ばない働き方をしている方もいます。

製造業界で正社員になるのは難しい?

「製造業は派遣社員が多いということは、やっぱり正社員になるのは難しいのかな?」と不安になってしまいますよね。確かに最初から正社員として働き出すのは、求められる仕事や経験によっては難しいかもしれません。しかし、アルバイトやパートとして入社して、仕事を覚えた後に正社員を目指すことは充分可能です。

というのも、近年の少子化に伴い製造業界でも人材確保が難しくなりつつあります。なのでこれまでより正社員採用、正社員登用のハードルを下げる企業もあります。

後の章で詳しく説明しますが、日頃から勤勉な姿勢で仕事と向き合うことや、登用試験の対策をしっかりと行うことで、正社員への道は大きく開かれるのです。

製造業界で正社員になるメリット

晴れて製造業で正社員になると、このようなメリットがあります。

<製造業正社員のメリット6つ>
  1. 給与が安定してもらえる
  2. 雇用期間の定めがない
  3. 社会的な信用度が高まる
  4. 学歴に関係なく出世しやすい
  5. スキルアップしやすい
  6. 福利厚生が充実している

それぞれについて見ていきましょう。

給与が安定してもらえる

正社員になるということは、雇用に期限がなくなるということです。よって給与も安定してもらえます。雇用契約の期限が何か月まで、と定められていることが多い非正規雇用と違って、正社員雇用は暮らしの安定につながりやすいと言えるでしょう。

また正社員になればボーナスを受け取ることもできます。年に数回のボーナスがあれば「今度のボーナスではこれを買おう!」と高いモチベーションを保ちながら働けるはずです。中には仕事の成果に応じてインセンティブを支給する企業もあります。頑張った分だけ給与が増えるなら、仕事にも精が出ますよね。

給与が安定し、ボーナスももらえるため、収入面の不安が軽減され、「もっと仕事を頑張ろう」という前向きな気持ちを持つことにもつながります。

雇用期間の定めがない

一度正社員になれば、企業はその人材を簡単に解雇できなくなります。というのも正社員の雇用は労働契約法第16条によって守られているのです。

<労働契約法第16条>
  • 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
  • 引用:労働契約法 - e-Gov法令検索

一方で派遣や期間工という雇用形態は、契約期間が決まっており、その期間を満了すれば雇用契約がなくなってしまいます。契約更新となれば雇用は続いていくものの、不安定な立場にあるという事実は変わりません。しかし正社員は雇用契約の期間が定められているという不安がない分、安定した職と給与の2つが手に入るのが大きなメリットと言えるでしょう。

社会的な信用度が高まる

先程も述べた通り、正社員になると解雇される可能性はかなり低くなります。これにより副次的に社会的信用も得ることができるのです。例えば住宅ローンを組む際も「安定的な収入がある正社員」なら審査が通りやすいということも少なくありません。

また今、将来を考えている相手がいる方は、安定的な収入と社会的に高い信頼度を得ることで、結婚の提案がしやすくなる、ということもあるのではないでしょうか。このように社会的な信用度が高まることで、人生の選択肢も広げられます。

学歴に関係なく出世しやすい

キャリアアップの道が開けることも正社員の魅力の1つです。大抵の場合、正社員雇用で入社した時点で、長期的に活躍してくれることや、組織をまとめる役割を担ってくれることを期待されています。だからこそ、入社後の成果によって、チームリーダーや班長など、責任ある役割を任せてもらえる可能性が高いのです。また、キャリアアップするにつれ、その分給与やボーナスも上がっていくでしょう。

スキルアップしやすい

繰り返しにはなりますが、企業も一度正社員として雇用したからには「会社にとっての戦力となる人材に成長してほしい」と考えているものです。そのため、正社員向けの研修や資格取得の制度など、スキルアップできる仕組みを充実させているケースが多いです。自分のスキルを高めたい、とある分野の知識を特に深めたいなど、成長意欲のある人にはうってつけの環境です。企業によって異なるものの、資格取得支援制度を利用することで、以下のような資格取得も目指せます。

<資格取得支援制度で取れる資格例>
  • 危険物取扱者
  • 衛生管理者
  • フォークリフト運転技能者
  • 玉掛技能者
  • クレーン運転士
  • 溶接技能者
  • CAD利用技術資格
  • 機械加工技能士
  • 廃棄物処理施設管理者

これらの資格を手にすることで、できる仕事の幅も広がるため、ゆくゆくは給与アップも期待できるでしょう。

福利厚生が充実している

正社員になれば、

  1. 厚生年金
  2. 雇用保険

の2つに加入できます。

厚生年金は毎月給与から天引きされますが、定年退職時に年金として受け取れるので、老後の生活を送るための安心材料になります。実は厚生年金以外にも様々な種類の年金がありますが、厚生年金は自分も含め配偶者、親、子孫、そして祖父母までが支給対象になり、しかも支給停止条件もありません。このような点から、厚生年金は特にメリットが大きい年金であると言われています。

雇用保険は厚生年金同様、毎月給与から天引きされます。しかし、突然の怪我や病気、または介護や育児で休業しなければならない際一定の条件が満たされれば給付金を受け取ることができるのです。また仮に失業した際も、条件を満たせば給付金を受け取れます。

その他にも、下記のような福利厚生を用意している企業もあります。特に大手の企業では、従業員に長く安心して働いてもらうために、さまざまな福利厚生を用意していることが多いです。求人を見る際、ぜひ意識的にチェックしてみてください。

<正社員への福利厚生>
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 健康診断の補助
  • スポーツクラブの会員補助
  • 結婚祝い金
  • 出産祝い金

製造業で正社員になるデメリット

ここまで製造業で正社員になるメリットをご紹介してきましたが、もちろん正社員になるデメリットもあります。

<製造業正社員になるデメリット>
  1. 長時間の労働が体力負担に
  2. 生活リズムが崩れる

一つひとつ詳しく見てみましょう。

長時間の労働が体力負担に

当然ながら、工場内での作業を担う場合は、正社員もアルバイトやパートの方々と変わらず、身体を使った作業を行うので、たいていの場合、ほぼ立ちっぱなしで働きます。管理職になるまでは現場での仕事が続くことが多いので、体力的にきついと感じることも少なくないでしょう。さらに正社員になるとより責任ある仕事を任されることになり、残業時間が増えるかもしれません。もちろん残業代は支払われますが、体力を消耗してしまうという代償はつきものです。

生活リズムが乱れがち

担当業務にも寄りますが、正社員になったからと言って、必ずしも夜勤から逃れられる訳ではありません。「夜勤から昼勤の交替がつらい」などの悩みは付いてまわるでしょう。

製造業界で正社員にキャリアアップするには?

製造業の正社員になってもデメリットはありますが、やはり安定した職に就けるというのは何ものにも代えがたい魅力なのではないでしょうか。

そこで製造業の非正規雇用から正社員になるための条件をご説明します。

<正社員になるための条件3つ>
  1. 1年以上勤務している
  2. 勤務態度の評価が高い
  3. 上司から推薦を受けている

【1】多くの企業では、正社員になる最低条件として1年以上勤務していることを求めています。そして正社員登用試験が年4回行われる企業もあれば、年にたったの1回しか行わない企業もあります。貴重な登用試験の機会なので、試験スケジュールは必ずチェックしましょう。

【2】勤務態度の評価が高いというのは、言い換えれば遅刻・欠勤・早退をしないで勤勉に働いているという評価を受けることです。なぜ企業が学歴に関係なく正社員への門戸を広くしているかというと、やる気と実力のある人材を採用したいからに他なりません。なので有給など事前に申請している休み以外で、遅刻や欠勤が目立つ人材には、安心して仕事を任せられないのです。また、仕事のミスが少ない、真面目に業務に向き合っている、そして協調性があることも、高い勤務態度評価に繋がります。

【3】そして何より、これらの勤勉さがあってこそ、上司の推薦を受けることができるのです。言い換えれば、どれだけやる気があって努力を重ねても、上司の推薦がなければ登用試験を受けることすらできません。しかし「身を粉にして働く」というような無理な働き方をしなくても大丈夫です。日頃からきちんと出勤して真面目に仕事に取り組めば、上司の推薦を得ることは比較的難しいことではありません。まずは上司に自分の存在を認識してもらうためにも、上司と積極的にコミュニケーションを図ったり円滑な関係を築くことが大切であると言えるでしょう。

面接や筆記試験がある場合も

正社員登用試験の内容は企業によって様々ですが、多くの場合面接と筆記試験を受ける必要があります。

面接で最も聞かれる理由は志望動機です。「どうして非正規ではなく正社員になって活躍したいのか」について、具体的に説明できるように準備をしておきましょう。その他にも下記のような内容の質問を受けるそうです。

<面接でよく聞かれる内容>
  • 正社員になるために、どのような努力をしてきましたか?
  • 正社員になったらチャレンジしてみたいことを教えてください。
  • 製品の品質について、気をつけていることはありますか?
  • 作業中の安全について、気をつけていることはありますか?
  • 体調を管理する上で、気をつけていることはありますか?
  • チームワークを行う上で、何が大切だと考えますか?

これらの質問はいくら回答を準備していても面接で緊張してしまってうまく応えられなかった…という失敗談も少なくありません。そのような事態を避けるためにも、既に面接を受けて正社員になっている先輩社員に模擬面接をしてもらうことがおすすめです。

また筆記試験では、適性検査小論文の2つが求められるケースもあります。適性検査とは多くの場合SPIです。SPIの内容は中学生レベルの数学ですが、一昼夜で試験対策ができる内容ではありません。せっかく面接では好感触だったのに、SPIの結果がふるわずに不採用になってしまったという事態を防ぐためにも、日頃からSPIの教科書を手に入れて試験対策を行うことが重要です。SPIの教科書は書店でも購入できますが、既に正社員登用試験に合格した先輩から教科書を譲り受ける方が、試験合格に繋がります。

一方、小論文の内容はシンプルです。多くの場合「今まで行ってきた業務について説明してください」「正社員になってからどんな風に活躍したいですか?」などを簡潔にまとめます。およそ400字〜1,000字が一般的ですが、ここでも今まで業務をただ単調に説明するのではなく「自分がいかに業務改善に取り組んできたか」などを積極的にアピールしましょう。「正社員になってからの活躍」も同様で、抽象的な内容を書くよりも「この業務の安全性や品質を高めるために、このような努力をしていきたい」という風に具体的な内容に落とし込んで書きましょう。

製造業の正社員にチャレンジする価値はたくさんある

ここまで、正社員になるメリットからデメリット、さらには正社員登用試験の具体的な内容についてご説明してきました。

やはり製造業で正社員になる最大のメリットは、学歴に関係なく昇格できて、安定した職と給与が得られることだと言えるでしょう。

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