派遣とは、派遣会社と派遣社員が雇用契約を結び、派遣会社から紹介された派遣先企業で勤務する働き方です。派遣社員として雇用された場合には、「3年ルール」と呼ばれる雇用期間の定めが発生します。この記事では、派遣社員の3年ルールについて詳しく解説していくほか、3年以上働く方法も合わせてご紹介します。これから派遣社員になろうと考えている人、または現在派遣社員として勤務していて「派遣の契約が終わったらどうしよう…」と悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

派遣社員の3年ルールとは?

派遣社員の3年ルールとは、2015年に改正された派遣法のことを指します。この派遣法には派遣社員は同じ事業所で3年以上働くことはできないという制限が定められています。この3年ルールに則った場合、2024年4月1年に入社した派遣社員は、同じ事業所で2027年3月31日までは働けるということになります。

3年ルールには期間制限がある

3年ルールには、個人単位の場合と事業所単位で期間制限が設けられています。ここでいう事業所とは、会社単位ではなく「課」や「グループ」を指しています。それぞれの特長についてしっかり確認し、自身が所属する派遣先企業がどちらに該当するのか把握しておきましょう。

個人単位の場合

個人単位の3年ルールの場合、前述した通り各派遣社員が同じ事業所で働ける期間はそれぞれが入社した日から3年間までです。たとえばAさんが2024年4月1日に入社し最長2027年3月31日までは働けるとすると、その後Bさんが2024年7月1日に入社した場合、その日付からBさんの3年ルールがスタートし、Bさんは最長2027年6月30日まで働けることになるというわけです。

事業所単位の場合

事業所単位の3年ルールでは、同一の事業所で派遣社員の受け入れが許可されるのは3年までと定められています。先ほどの例えでいくと、Aさんがすでに2024年4月1日に入社していた場合、2024年7月1日に入社したBさんもAさんと同じく、働けるのは最長で2027年3月31日までということになります。ただ所属する「課」や「グループ」を変更することで新たに3年間働くことができます。

3年ルールが対象外になるケース5つ

ここまで説明した通り、基本的に、派遣社員は同じ部署で3年以上働くことができないルールとなっています。しかし、以下の5つの条件に当てはまっている方は3年ルールの対象外となります。

派遣会社と無期雇用契約を結んでいる

そもそも派遣社員における3年ルールとは、有期雇用の派遣社員を対象にした派遣法です。しかし派遣社員と派遣先企業の間に契約期間を定めていない、いわゆる無期雇用契約を交わしている場合は3年ルールの対象外となります。

年齢が60歳以上である

派遣社員が60歳以上の場合、こちらも3年ルールの対象外となります。たとえば59歳で働き始めた場合、3年ルールの契約期間中に60歳を迎えることになります。その場合は3年ルールが適用されることはなく、心身ともに健康であれば何歳になっても働き続けられます。

有期プロジェクトに従事している

派遣の仕事には有期プロジェクトという働き方も存在します。こちらはあらかじめ終了する期間が定められているため、3年ルールの対象外となります。ただどの業務にも認められるわけではなく、事業の開始、縮小または廃止などのための業務が対象です。

日数が限定されている業務に従事している

小売店の棚卸し作業や、週末のイベントといった日数が限定されている業務に従事している場合も3年ルールの対象外です。具体的な日数は1ヶ月の所定労働日数が派遣先の通常労働者に比べ半分以下、かつ10日以下です。

育休・産休・介護休暇取得者の代役で従事している

育児休暇、産前産後休暇、介護休暇などを取得している労働者の代役として働く場合に関しても、3年ルールの対象外です。この場合は休暇を取得した労働者の休暇が終了するまでの代役となるため、休暇中の労働者から引き継いだ業務を担当し続ける限り働くことができます。

3年ルールのメリット

派遣社員は入社した時点で契約期間を把握できるため、今後のキャリアプランを考えやすいのがメリットです。派遣先企業で働きながら専門的なスキルを身につけたり、必要に応じて資格を取得したりするなど今後の転職のためにできる対策はたくさんあります。次の職場をスムーズに見つけるため、そして働き方の選択肢を広げるためにも積極的に取り組みましょう。

3年ルールのデメリット

派遣会社と派遣社員は基本的に3ヶ月、または6ヶ月単位で契約更新を行います。しかし派遣先企業の生産状況やコストの問題など、やむを得ない事情により3年以内に契約を解除される可能性もゼロではないようです。ただ派遣先企業で優秀な戦力として活躍していれば契約解除を免れ、3年を過ぎても直接雇用として雇ってもらえるかもしれません。いずれにせよ日頃から真摯に業務に専念することが大切です。

派遣社員が3年を超えて働く方法は?

これまで派遣社員は同じ事業所で3年以上働くことができないと繰り返しお伝えしてきました。「でも今の派遣先が気に入っているから変えたくない」「3年経ったら派遣社員を辞めなきゃいけないの?」と不安に思う方もいるかもしれません。そんな方に向けて、派遣社員が3年を超えて働く方法を3つご紹介します。

派遣先企業で部署を変更する

3年ルールとは同じ事業所で働く場合に適用されるルールです。そのため派遣先企業で部署を変更すれば、引き続き同一の派遣先企業でそこからまた3年働けます。その際は業務内容や人間関係が変わることにはなりますが、新たな環境でスキルを身につけ、自身が成長できるチャンスであるとも言えます。

別の派遣先企業を紹介してもらう

派遣社員として3年以上働くには、別の派遣先企業を紹介してもらうのも1つの手段です。その際は1社目での経験を活かし、派遣会社の担当者に仕事の希望条件を伝えましょう。そうすることで、高収入やキャリアアップを叶えられるかもしれません。

新たな派遣会社を見つける

「派遣先企業が合わない」「今の派遣会社を変えたい」という方は、思い切って新たな派遣会社に登録するのも手です。その際は複数の派遣会社の求人数や平均時給を見比べ、条件のよい派遣会社を選びましょう。また派遣登録人数や口コミなども合わせて見ておくと、実際に働く際の安心材料になります。

最後に

この記事では、派遣社員の3年ルールについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?派遣社員の3年ルールへの理解を深めていただき、転職活動に活かしていただければ幸いです。また、ジョブハウス工場では派遣社員の求人を多数ご紹介しています。無料の会員登録をしていただきますと専任のキャリアアドバイザーがあなたの希望条件に合ったお仕事をご紹介します。そのほか些細な疑問にもお答えしますので、1人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください!