円安が叫ばれている現代。物価や家賃の値上がりにより「今月も家計がピンチ!」「いくら節約をしても貯金ができない!」などの悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?そんなとき、「派遣先の給料が上がればな…」「もっと時給が高ければいいのに」なんて考えてしまいますよね。しかし、そもそも派遣社員は時給の交渉ができるのでしょうか?この記事では、派遣社員が時給交渉をするタイミングや、時給交渉を成功させるためのコツなどを、具体例を用いてお伝えします。

派遣社員が時給交渉で給料アップすることはある?

派遣会社の担当者に時給交渉を行うことで、時給を上げてもらえる場合があります。ただ、その場合は派遣会社が派遣先の企業に時給の相談をしなければなりません。派遣会社だけの判断で金額を決められないため、交渉をしたからといって必ず時給が上がるわけではないことを頭に入れておきましょう。

時給交渉するうえで満たしておきたい条件

当然ながら、働きはじめてすぐのタイミングで「時給を上げてほしい!」などと言っても認められません。時給交渉を成功させたいのであれば、ひとまず一定期間働く必要があります。また、以下に記載するポイントを満たしておくことで、より時給交渉の成功率を高められるでしょう。

勤務状況に問題がない

時給交渉を行うなら、日頃から無断で遅刻や欠勤をしないこと、勤務態度に問題がないことが大前提となります。基本的なビジネスマナーを守れなければ、時給が上がることはないでしょう。時給交渉をしたいと思ったら、まずは自分の勤務状況を確認してみてください。

期待以上の業務を遂行できている

派遣社員と派遣会社は、時給と仕事内容を定めたうえで雇用契約を結びます。しかし、勤務期間が長くなってきたり業務に慣れてきたりすると、契約内容に書いてある以外の仕事を任せられることもあるかもしれません。派遣先企業が期待する以上の業務を遂行できていると認められた場合は、時給交渉が成功しやすくなるでしょう。

派遣会社や派遣先から信頼を得ている

時給交渉を行うなら、まず派遣会社や派遣先企業から信頼を寄せられる人材になることが大切です。両社が「時給を上げてでも働いてほしい」「この業務ができるなら時給を上げて当然」と思うような行動を心がけましょう。そのためには、先ほどお伝えしたように無断で遅刻や欠勤をしないこと、勤務態度に問題がないこと、期待以上の仕事を遂行することはもちろん、業務で関わる人への言葉遣いなどにも気をつけましょう。

時給交渉はどのタイミングでするべきか?

時給交渉をするうえで満たしておきたい条件についてお伝えしました。しかし、いざお金の話をしようとすると「話を切り出すタイミングがわからない」ということもあるかと思います。そこで、ここからは時給交渉をするタイミングについていくつかご紹介します。

契約をする前

時給交渉をするタイミングのひとつとして、派遣会社や派遣先企業と契約を結ぶ前がおすすめです。その理由は、派遣会社が求人を出す際に、時給を「最低限」に設定しているケースがあるからです。もし他社に同じような仕事内容で時給が高い案件を見つけた際は、時給交渉をしてみてもよいでしょう。また、実際に働く派遣先企業で自分のスキルをアピールできると、時給アップが成功しやすくなるかもしれません。

契約を更新するタイミング

上記では派遣会社や派遣先企業と契約をする前がおすすめだと記載しました。しかし派遣会社との契約更新をするタイミングが、実は最も時給交渉に適していると言えます。契約更新時は派遣会社や派遣先企業が契約に関する条件を見直しや、再設定を行うタイミングでもあります。もし派遣会社を通して派遣先企業から契約更新を打診されたのなら、それは会社に必要とされている証拠でもあります。このタイミングで時給交渉を切り出すと、最も成功しやすいと言えるでしょう。

現状よりも高いレベルの業務を任された時

先ほどもお伝えしましたが、派遣の契約期間が長くなってきたりすると、契約を結んだ業務内容以外のことを任せられることもありえます。もし契約内容と実際の業務が異なる、または現状よりも高いレベルの業務を任せられた場合は、時給交渉を承諾してもらいやすくなります。その際は今の時給が不満だと伝えるのではなく、「今の業務をやり遂げたいから時給を上げてほしい」というポジティブな伝え方をすると意欲的な印象を与えることができます。

資格などスキルアップを実現できた時

派遣会社は、派遣社員のスキルを考慮したうえで時給を決定します。その意味で言うと、資格を取得して担当する業務の幅を広げ、スキルアップをわかりやすくアピールすることで、時給アップを打診しやすくなるはずです。なので資格を取得したときやできることが増えたときも、時給交渉をするタイミングにおすすめです。

時給交渉をする際のコツ・ポイント

ここまで時給交渉をするタイミングをお伝えしました。しかし、より時給交渉を成功させるためには、スキルだけでなく人間関係も大切になってきます。ここからは時給交渉をする際のコツやポイントを順番に見ていきましょう。

派遣会社の担当社員と良好な関係を築く

時給交渉を行うために、派遣会社の担当社員と日頃からコミュニケーションを積極的に取り、良好な関係を築いておきましょう。日頃から報連相をしっかり行っておくことで担当者に好印象を残せますし、評価をもらいやすくなります。良好な関係性が構築できていれば、時給交渉をするハードルを下げられるほか、派遣会社の担当者が派遣先企業に掛け合ってくれる確率も高くなるでしょう。

常識の範囲内で具体的な金額を提示する

派遣会社にいきなり「時給を上げてほしい!」と言っても困惑させてしまいます。そうならないためにも、時給交渉をする際は具体的な金額を提示しましょう。とはいえ、ただやみくもに好きな金額を言うのではなく、現実的な金額を提示しましょう。また、同じ職種の時給相場も合わせて提示すると、交渉に説得力を付けられるためおすすめです。

一定期間、派遣先企業でキャリアを積んでから交渉する

派遣会社に登録したばかりの時期や、派遣先企業で働き始めたばかりの時期に時給交渉をしても、成功率はかなり低いでしょう。先ほども触れたように、一定期間働いて仕事の成果を出す、もしくはスキルアップが認められるなどのタイミングが時給交渉をするチャンスです。もし在籍期間が短い場合は、まず1年ほど働き着実にキャリア形成をしましょう。

派遣先企業でしっかりと成果を出す

派遣社員が働く先は、派遣会社ではなく派遣先企業です。つまり繰り返しにはなりますが、派遣先企業でしっかりと働き、仕事の成果を出すことが大切です。派遣会社の担当者は日頃の勤務態度を逐一見ているわけではありません。そのため、いかに業務で成果を上げたか、わかりやすくアピールできる材料を持つことが大切になります。たとえば「目標に対してどのような結果を出したのか」「自分がチームにとってどんな影響をもたらしたのか」などを具体的に説明できると効果的でしょう。

【具体例】交渉する際の伝え方

最後に、時給交渉のやり方について具体例を用いてお伝えします。また、メールなどの文面で交渉を行うと「難しいです」などとあっさり断られる可能性があります。時給を上げてほしいという自分の本気度を伝えるためにも、電話、もしくは対面で交渉するのが望ましいです。

契約を更新するタイミングでの交渉例

以下、契約を更新するタイミングの交渉例です。

お世話になっております。〇〇と申します。このたびは契約更新のご連絡をいただき、ありがとうございました。ぜひ今後も派遣先企業で働かせていただきたいと思っているため、更新を希望します。そこで1点ご相談なのですが、時給額を変更していただくことをご検討いただけないでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討よろしくお願いいたします。

現状よりも高いレベルの業務を任された場合の交渉例

以下、現状よりも高いレベルの業務を任された場合の交渉例です。

お世話になっております。〇〇と申します。このたび契約内容の件で1点ご相談したく、お時間をいただきました。近頃派遣先企業でさまざまな業務を任せていただき、やりがいを持って働けています。ただ、実は契約内容にある業務以外の作業も発生しています。私としては今後も任せていただいている業務を全うしたいため、時給額の変更をお願いしたいと考えております。ご検討のほどお願いいたします。

資格などスキルアップを実現できた場合の交渉例

以下、資格などスキルアップを実現できた場合の交渉例です。

お世話になっております。〇〇と申します。このたび契約内容の件で1点ご相談があり、お時間をいただきました。最近、自身のスキルアップのために〇〇の資格を取得しました。この資格があることで〇〇(派遣先企業)で対応できる業務が広がるかと思います。この先も派遣先企業で長く働かせていただきたいと思っているため、この機会に時給額を変更いただくよう、〇〇(派遣先企業)と交渉いただくことは可能でしょうか?

ただ「時給を上げてほしい」というだけでは、単なるわがままのように受け取られてしまいかねません。そうならないためにも、上記の交渉例のように時給を上げることで「今任せられている業務を全うできる」「資格を活かすことで対応できる業務が増える」など派遣先企業にもメリットがあることを必ず伝えるようにしましょう。

最後に

時給交渉を成功させるには、勤務態度や人間関係など、日頃から意識できることはたくさんあります。また、交渉するタイミングやコツを掴んでおくことでさらに成功率を上げることができます。契約期間の更新時期が近づいてきたタイミングなどで「そろそろ派遣先の時給を上げてほしい」と感じた際はぜひこの記事を参考にしてみてください。

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