タクシー「運賃事前確定サービス」とは

「運賃事前確定サービス」とはタクシー料金を乗車前に確定できるサービスです。国土交通省が2017年度にも導入する方向で検討を進めているものです。 このサービスは、スマートフォン向けの配車アプリを活用し、乗り降りする場所を入力すると、運賃が自動的に算出される仕組みです。 実際のメーター料金と、事前確定させた料金が異なった場合には安い方を支払う、という方法となりそうです。

タクシー「運賃事前確定サービス」のメリット

このサービスのメリットとしては、知らない土地でタクシーを利用する際などに、安心して乗車できるようになります。また、値段があらかじめわかることで、これまで利用を控えていた層も掘り起こすことができて、一層タクシーの利用は活性化されるでしょう。特に海外からの観光客は、英語の壁という障壁もクリアになり、一層に利用が進むと予測されています。

タクシー「運賃事前確定サービス」の課題

東京23区の場合、乗客を獲得する方法の多くは「流し営業」と呼ばれる、運転しながら目視で乗客を探すというものです。現状、稼いでいるドライバーは長年の経験やスキルが高い人です。運転手の長年の経験で「この道は遠回りになるものの、時間の短縮(お金の節約)になる」というルートを知っている場合、本来はお客様にとってメリットになります。ですがそうすることで、運転手が損をするような仕組みになりかねない、という点です。この視点では課題は残っています。

タクシー「運賃事前確定サービス」のシステムの課題

そしてシステムの開発、という視点でもハードルは残っています。というのも実際には現在の料金体系では停車している時間も勘案して時間毎にも加算されていくのでその辺りをどうシステムに盛り込むかがポイントとなっています。渋滞、道路工事、事故などをリアルタイムにかつ正確に反映させる仕組みが求められています。

タクシー「運賃事前確定サービス」の今後

今後タクシー配車アプリが普及することで、タクシードライバーは「流し営業」をする必要性が今よりも減少し、経験が浅くても稼ぐことができるようになることが想定されます。それは業界にとってメリットでもあり、デメリットにもなります。海外では日本よりも配車アプリの普及が進んでいる国は多く、「流し営業」よりも配車アプリ経由での乗客を獲得することがメジャーとなってきています。それによりタクシードライバーの収入が上がり、タクシードライバーに転職することへのハードルも下がっているという事実もあります。最新の今後の動向に注目していきましょう