お仕事を探している時に、ついつい気になってしまうのが給与形態ですよね。日給制、時給制、月給制、年俸制など、給与形態には様々な種類があります。「それは知ってる!」という人でも、よくよく考えてみると、

「それぞれの給与形態にはどんなメリットがあるんだろう」

「自分に一番合っている給与形態ってどれなんだろう」

など疑問が浮かんで来るのではないでしょうか。そこでこの記事では「今さら聞けない、それぞれの給与形態の違い」「各給与形態のメリットとデメリット」をご紹介。お仕事を選ぶ時の参考にしてみてください。

日給制の仕組み

日給制とは、一言でいえば以下になります。

<日給制とは>出勤した日数で給与を算出する給与形態

つまり「出勤日数×日給額=日給制の給与」と計算できます。正社員雇用で日給制を採用しているケースは稀で、派遣社員やアルバイトで多く採用される給与形態です。

しばしば日払い制と混同されてしまいがちですが、日払い制は勤務日当日や翌日に1日分の給与が支給されます。一方、日給制は1ヶ月分の給与が月に1度支給されるという違いがあります。

日給制のメリット

日給制には「出勤日数=給与」という特性だからこそ得られるメリットがあります。主に

  1. 出勤した分給与が増える
  2. 業務が早く終わっても給与は変わらない

という2つのメリットがあります。

(1)出勤した分給与が増えるとは、まさに日給制だからこそ得られる最大のメリットです。特に出勤日数の多かった月には、給与日が楽しみになるはず。仕事の頑張りが、そのまま給与に反映されるので高いモチベーションで仕事に臨めます。

(2)業務が早く終わっても給与は変わらない理由は日給制が出勤日によって算出されるからです。つまり、定時前に仕事が終わっても、一日に支給される金額は保証されています。逆もまた然りで、たとえ与えられた仕事が1日で終わらなくても、給与額は変動しません。

日給制のデメリット

一方で、日給制には

  1. 正社員の募集が少ない
  2. 稼ごうと思うと、休みが疎かになる

という2つのデメリットがあります。

(1)正社員の募集が少ない理由は、多くの正社員募集が月給制度や年俸制度を採用しているからです。先程も述べたように日給制を採用しているのは、派遣社員やアルバイトがほとんど。業務内容も軽作業やライン作業が多いので、キャリアアップするのもなかなか難しいという現状があります。

(2)稼ごうと思うと、休みが疎かになるのは日給制は出勤日数によって給与が変動するからです。中には稼ぎたい一心で、休み返上で働くという方も。しかし、もし無理をして働き続けた場合、体調を崩して長期的に休まざるをえなくなる可能性もあります。体調と収入のバランスを考えなければいけないのが、日給制で働く難しさだと言えるでしょう。

時給制の仕組み

時給制を簡単に説明すると以下の通りです。

<時給制とは>労働時間×時給金額で給与を算出する給与形態

日給制は出勤日に応じて給与が変動しますが、時給制は働いた時間がそのまま給与に反映されます。

時給制のメリット

「働いた時間=給与」という特性を持つ時給制には、

  1. 働いた分だけ給与が上がる
  2. ワークバランスも整えやすい

という2つのメリットがあります。

(1)働いた分だけ給与が上がるというメリットを一番感じる瞬間は繁忙期です。仕事は忙しくなるものの、残業代はきちんと支給されます。普段よりも多めの給与が振り込まれていると、俄然とやる気も高まるでしょう。

(2)ワークバランスも整えやすいというのは時給制の方がシフトの融通が効くからです。例えば育児や介護などの事情で長時間働けない方も、短時間勤務でもその分、しっかり給与が支給される時給制なら活躍できるはずです。

時給制のデメリット

一方で時給制には 

  1. 閑散期に給与が減ってしまう
  2. 契約内容が変わってしまう

という大きな2つのデメリットがあります。

(1)閑散期に給与が減ってしまうというのは、時給制でスタッフを雇用することが多い飲食店や量販店などは、お客様があまり来店しない閑散期にはスタッフの稼働を減らしたいという意向があります。例えば日数の少ない2月や、ゴールデンウィーク、そして年末年始など、そもそもシフトに入れる日が少なくなってしまう月は収入が減ってしまう傾向にあります。

(2)契約内容が変わってしまうというのは、景気低迷や経営不振などの外的要因によって契約更新時に時給が下がってしまうこともありえるということです。最悪の場合、雇用主の経営判断によれば、契約を更新してもらえない、つまり事実上の解雇というケースも発生しうるのです。

これらを考慮すると、時給制は自由度の高い働き方である一方で、安定した収入を求めている方には不向きな働き方とも言えます。

月給制の仕組み

月給制を簡単に説明すると以下になります。

<月給制とは>1ヶ月分の給与が予め決まっている給与形態

月給制の中でも(1)日給月給制(2)月給日給制そして(3)完全月給制の3つがあります。

(1)日給制月給制とは、予め決まった給与から「欠勤、遅刻、早退した日数」の給与を天引きする給与形態です。しばしば混同されがちな日給制は「出勤日数=給与」という算出方法なので真逆の給与形態であると言えます。

(2)月給日給制も、日給月給制と同じく予め決まった給与から「欠勤、遅刻、早退した日数」の給与を天引きする給与形態ですが、月単位の手当の考え方が少し異なります。月給日給制は月単位で支給される職務手当や役職手当は日割控除になりません。つまり固定給だけが変動します。

(3)完全月給制「欠勤、遅刻、早退をしても減給されない給与形態」を指します。さらに所定労働時間を超えた場合は残業代も支払われます。数ある月給制の中でも最も収入が安定していると言えるでしょう。

月給制のメリット

月給制には

  1. 長期的に雇用してもらえる
  2. 収入が安定している
  3. 昇給が望める残業や
  4. 休日出勤をした際は給与が増える

の4つのメリットがあります。

(1)長期的に雇用してもらえるのは、毎月決まった給与を提供するからには、会社も「出来るだけ長く働ける人を採用したい」という思惑があるからです。だからこそ月給制の多くが長期就業してもらうことを前提にしています。このメリットは、今まで紹介してきた日給制や時給制など、短期間での雇用がメインの給与形態にはないメリットだと言えるでしょう。

(2)収入が安定しているのは、月給制が文字通り「1ヶ月分の給与が予め決まっている」からです。安定した給与があれば、安心して家族を養うこともできます。自分の家族を経済的に支えたい、あるいは新たに家族を築きたいという方には、月給制はベストな選択肢の一つだと言えるでしょう。

(3)昇給が望めるのは(1)で説明した通り、月給制を採用する雇用に関しては、その多くが長期的にキャリアを築いてもらうことを前提としています。そのため、キャリアの中でできることを増やしていく社員に対して、スキルに応じた昇給ができる制度を整えているケースが多いです。さらに昨今は転職活動が活発に行われるため、優秀な人材を引き止めるために昇給昇格に前向きな企業が増えています。昇給の機会があれば、仕事にもやりがいを持って取り組めますよね。

(4)残業や休日出勤をした際は給与が増えるのは、法定労働時間である1日8時間以上を超えて働いた場合、割増された給与額の残業代が支払われるからです。休日出勤した際も同様に、休出手当は規定の給与額よりも割増されます。また、夜10時から翌朝5時の深夜帯に勤務した際も、深夜割増賃金が支払われます。仕事を頑張った分だけ給与が上がるので、時給制と同じく高いモチベーションで仕事に臨めます。

月給制のデメリット

月給制のデメリットは、欠勤した際に給与が減額されてしまうことです。しかし、多くの場合有給を取得することで減給を免れることができます。

また長期で働くことを念頭に採用されることが多い月給制は、育児や介護などで長期間休まざるを得ない状況が多々ある方には不向きな働き方であると言えます。

年俸制の仕組み

年俸制を一言で簡潔に説明すると、以下になります。

<年俸制とは>1年間で支給される給与が既に決まっている給与形態

つまり、既に決まっている給与を何等分かに分けて、毎月その1等分が支払われるのが年俸制です。そして余った分はボーナスとして支給されます。

年俸制のメリット

1年に支払われる給与が決まっている年俸制には、

  1. 給与の見通しが付きやすい
  2. 成果次第で給与が上がる

という2つのメリットがあります。

(1)給与の見通しが付きやすいということは、今後、獲得できる給与が決まっているため、自家用車やマイホームなど大きな買い物をする際に長期ローンが組みやすいということです。また返済の計算もある程度可能なので、安心して大きな買い物に踏み出せます。

(2)成果次第で給与が上がるというのは年俸制を採用している企業の多くが成果主義を掲げているからです。つまり高い成果を上げれば、その分給与アップの可能性も上がるということ。誰よりも仕事に力を入れて、どんどん稼ごうという上昇志向の方にはぴったりの働き方と言えるでしょう。

年俸制のデメリット

一方で、年俸制には

  1. 成果が下がれば給与も下がる
  2. みなし残業代が含まれている場合がある

というデメリットもあります。

(1)成果が下がれば給与が下がるというのは、先程も述べた通り年俸制は成果を上げてこそ評価されるからです。成果を保とうとするプレッシャーが常にかかるので、自分のペースで働きたいという方には不向きな働き方かもしれません。

(2)みなし残業代が含まれている場合があるというのは、給与にすでに予測される時間外労働の分だけ残業代がすでに組み込まれているかもしれないということです。労働契約を結ぶ時の書類に、その有無がきちんと明記されています。仮にみなし残業代が含まれていたら、取り決めた残業時間を超過した時のみ残業代が発生するので「働き損だ」と感じる方も多いのだとか。高い年俸に惹かれて注意せずに労働契約を結ぶのは避け、労働契約書類をきちんと精査することを心がけましょう。

自分に合った給与スタイルをチェック!

これまで(1)日給制(2)時給制(3)月給制(4)年俸制について紹介してきました。先にも述べた通り、それぞれの給与形態にはメリットとデメリットがあります。

個々の給与形態で特徴が違うからこそ、自分に合った働き方はどれなのかを見極めることが大切です。ここでご自身に合った給与形態をチェックしてみましょう。

日給制に合う方は?

「出勤した日=給与」の日給制は、以下のような方にぴったりな働き方だと言えるでしょう。

<日給制に合っている方>
  • 短期集中で働きたい方
  • 体力に自信がある方
  • 難しい仕事が苦手な方

日給制の求人の多くは短期間の勤務になるので、短期集中で稼ぎたいという方に向いています。また欠勤した場合は給与が発生しないので、体力に自信がある方が好ましいでしょう。また、日給制の仕事は工場でのライン作業の求人に多いです。簡単な作業を任されることが多いので、仕事で難しいことを求められるのはちょっと苦手…、という方でも活躍できます。

時給制に合う方は?

「働いた時間=給与」の時給制には、以下のような方が活躍できるでしょう。

<時給制に合っている方>
  • 自分のペースを守って働きたい方
  • 半年、またはそれ以上就労したい方

先程も述べた通り、時給制のメリットはシフトの融通が効くことです。例えば仕事の他にもバンド活動をしていたり、副業をしている方など、他に優先したい仕事がある方でも活躍できるのが時給制です。また時給制は日給制よりも勤務期間もやや長めなので、半年以上のロングスパンで働きたいと考えている方にぴったりだと言えるでしょう。

月給制に合う方は?

「1ヶ月の給与が既に決まっている月給制」はこんな方に向いています。

<月給制に向いている方>
  • 安定した給与を手にしたい方
  • 長期的に働きたい方

多くの場合、月給制は欠勤や遅刻をしない限り減給されないので、安定した給与を手にしたいという方に向いています。さらに月給制は基本的に長期就業が前提なので、腰を据えて働きたいという方にはぴったりです。

年俸制に合う方は?

1年の給与が確定している年俸制には以下の方が向いていると言えるでしょう。

<年俸制に向いている方>
  • 自分の実力を給与という形で評価されたい方
  • プレッシャーを自己成長の機会に変えられる方

先にも述べた通り、年俸制を採用する企業の多くは成果主義を重んじています。なので成果が年俸額に直結するので「自分の力を存分に活かしてどんどん稼ぎたい」という方にはぴったりです。また成果が求められる分、日頃から強いプレッシャーに耐えなければなりません。仮に精神的に厳しい状況に置かれても成長の機会だと捉えられるくらい前向きな方こそ年俸制の働き方にぴったりです。

色んな給与形態があるからこそ、自分に合ったものを選ぶことが大事

ここまで説明してきた通り、様々な給与形態があります。仕事を選ぶ時は、仕事内容や休日休暇をしっかり理解して自分に適しているものを選ぶことはもちろんですが、給与形態をきちんと確認することも同様に大切です。

というのも、仕事で求めているものや、働けるペースというものは、人それぞれ異なるからです。そして自分に合った給与形態の仕事を選ばないと、後々「こんなつもりではなかった…」というミスマッチが起きてしまうかもしれません。

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