2級管工事施工管理技士の試験は、参考書選びで合格までの学習効率が大きく変わります。第一次検定と第二次検定では求められる対策がまったく異なるため、目的に合わない教材を選ぶと遠回りになりかねません。

「書店にたくさん並んでいて、どれが自分に合うか分からない」「独学で合格できるのか不安」という声もよく聞かれます。教材選びを間違えると、学習時間を確保しても得点につながりにくくなってしまいます。

この記事では、第一次検定・第二次検定それぞれのおすすめ参考書を厳選して紹介します。あわせて、独学で合格を目指すための学習スケジュールや、参考書だけで不安なときの補助教材も解説します。これから受験を検討している方はもちろん、次の試験に向けて教材を見直したい方もぜひ参考にしてください。

この記事のPOINT

監修:ジョブハウス建設 鈴木実(すずき・みのる)。技術士紹介歴35年、紹介実績1,200名を誇る建設コンサルタント業界の転職のプロ。

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2級管工事施工管理技士の参考書選びで失敗しない4つのポイント

参考書は種類が多く、どれを選べばよいか迷う方も多いはずです。まずは選び方の基準を押さえておきましょう。

第一次検定・第二次検定で目的が違うことを理解する

第一次検定は施工管理の基礎知識を問うマークシート形式の試験です。一方、第二次検定は経験記述を含む記述式で、実務経験に基づいた文章力が求められます。

第一次検定対策では、用語や数値を正確に覚え、過去問演習で出題パターンに慣れることが得点アップの近道です。対して第二次検定は、暗記した知識をそのまま答案に書けるわけではなく、自分が携わった工事の内容を第三者に伝わる形で文章化する力が問われます。

この2つは対策方法がまったく異なるため、「第一次・第二次の両方に対応した参考書か」「片方専用の参考書か」を最初に見極める必要があります。両方に対応した参考書を1冊だけ使う場合は、第二次検定の経験記述例が十分な分量掲載されているかも確認しておくと安心です。

最新の試験制度(受験資格・出題範囲)に対応しているか確認する

令和6年度から施工管理技士の受験資格が改正され、2級第一次検定は学歴・実務経験を問わず17歳以上であれば受験できるようになりました。第二次検定も実務経験のルートが見直されています。

制度改正に対応していない古い版の参考書では、受験資格や出題範囲の説明が現行制度と食い違うおそれがあります。購入前に発行年度を必ず確認しましょう。

出典:一般財団法人 全国建設研修センター

図解・写真の量と自分の理解度に合わせて選ぶ

管工事は給排水衛生設備・空調設備・機械工学など専門分野が広く、文章だけでは理解しにくい内容も多くあります。実務未経験に近い方は、図解や写真が豊富なテキストを選ぶと理解が早まります。

すでに現場経験がある方は、要点が凝縮されたコンパクトな参考書のほうが学習時間を短縮できます。反対に、異業種から転職したばかりで現場のイメージが湧きにくい方は、多少ページ数が多くても解説が丁寧な参考書を選んだほうが結果的に理解が早まる傾向があります。

書店で実物を確認できる場合は、目次と1章分の説明を実際に読んでみて、自分にとって読みやすいかどうかを判断するのもおすすめです。

過去問の収録年数と解説の詳しさをチェックする

管工事施工管理技術検定は過去問の類似問題が繰り返し出題される傾向があります。過去問集は最低でも5年分(10回分)以上を収録し、正答だけでなく誤答の理由まで解説しているものを選ぶのが失敗しないコツです。

【第一次検定】2級管工事施工管理技士のおすすめ参考書3選

第一次検定対策では、基礎知識をインプットするテキストと、演習量を確保する過去問題集を1冊ずつ用意するのが基本です。

第一次検定のおすすめ参考書3選

CIC日本建設情報センター「2級管工事施工管理技士 第一次検定 テキスト」

施工管理技士試験の教材で長年の実績を持つCIC日本建設情報センターのテキストです。出題範囲を漏れなく網羅しつつ、図表を多用して要点を整理しているため、初学者でも読み進めやすい構成になっています。

章ごとに練習問題が挿入されており、インプットした知識をその場で確認できる作りになっている点も特徴です。持ち運びしやすいサイズのため、通勤時間の学習にも向いています。

『2級管工事施工管理技士 第一次検定 テキスト』(Amazon)は、まず1冊目に選びたいテキストです。

CIC出版「2級管工事施工管理技士 第一次検定 分野別過去問題集」

分野別に過去問が整理されているため、給排水衛生設備・空調設備・法規など苦手分野を集中して演習できるのが特長です。5年分(10回分)の過去問を収録しており、演習量も十分に確保できます。

各問題に丁寧な解説が付いているため、間違えた問題をそのままにせず、理解してから次に進める構成になっています。テキストで学んだ知識をすぐにアウトプットしたい方に向いています。

「新版 2級管工事施工管理技士 第一次検定・第二次検定 要点テキスト」

第一次・第二次検定の両方の要点をコンパクトにまとめた1冊です。すでに実務経験があり、知識の抜け漏れだけを確認したい方や、直前期の総復習用として選ばれています。

1冊で両検定をカバーできるため、教材費を抑えたい方や、荷物を増やしたくない方にも適しています。ただし演習問題の量は専用の問題集に比べて少なめなので、過去問演習は別途過去問題集で補うのがおすすめです。

第一次検定対策のテキストと問題集、どちらを優先すべきか

学習時間が限られている場合は、過去問題集を優先するのがおすすめです。第一次検定は過去問の類似問題が多く出題されるため、問題を解きながら該当箇所をテキストで確認する方が効率的に進められます。

【第二次検定】2級管工事施工管理技士のおすすめ参考書3選(経験記述対策あり)

第二次検定は経験記述の出来が合否を左右します。テキストだけでなく、記述例が豊富な教材を選びましょう。

第二次検定のおすすめ参考書3選

CIC日本建設情報センター「2級管工事施工管理技士 第二次検定 テキスト&過去問題集」

過去8年分の出題傾向を分析し、経験記述の高得点獲得法を具体的に解説している点が強みです。記述例を複数パターン掲載しているため、自分の実務経験を当てはめて文章を組み立てやすくなっています。

経験記述以外の設備施工・法規・工程管理の記述問題についても、頻出パターンごとに解答の型が示されているため、限られた学習時間で得点源を作りやすい構成です。

『2級管工事施工管理技士 第二次検定 テキスト&過去問題集』(Amazon)は経験記述対策の定番として選ばれています。

地域開発研究所「2級管工事施工管理 第一次・第二次検定問題解説集」

過去10年分の第二次検定問題を収録し、解答例だけでなく採点の着眼点まで解説しているのが特徴です。第一次・第二次を1冊でカバーできるため、費用を抑えたい方にも向いています。

解説が簡潔にまとめられているぶん、初学者よりもある程度知識のある方が短期間で仕上げるのに向いています。すでに他の教材でひと通り学習を終えた方の、演習量の底上げにも活用できます。

オーム社「これだけマスター 2級管工事施工管理技士」

過去10年分の出題傾向分析と豊富な演習問題を1冊にまとめたテキスト兼問題集です。第一次・第二次検定を横断して学習できるため、参考書の冊数を絞りたい方に選ばれています。

1冊で完結する構成のため学習の見通しを立てやすい一方、経験記述の解説はコンパクトな分量にとどまるため、記述対策を重点的に行いたい場合は前述のCIC「第二次検定 テキスト&過去問題集」との併用も検討するとよいでしょう。

経験記述は参考書だけで対策しきれるか

経験記述は自分の実務経験を文章化する必要があるため、参考書の記述例をそのまま丸暗記するのではなく、自分の現場経験に置き換えて練習することが合格への近道です。可能であれば、上司や先輩に添削してもらうとより完成度が高まります。

参考書 出版社 対象
第一次検定テキスト CIC 初学者
第二次検定テキスト&過去問 CIC 経験記述対策
これだけマスター オーム社 両検定対応
鈴木実のコメント

独学合格を目指すための参考書の使い方・学習スケジュール

参考書は選ぶだけでなく、使い方次第で定着度が大きく変わります。ここでは独学で合格を目指す場合のスケジュールを紹介します。

独学合格の学習スケジュール

学習期間の目安と週あたりの学習時間

実務未経験に近い方であれば、第一次検定対策に3〜4カ月、合計100〜120時間程度を目安にすると無理なく進められます。すでに現場経験がある方は、1〜2カ月・50〜60時間程度でも十分に対応可能です。

平日30分〜1時間、休日に2〜3時間というペースで、コツコツ積み上げる学習法が挫折しにくいと言われています。まとまった時間が取りにくい方は、通勤時間や休憩時間などのすき間時間にテキストを読み進めるだけでも効果があります。

時期 やること
1カ月目 テキスト通読
2〜3カ月目 過去問演習・弱点補強
直前2週間 総復習・模擬演習

テキスト→過去問→再テキストの3周サイクル

1周目はテキストを通読して全体像をつかみ、2周目は過去問を解いて弱点を把握します。3周目は間違えた分野だけテキストに戻って再確認する、というサイクルを繰り返すと知識が定着しやすくなります。

1冊を完璧にしてから次に進むより、浅く広く3周するほうが記憶に残りやすいとされています。特に給排水衛生設備・空調設備・機械工学などは分野をまたいで関連する内容が多いため、繰り返し触れることで理解がつながりやすくなります。

第一次検定対策と第二次検定対策の時間配分

第一次検定合格後にまとめて第二次検定対策を始めると時間が不足しがちです。第一次検定の学習と並行して、経験記述の下書きだけでも早めに進めておくと、直前期に余裕が生まれます。

経験記述は一度書いたら終わりではなく、何度も推敲して精度を高める必要があるため、早い段階で骨子を作っておくことが結果的に近道になります。

直前期にやるべきこと・やらなくていいこと

試験1〜2週間前は、新しい範囲に手を広げるより、これまで解いた過去問の復習に時間を使いましょう。特に経験記述は、時間を計って本番形式で書く練習を最低2〜3回行うことをおすすめします。

直前期に新しい参考書に手を出すと、かえって知識が混乱してしまうことがあります。使い慣れた教材を繰り返し復習するほうが、本番での再現性が高まります。

鈴木実のコメント

参考書だけで不安なときの補助教材・学習サービス

参考書での独学に不安がある場合は、以下のような補助教材やサービスを組み合わせる方法もあります。

参考書以外の補助教材・学習サービス

過去問データベース・公式問題の活用

全国建設研修センターの公式サイトでは、過去に出題された試験問題と正答肢が公開されています。参考書の演習に加えて、公式の問題文に慣れておくと本番の形式に戸惑いにくくなります(全国建設研修センター 試験問題・正答肢)。

参考書に収録されている年度と公式サイトで公開されている年度に差がある場合もあるため、直近の出題傾向を確認したいときは公式サイトも併せてチェックしておくと安心です。

通信講座・添削サービスという選択肢

経験記述の添削を独学だけで完結させるのが難しい場合は、通信講座の添削サービスを利用する方法もあります。第三者に見てもらうことで、自分では気づきにくい表現の癖や論点のズレを修正できます。

費用はかかりますが、経験記述だけをスポットで添削してもらえるサービスもあるため、テキストは独学で進めつつ、答案だけプロに見てもらうという組み合わせ方もできます。

独学と通信講座、どちらを選ぶべきか

費用を抑えたい方や自分のペースで進めたい方は独学、経験記述に自信がない方や学習時間を確保しにくい方は通信講座が向いています。両者を併用し、テキストは独学・経験記述だけ添削サービスという使い方も有効です。

過去に第二次検定で不合格となった経験がある方は、経験記述の書き方そのものに癖がついている可能性があるため、一度添削サービスで客観的な評価を受けてみるのもおすすめです。

資格取得後のキャリア・転職への活かし方

2級管工事施工管理技士を取得すると、主任技術者としての配置が可能になり、担当できる工事の幅が広がります。資格手当を支給する企業も多く、転職市場でも評価されやすい資格です。

資格取得を機にキャリアアップを目指す場合は、資格手当の水準や昇進ルートが企業によって異なるため、転職活動の際は待遇面もあわせて比較検討することをおすすめします。

Q&A

2級管工事施工管理技士の参考書は何冊揃えればいいですか?

第一次検定用に「テキスト1冊+過去問題集1冊」、第二次検定用に「経験記述対策1冊」の合計3冊程度が目安です。両検定に対応した1冊を選べば、2冊でカバーすることもできます。

『新版 2級管工事施工管理技士 第一次検定・第二次検定 要点テキスト』(Amazon)のように、両検定の要点を1冊にまとめた教材も選択肢になります。冊数を増やしすぎると読み切れずに中途半端になりやすいため、必要最小限に絞るのがポイントです。

参考書は最新版でなければいけませんか?

できるだけ最新版を選ぶことをおすすめします。令和6年度から受験資格や制度の一部が改正されているため、古い版では説明が現行制度と異なる場合があります。

特に受験資格や申込方法に関する記述は年度によって変わることがあるため、参考書の情報とあわせて全国建設研修センターの公式サイトでも最新情報を確認しておくと安心です。

独学と通信講座、どちらが合格しやすいですか?

どちらでも合格は可能ですが、経験記述に不安がある方は通信講座の添削を利用すると効率的です。基礎知識のインプットが中心の第一次検定は、独学でも十分対応できます。

参考書での学習と並行して転職活動はできますか?

可能です。資格取得前でも「取得見込み」として応募できる求人があり、資格手当や取得支援制度がある企業も少なくありません。学習と並行して情報収集を始めることをおすすめします。

実務未経験でも2級管工事施工管理技士の参考書は理解できますか?

理解可能です。ただし専門用語が多いため、図解や写真が豊富な入門向けのテキストから始めるのがおすすめです。分からない用語が出てきたら、その都度調べながら進めることで少しずつ知識がつながっていきます。

鈴木実のコメント

まとめ

2級管工事施工管理技士の参考書は、第一次検定・第二次検定で目的が異なるため、それぞれに合った教材を選ぶことが合格への近道です。最新の制度改正に対応した版を選び、テキストと過去問を組み合わせて繰り返し学習しましょう。

経験記述に不安がある場合は、通信講座の添削サービスなども積極的に活用してみてください。

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著者:ジョブハウス建設 編集部

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