まず結論:総合技術監理部門は“技術キャリアの頂点”。将来のキャリア戦略にも直結する資格です
技術士の総合技術監理部門(以下、総監)は、 専門分野の技術力にくわえて、組織・プロジェクト全体を統括できる力を証明する「上位」資格 です。 合格率は直近5年でおよそ12.6〜20.7%と難関ですが、その分取得後のキャリア価値は高く、 管理職・プロジェクト責任者・公共案件など幅広い場面で評価されます。
この記事では、
- 総合技術監理部門とは何か
- 試験制度・受験資格
- 難易度・合格率
- 年収・キャリアへの影響
- 勉強法
- 20〜30代のキャリア戦略
といったポイントを整理しながら、検索ニーズに正面から答えていきます。 「総監を取れば、どんな未来が開けるのか?」を、具体的なイメージが持てるレベルまで落とし込んでいきます。
技術士 総合技術監理部門とは?役割と位置づけ

総合技術監理部門は、技術士全21部門の中でも 唯一「マネジメント能力」を正面から問う部門 です。専門技術を深掘りする他の20部門とは異なり、 経済性・人的資源・情報・安全・社会環境といった複数の管理領域を横断し、プロジェクト全体を成功へ導く力が求められます。
実務では、大規模インフラ、プラント、製造ライン、官公庁プロジェクトなど、関係者や利害関係が多い業務ほど、総監の出番が増えます。
出典: 公益社団法人 日本技術士会「技術士制度 技術部門の紹介(総合技術監理部門)」
技術士の中での総合技術監理部門の位置づけ
技術士制度には21の技術部門がありますが、その中で総監は、 「専門部門で培った技術力のうえに、組織や事業全体を見る視点を持つ人材」を認定する部門 という位置づけです。
一般的に、
- 他部門:特定分野の専門技術力の証明
- 総監:技術+マネジメント+社会的責任を含めた総合判断力の証明
という役割分担になっています。 受験者の多くは、すでにいずれかの技術部門で技術士資格を取得している人であり、 「専門技術者から一段上のステージに進みたい人」が挑戦するケースがほとんどです。
出典: アガルートアカデミー「技術士総合技術監理部門とは?」
総合技術監理部門で求められる5つの管理技術
総監で軸になるのが、いわゆる「5つの管理技術」です。 経済性管理・人的資源管理・情報管理・安全管理・社会環境管理の5領域を総合的に扱うのが総監の特徴です。
- 経済性管理:コスト、採算性、投資判断、品質と費用のバランスなど
- 人的資源管理:要員計画、配置、労務管理、人材育成など
- 情報管理:情報の整理・共有、IT活用、情報セキュリティ、知的財産など
- 安全管理:リスクアセスメント、事故・災害防止、危機管理など
- 社会環境管理:法令遵守、環境保全、地域・ステークホルダーへの配慮など
これらの管理技術は、それぞれ独立したテーマでありながら、現場では互いに影響し合います。総監は、これらを単独ではなく 「全体最適」を意識して組み合わせていく役割を担います。
他の技術部門との違い(専門家から“総合監理者”へ)
一般の技術部門では、主に「その分野の技術的課題をどう解決するか」が問われます。 一方で総監では、 技術だけでなく、人・お金・時間・安全・社会的影響を含めた意思決定 が求められます。
イメージとしては次のような違いがあります。
| 一般部門で評価される力 | 総合技術監理部門で評価される力 |
|---|---|
| 特定分野の専門知識の深さ | 技術+経営視点を合わせた総合判断力 |
| 個別の技術課題の解決力 | 事業全体を見据えた全体最適の発想 |
| 技術的な説明力 | ステークホルダー調整・倫理観・リーダーシップ |
そのため、総監は「腕の良い専門家」というより、 技術に強い“意思決定者”・“プロジェクト統括者”として期待されるポジションになります。
どんなプロジェクトで技術士 総合技術監理部門が活きるか
総監が価値を発揮しやすいのは、次のような「規模や利害関係者が大きいプロジェクト」です。
- 高速道路・橋梁・ダム・上下水道などの大規模インフラ整備
- 発電所・化学プラントなどのプラント計画・更新プロジェクト
- 大手メーカーの生産ライン刷新・新工場立ち上げ
- 防災計画・都市計画など、官公庁が主導する社会インフラ関連プロジェクト
- 複数部門・複数企業が関わるコンソーシアム型プロジェクト
こうした案件では、「安全を優先するとコストが増える」「工期短縮で品質リスクが高まる」など、常にトレードオフが発生します。 総監技術士は、どこに重み付けをするかを判断し、関係者を納得させながら全体最適を目指す役割 を担います。
総合技術監理部門に向いている人の特徴
どんなタイプの技術者が総監に向いているのか、簡単にチェックしてみましょう。
- 図面や計算だけでなく、「事業全体の成り立ち」に興味がある
- 現場で自然と調整役を任されることが多い
- 後輩指導や安全・品質のとりまとめが苦にならない
- 技術ニュースだけでなく、経済・社会動向にも目を通している
- 小規模でもプロジェクトリーダー経験がある、または挑戦したい
こうした要素に当てはまる人は、 「現場のスペシャリスト」から「技術を軸にしたマネジメント人材」へのシフト を目指すうえで、総監は非常に相性の良い資格です。 逆に、当面は特定分野の技術を徹底的に極めたい段階であれば、まずは専門部門の技術士に集中し、その先の選択肢として総監を見据えておく形でも問題ありません。
技術士 総合技術監理部門の受験資格と試験制度
総合技術監理部門は、他部門と比べて実務経験要件が長い点が特徴です。また、「必須科目(総監)」と「選択科目(専門部門)」の二本立て構成で、他部門技術士をすでに取得している場合は選択科目が免除されます。 仕組みを正しく理解すると、合格までのロードマップが一気に描きやすくなります。
技術士 総合技術監理部門の受験資格と必要な実務経験
総監の受験資格は、日本技術士会が定める技術士第二次試験の受験要件に従います。 特に重要なのが、次の実務経験年数です。
- 技術士補(一次試験合格)+補助業務経験:7年以上
- 技術士補取得後の実務経験:7年以上
- 科学技術に関する実務経験:10年以上(すでに他部門の技術士を取得している場合は7年以上)
つまり、他部門の二次試験が「4年以上」のところ、総監は 7〜10年の経験が必要となる“上位難度”の受験要件 です。
筆記試験の構成(必須科目と選択科目)
総監の筆記は、以下のように2種類の科目で構成されます。
- 必須科目(総合技術監理)… 択一+記述
- 選択科目(専門部門)… 記述式
必須科目は総監受験者全員が受けますが、選択科目はすでに他部門の技術士であれば免除となります。 特に重要なのは、必須科目の記述試験で求められる視点です。
5つの管理(経済・人的・情報・安全・社会環境)を統合して、全体最適の方針を論理的に説明すること が、もっとも重視されます。
口頭試験の内容と評価されるポイント
筆記合格者が受験する口頭試験は約20分。 「経歴の説明」「業務における課題への対応」「技術者倫理」「総合判断力」の4つが中心です。
- 自身の業務でどのように判断したか
- 利益・安全・品質・社会性をどうバランスさせたか
- 倫理的に難しい状況にどう対処したか
といった“実務に基づく総監としての判断軸”が問われます。
特に、 「あなたは総監技術士として、どのように意思決定しますか?」 という質問の背景には、試験官が「統合的な視点を持っているか」を確認する意図があります。
他部門技術士への試験免除(選択科目・口頭試験)
すでに他部門の技術士資格を持っている場合、次の免除があります。
- 選択科目の筆記が免除
- 口頭試験も「総監部分」のみで実施
つまり、他部門技術士は総監受験時に 必須科目(択一+記述)に集中できる という大きなメリットがあります。
この制度のおかげで、「専門部門 → 総監」の順でキャリアを積むのが一般的な流れとして定着しています。
試験日程・申込スケジュールと全体の流れ
総監試験は全国一斉で実施され、例年の流れは次のようになります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 4〜5月 | 願書受付 |
| 7月 | 筆記試験(総監必須は例年「日曜」) |
| 10月 | 筆記試験合格発表 |
| 12月〜1月 | 口頭試験 |
| 3月 | 最終合格発表(官報公示) |
技術士 総合技術監理部門の難易度・合格率
「総監は難しいのか?」という疑問に対して、データと特徴を整理すると、違いがはっきりと見えてきます。 総監の合格率は一見高いように見えますが、受験者の多くがベテラン技術士であるため、実質難易度は決して低くありません。
直近の合格率推移と年度ごとの傾向
ここ5年の総監合格率は以下の通りです(日本技術士会発表)。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和2年度 | 12.6% |
| 令和3年度 | 14.5% |
| 令和4年度 | 18.3% |
| 令和5年度 | 20.7% |
| 令和6年度 | 15.2% |
特に令和5年度は20.7%と高めでしたが、翌年度には15.2%まで下がっています。 つまり、年度ごとの難易度変動が大きく、「高い年もあるが常に難関」と捉えるのが適切です。
出典:日本技術士会|試験結果
他の技術士部門との難易度比較
比較のため、主要部門の合格率も見てみましょう(令和5年度)。
| 部門 | 合格率 |
|---|---|
| 建設部門 | 9.8% |
| 機械部門 | 11.2% |
| 電気電子部門 | 15.3% |
| 総合技術監理部門 | 20.7% |
数字だけ見ると総監は「易しそう」に見えますが、受験者の多くがすでに技術士合格者である点を踏まえると、 実質難易度は高く、“上位層の中でさらに選抜される試験” という理解が適切です。
出身部門別の合格率と有利・不利の傾向
総監受験者は「建設部門」出身がもっとも多く、例年60〜65%ほどを占めます。 ただし、合格率を見ると“必ずしも建設が有利とは限らない”点は押さえておきたいところです。
- 建設部門:13.3%前後(母集団が最大)
- 電気電子部門:20%台
- 化学部門:40%を超える年度もあり(母数が小さい影響)
特に重要なのは、出身部門よりも 「どれだけ横断的・俯瞰的に業務へ関わってきたか」 が合否を大きく左右するという点です。
不合格になりやすいパターンとよくある失敗例
代表的な“落とし穴”は次のとおりです。
- 専門技術の深掘りに寄りすぎて、5管理の視点が薄い
- 論文で「部分最適」の解決策になってしまう
- 課題・原因・対策の論理が一貫していない
- 筆記で力尽き、口頭試験対策が不十分
総監で特に求められるのは、 “トレードオフを理解したうえで、全体最適の方針を示す力” です。ここが弱いと、専門知識が豊富でも不合格に直結します。
合格者に共通する勉強・キャリアの特徴
合格者を観察すると、次のような共通点が見られます。
- 過去5年の5管理キーワードを徹底的に把握している
- 論文の型(課題→原因→対策→総合判断)を使いこなしている
- 日常業務で安全・コスト・品質のバランスを常に考えている
- 口頭試験で「自分だったらどう判断するか」を一貫して説明できる
結局のところ、 “総監は経験×思考力の試験” という点がもっとも重要です。 知識だけでは足りず、日々の業務姿勢が合格にも直結します。
技術士 総合技術監理部門のメリットと年収・キャリア

総合技術監理部門は「合格すれば終わり」ではなく、キャリア全体に強く影響する資格です。 専門力だけでは担いにくい役割にもアサインされやすくなり、結果的に年収・評価・ポジションが大きく変わるケースも少なくありません。 ここでは、総監を取得することで実際にどのようなメリットが得られるのかを整理します。
社内評価・昇進・役職への影響
総監技術士は、企業内部では管理職候補としての評価が一段階上がる資格です。 特に建設・プラント・製造・インフラ企業では「プロジェクトを任せられるか」が評価の大きな軸になります。
- 主任・係長クラス → プロジェクト単位の業務を統括できる期待
- 課長・次長クラス → 複数案件のマネジメント責任を負える
- 部長クラス → 技術戦略や人員計画も含めた意思決定が可能
総監はまさに「技術の現場」と「経営や管理」の橋渡しを担う人材として評価されるため、 昇進の決め手になるケースも多く、資格手当を支給する企業もあります。
技術士 総合技術監理部門と年収レンジのイメージ
技術士の平均年収はおおむね650〜750万円前後といわれていますが、 総監技術士の場合、役職とセットで収入が上がるケースが多く、年収は800〜1,000万円台を狙えるレンジに入ります。
総監そのものに法定の手当があるわけではありませんが、 「高度マネジメントができる技術者」として評価され、管理職登用によって年収が上がる構造 が一般的です。
転職市場での評価(求人票・ポジションの具体例)
総監技術士は、民間企業・コンサル・公共案件など幅広い領域で求人ニーズが高い資格です。 転職マーケットでは次のようなポジションで有利になります。
- 建設コンサルの技術部長・部門長候補
- メーカーの工場建設・設備投資プロジェクト責任者
- 社会インフラ企業(電力・ガス・水道)の技術統括職
- 技術系コンサル(PMO・リスク管理・事業企画ポジション)
求人票には「技術士(総合技術監理部門)歓迎」「技術士(総監)があれば尚可」と記載されるケースも多く、 専門性とマネジメント力を併せ持つ人材として希少価値が高い 点が評価につながっています。
官公庁・自治体・公共案件での活かし方
公共分野では、総監技術士の評価はさらに明確です。 国や自治体の委員会、公共プロジェクトでは入札加点の対象資格として扱われる場合があります。
- 公共工事の技術者要件で技術士(総監)が加点対象
- 自治体の専門委員・審査委員に選任されやすい
- 官庁内での技術系管理職ポジションの評価要素になる
特にインフラ関連では、コスト・安全・環境のバランスが重視されるため、 総監がカバーする「5管理」が行政ニーズと非常に相性が良い という特徴があります。
20〜30代で総合技術監理部門を見据える価値
もちろん、20〜30代で総監を取得するのは簡単ではありません。実務経験年数が必要だからです。 ただし、この年代から「総監を見据えてキャリアを積む」メリットは非常に大きくなります。
- 若手のうちからマネジメント視点を育てられる
- 30代後半〜40代での昇進スピードが変わる
- 専門技術だけでなく「統括できる人材」として差別化できる
- 転職活動の際に“上位キャリアポテンシャル”を示せる
特に、 「総監を前提としたキャリア設計」をすると、仕事内容の選び方自体が変わる ため、結果として成長速度が大きく上がります。
技術士 総合技術監理部門の勉強法・独学ロードマップ
総監は「知識」だけでは突破できず、日常業務での視点や考え方が問われる試験です。 ただし、正しい勉強法を押さえれば、働きながらでも十分合格を狙えます。 ここでは、実務者が最もつまずきやすいポイントを踏まえて、効率的な学習パターンを整理します。
択一試験対策|キーワード集の使い方と過去問演習
総監の択一問題は、文科省が公開する「総合技術監理キーワード集」がほぼ出題の土台です。 重要なのは、キーワードを丸暗記するのではなく、 「5管理のどの視点で使う知識か」 を理解しながら覚えることです。
- 過去5年分を横断して頻出キーワードを把握する
- 経済性・安全管理など、自分の弱い管理領域を早めに補強
- 計算問題(NPV、在庫管理、安全工学など)は繰り返し練習
過去問で7〜8割を安定して取れる状態が目標です。
記述式論文対策|5管理を織り込む答案構成テンプレート
総監の論文は、与えられた事例に対して「あなたはどう判断するか」を説明する試験です。 そのため、以下の論証フレームを使うと一貫性のある答案になります。
- 課題の明確化
- 原因の整理(技術+管理視点)
- 5管理を踏まえた解決策の提示
- トレードオフを踏まえた総合判断
ポイントは、 「技術的に正しい」だけでなく「総監として妥当な判断」を書くこと です。ここを意識するだけで論文の質が大きく変わります。
実務経験の棚卸しと“自分の事例”への置き換え練習
論文で差がつくのは、具体的な事例を使えているかどうかです。 総監受験者は実務経験が豊富なため、事例の“引き出し”が重要になります。
- 過去のプロジェクトを5管理で振り返る
- 「安全 vs 工程」「品質 vs コスト」などの対立構造を整理
- 成功・失敗の要因を言語化する
自分の業務経験をベースに論理を組み立てられると、 説得力が桁違いに高い答案になります。
独学で挑戦する場合の教材選びと情報収集のコツ
独学でも合格している受験者は多く、教材選びを工夫すると効率が上がります。
- 一次資料(キーワード集・技術士会資料)を最優先にする
- 過去問は必須科目を中心に5年分以上
- 参考書は「論文構成」や「5管理の整理」が明確なものを選ぶ
特に総監は情報量が多いため、 優先順位をつけて知識を絞り込む力 が学習効率を大きく左右します。
予備校・通信講座を活用すべきケースと費用対効果
以下のような場合は、講座の活用で“合格確率”が大きく変わります。
- 論文のフィードバックを受ける機会がない
- 独学で論旨がブレる傾向がある
- 口頭試験で説明が苦手
外部講座の費用は5〜15万円ほどと幅がありますが、 論文添削だけでも受けておく価値は十分 あります。 1年間で合格を目指す学習スケジュール例(社会人向け)
働きながらでも合格を狙える、現実的な1年間モデルです。
| 時期 | 学習内容 |
|---|---|
| 4〜6月 | キーワード集・択一対策/弱点管理分野の補強 |
| 7〜9月 | 論文構成トレーニング/過去問の答案作成 |
| 10〜11月 | 想定テーマ別の論文完成度を高める |
| 12〜1月 | 口頭試験対策(経歴説明・倫理・判断軸の整理) |
実務と並行して取り組むためには、 「毎週2〜3時間でも継続する仕組み」を作ることが合否を左右します。
20〜30代が技術士 総合技術監理部門を目指すキャリア戦略

総合技術監理部門は、経験豊富な40〜50代が受験するイメージを持たれがちですが、実際には20〜30代で早期にキャリア設計へ組み込むメリットが非常に大きい資格です。 実務経験年数の要件上「いますぐ受ける」のは難しくても、方向性を定めておくことで仕事の選び方が変わり、将来の選択肢が広がります。
技術士 一次・二次から総合技術監理部門までのロードマップ
総監を目指す場合、最も一般的なルートは次のとおりです。
- ① 技術士一次試験(基礎・適性・専門)に合格
- ② 技術士補としての経験(登録すると実務年数を短縮可能)
- ③ 技術士(二次試験)で専門部門に合格
- ④ 実務経験7年以上(または10年以上)を満たす
- ⑤ 総合技術監理部門(二次試験・必須科目)を受験
このプロセスを踏まえると、 「20代から一次・二次を取り切り、30代で総監の受験資格を得る」 という流れがもっともスムーズです。
どの技術部門×総合技術監理部門を組み合わせるか戦略的に考える
総監を目指す場合、「どの専門部門と組み合わせるか」でキャリアの方向性が大きく変わります。 代表的な組み合わせは次の通りです。
- 建設部門 × 総監:インフラ・防災・都市計画など公共性の高い領域で強い
- 電気電子部門 × 総監:エネルギー設備・発電所・プラント管理などでニーズ大
- 機械部門 × 総監:製造業の大型設備投資プロジェクトで評価されやすい
- 化学部門 × 総監:化学プラント・環境安全管理などの専門性と相性が良い
ポイントは、 「総監が活かせるフィールドで働いているか」 という点。 専門部門と総監は上下関係ではなく、“役割”と“視野”の補完関係と捉えるとキャリア設計がしやすくなります。
総合技術監理部門を見据えた職場選び・転職タイミング
総監を中長期で視野に入れる場合、職場選びには次の観点が重要です。
- プロジェクト規模が一定以上あり、複数部門と関わる経験が積める
- 安全・品質・コスト・環境配慮が業務内で重視されている
- 若手がサブリーダーや後輩指導を任されやすい風土がある
- 技術士資格取得を支援する制度がある(手当・勉強時間など)
特に、 「マネジメント経験を積める環境」へ早めに身を置くと、総監の実務要件と筆記内容の両方に直結 します。
転職のタイミングとしては、 一次試験合格後〜専門部門の二次試験取得までの期間が最も動きやすい時期です。 この段階で専門性の方向性を固め、総監へつながる業務範囲を広げていくと効果的です。
若手のうちから鍛えたいマネジメントスキルと役割の取り方
総監向けの素養は、日々の業務の中でも磨くことができます。 特に若手のうちに次の3つを意識すると、試験勉強にもキャリアにも好影響です。
- 小規模でも「工程管理・安全管理」を任せてもらう
- 後輩の教育や業務指示を経験する
- 複数部署との打合せ・調整の経験を積む
総監試験では、 “実務に根ざした判断力” がもっとも評価されます。 若手フェーズでの経験の積み方ひとつで、30代以降の成長スピードが大きく変わります。
キャリアに迷ったら技術系転職エージェントに相談するメリット
総監を見据えたキャリア設計は、専門部門・業界・役割の組み合わせが複雑で、一人で判断しにくい場面もあります。 その際は、技術領域に強い転職エージェントを活用すると次のようなメリットがあります。
- 自分の経験でどの技術部門が最適かを整理できる
- 総監を視野に入れた場合の最適な企業・部署を提案してもらえる
- 「今転職すべきか/残るべきか」の判断軸が明確になる
- 資格取得支援が手厚い企業の情報が得られる
特に、 「専門性 × マネジメント」のキャリア設計は外部視点があるほど精度が上がる ため、相談先を持っておくと長期的にプラスです。
総合技術監理部門を“北極星”にした長期キャリア設計の考え方
総監は取得までに時間がかかる資格ですが、その分キャリアの“軸”として非常に優秀です。 次のような視点でキャリアをデザインすることをおすすめします。
- 20代:一次・二次で専門力を固める
- 30代:マネジメント経験を増やし、総監の受験資格を得る
- 40代:総監として技術組織の中心で活躍する
このように、総監を「北極星(長期目標)」として置くと、 日々の選択がすべて将来のキャリア価値につながる というメリットがあります。
技術士 総合技術監理部門のよくある質問(Q&A)
Q1. 技術士 総合技術監理部門は難しいですか?
結論:難易度は高いですが、合格率は12〜20%台で推移しており、適切な準備をすれば十分狙えます。出題範囲が広く「5管理」を統合した思考が必要なため、専門部門より“質的な難しさ”があります。ただし、出題傾向は安定しており、過去問とキーワード学習を軸に対策すれば合格は現実的です。
Q2. 他の技術士部門より簡単という噂は本当ですか?
結論:数字上の合格率は高めですが、受験者の多くが既に技術士であるため、実質は決して「簡単」ではありません。総監の受験者は経験豊富な層が中心です。その中での15〜20%は競争が激しく、むしろ「上位層からさらに選ばれる試験」と考える方が適切です。
Q3. 総合技術監理部門は独学でも合格できますか?
結論:独学でも十分可能ですが、論文の添削機会が少ない場合は講座の併用が効果的です。択一対策は独学で進めやすい一方、論文は第三者の視点で論理のズレを指摘してもらうと完成度が高まります。過去問演習とフィードバックの有無が合否を左右します。
Q4. 20〜30代で総監を目指すメリットはありますか?
結論:若手のうちから視野を広げることができ、将来の昇進スピードやキャリアの選択肢が大きく広がります。実務経験要件は満たしにくいものの、早期から「5管理」に触れることでマネジメント素養が身につき、30代後半〜40代での総監挑戦がスムーズになります。
Q5. どんな仕事をしていれば総監の受験に有利ですか?
結論:「複数部署の調整」「安全・品質・コスト管理」など、総合的な意思決定に関わる経験があると有利です。小規模でもプロジェクトリーダー経験があると論文・口頭試験で強みを発揮できます。反対に、専門領域だけを担当していると総監視点を鍛えにくくなります。
Q6. 総監は取得後にどんな場面で役立ちますか?
結論:大規模プロジェクトの統括、管理職登用、公共案件の加点など、技術×マネジメントの場面で強く評価されます。技術士としての信頼に加え、総監は「より広い視野を持つ技術管理者」であることを証明するため、役職・転職・案件評価のすべてでプラスに働きます。
まとめ|総合技術監理部門は“技術 × 経営”の両面で成長できる資格
総合技術監理部門は、技術士の中でも異質な存在であり、技術だけでなくマネジメント・社会性・倫理観を含めた総合力が問われる資格です。 難易度は高いものの、その分キャリアで得られるリターンは大きく、専門性を備えた技術者が次のステージに進むための強力な武器になります。
- プロジェクト全体を俯瞰できる技術者として評価される
- 管理職・リーダーポジションに抜擢されやすくなる
- 年収レンジが上がり、キャリアの選択肢が広がる
- 20〜30代から意識すると将来の成長スピードが変わる
総監は決して簡単ではありませんが、計画的にキャリアを積めば確実に近づくことができます。 「技術力を高めつつ、組織や社会に影響を与える仕事がしたい」 そう考える方にとって、総合技術監理部門は最適な目標になる資格です。
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