電気工事施工管理技士の合格率は、1級の第一次検定が35〜50%程度、第二次検定が50〜70%程度で推移しています。2級はどちらの検定も40〜60%程度です。

この記事では、直近の年度別データをもとに1級・2級それぞれの合格率の推移を整理し、合格率が示す本当の難易度と、合格するために押さえておきたい対策をまとめて解説します。

この記事のPOINT

監修:ジョブハウス建設 鈴木実(すずき・みのる)。技術士紹介歴35年、紹介実績1,200名を誇る建設コンサルタント業界の転職のプロ。

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電気工事施工管理技士の合格率【最新版】1級・2級を徹底比較

まずは直近年度のデータをもとに、1級・2級それぞれの合格率を確認していきましょう。

1級電気工事施工管理技士の合格率(第一次・第二次検定)

令和7年度(2025年度)の1級第一次検定の合格率は41.5%、第二次検定は69.6%でした。前年の令和6年度は第一次36.7%、第二次49.6%だったため、いずれも上昇しています。

年度 第一次検定 第二次検定
令和7年度 41.5% 69.6%
令和6年度 36.7% 49.6%
令和5年度 40.6% 53.0%

出典:アガルートアカデミー「1級電気工事施工管理技士の合格率」

2級電気工事施工管理技士の合格率(第一次・第二次検定)

2級は前期・後期の年2回、第一次検定を受験できます。令和8年度前期の第一次検定は57.4%、令和7年度前期は60.3%、後期は55.1%でした。第二次検定は令和7年度が51.8%、令和6年度が51.4%と、おおむね50%前後で安定しています。

2級は1級に比べて第一次・第二次とも合格率50%台で推移しており、実務経験が浅い人でも挑戦しやすい水準といえます。

出典:アガルートアカデミー「2級電気工事施工管理技士の難易度・合格率」

1級と2級、どちらが難しい?合格率で比較

単純な合格率だけを見ると2級の方が高く見えますが、1級は実務経験を積んだ社会人が本気で挑む試験という前提を考慮する必要があります。母集団のレベルが高い中での40%前後という数字は、体感的な難易度としては2級より高いと考えるのが自然です。

第一次・第二次を合わせた最終合格率の目安

第一次検定と第二次検定は連続する2段階の試験のため、最終的に資格を取得できる割合は、それぞれの合格率を掛け合わせた水準まで下がります。1級の場合、令和7年度は第一次41.5%・第二次69.6%のため、単純計算では約29%が最終的な取得ラインです。年度によって60%を超える年もあれば25%前後にとどまる年もあり、「4〜5人に1人が最終合格する」水準とイメージしておくとよいでしょう。

他の施工管理技士(土木・建築)との合格率比較

土木・建築の施工管理技士と比べると、電気工事施工管理技士は第一次検定の合格率がやや低めに出る年度が多く、学科の専門性の高さがうかがえます。第二次検定は経験記述の完成度が合否を分ける点はどの区分にも共通しています。

1級区分 第一次 第二次
電気工事 36〜41%台 50〜70%台
建築 40〜50%台 30〜45%台
土木 50〜60%台 30〜40%台

区分によって合格率の出方は異なりますが、いずれも第一次(学科)と第二次(実地・記述)の両方を突破する必要がある点は共通しています。電気工事は第二次検定の合格率が比較的高めな一方、第一次検定の専門知識の広さが難易度を押し上げていると考えられます。

鈴木実のコメント

電気工事施工管理技士の合格率の推移【過去9年分データ】

電気工事施工管理技士 合格率の推移データ

単年の数字だけでなく、複数年の推移を見ることで合格率の実態がより正確に把握できます。

1級の合格率推移(2017〜2025年度)

1級の第一次検定は、2017年度48.0%、2018年度56.1%、2019年度40.7%、2020年度38.1%、2021年度53.3%、2022年度38.3%、2023年度40.6%、2024年度36.7%、2025年度41.5%と、35〜56%の幅で変動しています。

第二次検定は2017年度62.5%、2018年度73.7%、2019年度66.3%、2020年度72.7%、2021年度58.8%、2022年度59.0%、2023年度53.0%、2024年度49.6%、2025年度69.6%と推移しており、こちらも年度差が大きいのが特徴です。

出典:アガルートアカデミー「1級電気工事施工管理技士の合格率」

2級の合格率推移(直近の動向)

2級は令和3年度が第一次57.1%・第二次68.7%、令和4年度が第一次55.6%・第二次61.8%、令和5年度が第一次43.8%・第二次43.0%と推移し、令和7年度以降は第一次検定が55〜60%台まで回復しています。

出典:CIC日本建設情報センター「電気工事施工管理技士試験の難易度」

合格率が変動する理由

合格率が年度によって上下する主な要因は、出題範囲や問題形式の見直し、受験者層の変化の2点です。制度改正があった年度は一時的に合格率が下がりやすく、その反動で翌年度に受験者が対策を強化して合格率が戻るケースも見られます。

令和8年度以降の傾向をどう読むか

直近2年は1級・2級とも合格率が上昇傾向にあり、出題の難化・易化を毎年繰り返すサイクルを踏まえて対策することが安定した得点につながります。特定の年度の数字だけで「簡単になった」と判断せず、直近3〜5年の平均値で難易度を捉えるのが実務的な考え方です。

なぜ合格率がこの水準なのか?試験の特徴と難しさの理由

電気工事施工管理技士 試験の特徴と難しさの理由

数字だけを見ると「思ったより高い」と感じるかもしれませんが、合格率には表れにくい難しさが2つの検定それぞれに存在します。

第一次検定(学科)が難しい理由

第一次検定は、電気工学・電気設備・関連法規・施工管理法など出題範囲が非常に広いことが最大の難点です。暗記量が多く、直前の詰め込みだけでは合格ラインの得点に届きにくい構成になっています。

第二次検定(経験記述)が難しい理由

第二次検定は記述式で、自身が担当した工事の経験を「工事名」「工事概要」「課題と対応」といった項目に沿って具体的に書く必要があります。暗記した文章をそのまま書くだけでは評価されにくく、設問の意図に沿って書き換える国語力が問われる点が難易度を押し上げています。

実務経験者だけが受ける試験という特殊性

第二次検定は第一次検定合格者、つまりすでに一定の学力を証明した人だけが受験します。母集団のレベルが高い中での合格率であることを踏まえると、単純な数字以上に手強い試験だと理解しておくべきでしょう。

加えて第二次検定は、他の受験者と横並びで採点される記述式試験です。同じ経験年数でも、文章の構成力や具体性によって評価が分かれるため、単純な暗記だけに頼った対策では合格ラインに届きにくい点も覚えておきましょう。

合格基準点の仕組み

1級第一次検定の合格基準は「全体で60%以上、かつ施工管理法で50%以上」という2段階方式です。片方の基準だけ満たしても不合格になるため、苦手分野を作らない学習が欠かせません。

鈴木実のコメント

合格率を上げるための勉強法・対策

電気工事施工管理技士 合格率を上げる勉強法・対策

合格率のデータを踏まえたうえで、実際にどう対策すれば合格ラインに届くのかを整理します。

第一次検定の対策(過去問中心の学習)

第一次検定は過去問演習を繰り返すことが最も効率的な対策です。出題パターンが似た問題が多いため、過去5年分程度を3周すれば合格ラインの得点力が身につきます。

『第一次検定 学科試験 徹底研究』(Amazon)のような過去問題集を1冊やり込むだけでも、出題傾向がつかみやすくなります。

第二次検定の対策(経験記述の完成度)

第二次検定は、経験記述を暗記するのではなく、設問ごとに書き方を変えられる状態まで仕上げることが合格率を左右します。過去の出題テーマ(工程管理・品質管理・安全管理など)別に、それぞれ自分の経験を当てはめた文章を用意しておきましょう。

独学と通信講座、どちらが向いている?

働きながら学習時間を確保しづらい方には、経験記述の添削がついた通信講座が向いています。独学の場合は、経験記述だけでも添削サービスを単発で利用すると、客観的な評価を得られて合格率を高めやすくなります。

直前期・当日の注意点

直前1ヶ月は新しい範囲に手を広げず、間違えた過去問の復習に絞るのが効果的です。当日は受検票・写真付き身分証明書・筆記用具を忘れずに持参し、試験研修本部の公式サイトで最新の持ち物案内も事前に確認しておきましょう。

鈴木実のコメント

合格後のキャリアと年収への影響

電気工事施工管理技士 合格後のキャリアと年収

低くはない合格率とはいえ、決して簡単な試験ではないからこそ、取得後に得られるリターンも大きくなります。

資格手当・年収アップの実態

電気工事施工管理技士を取得すると、月1〜3万円程度の資格手当を支給する企業が少なくありません。1級取得後は現場代理人や所長候補として、年収500万〜700万円台を目指せるケースもあります。

第一次検定合格のみで得られる「技士補」の段階でも、資格手当や昇給の対象にする企業が増えており、合格率が示す以上に、資格取得の過程そのものが評価につながる点も見逃せません。

監理技術者・主任技術者になれる

1級を取得すれば、金額の制限なく監理技術者として現場に配置されます。2級でも主任技術者として現場を任されるようになり、「配置できる人材」は会社にとって貴重な戦力となるため、社内評価にも直結します。

未経験・異業種からでも目指せる理由

第一次検定は年齢要件のみで受験できるため、電気工事の実務経験がまだ浅い方でも「技士補」からキャリアを積み上げていけます。第一次検定は35〜60%程度の合格率で推移しており、正しい対策をすれば十分に届くラインです。

転職市場での評価

近年は人手不足を背景に、資格保有者を積極採用する企業が増えています。合格率が示すとおり誰でも簡単に取れる資格ではないからこそ、履歴書に記載できれば転職市場でも高く評価されやすくなります。

よくある質問

Q. 電気工事施工管理技士の合格率は何%くらいですか?

1級は第一次検定が35〜50%程度、第二次検定が50〜70%程度で推移しています。2級は第一次・第二次とも40〜60%程度です。年度によって変動があるため、直近数年の平均で捉えるのがおすすめです。

Q. 1級と2級、どちらの合格率が高いですか?

数字だけを見ると2級の方がやや高い傾向にあります。ただし1級は実務経験を積んだ受験者が中心のため、母集団のレベルを考慮すると体感的な難易度は1級の方が高いといえます。

Q. 第一次検定と第二次検定、どちらが難しいですか?

合格率だけを見ると第二次検定の方が高く出る年度が多いですが、第二次検定は第一次検定合格者のみが受験するため、単純比較はできません。記述式である第二次検定は、経験記述の完成度が合否を左右します。

Q. 合格率が低い年度に受験するのは不利ですか?

合格率は出題内容や受験者層によって年度ごとに変動するもので、対策の質を高めれば低い年度でも十分に合格を狙えます。過去問演習と経験記述の準備を丁寧に行うことが、合格率の変動に左右されない実力につながります。

まとめ

電気工事施工管理技士の合格率は、1級が第一次35〜50%・第二次50〜70%程度、2級が第一次・第二次とも40〜60%程度で推移しています。年度によって変動はあるものの、直近数年のデータを踏まえれば、正しい対策で十分に合格ラインへ届く試験です。

合格率の数字だけにとらわれず、過去問演習と経験記述の準備を計画的に進めることが、確実な合格への近道です。取得後は資格手当や年収アップ、転職市場での評価向上にもつながるため、ぜひ計画的にチャレンジしてみてください。

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