「測量士補って、合格率はどれくらい?」「難しいのかな、簡単なのかな?」——建設業界でのキャリアアップを考えて測量士補を調べ始めた方が、最初にぶつかる疑問です。

結論からお伝えすると、令和7年度(2025年)の測量士補試験の合格率は51.2%で、過去10年のなかでも最高の数値を記録しました。例年は30〜40%前後で推移しており、国家資格のなかでは比較的合格しやすい部類に入ります。

ただし「半分以上が落ちる年もある」試験であることも事実です。この記事では、国土地理院が公表する最新の合格率データを基に、過去推移・難易度の位置づけ・合格率が変動する理由・合格者の共通点・建設業界でのキャリア価値まで、測量士補を目指すあなたが知っておくべき情報を一気通貫で解説します。

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測量士補試験の合格率は51.2%【令和7年最新データ】

令和7年測量士補試験の最新データ

まずは最新の合格率を数字で正確に押さえておきましょう。令和7年度の測量士補試験の結果は、国土地理院から正式に公表されています。

令和7年(2025年)試験の結果概要

令和7年5月18日に実施された測量士補試験の結果は以下の通りです。受験者13,363名に対し、合格者は6,837名、合格率51.2%——前年比で合格者が2,561名増と、大幅な上昇となりました。

項目 令和7年データ
試験日 令和7年5月18日
受験者数 13,363名
合格者数 6,837名(前年比+2,561名)
合格率 51.2%
合格基準 450点以上(700点満点)

出典:国土地理院「令和7年測量士補試験の合格者を発表」

合格基準は「28問中18問正解」で決まる絶対評価

測量士補試験は全28問・各25点・700点満点で、450点以上を取れば合格です。つまり28問中18問(約64%)を正解すれば、ほかの受験生の出来にかかわらず合格できます。

これは「上位○%だけ合格」という相対評価の試験とは大きく異なります。競争相手は自分自身だけで、基準点を超えれば全員合格——この仕組みが、年度ごとの合格率変動を生む最大の要因でもあります。

試験形式は全問マークシートで午後の半日勝負

試験は午後1時30分から午後4時30分までの3時間一本勝負。全問マークシート方式(五肢択一)のため、記述式のように部分点を狙うことはできませんが、計算問題の過程で悩んでも最終的に選択肢を選べば加点のチャンスがあります。

合格発表は例年、試験実施から約1か月〜1か月半後。令和7年は6月26日に国土地理院ホームページで受験番号が公表されました。出典:国土地理院「令和7年測量士・測量士補試験について(受験案内)」

測量士補の合格率推移と他資格との難易度比較

合格率推移と他資格比較

令和7年の51.2%という数字だけを見ると「測量士補は簡単だ」と感じがちですが、直近5年の推移と他の国家資格の合格率を並べてみると、測量士補の難易度の「ちょうどよい位置」が見えてきます。

直近5年の合格率推移は31〜51%の幅で変動

国土地理院が公表する過去の測量士補試験データを5年分まとめると、合格率は31.4%〜51.2%の範囲で大きく変動していることがわかります。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和7年 13,363 6,837 51.2%
令和6年 13,633 4,276 31.4%
令和5年 13,480 4,342 32.2%
令和4年 12,556 5,540 44.1%
令和3年 12,905 4,490 34.8%

5年平均にするとおよそ38.7%。「平均して3人に1人強」が合格するイメージで捉えておくと、実際の試験準備のものさしに使いやすい数字になります。

出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」

受験者数は毎年1万2,000〜1万3,000人台で安定

受験者数に目を向けると、ここ5年は12,500〜13,600人の範囲で安定しています。つまり「受験者層が極端に変わって合格率が上下している」わけではありません。合格率変動の主因は、受験者層ではなく試験問題の難度と合格点の固定にあると考えられます。

受験者数が安定しているということは、あなたが戦う相手の数や質もおおむね予測可能、ということ。過去問の傾向を押さえれば、試験本番の景色をかなり鮮明にイメージできます。

建設系・不動産系の主要国家資格との合格率比較

測量士補の合格率を、建設・不動産まわりで受験者が多い主要な国家資格と並べてみると、位置づけがはっきりします。

資格 合格率の目安 難易度
測量士補 30〜50% やや易しい
測量士 10〜18% 難関
宅地建物取引士 15〜17% 中程度
土地家屋調査士 9〜10% 難関
司法書士 3〜4% 超難関

測量士補は、建設系・法律系の国家資格のなかではもっとも合格しやすい部類です。同じ測量業務の上位資格「測量士」が10%台であることと比べると、その差は歴然。まずは測量士補で国家資格の土台を作り、実務経験を積んでから測量士へ——というステップアップが王道とされるのも、この難易度差があるからです。

合格率が変動する理由と令和7年に急上昇した背景

合格率変動の理由

同じ試験範囲、同じ合格基準、安定した受験者数なのに、なぜ合格率は30%台と50%台を行き来するのか——その理由を知ることは、本番で点数を落とさない戦略そのものにつながります。

理由1:合格基準が「450点固定」だから問題の難度で合格率が動く

測量士補試験は絶対評価です。合格ラインは450点で固定されているため、その年の問題が易しければ合格率は自動的に上がり、難しければ下がるという構造になっています。

令和6年は計算問題の難度が高まり合格率は31.4%まで落ち込みましたが、令和7年は基礎的な知識問題と定番パターンの計算問題の比率が高く、合格率が51.2%まで跳ね上がりました。「偶然年度の運がよかった」のではなく、問題構成の微妙なバランスが大きく効く試験なのです。

理由2:計算問題が28問中約10問を占める

測量士補試験の特徴は、28問中およそ10問(全体の3割強)が計算問題だという点です。内容は次のようなものが中心です。

  • 測量の誤差・最確値の計算
  • 水準測量の標高計算
  • トラバース測量の方向角・距離計算
  • GNSS測量・写真測量のスケール計算
  • 面積・体積計算

三角比・平方根・近似計算など、高校数学レベルの基礎があれば解ける内容ですが、文系出身者や数学から長く離れていた受験生にとっては、ここで点数を落としやすいのが実情です。計算問題の取り組み度合いが、その年の自分の合格率を大きく左右します。

理由3:受験層の半数以上が社会人で学習時間が限られる

測量士補試験の受験者には、建設会社・測量会社で働く社会人が多く含まれます。大手予備校の受講生データでは受験者の6割程度が会社員、年代別では30代が最多というデータもあります。

学生が中心の資格試験と違い、仕事と両立しながら限られた時間で準備する層が多いため、「十分に勉強できなかった受験生が一定割合いる」ことも、合格率が50%に届かない年が多い理由のひとつです。裏を返せば、正しい勉強法で計画的に200時間を積み上げれば、合格率は個人レベルで大きく引き上げられる試験だとも言えます。

出典:アガルート「測量士補試験の難易度や合格率、その推移など」

合格率から逆算する測量士補の合格戦略

合格戦略の設計

合格率の構造がわかれば、取るべき戦略は明確になります。「28問中18問取れば合格」「計算問題で落としやすい」——この2つの事実をベースに、合格への最短ルートを設計しましょう。

戦略1:知識問題18問で合格ラインに乗せる発想を持つ

28問のうち計算問題が約10問、残りの18問は知識問題です。もし知識問題18問すべてを正解できれば、その時点で合格基準の450点に到達します。つまり計算問題が苦手でも、知識分野を徹底すれば合格は十分可能です。

「数学が苦手だから測量士補は無理かも」と感じている方は、まずこの構造を押さえてください。知識問題で取りこぼしを減らすほうが、難しい計算問題を必死で解くより合格に近い——これが合格者がよく口にする感覚です。

戦略2:過去問10年分で出題パターンをストックする

測量士補試験は、出題される分野と解法パターンが安定しています。国土地理院のサイトでは過去の試験問題と解答例が公開されており、10年分を解くだけで大半の論点を一巡できます。

合格者に共通する学習フローは次のようなものです。

  1. 市販テキストで全8分野を1周読む(知識のインデックス作り)
  2. 過去問を5年分解く(知らない論点・パターンを洗い出し)
  3. テキストで該当箇所を復習する(「解けなかった理由」を潰す)
  4. 過去問を10年分に広げて2〜3周する(出題パターンの引き出し化)
  5. 直前期は計算問題だけを集中的に解き直す

出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」

戦略3:計算問題は「捨て問」を見極める勇気を持つ

計算問題10問のうち、2〜3問はやや複雑な応用問題が含まれます。完璧主義で全問解こうとすると、時間を使い切って知識問題に影響が出ることもあります。

合格者の多くは「計算は6〜7問取れればOK」と割り切り、残りは選択肢を絞ってマークしておく戦略を取ります。マークシート試験は空欄を作らないことが鉄則。わからない問題でも五肢択一なら20%の期待値があるため、必ず何かをマークして試験を終えましょう。

戦略4:試験3か月前を「過去問フェーズ」の起点にする

試験は毎年5月中旬〜下旬の日曜日に実施されます。合格者の典型的な学習期間は3〜6か月。逆算すると、2月〜3月頃には過去問フェーズに入っている状態が理想です。

仕事や学業と両立するなら、平日1時間・休日3時間で週10〜12時間のペースが現実的。3か月続ければ120〜150時間、4か月で180時間前後に達し、合格に必要とされる200時間に近づきます。

合格者に共通する勉強時間・学習スタイル

合格者の共通点

合格率の数字だけを追っていても試験は受かりません。実際に合格している人たちが、どれくらいの時間を投下し、どんな学習スタイルで臨んでいるか——合格者層の傾向を知ることは、自分の勉強計画を現実的に組む上で欠かせません。

平均勉強時間は約200時間が目安

各予備校や合格者アンケートで示される勉強時間の目安は、おおむね次のとおりです。

学習者タイプ 必要勉強時間の目安
測量の実務経験あり 100〜150時間
建設業界で働く社会人 150〜200時間
未経験・他業界出身者 200〜300時間
数学にブランクがある方 300時間前後

「すでに測量士補の専門科目を修了した大学・専門学校の学生」であれば、受験申請をすれば試験免除で資格取得できるケースもあります(法定の修了課程を満たす場合)。通常ルートで受験する場合は、目安として200時間を確保できる学習計画を最初に引いておきましょう。

合格者の学習スタイルは「過去問中心型」が主流

合格体験記を集めると、学習スタイルには大きく3つの型があります。

  • 過去問中心型:テキスト1周後は過去問10年分を繰り返す。最もポピュラー
  • テキスト精読型:テキストを2〜3周精読してから過去問に進む。基礎固めを重視
  • 通信講座活用型:動画講義で効率的に全範囲を回し、隙間時間も活用

どの型でも共通するのは「過去問を最低10年分、2〜3周は解く」という共通点です。測量士補は過去問の焼き直し問題が非常に多く、パターン認識で確実に得点できるからです。

独学と通信講座、どちらを選ぶか

測量士補は独学で合格できる難易度ですが、次のような方は通信講座を検討する価値があります。

  • 数学・計算に苦手意識があり、基礎から講義を聞きたい
  • 仕事が忙しく、効率を最優先したい
  • 一発合格して土地家屋調査士試験にすぐステップアップしたい

独学派は市販テキスト+過去問集で5,000〜10,000円程度、通信講座派は3〜10万円程度が相場です。「受験機会のコスト」と「落ちた場合の次年度再挑戦の負担」を天秤にかけて選ぶと判断しやすくなります。

出典:東京法経学院「測量士補試験の難易度は?勉強時間や独学について解説」

測量士補合格後のキャリアと建設業界での価値

合格後のキャリアと業界価値

合格率51.2%(令和7年)の国家資格である測量士補は、取得しただけで年収が跳ね上がる資格ではありません。しかし、建設業界でのキャリア形成においては「取っておくと後で効いてくる」タイプの資格です。

測量士へのステップアップが開ける

測量士補を持っていて、かつ測量に関する実務経験を規定年数積むと、無試験で測量士に登録できる道が開けます(学歴ごとに必要な実務経験年数は異なります)。

上位資格である測量士の合格率は10%前後と難関です。実務経験ルートで測量士を取得する人は、測量士補を踏み台にして昇格するのが実情。将来的に測量業務の計画立案や外業管理まで担いたいなら、測量士補は最初の一歩として非常に有効です。

土地家屋調査士試験で午前科目が免除される

測量士補の最大の実利的メリットの一つが、土地家屋調査士試験での午前の部免除です。土地家屋調査士試験は午前の部(測量計算)と午後の部(法律・不動産)で構成されますが、測量士補を持っていれば午前の部が免除され、午後の部だけに集中できます。

土地家屋調査士の合格率は9〜10%と難関ですが、午前免除のインパクトは大きく、受験者の多くは測量士補を先に取得してから臨んでいます。不動産登記・境界測量のプロとして独立を視野に入れるなら、測量士補は通過点として必須級です。

建設コンサル・測量会社でのキャリアが広がる

建設コンサルタント会社や測量会社では、測量士補の取得者に資格手当を支給する企業もあります。金額は月5,000〜15,000円程度が目安で、年間では6〜18万円のインカム増につながります。

また、就職・転職の場面では、「測量士補を持っている」ことが応募条件や採用優遇になる求人も多く存在します。未経験から測量・建設コンサル業界に入るなら、取得しておく価値は十分にあります。

インフラ投資拡大で測量職の需要は堅調

建設投資額は2010年の41.9兆円から2023年には70兆円超まで拡大し、リニア中央新幹線、都市再開発、インフラ老朽化対策など大規模プロジェクトが続いています。

これらのプロジェクトには必ず測量業務が伴い、ドローン測量・3次元点群データ活用(i-Construction)などの新技術領域も広がっています。測量士補を起点に実務経験を積めば、ICT測量オペレーター、BIM/CIMエンジニアなど、年収の天井が高い専門職へキャリアチェンジするルートも見えてきます。

出典:ConMaga「測量士補とは?資格を取得するメリットや年収、試験の難易度を解説」

測量士補の合格率に関するよくある質問(Q&A)

最後に、測量士補の合格率まわりで受験生から寄せられる質問をまとめました。

Q1. 測量士補の合格率は例年どれくらいですか?

直近5年(令和3〜7年)の合格率は31.4%〜51.2%の範囲で、5年平均は約38.7%です。令和7年は51.2%と過去10年で最高でしたが、令和6年は31.4%まで下がっており、年度によって振れ幅があります。平均的には「3人に1人強が合格する試験」と捉えておくとよいでしょう。

Q2. 令和7年の合格率が急上昇したのはなぜですか?

測量士補試験は450点(700点満点中)で合格が決まる絶対評価のため、問題の難度で合格率が大きく変動します。令和7年は基礎知識問題と定番パターンの計算問題の比率が高く、例年より平均点が押し上げられた結果、合格率が51.2%に達したと考えられます。

Q3. 未経験・文系出身でも合格できますか?

合格可能です。計算問題は高校数学レベルで、公式を覚えれば解けるパターンが中心です。未経験・文系出身者は200〜300時間の学習時間を目安に、知識問題を先に固め、計算問題は過去問の繰り返しでパターンに慣れる順序が取り組みやすいです。

Q4. 独学と通信講座、どちらがよいですか?

独学でも合格可能な難易度ですが、数学にブランクがある方や仕事で学習時間を捻出しにくい方は通信講座が効率的です。独学派は市販テキスト+過去問集で5,000〜10,000円、通信講座派は3〜10万円程度が相場。「落ちた場合のやり直しコスト」を含めて判断するのが合理的です。

Q5. 合格後すぐに測量士補として働けますか?

合格後は申請により測量士補として国土地理院に登録されます。ただし測量士補単独の求人は多くなく、実際には建設会社・測量会社・建設コンサルタントなどに就職して、測量補助員として実務経験を積みながら働くケースが一般的です。将来的に測量士や土地家屋調査士へステップアップするルートを視野に入れるとキャリア設計がしやすくなります。

Q6. 合格率が高い年と低い年で、対策は変えるべきですか?

対策そのものを変える必要はありません。どの年であっても「28問中18問正解(64%)」という合格基準は一定だからです。合格率が低かった翌年に難易度が緩和される保証もないため、常に「18問を確実に取る学習」を念頭に置くのが最も安全な戦略です。

まとめ:51.2%という数字の裏にある合格戦略を押さえよう

令和7年の測量士補試験の合格率は51.2%と過去10年で最高水準を記録しましたが、5年平均で見ると38.7%、年度によっては30%台前半まで下がることもある試験です。

合格率の高低に一喜一憂するより大切なのは、絶対評価で450点を取るための戦略を持つこと。知識問題18問を取りこぼさない意識、過去問10年分でパターンを体得する学習、計算問題での「捨て問」見極め——この3点を押さえれば、どんな年度の問題構成にも対応できます。

さらに、合格後は測量士へのステップアップや土地家屋調査士の午前免除、建設コンサル・測量会社でのキャリア形成など、建設業界での選択肢が大きく広がります。合格率の数字を「単なる情報」で終わらせず、ぜひあなたのキャリア設計の出発点として活用してください。

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著者:ジョブハウス建設 編集部

建設・建築・インフラ業界に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス建設」編集部です。技術士、建設コンサルタント、施工管理など、建設分野の幅広い専門職・技術職に関する情報を、現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。

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