最近、タクシードライバーを仕事に選ぶ女性が増えてきています。なぜ、女性がタクシードライバーという仕事を選択するのか?その背景や仕事内容、働く環境、年収などを徹底検証してみました。

女性にタクシードライバ―が注目されている理由とは?

稼げる仕事としての認識が広まっている

タクシードライバーは意外にも高給な仕事ということをご存知でしょうか?業界最大手のkmタクシーの調査によると、全国のタクシードライバーの平均年収は300万円弱、都内のタクシー運転手になると380万円程、さらに東京都の大手タクシー会社になると、450万円近くの平均年収になります。接客や軽作業、事務といった仕事に比べてみると、非常に高い数字と言えます。

働きやすい環境が整備されている

タクシー運転手への転職というと、男性のイメージが強いかと思います。しかし、業界を挙げて女性が働きやすい環境を整え、実は女性ドライバーの数は年々増えています。例えば、残業を極力なくした昼のみの勤務、地域の保育園・幼稚園との提携、女性専門の休憩室の設置、最低月収の保証、女性乗務員専用のタクシーの用意等、各企業とも人口減少社会の中での女性の活用に向けて様々な取り組みを行っています。

また、政府も「女性ドライバー応援企業」を設定し、企業の女性の活用を後押ししています。認定基準は下記の3点なので、女性ドライバーに優しいかどうかを判定するポイントにもなりますので、面接の際には確認したほうがいいでしょう。(この後押しも含め、都内のタクシー運転手の数を、現状の7,000人強から数年以内に14,000人にすることを目標にしています)

①雇用目標:女性ドライバーの雇用目標を設定していること ②労働環境:女性ドライバーを含め、従業員が働きやすい施設・勤務形態の整備等に取り組んでいること、または整備に向けた目標が明確であること ③情報提供:労働環境に係る情報(勤務形態、福利厚生等)を公表していること

 

タクシー未経験な女性でも応募できる

タクシー運転手というと、自動車の運転が得意でないと難しい、二種免許を持っていないと採用されない、そんな風に思っている方が多いようです。しかし意外にも、未経験・普通自動車免許のみでOK、といった求人が多くなっています。インバウンドによる観光客の増加、アベノミクスによる景気回復、タクシー運転手の高齢化といった要因から、現在タクシー運転手の数が足りていないためです。未経験でもOKにもかかわらず、事務や接客などに比べて待遇がよく、今がチャンスの業界です。

タクシ―ドライバーの仕事内容とは

タクシーの代表的な仕事例

お客様を安全・確実かつ迅速にお届けするのが仕事です。ではお客様をどうやって見つけるのでしょうか?方法はいくつかありますが、街中を走りながらお客様を見つける『流し』や、ホテルやイベント会場前のタクシー乗り場でお客様を待つ、付け待ち等があります。効率よく稼ぐには、いかにして長距離のってくださるお客様を見つけるかがカギになるようです。

 

キッズタクシー、ハイヤーの運転手等の女性向きな仕事も

タクシードライバーというと、街中で走っているタクシーをイメージしがちですが、それとは少し異なった仕事もあります。例えばキッズタクシーは、学校・塾・ご自宅間をドアtoドアで送迎する仕事です。お客様は固定客の方が多いのが特徴です。また、ハイヤーの運転手は政府関係者や企業の重役といったVIPの方々を送迎する仕事です、ドライビングスキルだけでなく、接客・マナーのスキルも求められる仕事です。

女性タクシードライバーの働き方とは?

 

タクシードライバーの柔軟な勤務体系

タクシードライバーの勤務体系は大きく3つに分けられます。一つ目が、昼の時間に働く『昼日勤』、二つ目が夜の時間帯に働く『夜日勤』、三つめが一勤務で二日分働き、翌日に休みを取る『隔勤』です。

 

子供がいる女性に最適な「昼日勤」

子どもがいる主婦のかたが選ぶ勤務体系です。たとえば、朝8時に保育園に子どもを預けて、9時から仕事を開始する。16時には帰庫して退社し、17時には保育園にお迎えにいく。こんな働き方をしたい方は『昼勤務』を選ぶようです。

 

がっつり働きたい女性は「夜日勤」

夜日勤は夕方17時から翌日2時ころまで働く勤務体系です。夜日勤の勤務体系をとっている会社も多くなく、また、女性にとって働きづらい時間帯になりますので、夜がっつり働きたい方以外で夜日勤を選ぶかたはそれほど多くありません。

 

休みをしっかりとりたい方は『隔勤』

男性も含むタクシードライバーにとって一番オーソドックスな働き方です。朝8時ごろ営業開始し、翌日の2時まで、だいたい18時間程度勤務する働き方です。尚、間に数時間休憩を取るケースが多く、実際の勤務時間は15時間程度になっています。この勤務体系の場合、勤務の翌日は休みとなり、週3日勤務・週4日休みになります。一度の勤務が長くて大変ではありますが、自分の時間や家族と過ごす時間を長めにとれるので、最も多くの方に好まれる勤務体系です。

タクシードライバーの研修とは?

 

研修が重要な理由

未経験OKといっても、研修制度がなければ安心して仕事をすることができません。特にタクシーは歩合制(タクシーの売上げの一部が自分の給料になる)ため、安全運転のスキルをみにつけるだけでなく、稼ぐ方法を身に着けることも大事なことです。 

 

タクシー運転手の研修の内容

未経験者だと、1ヶ月程度かけて研修を行うケースが多くなっています。 簡単な流れとしては以下のようになっています。

①1週間程度で第二種免許の取得、運転スキルの習得

免許は会社から補助が出るケースもあり、第二種免許を持っていない方でも安心して応募ができます。

②研修センターや会社で、接客サービスの習得、地理理解

ペーパードライバーの方や、地理感がない方も多く、そういった方向けに地図を開きながら研修をするケースが多くなっています。

③実際に道路に出ながら地理の理解や営業方法の習得

研修を担当するのは基本的に熟練ドライバ―です。売上は会社にも、個人にも影響しますので、お客さんが多いエリアや時間帯等を確認するといいでしょう。

会社によっても異なりますが、各社とも積極的に採用を行っている関係上、研修体制も充実しているケースが多くなっています。そのため、未経験・普通自動車免許を持っていない女性でも安心です。

タクシー会社の女性の活躍環境とは?

タクシーというとやはり、高齢の男性が多いイメージが一般的だと思います。しかし、人口減少で人手が足りず女性の力を活用したい、女性のお客様を増やしたい、そんな理由から、タクシー業界は急ピッチで女性に働きやすい環境を整備しています。

 

女性活用のためのタクシー会社の取り組み事例

日本交通:

・安心のために全車に防犯カメラを設置 ・更衣室など女性専用のスペースを用意 ・女性ドライバ―専用のタクシーを用意

日の丸交通:

・配属後1年間月給23万円保障 ・週休2日、昼勤務だけの勤務体系を用意 ・地域の託児所と連携 ・女性教官が在籍

kmタクシー(国際自動車):

・入社前に女性ドライバーに1対1で相談できる ・女性専用の休憩室を用意 ・女性専用フロアの設置も ・タクシーには防犯設備を設置 ・2019年までに680人の女性ドライバーを採用予定

このように女性が安心して働ける環境を整えている企業が増えています。

タクシードライバーとして働く女性の声


タクシーの魅力は、たくさんのお客様との出会いです。降り際に「丁寧な運転で快適だったよ。ありがとう。」と一言いただいたりもして、とてもやりがいと感じます。 あと、よく女性のお客様をお乗せしますが、「女性の乗務員さんだと安心するわ~」と言ってくださるので、そんな時はみなさまのお役に立てていると感じる瞬間です。昔から接客業は好きだったのですが、この職業についてからは、ますます人と話すのが好きになりました!



入社直後は本当に大変でした。道を覚えられなかったり、おつりを渡すのに手間取ったりと、「なんで、私はこんなに不器用なんだろう」と落ち込んでは泣いている日々でした。 でも、そんな時には先輩の女性社員が「大丈夫、絶対に上達はするから。むしろ、目の前のことにまっすぐ向き合えるのはあなたの長所よ。」と、次の日にはスッキリと仕事に臨むことができました。まるで、東京にもう一人のお母さんが出来たみたいです。ありのままの自分を受け止めてくれる職場で働くことができ、私は幸せ者です。



入社まではペーパードライバーで運転に自信がなく、タクシー乗務員になると友達に話すと、「そんなタクシー、怖くて乗りたくないわ(笑)」って突っ込まれました。しかし、そんな私でも、入社してから教官が丁寧に指導して下さるおかげで、私の運転スキルはぐんぐんと成長をして、路上に出てからはお客様に支えられながら、さらに成長をして、半年後には自分の運転に自信が持てるようになっていました。


女性のタクシードライバーについてのまとめ

いかがでしたでしょうか?『女性がタクシードライバー!?!?』と思っていた方も少しはイメージが変わったのではないでしょうか。ただ、ネットの情報だけではなく、プロの転職アドバイザーから話を聞くことをお勧めします。女性が働きやすい環境が整っている会社のご紹介なども可能ですので、転職を検討している方は是非転職アドバイザーに相談ください。