運転代行とは?

運転代行とは、飲酒などの理由で自動車の運転が出来なくなった者の代わりに運転した、自動車を目的地(主に依頼者の家)に送るサービスです。代行運転ともいわれます。

業種的には「タクシー」に分類されますがタクシーの歴史が1912年に始まったのに対し運転代行は1966年とタクシーに比べると少し浅い歴史になります。

また当初の運転代行サービスは全国区ではありませんでしたが、1980年の道路交通法の改正で飲酒運転の取り締まりの強化によって年々伸び、さらに最近では、2000年代に「危険運転致傷罪」と「自動車運転過失致死罪」の新設により飲酒運転の罰則がより厳しくなったことから、格段に利用する人が増えてきた職種になります。

こうした便利な運転代行サービスですが、その料金システムや運転代行をしてもらっている時に事故を起こしてしまった時はどうなるのか?こういった点はあまり知られていません。

今回はそんな運転代行サービスの仕組みや使い方、運転代行ドライバーとしての仕事がどういったものなのかについて深堀していきます。また業種上タクシーに分類されますので、タクシーとの違いなども簡単に説明していきます。

 


運転代行とタクシーってどう違うの?

タクシーと同じ業種の運転代行サービス、この2つを比較していき異なる点と共通点を説明していきます。


タクシーとは異なるポイント

■乗務員がタクシーの1人に対して運転代行は2人です。当り前のことですが、運転代行サービスの利用者はなんらかの理由で自身の車を運転出来ないわけですから乗務員が2人いないといけません。また乗務員は随伴車で利用者のもとに向かいますが、利用者は原則として随伴車に乗車することは出来ません。

■タクシーの運転手は依頼があり向かうだけでなく業務の大半を流しといって町中を徘徊します。しかしながら、運転代行ドライバーは依頼があるまで向かいませんので流し作業を一切行いません。

■タクシー同様地域によって変わってきますが(会社によっても違います)料金も全く異なっています。東京都を例に出すと運転代行サービスの平均初乗り料金が2000円から3000円に対してタクシーの料金は初乗り730円ですから倍以上の料金になっています。

 

タクシーと共通するポイント

タクシーの運転手と共通するポイントは第二種普通運転免許です。第二種普通運転免許とは、日本の道路交通法上の免許区分のひとつで、バスやタクシーなどの旅客自動車を旅客運送のために運転する場合や運転代行の業務として顧客の自動車を運転する場合に必要になってくる免許になります。

2004年までは運転代行する際に第二種普通運転免許は必要ないものでしたが、2000年代の「危険運転致傷罪」と「自動車運転過失致死罪」の法律の適正化によって運転代行サービスを利用する人が増加したことで免許を義務付けるようになったという歴史的背景もあります。

※随伴車に乗るだけの業務の場合第二種運転免許は必要ありません。


 

運転代行サービスって具体的にどうやって使うの?

ここまで運転代行の歴史や特徴について説明していきましたが、ここからは運転代行サービスの実際の使い方を説明していきます。

運転代行サービスの利用方法は主に2つあります。


・電話して指定の場所まで来てもらう場合

運転代行会社に電話で連絡して指定の場所にきてもらう方法です。電話で呼ぶ場合到着時間なども一緒に聞くことが出来るので到着までの正確な時間を知ることが出来ます。そして随伴車と自身の車で目的地に着いたら料金を払うといった流れになります。


・スマートフォンからネット予約する場合

この場合自分の今いるエリアを入力し近くの運転代行会社に依頼を申請するタイプです。

会社によって様々ですが折り返しの電話をかけて正確な時間を教えてくれるところもありますし、中には同系列の運転代行会社に自動で連絡され1番早く到着する運転代行会社をピックアップしてくれるサービスを使っている会社もありそれぞれです(スマートフォンに対応していない店舗もあります)。この後の流れは電話で依頼するのと一緒になります。

以上のことからわかるように運転代行サービスは東京などの都心部で利用されることが多いです。

※もし運転代行サービスを利用中に自身の車が事故にまきこまれた場合運転代行業者は利用者保護のため、損害賠償を払わなければいけませんが、運行共用者責任という法律の観点から利用者も支払わないといけません。

 


運転代行の業務体系って?

ここまで運転代行サービスの特徴や利用方法について説明していきましたが、ここからは運転代行の仕事内容や給与・雇用体系・その他手当てについて説明していきます。

 

どんな業務内容?

はじめに仕事内容ですが、業務は2人1組で車(随伴車)1台を用いて行なわれます。まず、飲酒などの理由で自動車が運転できなくなった者(顧客)から依頼を受け、指定された場所に2人で随伴車を使い向かう。そこで、2人のうちの1人はお客様の車を運転し、お客様を目的地まで送り届けます。

もう1人は、随伴車で目的地まで随行します。目的地に着いたら、お客様に車を返し料金を受け取り、2人で随伴車で営業所に戻ることが仕事の流れになっています。

 

給与はいくらもらえるの?

次に給与について説明していきます。給与に関しましては企業によって様々ですが、歩合制や日給制を使用している運転代行業者が多いです。

日給制の場合、平均として第一種普通運転免許のみだと8000円から13000円、第二種普通運転免許を持っていれば10000円から15000円が相場です。もっと詳しく知りたい方は「ジョブハウスドライバー」にある各社求人記事をご覧ください。

 

雇用形態や福利厚生はどうなっているの?

次に雇用形態及び福利厚生について説明していきます。雇用形態について、運転代行企業の場合、はじめは研修期間や契約社員期間とし、その後正社員として雇用していくシステムを使っている企業や、アルバイトとして運転代行ドライバーを雇うことが多いです。

また採用は経験者だけでなく、第二種普通運転免許の取得支援制度などにより未経験者を手厚く歓迎している企業もあります。

福利厚生については会社によって異なる場合がありますが、社会保険が完備されているところや、家族手当の支給、住宅支援制度、交通費支給など様々な手当てが用意されているのでこちらも詳しく知りたい方は「ジョブハウスドライバー」にある求人記事をチェックしてみて下さい。

 

運転代行に必要な資格とは?

運転代行ドライバーになるには自動車普通免許が必要になります。随伴車に乗るかお客様の車に乗って運転するかで必要な免許が変わり、お客様の車を運転代行するなら第二種運転免許が必要になっていきます。

また、第二種免許は普通自動車免許取得から3年以上が経たないと受験資格がないため、送迎バス運転手の転職条件の最低ラインは「普通免許取得から3年以上」になります。

「普通免許取得後3年以上だが第二種普通運転免許を持っていない人」に関しては、一部の運転代行企業が資格所得支援をおこなっておりドライバーが事前に資格を所得しておくことが強制ではないケースが多いです。

従って運転代行企業の中には普通免許を3年以上持っていれば全くの未経験でも受け入れてくれる企業があります。反対に、既に二種免許を取得している経験者に対する優遇措置がある企業が多いです。

 

運転代行運転手に必要なスキルとは?

運転代行運転手は自身で運転出来ない状態のお客様の運転を代行しますのでしっかりとサポートをしなくてはいけません。従って思いやりがある人やコミュニケーション能力などが求められます。

また主に運転することが業務のほとんどなので、車を運転することが好きな人や、車が好きな方にも向いているお仕事となっております。

 


最後に

ここまで運転代行について及び運転手がどのような仕事をしていくらぐらい給与をもらっているのか説明していきました。様々な条件・待遇・給与面に関しても企業によってそれぞれ違っていきます。

しかしながら、ドライバーの事業全体を見てみると運転者不足の企業が多数あり、求人記事も以前より格段に増えております。従って転職をするうえでねらい目ともいえます。

もしよければ「ジョブハウスドライバー」の記事をご覧になっていただければと思います。また「ジョブハウスドライバー」の中にはタクシーや、ハイヤー、看護タクシー、その他職種ではバスやトラックなどといった運転代行以外のドライバー関連の求人もございますので、もし興味があればこちらもぜひご覧になってみて下さい。