日本のトラック業界の市場規模は15兆円を超え、今後も私たちの生活を支えるライフラインとして存在感が増してきます。ここではそんなトラック業界を広い視点で見ていきます。



トラック業界の現状ってどうなっているの?

近年日本において、Amazon(アマゾン)に代表されるようなインターネットショッピングの発達や、貿易の活発化・国際化に伴い、運送業はますます発展を遂げています。

その中でトラックの運送業における位置付けはどのようなものになっているのでしょうか。


トラックはどれくらい利用されているの?

物流業界においてトラックは非常に重要な役割を担っています。実はトラックは、船舶や飛行機、鉄道などの輸送機関別の分担率において、シャア9割以上をほこっているのです。つまり日本の物流はトラック無しでは機能しえないと言えます。


トラックはどういうときに利用されるの?

ひとえにトラックといっても様々な種類のものがあり、勤務地も多種多様です。例えば大型トラック・中型トラックはたくさんの積荷を一度に輸送することが可能なので、倉庫や港、工場などで主に利用されます。

一方小型トラックは比較的狭い範囲での輸送を目的としているため、仕事としては各家庭や企業、学校法人への荷物の宅配となります。


トラック業の大手はどんな会社があるの?

平成25年に国土交通省から「規模別運送事業者数」というものが発表されました。その中で注目なのが、運送業の対象企業数全体のうち約99%は中小企業が占めているという点です。

つまりトラック産業の活性化を図るためにはこの99%の中小企業の底上げをすることが必要不可欠というのが現状です。


トラック業の大手企業ってどこ?

大手運送会社の売り上げと、業界におけるシェアのランキングトップ3は以下のようになっています。


1位:日本通運 

売上高:1兆7524億円 シェア率:23.2%

2位:ヤマトホールディングス 

売上高:1兆3746億円 シェア率:18.2%

3位:日立物流 

売上高:6,245億円 シェア率:8.3%


上記のことからわかるように、運送業界は日本通運とヤマトホールディングスの2社が高い売上高・シェア率をほこっていることがわかります。



トラック業界の課題って何?

近年市場規模が拡大しているトラック業界ですが、その一方いくつかの課題が存在しているのも事実です。次はそれら課題についてみてきましょう。


トラック業界は人手不足

まずトラック業界の課題として挙げられるのが、ドライバー不足です。とくに若年層・女性の人手は不足しています。

そのため全日本トラック協会では地域ごとに「若年・女性労働者の雇用確保・活用」及び「高齢者の雇用の推進」をテーマとしたセミナーを行っています。

ここで注目してほしいのが、高齢者のドライバーも募集しているという点です。

力仕事が多いイメージがあるトラック業界ですが、大型トラックになればなるほど手積みでの作業は減るため、高齢者ドライバーや女性ドライバーが活躍しやすくなっています。


育成・研修環境はどうなっているの?

次に紹介するのは、育成・研修に力を入れていないという点です。

一昔前は未経験者歓迎・トラックの運転経験必要なし、と求人情報に書いていても、実際は育成・研修の環境ができておらず、いつまでたってもドライバーとしてステップアップできない場合があります。

これらの問題を解決するため平成10年に「物流経営士」の資格を付与する資格制度を創立しました。そのことで業界全体で研修意欲が高まり、人材育成が活発化・改善化することが期待されています。


労働条件・労働環境があまりよくない?

一つ目の課題である人手不足とも関連してきますが、人手不足だと自然とドライバー1人当たりの負担が増加します。

さらに拘束時間が長く、休憩時間が短くなりドライバーの基本である安全運転に支障がでてきます。

こうした状況を改善するために2015年に学識経験者・トラック運送事業者・労働者団体などで構成される「トラック輸送における取引環境・労働環境改善協議会」が設置されました。

その後、同様の協議会がすべての都道府県に設置し、労働環境に関する実態調査を行っています。そのかいもあり、最近のトラック業界における労働条件は改善の方向に向かっています。


事業者の経営が厳しい?

最後に、各事業者の経営が厳しいという課題が挙げられます。

参入事業者の増加等による過当競争激化の中で、燃料価格の変動をはじめ、経営にかかるコストの増加がおもな要因です。

そうした状況を改善するために、事業経営を取り巻く環境が大きく変化しているトラック業界に対応できる、次世代の運行経営者のためのセミナーを開催するなど、育成に力を入れています。


以上のような課題が存在するトラック業界ですが、これらを克服するために様々な措置が講じられています。

最近ではヤマト運輸が、人手不足と慢性化している長時間労働の解消を目的として、時間帯指定配送を見直しを行うと発表しました。このようなこともあり、トラック業界の労働条件は今後徐々に改善されることが予想されます。



トラック業界の今後はどうなるの?

ここまでトラック業界の現状と課題について説明してきましたが、これらのことを踏まえ、トラック業界の今後の動向について紹介していきます。


進むIT化

近年、様々な業界にIT化の波が押し寄せてきていますがそれはトラック業界も同様です。

そのためトラック業界は企業内におけるIT化を推し進めるために、全日本トラック協会を中心にセミナーを開催しています。

セミナー内では高度なITの活用方法から具体的な事例を交えた対応策、国やトラック協会などによる支援策を示したりしています。

そのようなこともあり、ドライブレコーダーやアルコール検知器、アイドリングストップ支援機器の導入がすすめられています。


3PL(サード・パーティー・ロジスティックス)の需要の拡大

3PL事業とはいままで保管や配送、荷役、輸出入、物流コンサルといった個別のサービスを一括して請け負うことで、調達から生産、販売といった物流全体の最適化・効率化を実現するサービスです。

従来、荷主と運送業者という利益相反する関係による不都合を解決するために、ノウハウをもった第三者が、荷主の立場に立って、ロジスティクスの企画・設計・運営を行うのが3PLです。

上記のことからわかるように、3PLを導入することによって物流にかかるコストや環境への負荷を軽減できたり、新たな雇用を創出ことが可能になるため、需要が高まっています。


準中型自動車運転免許導入

加えて新しい免許証が導入されることによって、高校卒業者・新卒者の小型トラック運転手が増えることが予想されます。

2017年に運転免許の種類として、新しく「準中型車自動運転免許」が設けられます。これにより未経験(初めて免許を取得する人)でも最初から準中型免許を取ることが可能になります。

今までは中型自動車運転免許制度では、中型免許を取得するためには、普通免許を取得後2年が経験する必要がありました。

しかしその制限がなくなったことで、今まで以上に特に若者の求人が増加することが予想されます。


加速するインターネットショッピング

初めにも書きましたが、今後もAmazonや楽天などに代用されるインターネットショッピングの需要が増加傾向にあり、サービスの幅が今以上に広がることが予想されます。

いくらオンラインでのショッピングが発達しようとも、最終的にお客様へと発送する役割を担っているのは物流業界です。

そのため、インターネットショッピングの拡大に伴い物流業界の成長、特にトラック業界が進歩するのは確実です。

新しい技術やサービスの導入によって、今後もトラック業界が成長することをご理解いただけたのではないでしょうか。



最後に

以上でトラック業界についての説明は終わりますが、≪ジョブハウスドライバー≫では様々な種類のトラックのドライバー求人記事や特集記事もあるのでぜひそちらをご覧になってみてください。

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