測量士試験の勉強法で悩んでいませんか。結論から言えば、正しい学習戦略と300〜500時間の勉強時間を確保すれば、独学でも合格は十分に可能です。

測量士は国家資格の中でも合格率が例年10〜14%前後と難易度の高い試験ですが、出題パターンが比較的安定しており、過去問中心の学習が非常に有効です。午前試験(択一式)と午後試験(記述式)それぞれに合った勉強法を実践すれば、働きながらでも合格を目指せます。

この記事では、測量士試験の勉強法を午前・午後試験別に具体的に解説するほか、必要な勉強時間の目安、おすすめ教材、学習スケジュールの組み方まで網羅的にお伝えします。これから測量士を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。

測量士試験の合格率は約12%——まず押さえるべき試験の全体像

効率的な勉強法を実践するには、まず試験の全体像を正確に把握することが大切です。測量士試験は午前と午後で出題形式が異なり、それぞれに合格基準が設けられています。ここでは試験の仕組みと合格率の推移を確認しましょう。

測量士試験の出題形式は午前択一式28問+午後記述式

測量士試験は毎年5月に実施される国家試験で、受験資格に制限はありません。年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受験できます。試験は午前の部(択一式)と午後の部(記述式)の2部構成です。

区分 形式 問題数 配点
午前の部 択一式(マークシート) 28問 700点(各25点)
午後の部(必須) 記述式 1題 300点
午後の部(選択) 記述式 4科目中2科目を選択 400点(各200点)
合計 — — 1,400点満点

午後の選択科目は、基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量の4分野から2つを選びます。どの科目を選ぶかは合否に直結するため、後ほど詳しく解説します。

過去10年の合格率は7〜18%——近年は上昇傾向

測量士試験の合格率は年度によって大きく変動します。これは試験が絶対評価(合格基準点に達すれば全員合格)であるためです。過去10年の推移を見てみましょう。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和7年(2025年) 3,703人 1,487人 40.2%
令和6年(2024年) 3,717人 485人 13.0%
令和5年(2023年) 3,667人 379人 10.3%
令和4年(2022年) 3,194人 460人 14.4%
令和3年(2021年) 2,773人 498人 18.0%
令和2年(2020年) 2,276人 176人 7.7%
令和元年(2019年) 3,232人 479人 14.8%
平成30年(2018年) 3,345人 278人 8.3%

令和6年までの合格率は概ね7〜18%で推移しており、令和7年(2025年)は40.2%と大幅に上昇しました。ただし、この数値は例外的であり、試験の難易度が毎年変動する以上、過去の平均的な水準(10〜14%)を前提に準備を進めることが堅実です。

出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」

合格基準は1,400点満点中910点以上

測量士試験に合格するには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。

  • 午前試験で450点以上(700点満点中)を獲得すること
  • 午前+午後の合計で910点以上(1,400点満点中)を獲得すること

つまり、午前試験で450点に届かなければ、午後試験がどれだけ高得点でも不合格です。午前の足切りラインをクリアすることが、合格への第一関門となります。なお、令和6年度(2024年)から午前の合格基準が400点から450点に引き上げられた点にも注意してください。

測量士と測量士補の違い——どちらから取るべきか

建設業界で測量関連の資格といえば、「測量士」と「測量士補」の2つがあります。両者の違いは以下のとおりです。

項目 測量士 測量士補
業務範囲 測量計画の作成・実施の両方 測量士の作成した計画に従い実施
合格率 約10〜14%(令和7年は40.2%) 約30〜40%
勉強時間の目安 300〜500時間 100〜200時間
試験形式 択一式+記述式 択一式のみ

測量の実務経験がまったくない方は、まず測量士補から取得して基礎知識を固め、その後に測量士を目指すステップアップ方式がおすすめです。測量士補で学んだ知識はそのまま測量士試験の午前対策に活きるため、勉強時間の短縮にもつながります。一方、すでに測量の現場経験がある方や、土木・建設系の学科を卒業している方は、最初から測量士に挑戦しても十分に合格を狙えます。

測量士試験に必要な勉強時間は300〜500時間【経験別の目安一覧】

勉強法を考える前に、「どのくらい勉強すれば合格できるのか」の見通しを持つことが重要です。ここでは経験別の勉強時間の目安と、具体的な学習スケジュールの組み方を紹介します。

初学者は500時間・測量経験者は200〜300時間が目安

測量士試験に必要な勉強時間は、バックグラウンドによって大きく異なります。

受験者タイプ 目安時間 ポイント
完全初学者(測量未経験・数学苦手) 500時間 数学の基礎固めに100時間程度を追加
測量士補の取得者 200〜300時間 午前の基礎知識があるため午後対策に集中
測量の実務経験者(3年以上) 200〜250時間 実務知識がそのまま活きる部分が多い
土木・建設系の学科卒業者 250〜350時間 基礎理論はあるが試験特有の対策が必要

合格者を対象としたアンケート調査では、最も多かった勉強時間帯は200〜300時間未満(38.5%)でした。ただし、これは測量関連の知識をある程度持っている方が多い結果でもあります。初学者の方は、余裕を持って500時間を見込んでおきましょう。

測量士補の取得者なら勉強時間を大幅に短縮できる

測量士補をすでに持っている方は、午前試験の択一式問題で大きなアドバンテージがあります。測量士補で学ぶ測量の基礎理論、座標計算、誤差の取り扱いといった知識は、測量士の午前試験にもそのまま出題されるためです。

測量士補の取得者が測量士を目指す場合、午前対策にかける時間を100時間程度に抑え、その分を午後の記述式対策に充てるのが効率的です。記述式は択一式とは異なり、答えを「書く」力が求められるため、十分な練習時間を確保してください。

1日2時間×7ヶ月の学習モデルスケジュール

試験日は毎年5月中旬です(令和8年は2026年5月17日予定)。初学者の場合、10〜11月からスタートして約7ヶ月間で500時間を確保する計画が現実的です。

時期 期間 学習内容 目安時間
10〜11月 2ヶ月 テキスト通読・基礎知識のインプット 約120時間
12〜2月 3ヶ月 過去問演習(午前・午後とも年度別に解く) 約220時間
3〜4月 2ヶ月 分野別の弱点補強・記述式の解答練習 約130時間
5月(直前) 2〜3週間 総復習・模擬試験形式の演習 約30時間

ポイントは、全体の学習時間の約半分を過去問演習に充てることです。テキストのインプットだけでは得点力がつきません。12月以降は過去問をひたすら回すフェーズに移行しましょう。

働きながら勉強する人の時間捻出術3選

建設業界で働きながら勉強する場合、まとまった時間の確保が最大の課題です。以下の3つの方法を組み合わせると、平日でも1日2時間の学習が可能になります。

  • 朝活(出勤前の1時間):朝は集中力が高く、計算問題の演習に最適です。毎朝30分〜1時間を確保するだけで、月に15〜30時間を積み上げられます
  • 通勤時間の活用:電車通勤の方は、一問一答形式のテキストやスマホで過去問の解説を読む時間に充てましょう。片道30分の通勤でも、月に約20時間分の学習ができます
  • 週末のまとめ学習(3〜4時間):午後試験の記述式は、机に向かってじっくり解答を書く練習が必要です。平日は短時間のインプットに徹し、週末に記述練習をまとめて行うのが効率的です

「完璧なスケジュール」を作ることより、毎日少しでも手を動かし続けることが合格への最短ルートです。1日サボっても翌日にリカバリーすれば問題ありません。

午前試験(択一式28問)を攻略する具体的な勉強法

午前試験は択一式(マークシート)28問で700点満点。合格には450点以上(18問以上正答)が必要です。出題範囲は測量法規から各種測量の計算問題まで幅広いですが、過去問からの類似出題が多く、対策しやすい試験です。

文章問題は「測量の作業フロー」を軸に理解する

午前試験の文章問題は、測量法規、測量の基準、各種測量手法の手順や原理などから出題されます。これらを丸暗記しようとすると膨大な量になりますが、「測量の作業フロー(計画→実施→計算→成果)」を軸に理解すると、知識が体系的につながります。

たとえば、基準点測量であれば「既知点の選定→新点の設置→観測→計算→成果の整理」という流れを頭に入れた上で、各ステップの詳細を肉付けしていきます。このように全体像→詳細の順で学ぶことで、初めて見る問題でも推論で正解にたどり着けるようになります。

計算問題はパターン分類して繰り返し演習が鉄則

午前試験の計算問題は、出題パターンがある程度決まっています。主な計算分野は以下のとおりです。

  • 座標計算(方向角と距離から座標を求める)
  • 面積計算(座標法による面積算出)
  • 水準測量の計算(標高差、往復差の許容範囲など)
  • 誤差の取り扱い(最確値、標準偏差、重み付き平均)
  • 写真測量の計算(縮尺、撮影高度、オーバーラップ率)

計算問題はパターンごとにまとめて集中的に解くのが最も効率的です。たとえば「座標計算の問題を7年分まとめて解く」という方法なら、同じ計算手順を繰り返すことで解法が定着します。最初は1問に20分以上かかっても、3周目には5分以内で解けるようになるのが普通です。

過去問7〜10年分を最低3周——年度別→分野別の順で回す

測量士試験の勉強法で最も重要なのが過去問演習です。過去問は国土地理院のWebサイトから無料でダウンロードできます。

おすすめの進め方は以下の2段階です。

  • 第1段階(1〜2周目):年度別に通しで解く——まず試験の全体像と出題バランスを把握します。1年分を通しで解くことで、自分の得意分野・苦手分野が明確になります
  • 第2段階(3周目以降):分野別にまとめて解く——苦手分野を集中的に潰します。同じ分野の問題を連続で解くことで、出題のバリエーションと解法のパターンが見えてきます

過去問は最低7年分、できれば10年分を3周以上解くことを目標にしてください。測量士試験は過去問からの類似出題が多いため、過去問をやり込むほど本番の得点率が上がります。

午前450点以上を安定させるための得点配分戦略

合格に必要な午前450点は、28問中18問以上の正答に相当します。確実に合格するには20問正答(500点)を目標に設定するのがおすすめです。

28問の内訳は概ね「文章問題15〜16問、計算問題12〜13問」です。得点戦略として効果的なのは以下のアプローチです。

  • 文章問題で12問以上を確保する(暗記と理解で対応可能)
  • 計算問題で8問以上を確保する(パターン演習で確実に取れる)
  • 合計20問(500点)で午前の足切りを余裕でクリア

計算問題は「解法を知っていれば確実に点が取れる」のが特徴です。文章問題よりも得点の安定性が高いため、計算問題を得点源にするのが合格への近道です。

午後試験(記述式)で確実に得点するための勉強法

午後試験は記述式で、必須問題1題(300点)と選択問題2題(各200点)の合計700点です。午前試験の足切りを突破しても、午後で点が取れなければ合計910点に届きません。ここでは午後試験に特化した勉強法を解説します。

必須科目は満点を狙う——測量法規と多角測量の攻略法

午後の必須問題は、測量法規や基準点測量(多角測量)に関する内容が頻出です。300点と配点が大きいため、必須問題では満点に近い得点を目指すことが合格戦略の要になります。

必須問題の対策では、以下の点を意識してください。

  • 測量法の条文を正確に覚える:穴埋め形式で出題されるため、キーワードレベルで暗記が必要です
  • 多角測量の計算手順を完全に習得する:方向角の計算、座標の算出、閉合差の配分など、一連の流れを手書きで何度も練習します
  • 過去問の解答パターンを分析する:問われ方に一定のパターンがあるため、5年分の過去問を分析すれば出題傾向が見えてきます

選択科目は「応用測量」と「地図編集」が狙い目

午後の選択科目は、以下の4分野から2つを選択します。

選択科目 主な出題内容 特徴
基準点測量 GNSS測量、水準測量の計算 計算量が多く高難度
地形・写真測量 空中写真測量、数値地形モデル 計算と知識の両方が問われる
地図編集 地図投影法、GIS、地理情報の編集 知識問題が中心で取り組みやすい
応用測量 路線測量、河川測量、用地測量 実務に近く建設業経験者に有利

初学者の方には「応用測量」と「地図編集」の組み合わせをおすすめします。応用測量は路線測量や用地測量など建設現場に直結する内容が多く、実務経験がなくてもイメージしやすい分野です。地図編集は計算問題が少なく、知識の暗記で対応できる問題が多いため、数学に自信がない方でも得点を稼ぎやすいです。

ただし、すでに測量の実務でGNSS測量や水準測量を経験している方は「基準点測量」を選ぶのも有効です。自分の得意分野で勝負することが大切です。

記述式で部分点を確実に積み上げる解答テクニック

記述式では、最終的な答えだけでなく、途中の計算過程や考え方も採点対象になります。仮に最終答が間違っていても、正しい計算過程を示していれば部分点がもらえる可能性があります。

部分点を確実に取るためのポイントは以下のとおりです。

  • 計算式を省略しない:使った公式と代入した数値を明記します
  • 単位を必ず書く:「m」「°」「秒」などの単位の記載漏れは減点対象です
  • 有効数字を意識する:問題文で指定された桁数で四捨五入します
  • 白紙で出さない:わからない問題でも、関連する公式や考え方を書けば部分点を獲得できます

記述式の練習では、過去問の模範解答を「写経」することから始めるのが効果的です。まず模範解答を見ながら書き写し、次に解答を見ずに自力で書いてみる。この繰り返しで記述力が着実に身につきます。

電卓操作の練習も必須——使える機種と操作のコツ

測量士試験では電卓の持ち込みが認められています。試験で使用できるのは、四則演算、平方根、メモリ機能程度の一般的な電卓です。関数電卓やプログラム機能付きの電卓は使用できません。

午後の記述式では複雑な計算が続くため、電卓の操作スピードが解答時間に直結します。普段からの練習で、以下の操作を素早くできるようにしておきましょう。

  • メモリ機能(M+、M-、MR)を使った連続計算
  • 平方根の計算
  • 小数点以下の四捨五入を素早く行う方法

おすすめの機種としては、カシオの一般電卓が受験者の間で広く使われています。試験本番で使う電卓は、勉強開始時から同じものを使い続けることで、手になじませておくのがベストです。

測量士試験のおすすめ教材・テキスト【独学者向け厳選5選】

測量士試験は市販テキストが少ないのが現状です。しかし、限られた教材を正しく選べば独学でも十分に対応できます。ここでは実際の合格者にも支持されている教材を5つ紹介します。

国土地理院の過去問+解答——無料で手に入る最強の教材

最も重要な教材は、国土地理院が公式に公開している過去の試験問題と解答例です。無料で入手でき、最新の出題傾向を直接確認できます。

国土地理院のサイトでは、過去数年分の午前試験・午後試験の問題用紙と解答が PDF で公開されています。まずはこの過去問を7〜10年分ダウンロードし、学習の軸に据えましょう。

出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」

『測量士・測量士補試験 一問一答』——実戦形式の問題集

過去問をベースに一問一答形式でまとめた問題集です。通勤時間やスキマ時間に取り組みやすく、午前試験の文章問題対策に特に効果的です。各問題に解説が付いているため、間違えた問題の理解を深められます。

使い方のコツは、1周目は解説をしっかり読みながら進め、2周目以降はスピード重視で回すことです。3周目には正答率が80%を超えていれば、午前試験の文章問題は合格レベルに達しています。

『わかりやすい測量の数学』——計算問題の基礎固めに

数学に苦手意識がある方にとっての必携書です。三角関数、行列計算、最小二乗法など、測量士試験で必要な数学の基礎を丁寧に解説しています。

この本を最初の1〜2ヶ月で通読しておくと、その後の過去問演習で計算問題に詰まることが大幅に減ります。測量の実務経験がある方でも、理論の裏付けを得るために一読しておく価値があります。

『マンガでわかる測量』——初学者の導入に最適

測量の全体像をまったく知らない初学者が、最初の1冊として読むのに適した入門書です。マンガ形式で測量の基本的な考え方や用語を解説しているため、抵抗感なく学習を始められます。

試験対策としてはこの1冊だけでは不十分ですが、「そもそも測量とは何をする仕事なのか」を理解する導入教材として優れています。テキストの内容が頭に入りにくいと感じた方は、まずこの本で基礎イメージをつかんでから本格的な学習に入りましょう。

通信講座という選択肢——アガルート・東京法経学院の比較

独学に不安がある方や、短期間で確実に合格したい方には通信講座の活用も選択肢です。測量士試験の通信講座を提供している主要な2社を比較します。

講座 特徴 価格帯
アガルートアカデミー 動画講義が充実、合格率が全国平均を大幅に上回る実績 約21万円〜
東京法経学院 測量士試験の老舗、テキストの網羅性が高い 約10万円〜

通信講座の最大のメリットは、プロの講師が試験の出題傾向を踏まえて効率的にカリキュラムを組んでくれる点です。独学では見落としがちな午後試験の記述式対策も体系的に学べます。費用はかかりますが、「1回で確実に合格したい」方には投資に見合うリターンがあるでしょう。

合格率を高める5つの実践テクニック

ここまで午前・午後試験の勉強法と教材を紹介しました。最後に、合格率を確実に引き上げるための実践テクニックを5つお伝えします。

学習計画は試験日から「逆算式」で組む

多くの不合格者に共通するのが、「なんとなく勉強を始めて、試験直前に時間が足りなくなる」パターンです。これを防ぐには、試験日(5月中旬)から逆算してスケジュールを組むことが効果的です。

具体的には、「5月の直前2週間は総復習 → 3〜4月は弱点補強 → 12〜2月は過去問周回 → 10〜11月はインプット」というように、ゴールから逆算して各フェーズを割り振ります。カレンダーに落とし込むことで、日々の進捗が遅れているかどうかを客観的に判断できるようになります。

インプット2割・アウトプット8割の比率を守る

測量士試験の勉強でよくある失敗が、テキストを読むことに時間をかけすぎて、過去問をほとんど解かないまま試験に臨むケースです。

全学習時間の8割はアウトプット(過去問演習・記述練習)に充てるのが鉄則です。テキストの通読は最初の2ヶ月で一通り終わらせ、それ以降は過去問を解く→間違えた箇所をテキストで確認する、というサイクルを回します。「読んでわかった気になる」のと「試験で正解できる」のはまったく別物です。

数学が苦手でも諦めない——最低限必要な知識と克服法

「数学が苦手だから測量士は無理」と考える方がいますが、必要な数学知識は限られています。測量士試験で頻出する数学分野は主に以下の3つです。

  • 三角関数(sin, cos, tan の基本計算と逆三角関数)
  • 座標幾何(2点間の距離、方向角の計算)
  • 統計の基礎(平均値、標準偏差、最確値)

高校数学のすべてが必要なわけではありません。上記3分野だけを集中的に復習すれば、計算問題に対応できるようになります。『わかりやすい測量の数学』を使って最初の1ヶ月で基礎を固め、あとは過去問で実戦的な計算力を鍛えましょう。

試験1ヶ月前の仕上げ法——弱点補強と総復習の進め方

試験1ヶ月前(4月中旬以降)は、新しいことを覚えるよりも弱点の補強と知識の定着にフォーカスします。

  • 過去問で3回以上間違えた問題だけを集めた「弱点リスト」を作り、集中的に復習する
  • 直近2年分の過去問を本番と同じ時間配分で解く「模擬試験」を最低2回実施する
  • 午後の記述式は、解答を時間内に書き切る練習を繰り返す
  • 測量法規の暗記事項は、試験直前1週間で最終確認する

この時期に最も避けるべきなのは、焦って新しいテキストや教材に手を出すことです。それまで使い込んだ教材をもう一度見直す方が、はるかに得点力の底上げにつながります。

試験当日の時間配分と解く順番の最適解

試験当日の時間配分も合否に影響します。

午前試験(2時間30分・28問)の場合、1問あたり約5分が目安です。文章問題は2〜3分で解けるものが多いため、浮いた時間を計算問題に回しましょう。おすすめの解き順は以下のとおりです。

  • 1周目:全問に目を通し、すぐに解ける問題から解答する(約60分)
  • 2周目:計算問題をじっくり解く(約60分)
  • 3周目:見直しとマークミスの確認(約30分)

午後試験(2時間30分)では、必須問題に60〜70分、選択問題に各40〜50分を配分するのが標準的です。記述式は「書く時間」が意外にかかるため、考える時間と書く時間のバランスを事前に体感しておくことが重要です。模擬試験で時間を測りながら解答を書く練習を必ず行ってください。

測量士試験の勉強法に関するよくある質問

Q. 測量士試験は独学で合格できますか?

独学でも合格は可能です。国土地理院が公開している過去問を活用し、7〜10年分を繰り返し解くことが最も効果的な対策になります。ただし、市販テキストが少なく、午後の記述式は独学では対策しにくい面もあります。不安がある場合は通信講座の利用も検討してください。

Q. 測量士と測量士補、どちらから受けるべきですか?

測量の知識がまったくない方は、まず測量士補から取得するのがおすすめです。測量士補は択一式のみで合格率も約30〜40%と取り組みやすく、ここで学んだ知識は測量士試験の午前対策にそのまま活かせます。実務経験3年以上の方や土木系の学科出身者は、最初から測量士を狙っても問題ありません。

Q. 勉強時間が300時間も確保できない場合はどうすればいいですか?

限られた時間で最大効果を得るには、「午前の計算問題」と「午後の必須科目」に集中する戦略が有効です。計算問題はパターンが決まっているため少ない時間で得点力がつきやすく、必須科目は配点300点と大きいため対費用効果が高いです。全範囲を薄く広くやるよりも、得点配分の大きいところに絞る方が合格に近づきます。

Q. 数学が苦手でも測量士試験に合格できますか?

合格できます。測量士試験で必要な数学は、三角関数・座標計算・統計の基礎の3分野が中心です。高校数学のすべてが求められるわけではないため、『わかりやすい測量の数学』などの教材で該当分野だけを集中的に復習すれば、1〜2ヶ月で対応できるレベルに到達します。

Q. 測量士の資格を取ると転職に有利ですか?

建設・測量業界では非常に有利です。測量士は測量業務の「管理者」として測量計画を作成できる唯一の資格であり、測量会社や建設コンサルタントでは必須の資格です。測量士を持っていることで、求人の選択肢が広がるだけでなく、資格手当(月額1〜3万円が相場)の支給対象にもなります。

まとめ|測量士試験は正しい勉強法で合格できる

測量士試験の勉強法について、午前・午後試験の具体的な対策から学習計画の立て方、おすすめ教材まで解説しました。最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 合格に必要な勉強時間は300〜500時間。初学者は10〜11月から学習を開始する
  • 午前試験は過去問7〜10年分を3周以上が基本。計算問題を得点源にするのが鉄則
  • 午後試験は必須科目で満点を目指し、選択科目は応用測量+地図編集の組み合わせが取り組みやすい
  • テキストのインプットは全体の2割に抑え、学習時間の8割を過去問演習に充てる
  • 試験日から逆算してスケジュールを組み、毎日少しずつ継続することが最も大切

測量士試験は合格率こそ低めですが、過去問からの類似出題が多く、正しい勉強法で地道に取り組めば独学でも合格可能な試験です。この記事を参考に、ぜひ計画的な学習をスタートしてください。

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