面接は企業と応募者が初めて顔を合わせてコミュニケーションをとる場です。
このコラムでは服装やマナーを交えながら、面接の流れやよくされる質問への受け答えの例を見ていきたいと思います。
服装や身だしなみ
清潔感がポイント
面接では第一印象をできるだけ悪くしないことが大切ですので、特別な格好は必要はありません。
社会人としてのマナーのある格好で、清潔感を心掛けるようにします。
≪ここがポイント!≫
- 全体のバランスが良くする
- 奇抜な色は避ける
- サイズが合っているものを身につける
- Tシャツやジーパンなどカジュアルな私服は避ける
- 女性はナチュラルメイクで清潔感を出す
スーツ選びのコツ
転職活動ではなるべくスーツを着るようにし、色は黒・紺・グレーといった落ち着いた色で、ワイシャツは白にします。
夏はスーツを着ていると暑いかもしれませんが、ジャケットはビジネスマナーとして着ているようにしてください。
また、20代後半からはリクルートスーツを着ないようにするのが良いです。リクルートスーツとは就職活動のときに使うスーツのことですが、「幼く見えてしまう」ことがあります。
女性は上下揃ったスーツではなくても、ジャケットを着ていればOKということが多いですので、パンツスーツでも問題はありません。インナーは派手すぎない色のものにします。
≪ここがポイント!≫
- 色は黒・紺・グレー
- ワイシャツはキホン白
- 女性はジャケットを着ていればOK
カバンの選び方
カバンは面接のときには椅子の横に置くので、そのときの便利を考えて、置いたときに立つものが良いです。色は服に合う色にします。
スーツを着ていく方が多いかと思いますので、その色に合わせた「黒」「紺」「茶」が無難です。
女性はスーツでない場合もあるかもしれないので、コーディネートに合う色であれば、ベージュなど多少明るい色のバッグもOKとなっています。
また面接では履歴書を持っていったり、企業から書類をもらったりすることもあるかと思いますので、A4サイズが入るものを選びます。
≪ここがポイント!≫
- 置いたときに立つもの
- 色はスーツなどに合わせて「黒」「紺」「茶」
- 女性はコーディネートに合えば多少明るめの色もOK
- A4が入る大きさのカバンだと便利
靴はカバンやスーツに合わせる
カバンのときと同じように、全体のコーディネートに合うものを身につけます。スーツやカバンの色に合わせた、「黒」「こげ茶」の靴を選ぶと良いです。
また女性は高いヒールを避けて、黒のパンプスでヒール5cm程度のものがおすすめです。
面接を担当する方によってはかかとのすり減りや、靴表面の傷も見られる場合がありますので、面接前日までに修理に出して直しておくことが大切です。
≪ここがポイント!≫
- 色は「黒」「こげ茶」が無難
- 女性は黒パンプスでヒール5cm程度が良い
- すり減ったかあとや傷は直しておく
面接マナーのキホン
到着は5~10分前がベター
面接では「万が一の場合に備えて早めに会場に着いておきたい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
1時間や30分前の到着ですと、担当者が違う仕事をしていることもあり、迷惑になる可能性もあります。
早めに着いたら会場までの行き方を確認し、5~10分前になるように調整しましょう。
当日の遅刻・辞退は電話で
まず前提としては、遅刻・辞退はしないようにしましょう。万が一やむを得ない事情で遅刻・辞退をする場合には、「わかった時点で企業に連絡する」ことが大切になります。
企業はその時間で違う仕事をしたり、違う人の面接を行ったりすることもできるかもしれません。
無断で遅刻・欠席をするのは社会人としてのマナーとして良くないだけではなく、
企業が面接のために準備を進めていることも考え、必ず採用担当者(人事担当者)に連絡するようにします。
2日前くらい前まではメールで大丈夫であることも多いですが、前日から当日までは電話で担当者に伝えるようにします。当日の場合は特に電話で連絡するようにします。
≪ここがポイント!≫
- 遅刻・辞退は「わかった時点」で企業に連絡
- 2日前までの連絡はメールでもOK
- 前日~当時の連絡は電話でする
受付から面接
身だしなみチェックを済ませ、携帯電話の電源を切ってから建物の中に入ります。
面接自体をするのは担当者ですが、振る舞いやマナー、身だしなみは受付や他の社員に見られていることがあり、
採用に関係することもあります。受付から面接と同じように、気を引き締めていきます。
建物に入り受付に着いた後は、大きな声でゆっくり要件を伝えましょう。
「本日○時に面接で伺いました、○○と申します。○○様(担当者名)いらっしゃいますか?」と言うとスムーズです。
企業によっては受付に人がおらず、インターホンや内線で要件を伝えることもあります。
その場合には「御用の方は、下記の内線番号へご連絡下さい。」などと電話の近くに書いてありますので、その番号に内線をかけると受付担当の人につながります。
要件を伝えるときは受付に人がいる場合と同じように、「本日○時に面接で伺いました、○○と申します。○○様(担当者名)いらっしゃいますか?」と言います。
≪ここがポイント!≫
- 建物に入る前に身だしなみをチェックし、携帯電話の電源を切る
- 大きな声でゆっくり、簡潔に要件を伝える
- 受付に人がいない場合はインターホンや内線で呼び出す
入室時のマナー
ドアノックは3回し、「失礼します」と言ってから開けます。ドアを閉めてから礼をし、礼が終わったら「(名前)です。今日はよろしくお願いします」と挨拶をします。
この挨拶で応募者の第一印象が決まります。面接8割終了と言われるくらい大切なものですので、いつもより大きな声で、笑顔で挨拶することを心がけます。
会社の呼び方は御社
面接中、その企業のことを呼びたいときは「御社(おんしゃ)」と言うようにします。「貴社(きしゃ)」という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、「貴社」は書き言葉ですので、面接で話すときは「御社」と言います。
退室の作法
面接が終わったあとは、座ったまま「本日はお忙しい中お時間いただきましてありがとうございました」と言いながら一礼します。
荷物をまとめて席を立った後、いすの横に立ち、改めてお礼を言ってから一礼します。最後にドアの前で面接担当者のほうに向きなおり、「失礼いたします」と言ってから退出します。
面接の流れ
時間は30~60分
面接は始まる時間はわかっていても終わる時間がしっかり伝えられている場合は少ないですので、およそ30~60分程度と考えておくと良いです。
しかし企業によっても「10分で終わった」「2時間かかった」などかかる時間がだいぶ違う事例があるため、もし不安でしたら採用担当者に確認することをおすすめいたします。
また「予定していた時間より早く終わってしまって不採用なのではないか」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんが、面接の時間と採用にはあまり関係がありません。
「面接は5分で8割終わる」と言われることもあり、大切なのは始めの印象やビジネスマナーですので、面接時間そのものは気にしすぎないことが大切になってきます。
大まかな流れ
① 自己紹介・現在の仕事 ② 転職理由 ③ 志望動機 ④ 条件の確認 ⑤ 応募者からの質問 |
≪ここがポイント!≫
・自己紹介/現在の仕事
できるだけ簡潔に話すことを意識します。ここでは自己紹介だけではなくて自己PRが求められることもあります。
自己PRでは「自分の経験や力が、どのようにその企業で役に立つか」ということを説明します。
・転職理由
転職理由と合わせて退職理由を聞かれることも多いです。ここでは退職した理由が後ろ向きなものであったとしても、前向きな言葉にして答えることが大切になってきます。
志望動機や、応募者からの質問(逆質問)関しては次の大きな見出し「よく聞かれる質問と回答例」で詳しく説明していきます。
軽く面接の練習をしておく
初めての転職ですと、緊張していつもどおりの話し方ができなかったり、また話したかった内容が上手く伝えられずに終わってしまうこともあります。
面接では時間内に良いところをアピールすることが大切ですので、面接が不安な方も、あまり心配をしていない方も、軽く練習をしておくと良いです。
身近な人によく聞かれる質問を投げかけてもらったり、スマホで動画を撮ってみたりすることで改善できるポイントが見つかります。
JobHouse(ジョブハウス)若手では面接の対策もサポートしていますので、不安な方はお気軽にご相談ください。
よく聞かれる質問と回答例
面接で聞かれる可能性の高い質問と回答例を説明していきますので、ご自身で答える内容を考えるときの参考にしていただければと思います。
自己紹介
面接官「簡単に自己紹介をお願いします」
回答例「田中太郎です。○○市在住の○○歳です。高校を卒業後、○○の仕事を1社経験してまいりました。本日はよろしくお願いします。」
≪回答ポイント≫
1分程度で簡単に自己紹介します。
- 名前
- 年齢
- 今までやってきた仕事
- 「よろしくお願いします」など挨拶
を盛り込み、職歴を中心に説明します。
職務経歴
面接官「今までの職務経歴をおしえてください」
回答例「飲食サービスの会社に1年おりました。店長として店舗運営を行っていました。」
≪回答ポイント≫
簡潔に説明します。面接官が気になったポイントは掘り下げてくれることもあるので、その場合は聞かれたときに詳しく説明します。
仕事での失敗経験
面接官「仕事で失敗した経験はありますか?」
回答例「お客様からの電話での質問に、自分がわからないことを曖昧にしたまま答えてしまい、クレームを受けた経験があります。
自分だけで判断できないことは『こうだろう』と推測して答えるのではなく、わかる人への確認や、『こちらに問い合わせていただくかたちになります』とお客様自身が確認できるような誘導をすることで、
お客様からの信頼を取り戻すことができました。この経験を機に、わからないことを曖昧なまま伝えることはお客様にかえって失礼になるということを学び、
相手の立場に立って誠意をもって対応するという姿勢が身につきました。」
≪回答ポイント≫
面接官が聞きたいのは、応募者が失敗を「どう立て直したか」です。
例えば「お客様との電話で上司に『さん』を付けて話してしまった」などのうっかりミスではなく、何か問題があって解決できたエピソードを選ぶようにします。
また解決できたエピソードであったとしても、犯罪・警察関係など、初対面の面接官に話すのにふさわしくないような、深刻すぎるエピソードは話すべきではありません。
また「失敗」と言われて自分の体験が思い浮かばなくても、「特にありません」と答えるのは避けます。
その場合、「失敗した経験とは少し違うかもしれませんが…」と前置きし、「もっとこうしていればよかった」と思う経験を伝えるようにします。
≪ここがポイント!≫
- 「失敗を立て直した」ことがわかるエピソードを選ぶ
- 「特にありません」と答えないようにする
退職理由
面接官「前の仕事の退職理由を教えてください。」
回答例「前職はやりがいのある仕事でしたが、業務量が非常に多いためか毎日の残業に加え、休日出勤をしていました。
『決められた時間内で成果を出す』というやり方にできるように改善を提案しましたが、なかなか受け入れてもらえず、
『もう少し効率の良い環境で仕事をして成果を上げたい』という思いがありましたので、退職をいたしました。」
≪回答ポイント≫
答え方としては「自分に合わなかった」という視点で説明するのが良いです。
また本当のことであったとして、前の職場の同僚・上司自体の悪口は絶対言わないようにします。面接官側にマイナスイメージを与えてしまうためです。
「転職する理由に関するコラム」もありますので、こちらも参考にしてみてください。
志望動機
面接官「志望動機を教えてください」
回答例1「○○という業界に興味があった」
回答例2「仕事の幅が広く、いろいろやってみたい自分にはぴったりだと思った」
回答例3「研修が充実しているため、手に職をつけたい自分としては御社のような環境で働きたいと思った」
≪回答ポイント≫
面接官は「本気でこの会社で働きたいのか「仕事へ意欲的に取り組み、成長しようとする姿勢があるか」を知りたいという意図で志望動機を聞いています。
なぜその企業なのかという素直な動機を、前向きな言葉で伝えます。
「転職先の探し方に関するコラム」もありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
逆質問
面接官「最後に何か質問はありますか?」
回答例1「もし採用していただいたら、どのような配属先になりますか?」
回答例2「前職では毎週休日出勤をしていましたが、休日は部署によって違うのですか?」
≪回答ポイント≫
ここは入社や仕事への意欲を見られているところなので、かなり重要です。
事前に考えておき、「ないです」とは言わないようにします。面接中に気になったことは、気軽に聞いて大丈夫です。
ただ条件については直接的に聞きすぎると「仕事をしたくなのではないか」という印象を与えてしまうこともあります。
かといって条件面への質問はしてはいけないということではなく、回答例2のように、「これまでこうだったが、御社の場合だとどういう感じになるのか」
という姿勢で、遠回しに聞くと良いです。
最後に
以上で「これさえ見ておけば大丈夫!転職が成功する面接ガイド」のコラムは終わります。
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ジョブハウス若手には「履歴書の書き方に関するコラム」も掲載していますので、ご興味のある方はそちらも見ていただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!