電気施工管理の仕事に興味があっても、「残業が多くて激務なのでは」と不安に感じる方は少なくありません。

結論から言うと、電気施工管理の残業時間は施工管理の中では比較的少なめですが、繁忙期には月50時間を超えることもあります。

この記事では、公的データをもとにした残業時間の実態、2024年問題後の変化、そして残業が少ない求人を見分けるコツまで具体的に解説します。

この記事のPOINT

監修:ジョブハウス建設 鈴木実(すずき・みのる)。技術士紹介歴35年、紹介実績1,200名を誇る建設コンサルタント業界の転職のプロ。

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電気施工管理の残業は本当に多い?平均時間データで見る実態

残業時間の平均データ

まずは公的な統計データから、電気施工管理の残業時間がどの程度なのかを確認しましょう。

通常期の残業時間は月30時間台

建設コンサルティング会社・朝水技研の調査によると、電気施工管理の通常期の残業時間は月31.5時間程度とされています。建築・土木・設備を含む主要な施工管理職種の中でも少ない水準です。

出典:施工管理の平均残業時間は月何時間?業種別データと2024年問題後の実態を解説

繁忙期は月45〜55時間まで増加

竣工が集中する時期には残業時間が大きく伸びます。施工管理専門メディア「セコカンプラス」の調査では、電気工事施工管理の繁忙期の残業時間は月54.3時間で、通常期より21時間以上増える結果が出ています。

繁忙期の内訳を見ると、月80時間以上(過労死ラインの目安)に達する人が約27%を占めており、繁忙期の業務量には注意が必要です。

出典:【職種別】施工管理の残業時間ランキング|建築・土木・電気・管

30代が最も残業時間が長い傾向

年代別のデータでは、20代54.5時間、30代56.4時間、40代50.1時間、50代48.0時間、60代以上33.1時間と、年齢が上がっても残業時間が大きく減らない傾向が見られます。

中堅世代ほど現場を任される機会が増え、業務量が集中しやすいことが背景にあると考えられます。

出典:【2022年版】職種別 施工管理の残業時間

他の施工管理職種との比較

職種別に通常期・繁忙期の残業時間をまとめると、以下のようになります。

職種 通常期 繁忙期
建築施工管理 36.0時間 52.3時間
土木施工管理 35.8時間 49.8時間
電気施工管理 31.5時間 45.2時間
設備施工管理 29.5時間 42.8時間

データの調査主体や対象期間が異なるため数値には幅がありますが、いずれの調査でも電気施工管理は他職種より残業が少なめという傾向は共通しています。

なぜ電気施工管理は残業が発生しやすいのか

残業が発生する理由

残業が「少なめ」とはいえ、繁忙期には大きく増えるのが実情です。ここでは残業が発生しやすい理由を整理します。

竣工日に間に合わせる工程調整

電気工事は建築・機械設備などの後工程にあたることが多く、前工程が遅れるとそのしわ寄せがそのまま残業に直結します。

特に竣工前の追い込み期間は、当初の計画通りに進まないケースが多く、現場の調整役である施工管理技士の負担が集中します。

他職種との立会い・検査対応

電気設備の検査や他業者との調整のために、現場で長時間拘束されるケースも多くあります。拘束時間の長さが、そのまま残業時間を押し上げる一因です。

書類作成・写真整理などの事務作業

竣工図・施工写真台帳・工程表などの書類作成は、現場作業が終わったあとに行うことが多い業務です。事務作業の負担が残業の温床になりやすいと指摘されています。

人手不足による1人あたりの業務負担増

建設業全体で技能者の高齢化・人手不足が進んでおり、1人の施工管理技士が複数現場を掛け持ちするケースも珍しくありません。

担当現場が増えるほど移動・確認作業の時間も増え、結果的に残業時間が積み上がりやすくなります。

鈴木実のコメント

2024年問題で電気施工管理の働き方はどう変わったか

2024年問題と働き方改革

建設業は2024年4月から時間外労働の上限規制の対象となり、電気施工管理の働き方にも変化が生じています。

上限規制の内容(月45時間・年360時間)

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間以内に制限されるようになりました。

特別条項を締結した場合でも、年720時間以内・複数月平均80時間以内・月100時間未満という上限があり、月45時間を超えられるのは年6回までと定められています。

出典:時間外労働の上限規制|2024年の建設業への適用や罰則などの基礎知識

違反時の罰則と企業側のリスク

上限規制に違反した企業には、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。悪質な場合は企業名が公表されるリスクもあります。

そのため、労働時間管理を厳格化し、勤怠システムを導入する企業が増加しています。

実際に残業が減っている企業の動き

ICT施工の導入や書類のデジタル化、ノー残業デーの設定など、労働環境改善に取り組む企業が増えています。

国土交通省も生産性向上を目的にICT活用を推進しており、詳しい取り組み内容は国土交通省のi-Construction特設ページで確認できます。

今後も規制強化・処遇改善が進む見通し

建設業界全体で担い手不足が深刻化する中、残業削減とあわせて給与水準の引き上げなど処遇改善も進められています。今後は労働環境を前面に打ち出す企業がさらに増えると見られます。

残業が少ない電気施工管理の求人を見分ける方法

求人の見分け方

転職先を選ぶ際は、求人票の情報から残業の実態をある程度読み取ることができます。

みなし残業時間の設定を確認する

求人票に「みなし残業20時間分を含む」といった記載がある場合、その時間を超えた分は別途支給されるのが原則です。基本給とみなし残業代の内訳を必ず切り分けて確認しましょう。

厚生労働省も、固定残業代制度を採用する場合は基本給・みなし残業時間・超過分の取り扱いを求人票に明示するよう求めています。

出典:厚生労働省・固定残業代制を採用する場合の明示事項

週休2日・ICT施工の導入状況をチェック

完全週休2日制やICT施工を導入している企業は、業務の効率化が進んでいる傾向があります。求人票や企業サイトで導入状況を確認しておくと安心です。

求人票の「平均残業時間」表記に注目

「残業月20時間以内」など具体的な数値を明記している求人は、実態を開示する姿勢のある企業と判断できます。

求人例としてエン転職の残業月20時間以内特集を見ると、どのような条件で募集されているかの傾向をつかめます。

面接で残業の実態を直接質問する

面接では「繁忙期の残業時間」「有給消化率」など、具体的な数値で質問すると実態を把握しやすくなります。回答が曖昧な企業は要注意です。

鈴木実のコメント

電気施工管理の残業を減らすためにできること

残業を減らすためにできること

個人の働き方の工夫でも、残業を減らせる余地はあります。

ICT活用・書類のテンプレート化

施工管理アプリや写真管理システムを活用することで、事務作業の時間を大幅に短縮できます。書類のフォーマットを事前に統一しておくのも効果的です。

資格取得で管理職・裁量のあるポジションへ

電気工事施工管理技士などの資格を取得すると、工程管理の裁量が広がり、非効率な業務を見直しやすい立場になれます。

試験の詳細は一般財団法人建設業振興基金の公式サイトで確認できます。

施工計画の前倒し・工程共有の徹底

早い段階で他職種と工程を共有し、後工程へのしわ寄せを防ぐことが残業削減につながります。

転職エージェントを使って労働環境を事前に確認する

求人票だけでは分からない残業の実態や職場の雰囲気は、転職エージェントを通じて事前に確認するのが確実です。非公開求人の中には、残業の少ない優良企業も含まれています。

電気施工管理の残業に関するよくある質問

Q. 電気施工管理の残業は他の施工管理より少ないですか?

公的データでは電気施工管理の残業時間は建築・土木施工管理より少なめの傾向にあります。

ただし現場の規模や竣工時期によって差があるため、応募先企業ごとの実態確認は欠かせません。

Q. 2024年問題で残業は本当に減りましたか?

企業によって差はありますが、罰則付きの上限規制が適用されたことで、労働時間管理を強化する企業が増えています。

ICT施工の導入や書類のデジタル化を進める企業も増加しており、全体としては残業削減の動きが進んでいます。

Q. 未経験でも残業が少ない電気施工管理の仕事に転職できますか?

未経験者向けの求人も多く提供されています。みなし残業時間・週休2日制などの条件を確認しながら選べば、残業の少ない職場に転職することも可能です。

まとめ

電気施工管理の残業時間は施工管理の中では比較的少なめですが、繁忙期には50時間を超えることもあります。

2024年問題以降は罰則付きの上限規制が適用され、労働時間管理を強化する企業が増えています。

求人票のみなし残業時間や週休2日制の有無を見極めれば、残業の少ない職場を選ぶことは十分に可能です。転職エージェントも活用しながら、自分に合った働き方ができる職場を探してみてください。

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著者:ジョブハウス建設 編集部

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