お仕事探しをしていると、求人サイトなどで目にすることがある「三交替勤務」という勤務形態。特に製造業や工場のお仕事では三交替勤務を採用しているところが多いようです。

しかし実際に三交替勤務で働いたことが無い方にとっては、どのような働き方なのか今ひとつイメージしづらいかもしれません。

「気になっている工場の求人が三交替勤務なんだけど、実際どんな感じなんだろう。二交替とはどう違うの?」

「三交替勤務のメリットやデメリットってあるの?給料は高い?低い?」

こうした疑問を解消するために、この記事では工場の三交替勤務の実態について徹底解説!二交替制・一昼夜勤務との違いや、三交替勤務のメリット&デメリットについても詳しくご紹介します。ぜひお仕事探しの参考にしてみてください。

工場の三交替制とは

そもそも工場の三交替制勤務とはどのような働き方なのか、まずはそこから確認していきましょう。工場の三交替制勤務とは「1日(24時間)を8時間ごとに3つのシフトに分けて、各シフトを交替しながら働く」という勤務形態のこと。この勤務形態を採用することにより、1日中ラインを止めることなく工場を稼働させられるのです。そのため生産性や稼働率の向上を目的として、多くの工場で三交替制勤務が採用されています。また工場の他に、医療系・福祉系の現場などの絶えず人手が必要な職場にも、三交替制のところがあります。

三交替制の勤務時間とシフト例

続いては三交替制の勤務時間とシフト例をご紹介しましょう。

勤務先によって異なりますが、工場の三交替制の勤務シフトは「日勤」「準夜勤」「夜勤」の3つに分かれているのが一般的です。各シフトの勤務時間の大まかな目安は以下の通りです。

  • 日勤|06:00 〜 14:00
  • 準夜勤|14:00 〜 22:00
  • 夜勤|22:00 〜 06:00

もちろん企業や工場によって勤務時間の違いはありますが、三交替制の勤務時間について、何となくイメージをつかむことができたのではないでしょうか。

ここで三交替制のシフト例についても併せてチェックしていきます。工場の三交替制勤務の場合、同じ業務を担当するメンバーが複数のグループに分かれ、グループごとに「日勤」「準夜勤」「夜勤」の各シフトをローテーションして勤務する、というのが一般的です。

より具体的にイメージするために、土日休みの工場の三交替制勤務のシフト例をご紹介しましょう。

A班 日勤(5日間)→休日(土日)→準夜勤(5日間)→休日(土日)→夜勤(5日間)…
B班 準夜勤(5日間)→休日(土日)→夜勤(5日間)→休日(土日)→日勤(5日間)…
C班 夜勤(5日間)→休日(土日)→日勤(5日間)→休日(土日)→準夜勤(5日間)…

工場によっては土日も製造ラインを稼働させるため、各グループごとの休日をずらすことで対応しています。また、4日働いて2日休む「4勤2休」や3日働いて3日休む「3勤3休」といった勤務スケジュールを採用しているところも。いずれにしても三交替制のように夜勤を含む勤務形態の工場では、生活リズムの乱れを少しでも整えられるよう、休日は多めに設定されている場合が多いようです。

工場勤務のシフトや休日についてはこちらの記事もチェック!

一昼夜勤務との違い

一昼夜勤務とは「1日(24時間)働く→1日(24時間)休み→1日(24時間)働く→1日(24時間)休み…」を反復する勤務形態のこと。つまり丸1日ごとに勤務&休日を交互に繰り返すことになります。三交替勤務は先述の通り24時間を3つのシフトに分割しますが、一昼夜勤務ではこのような分割を行わず、1人が24時間続けて勤務する、という点で大きく異なっています。

実際に一昼夜勤務を採用している職種としては、警察・消防・タクシードライバーなどが代表的。製造業や工場で一昼夜勤務を採用しているところはまれでしょう。

二交替制との違い

三交替勤務と二交替勤務の違いは、ざっくり言うと「シフトの枠の数」です。三交替制は先述の通り「24時間を日勤・準夜勤・夜勤の3枠に分ける」のに対し、二交替制は「24時間を日勤・夜勤の2枠に分ける」という勤務形態。24時間を2分割すると言っても、12時間続けて勤務するシフトが組まれるケースはあまり多くありません。そのため日勤と夜勤の間に隙間の時間が発生するので、24時間連続して稼働する必要がない工場では二交替制が採用されている場合が多いようです。

二交替制の詳しいシフト内容についてはこちらの記事もチェック!

三交替制のメリット

さて、工場の三交替制勤務がどのようなものか分かったところで、今度は三交替制で働くメリットについて見ていきましょう。三交替制の仕事に就く主なメリットとしては、以下の4つを挙げることができます。

  • 給料が高い
  • 残業が少ない
  • 日中に活動しやすい
  • 対人関係でストレスが溜まりにくい

1つずつ、詳しく解説していきます。

給料が高い

三交替制で働くメリットの1つめは、ずばり「給料が高い」ということです。というのも三交替勤務の多くは夜勤のシフトを含みます。午後10時から午前5時までの深夜帯の勤務に対しては、25%割増した賃金(深夜手当)が支払われることが法律によって定められているため、当然夜勤を含む三交替勤務でもこの深夜手当を得ることができるのです。

ただし一口に三交替制といっても、日勤中心だったり夜勤が多かったりとシフトの実態は工場によって様々。より効率良く稼ぎたい場合は、三交替制の中でも夜勤が多めのお仕事を選ぶのがオススメです。

さらに交替制で働く人に対しては交替手当が支給される工場も。交替手当の支給は法律によって決められているわけではなく、各企業の判断によります。支給の有無は、お仕事選びの段階でしっかりチェックしておくと良いでしょう。

残業が少ない

三交替制のメリットの2つめは「残業が少ない」ということです。先述の通り、三交替勤務は「実働8時間ずつのシフト枠×3」を前提として設定されています。そのため基本的には、交替のタイミングで業務をまるごと次のシフトの従業員に引き継ぐことができるのです。

もちろん繁忙期や人手不足で工場全体の生産体制に乱れがあったり、機械の故障などのトラブルが生じた場合などには残業が発生する可能性はあります。しかし長期間にわたって毎日残業続き…といったケースは、三交替制においては少ないでしょう。

三交替制はこうした理由により、比較的高収入を得ながらもプライベートの時間を確保しやすい働き方だと言えそうです。

日中に活動しやすい

続いてご紹介する三交替制のメリットは「日中に活動しやすい」ということです。記事の序盤でお伝えした通り、三交替勤務は「日勤」「準夜勤」「夜勤」の3つのシフトをローテーションで繰り返すのが基本。そのため準夜勤や夜勤の日には、朝から夕方にかけての日中の時間を自由に使うことができるのです。

例えば銀行・病院・役所など、主に平日の昼間にしか開いていない場所に用事がある際も、わざわざ休みを取らなくてもスムーズに訪れることができるでしょう。また人気の商業施設・観光地・レジャースポットなどに遊びに行く際も、比較的空いているタイミングを狙って訪問できますよ。

対人関係でストレスが溜まりにくい

三交替制のメリットとして最後にご紹介するのは「対人関係でストレスが溜まりにくい」ということ。三交替勤務の場合、先述の通り複数のグループに分かれて各シフトをローテーションします。その際グループのメンバーは必ずしも固定されてはいないため、職場で濃厚な人間関係を築く機会自体が多くないのです。また退勤時間もシフトによってバラバラであるため「退勤後にスタッフみんなで飲みに行こう!」といったシチュエーションも発生しづらいようです。

同僚や上司と密に関わりたい!という方にはやや物足りないかもしれませんが、職場の対人関係で煩わしい思いをしたくない方にとっては大きなメリットだと言えるでしょう。

三交替制のデメリット

さて、ここまでで三交替制のメリットについて知ることができましたね。

しかし実際に三交替制で働くことを検討するとなると、プラスの面だけではなくマイナスの面についても知っておきたいところ。ここからは三交替制のデメリットについてご説明しましょう。三交替制の主なデメリットについては、以下の3つを挙げることができます。

  • 生活リズムが乱れやすい
  • 家族や友人と予定を合わせにくい
  • 体調が崩れやすい

引き続き、1つずつチェックしていきましょう。

生活リズムが乱れやすい

三交替制のデメリットとしてまず挙げられるのは「生活リズムが乱れやすい」ということです。繰り返しお伝えしている通り、三交替勤務は夜勤シフトを含むケースがほとんど。そのため就寝時間や起床時間が日によってまちまちになってしまうため、体内時計も乱れやすいのです。

こうした生活リズムの乱れを解消するために、三交替制を採っている職場の大半は休日も多めに設定しています。休日は、できるだけ日中に起床して夜間に睡眠を取ることを心がけると、体内時計をスムーズに正常に戻すことができるでしょう。

家族や友人と予定を合わせにくい

続いてご紹介する三交替制のデメリットは「家族や友人と予定を合わせにくい」ことです。一般的に夜勤・準夜勤を含まない日勤の仕事に就いている人が世の中には多いため、交替制の仕事に就くと、周囲と予定を合わせづらいシーンはどうしても生じてしまいます。

例えば就学中のお子さんがいる場合、お子さんが起きている時間帯にゆっくり顔を合わせるのはなかなか難しいかもしれません。また友人たちが退勤後に集まって飲みに行く時間帯に、自分だけが夜勤のために職場へ向かわなくてはいけない…といったシチュエーションも想定できます。

こうした理由による精神的なストレスを溜めないよう、休日には周囲と予定を合わせて、プライベートを思い切り楽しむ時間を持つと良いでしょう。また「元から1人行動が好きだから、周囲と予定が合わなくても問題ない!」というタイプの方は、三交替制の仕事に向いているかもしれません。

体調が崩れやすい

三交替制のデメリットとして最後にご紹介するのは「体調が崩れやすい」ということ。デメリットの1つめとしてお伝えした生活リズムの乱れが、人によっては体調不良にまで結びついてしまう場合があるのです。

様々なメリットのある三交替勤務ですが、体調を崩してしまっては元も子もありません。もし実際に三交替制の仕事に就いていて身体の不調を感じたら、無理はせずに職場の上司や人事・労務担当者に相談してみましょう。また、三交替制を採用している工場の中にも、夜勤は少なめで日勤・準夜勤が中心の職場もあります。こうした工場であれば生活リズムの乱れによる体調不良は比較的生じづらいでしょう。お仕事選びの際には、ご自身の健康状態をしっかり考慮することもお忘れなく。

三交替制の場合の給与例

さて、ここまでで三交替制で働くメリット&デメリットの両方を理解できたかと思います。

ここからは記事の締めくくりとして、三交替制の場合の給与例をご紹介しましょう。ここでは例として、「基本の時給が1,500円/月21日(各シフトにつき7日)勤務の場合」の給与例を見ていきます。

  • 日勤 07:00 〜 16:00|準夜勤 15:00 〜 24:00|夜勤 23:00 〜 08:00|各休憩1時間 の場合
    • 日勤:1,500円 × 8h × 7日 = 84,000円
    • 準夜勤 :(1,500円 × 8h + 1,500円 × 0.25 × 2h)× 7日 = 89,250円(※各日深夜手当2h分を含む)
    • 夜勤:(1,500円 × 8h + 1,500円 × 0.25 × 8h)× 7日 = 105,000円(※各日深夜手当8h分を含む)
  • 合計:84,000 + 89,250 + 105,000 = 278,250円

こちらはあくまで一例ですが、三交替勤務の給与のイメージはつかめたのではないでしょうか。もし交替手当が支給される職場であれば、ここにさらに月数千円〜数万円が追加されることになるため、まずまずの高収入を得ることができそうですね。

最後に

さて、工場の三交替勤務と二交替勤務の違いや、三交替勤務のメリット&デメリットなどをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

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