建設ディレクターの年収は、月収22万円〜30万円に賞与・決算手当を加味すると、目安として363万円〜600万円程度になります。

書類作成やICT業務が中心のため、天候や気温に左右されず働けるのが特徴です。

本記事では、建設ディレクターの仕事内容から年収の内訳、資格の取り方、メリット・デメリット、求人の探し方までまとめて解説します。

この記事のPOINT

監修:ジョブハウス建設 鈴木実(すずき・みのる)。技術士紹介歴35年、紹介実績1,200名を誇る建設コンサルタント業界の転職のプロ。

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建設ディレクターとは?仕事内容と役割をわかりやすく解説

建設ディレクターとは?仕事内容と役割

建設ディレクターは、建設現場の書類作成やICT活用を専門にサポートする職種です。

技術者の長時間労働が課題となるなか、書類業務を専門に担う職種として全国の建設会社で導入が進みつつあります。

主な業務は「書類作成」と「ICT業務」の2本柱

建設ディレクターの業務は、大きく分けて「書類作成」と「ICT業務」の2つです。

書類作成では、安全書類の作成や写真の管理、台帳の作成、施工計画書・安全教育記録・請求書処理などを担当します。

これらは工事現場で日常的に発生する事務作業で、件数が多いほど技術者の負担も大きくなりがちです。

ICT業務では、CADを使った図面制作など、経験を積むごとに任せられる範囲が広がっていきます。

入社当初はデータ入力や書類の体裁を整える作業が中心ですが、慣れてくると工程表の作成や写真台帳の整理なども任されるようになります。

出典:建設転職ナビ

現場監督・施工管理との違い

現場監督や施工管理技士が現場に出て工程や安全を管理するのに対し、建設ディレクターはバックオフィスから現場を支える役割です。

直接工事に関わることは少なく、書類やデータの整理を通じて現場の負担を減らします。

現場監督が「作る・管理する」立場だとすれば、建設ディレクターは「記録する・整える」立場に近いといえます。

資格取得の難易度や必要な実務経験も現場監督とは異なり、比較的短期間で戦力になれる点も特徴です。

項目 現場監督 建設ディレクター
主な勤務場所 屋外の現場 室内・事務所
主な業務 工程・安全管理 書類作成・ICT業務
天候の影響 受けやすい ほぼ受けない

屋外作業がなく天候に左右されない働き方

建設ディレクターは室内での事務作業が中心のため、雨や雪、夏の暑さや冬の寒さといった天候の影響をほとんど受けません。

屋外での立ち会いがほぼ発生しないため、体力面での不安がある人でも長く続けやすい仕事です。

「きつい・危険・汚い」と言われてきた建設業のイメージを変える働き方として注目されています。

なぜ今、建設ディレクターが注目されているのか

建設業界では2024年4月に時間外労働の上限規制が適用され、技術者の長時間労働の削減が急務となっています。

書類作成業務を建設ディレクターが代行することで、技術者が現場業務に集中できる環境づくりが各地で進められています。

出典:宮崎県

鈴木実のコメント

建設ディレクターの年収は363万円〜600万円が目安

建設ディレクターの年収の目安

建設ディレクターの年収は、月収と賞与・決算手当を合わせて363万円〜600万円程度が目安とされています。

月収の内訳は22万円〜30万円

建設ディレクターの月収は、22万円〜30万円程度が相場とされています。

未経験者は下限に近い水準からスタートし、書類作成やICT業務の経験を積むことで上限に近づいていきます。

出典:Liftco合同会社

賞与・決算手当を含めた年収シミュレーション

月収に加えて、賞与や決算手当が年収に上乗せされます。

項目 目安
月収 22万〜30万円
夏季賞与 月収の1〜2ヶ月分
冬季賞与 月収の2〜3ヶ月分
決算手当 月収の1.5〜3ヶ月分

これらを合算すると、推定年収は363万円〜600万円程度になります。

未経験可の他職種と比較した収入水準

未経験から挑戦できる卸小売業・サービス業・製造業の平均給与は300万円〜400万円程度とされており、建設ディレクターは比較的高水準の収入が期待できます。

デスクワーク中心の未経験可職種のなかでは、賞与・決算手当が手厚い分だけ年収の伸びしろが大きいことも特徴です。

年収を上げるためのポイント

CADなどのICTスキルを習得し、任される業務範囲を広げることが年収アップの近道です。

資格取得や実務経験を重ねることで、手当やキャリアアップにもつながります。

また、複数の工事現場を掛け持ちできるようになると、担当件数に応じて評価される企業もあります。

入社後は「まず書類作成を一通り任せてもらえるようになる」ことを目標にすると、次のステップであるICT業務にもつなげやすくなります。

建設ディレクターに資格は必要?認定講座の内容と費用

建設ディレクターの資格と講座

建設ディレクターとして働くために資格は必須ではありませんが、専門講座を修了することでキャリアの幅が広がります。

建設ディレクター協会の「育成講座」とは

一般社団法人建設ディレクター協会は、企業に勤務する人を対象に「建設ディレクター育成講座」を開講しています。

施工管理や積算、工事書類の作成方法、ICTの活用法などを体系的に学べる内容です。詳しくは建設ディレクター協会の公式サイトで確認できます。

出典:建設転職ナビ

受講費用と受講条件(企業経由が基本)

項目 金額
基本受講料 33万円(税込)
資格検定料 1.1万円
KDN年会費 1.32万円
助成金適用後の自己負担 約18万円

助成金を活用すれば自己負担を抑えられますが、対象は雇用保険加入者のため、個人ではなく企業経由での受講が基本です。

修了には全プログラムの80%以上の出席が必要とされています。

出典:建設ディレクター協会

資格がなくても働けるケース

資格がなくても建設ディレクターとして働くことは可能です。

未経験者はまず基礎的な社内研修を受けながら、データ入力などの簡単な業務からスタートするケースが一般的です。

企業によっては、資格取得を入社後の目標として設定し、OJTと並行して受講を勧めるところもあります。

資格取得で見込める手当・キャリアアップ

企業によっては、資格取得者に対して資格手当を支給しているケースがあります。

建設ディレクター認定証の取得で手当が付く求人もあり、資格取得が年収アップの後押しになることもあります。

資格を取得することで社内での信頼も得やすくなり、より難易度の高い書類作成やICT業務を任されるきっかけにもなります。

鈴木実のコメント

建設ディレクターとして働くメリット・デメリット

建設ディレクターのメリット・デメリット

建設ディレクターの導入は、企業側だけでなく働く本人にとってもメリット・デメリットの両面があります。

メリット①残業削減・働きやすさ

技術者の書類作成業務を建設ディレクターが代行することで、月45時間の残業問題の解消につながっているケースがあります。

出典:Liftco合同会社

メリット②雇用の幅が広がる

建設ディレクターの導入により、これまで建設業に縁がなかった人材の雇用の幅が広がっています。

現場作業を伴わないため、体力に自信がない人でも挑戦しやすい職種です。

子育てや家庭の事情で現場常駐が難しい人にとっても、選択肢の一つになっています。

デメリット①導入コストと離職率

企業側の課題として、月25万円程度の人件費に加え、育成講座の受講費用が発生する点が挙げられます。

また、女性採用が多い傾向にあることから、他職種と比べて離職率がやや高くなる可能性も指摘されています。

働く側から見ると、こうした事情から求人企業によって定着支援の手厚さに差があることも念頭に置いておきたいポイントです。

デメリット②人間関係・役割分担の課題

経理部門など既存の担当者と役割が重なる場合、権限や業務分担をめぐって摩擦が生じることもあります。

導入企業では、事前に業務範囲を明確に切り分けておくことが重要です。

転職活動の面接では、自分が担当する業務範囲や連携する部署について具体的に確認しておくと、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

鈴木実のコメント

建設ディレクターになる方法・求人の探し方

建設ディレクターの求人の探し方

建設ディレクターとして働き始めるには、いくつかのルートがあります。

建設ディレクター導入企業に直接応募

建設ディレクターを導入している企業の採用ページや求人情報から、直接応募する方法です。

求人サイトではIndeedなどで全国の求人を横断的に検索できます。

建設業界特化の転職エージェントを使う

建設・建築業界に特化した転職エージェントを利用すれば、非公開求人や企業ごとの働き方の違いも相談しながら探せます。

未経験からの転職では、エージェントに条件を伝えて求人を絞り込んでもらうのが効率的です。

給与水準や残業時間、資格支援の有無など、求人票だけではわかりにくい情報を事前に確認できるのも利点です。

ハローワーク・求人サイトを活用する

ハローワークインターネットサービスでも、「建設ディレクター」のキーワードで求人を検索できます(ハローワークインターネットサービス)。

複数の探し方を併用すると、より多くの求人情報にアクセスできます。

応募前には、業務範囲・研修制度・資格支援の有無を求人票でしっかり確認しておきましょう。

未経験から挑戦する際に押さえたいポイント

資格がなくても始められる数少ない建設業界の職種のため、未経験からでもチャレンジしやすいのが魅力です。

まずは仕事内容と年収の実態を理解したうえで、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

よくある質問

建設ディレクターの年収はどれくらいですか?

月収22万円〜30万円に賞与・決算手当を加えると、年収363万円〜600万円程度が目安です。経験やスキルによって上下します。

未経験入社の場合は下限に近い水準から始まり、書類作成やICT業務の経験を積むことで徐々に上限に近づいていく傾向があります。

建設ディレクターに資格は必要ですか?

資格がなくても働くことは可能です。ただし、建設ディレクター協会の育成講座を修了すると、業務の幅や手当面で有利になることがあります。

講座は企業経由での受講が基本のため、興味がある場合は入社後の受講制度についても確認しておくとよいでしょう。

未経験でも建設ディレクターに転職できますか?

未経験からの転職も可能です。多くの企業が基礎的な社内研修を用意しており、データ入力などの簡単な業務から始められます。

パソコン操作に慣れている人であれば、比較的スムーズに業務を覚えられるケースが多いようです。

現場監督や施工管理技士とはどう違いますか?

現場監督や施工管理技士は現場で工程・安全管理を行うのに対し、建設ディレクターは主に室内で書類作成やICT業務を担当します。

屋外作業がほとんどないため、体力面の負担を抑えながら建設業に関わりたい人に向いています。

まとめ

建設ディレクターは、書類作成とICT業務を軸に現場を支える職種で、年収の目安は363万円〜600万円程度です。

資格がなくても挑戦できる点や、天候に左右されない働き方は大きな魅力といえます。

一方で、導入企業によって業務範囲や研修制度に差があるため、応募前の情報収集も欠かせません。

仕事内容や資格制度を理解したうえで、自分に合った求人を探してみてはいかがでしょうか。

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著者:ジョブハウス建設 編集部

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