電気工事士の資格は、転職・就職だけでなく副業にも直接活かせる強みです。「空いた週末に収入を増やしたい」「取得した資格をもっと有効活用したい」と考えている方にとって、電気工事の副業は現実的な選択肢の一つです。

本記事では、電気工事士が副業として収入を得るための具体的な仕事内容・収入の相場、そして法的に正しく始めるための手順を解説します。副業としての電気工事の可能性を正しく理解し、自分に合った働き方を見つけましょう。

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電気工事士が副業に向いている3つの理由

電気工事士の資格を持つ人が副業を始めやすい背景には、技術職ならではのメリットがあります。以下で3つの主な理由を見ていきましょう。

資格があれば経験年数を問わず始めやすい

電気工事の副業は、資格さえ取得していれば実務経験の長さに関わらず仕事を受けやすい特徴があります。第二種電気工事士の資格を持っていれば、家庭用の配線工事やコンセント増設などを正式に請け負うことができます。

IT系副業や動画編集などと違い、「未経験から学習して稼げるようになるまでの期間」が短く済む点は大きなメリットです。資格という裏付けがあることで、依頼者からの信頼も得やすくなります。

本業の休日や隙間時間に合わせて働ける

電気工事の副業案件には、1日単位・半日単位で受けられる現場作業が多くあります。エアコン取り付けや照明器具交換などは1件あたり2〜4時間程度で完結するため、土日や祝日だけを使った副業が現実的です。

本業のシフトを変更したり、平日の夜に無理して稼働したりする必要がほとんどなく、ライフスタイルを崩さずに副収入を得やすいのが特徴です。

電気工事は安定した需要がある仕事

住宅・商業施設・インフラ設備の電気工事ニーズは景気に左右されにくく、安定した需要が続いています。さらにEV(電気自動車)充電設備やスマートホーム機器の普及により、新しい工事需要も増加傾向にあります。

従来の工事案件に加え、最新技術の設置案件も副業の選択肢に入れられるため、長期的に収入を維持しやすい分野といえます。

他の副業と比べて時間単価が高い

ライティングやアンケート回答などの一般的な副業と比べ、電気工事は国家資格が必要な専門業務であるため、時間当たりの報酬が高い傾向にあります。エアコン設置1台あたり1万〜2万円、コンセント増設1箇所あたり5,000〜1万5,000円程度が一般的な相場です。

同じ数時間を使っても得られる収入が大きく、副業効率の観点からも優れています。

副業でできる電気工事の仕事内容5選

副業でできる電気工事の仕事内容5選

電気工事士の副業には、体を使う現場作業から知識を活かすデスクワークまで、さまざまな仕事があります。自分のスキルや生活スタイルに合った仕事を選びましょう。

エアコン取り付け・家電設置工事

家庭用エアコンの新設・取り替え工事は、電気工事士の副業で最も件数が多い仕事です。夏・冬の繁忙期には需要が集中し、1日に複数件こなすことも可能です。家電量販店や設置業者からの外注として受ける形が多く、案件を安定的に確保しやすい仕事といえます。

1台あたりの作業時間は2〜3時間が目安で、報酬の相場は1万〜2万円程度です。繁忙期には単価が上がるケースもあります。

コンセント増設・照明器具の交換

「コンセントが足りない」「照明をダウンライトに変えたい」というニーズは、住宅を中心に常にあります。1箇所あたりの工事時間が1〜2時間程度と短く、空き時間を使った副業に特に向いている仕事です。

コンセント増設の報酬は1箇所あたり5,000〜1万5,000円、照明器具交換は種類によって3,000〜1万円程度が一般的な相場です。

ビル・商業施設の電気設備管理

ビル管理会社からの依頼で、電気設備の点検・修繕を定期的に担当する案件もあります。定期訪問の契約形式では安定した副業収入につながり、時間単価は2,000〜4,000円程度のケースが多いです。

本業での経験を直接活かせる内容が多く、第一種電気工事士の資格があれば大型施設の案件にも対応できます。

EV充電設備・スマートホーム機器の設置

電気自動車(EV)の普及とともに、自宅や駐車場へのEV充電コンセント設置の需要が増加しています。また、照明・エアコン・セキュリティカメラをスマートフォンで操作するスマートホーム設備の導入工事も増加中です。

こうした最新設備は施工できる技術者がまだ少ないため、高単価の案件を受けやすい分野として注目されています。技術のアップデートを積極的に行うことで差別化できます。

電気工事に関する記事執筆・セミナー講師

現場経験や資格の知識を活かして、技術系メディアへの記事執筆やオンライン講座の講師として収入を得る方法もあります。クラウドワークスやランサーズでは電気工事関連の専門記事執筆案件を探せるほか、YouTubeやUdemyで技術解説コンテンツを発信する人も増えています。

体を使わない副業のため、本業が繁忙な時期でも続けやすく、体力的な疲労を心配せずに済む点が魅力です。

電気工事の副業を始めるための準備と法律

電気工事の副業を始めるための準備と法律

電気工事の副業を正しく始めるには、資格だけでなく法的な手続きの確認が欠かせません。知らないまま進めると法律違反になるリスクがあるため、事前にしっかり理解しておきましょう。

第二種電気工事士の資格が最初の条件

電気工事を報酬を得て請け負うには、第二種電気工事士(以上)の資格が必須です。第二種は600V以下の低圧電気工事ができる資格で、家庭用の配線工事・照明・コンセント設置などをカバーします。

試験は筆記と技能の2段階で、筆記の合格率は60%前後、技能は70%前後と比較的取り組みやすい試験です。年2回の受験機会があり、最短約半年での取得が可能です。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター

電気工事業の登録——忘れると違法になる

報酬を得て電気工事を行う場合、個人事業主であっても「電気工事業」として都道府県知事への登録・通知が必要です(電気工事業の業務の適正化に関する法律)。

主な登録・通知の要件は以下の通りです。

  • 第二種電気工事士として3年以上の実務経験があること
  • 「主任電気工事士」として届け出ること
  • 必要な器具(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計など)を保有すること

無登録のまま営業すると電気工事業法違反となり、罰則の対象になります。副業を始める前に必ず手続きを確認してください。

出典:経済産業省「電気工事業の業務の適正化に関する法律」

開業届の提出と確定申告のポイント

副業として電気工事を行い、年間の副業所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。税務署への「個人事業の開業届出書」を事前に提出しておくと青色申告を選択でき、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。

工具・資材の購入費、車の交通費・ガソリン代、資格更新費用なども経費として計上できます。帳簿ソフト(freeeやマネーフォワード クラウド等)を活用して記帳の習慣をつけておくと、申告時の手間を大幅に減らせます。

本業先への申告——副業禁止規定を必ず確認

会社員として働きながら副業を行う場合、勤務先の就業規則で副業が禁止されていないか事前に確認が必要です。2018年に厚生労働省がモデル就業規則を改定して以降、副業を容認する企業は増えていますが、建設・電気系の企業では競業避止義務が定められているケースもあります。

副業を始める前に人事担当部門に確認するか、就業規則を確認しておくことを強く推奨します。無断で副業を行った場合、懲戒処分のリスクがある点も念頭に置いてください。

副業収入の相場と案件の見つけ方

副業収入の相場と案件の見つけ方

副業として電気工事を始めるとき、「実際にどのくらい稼げるのか」「どこで仕事を探せばいいのか」は最初に気になるポイントです。具体的な数字と方法を確認しましょう。

仕事内容別の報酬相場

電気工事の副業報酬は仕事の内容・難易度・地域によって異なります。以下は一般的な目安です。

仕事内容 報酬相場(目安)
エアコン取り付け 1万〜2万円/台
コンセント増設 5,000〜1万5,000円/箇所
照明器具交換 3,000〜1万円/箇所
ビル設備管理 2,000〜4,000円/時間
EV充電設備設置 2万〜5万円/件
記事執筆・講師 1,500〜5,000円/1,000字・時間

月に週1〜2件のペースでエアコン設置をこなすだけでも、月2〜6万円程度の副収入が見込めます。副業として月10万円以上を目指すなら、複数の仕事を組み合わせるのが現実的です。

クラウドソーシング・求人サイトで案件を探す

副業の電気工事案件を探す方法として、まずはクラウドソーシングサービスへの登録が手軽です。クラウドワークスやランサーズでは記事執筆・調査案件が、クラウドワークスでは技術系の専門案件も掲載されています。

現場系の仕事を探すなら、電気工事士専門の求人・スポット勤務サービスの活用も有効です。タスカジやユアーズでは家庭向けの設置・修繕案件を受注できます。複数のサービスに登録しておくことで、案件の選択肢が広がります。

知人紹介や地域の工務店との関係構築

副業として安定的に案件を確保するうえで最も信頼性が高いのが、知人や知り合いの工務店・リフォーム会社からの紹介です。「週末だけ手伝える電気工事士」として声をかけておくだけで、定期的に依頼が来るケースは少なくありません。

地域の電気工事組合や業者ネットワークへの参加も、案件獲得の有効な手段です。顔の見える関係から受ける依頼は単価交渉もしやすく、トラブルも起きにくい傾向があります。

副業収入をさらに伸ばすためのポイント

電気工事の副業収入を上げるには、扱える工事の種類を広げることが最も効果的です。第一種電気工事士への資格昇格や、EV充電設備・スマートホームの施工知識を身につけることで、高単価の案件を受けやすくなります。

SNSや口コミサイトでの評判づくりも重要です。施工事例を写真つきで発信するだけでも、個人への直接依頼につながりやすくなります。

電気工事の副業で気をつけたいリスクと注意点

電気工事の副業で気をつけたいリスクと注意点

電気工事の副業にはメリットが多い一方、事前に理解しておくべきリスクもあります。法律・体力・保険・税務の4点を押さえておきましょう。

無資格・無登録で工事すると罰則あり

電気工事士の資格なしで電気工事を行うと、電気工事士法違反となり3万円以下の罰金が科されます。また電気工事業の登録・通知なしで営業すると、電気工事業法違反として1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課される場合もあります。

無資格の施工は感電・火災のリスクも高く、利用者への賠償責任も生じます。副業だからといって法律を軽く見ると取り返しのつかない結果になるため、必ず適切な資格・登録を経てから始めてください。

本業との両立——体力・時間管理のコツ

本業で現場仕事をしている場合、週末の副業は体力的な負荷が大きくなります。特に夏場のエアコン設置作業などは熱中症や疲労蓄積のリスクがあります。

副業の仕事量は月4〜8件程度を上限の目安にし、繁忙期は無理な受注を控えることが重要です。体調管理を怠ると本業のパフォーマンスにも影響し、本末転倒になりかねません。副業は「余力の範囲内で行う」が鉄則です。

施工ミスや事故に備える賠償責任保険

電気工事のミスは、火災・感電・電気機器の破損など大きな損害につながる可能性があります。万が一の事故に備えて、「個人賠償責任保険」や「PL保険(製造物責任保険)」への加入を検討しましょう。

電気工事士向けの保険商品は、日本電気工事工業会などの関連団体を通じて加入できるものもあります。保険料は年間数千円〜数万円が目安で、副業収入から経費として計上できます。

副業収入の税務——20万円ルールと節税のポイント

会社員が副業で得た所得が年間20万円を超えると、翌年2〜3月に確定申告が必要です(住民税の申告は20万円以下でも必要な場合があります)。副業収入は「雑所得」または事業規模によっては「事業所得」として申告します。

工具・資材・交通費・保険料などは経費として計上でき、節税につながります。帳簿ソフトを早めに導入して記帳を習慣化しておくことが、申告作業をスムーズにする最大のコツです。

よくある質問(Q&A)

Q. 電気工事士の資格がなくても副業でできる電気工事はありますか?

電気工事士法で定められた「電気工事」に該当する作業(配線・コンセント設置・照明器具の新設など)は、資格なしで行うことができません。ただし、電球の交換やプラグの差し込みといった「軽微な作業」は資格不要です。資格なしで副業収入を得たい場合は、記事執筆やセミナー講師など知識を活かした仕事を選ぶのが現実的な選択肢です。

Q. 副業で電気工事を始めるのに初期費用はどのくらいかかりますか?

個人で副業を始める際の主な初期費用は、電気工事業の登録に必要な器具(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計など)の購入費用が中心です。中古品も含め3〜10万円程度が目安となります。工具類はすでに本業で使用しているものが流用できる場合も多く、実質的な追加出費を抑えられるケースもあります。

Q. 副業の電気工事でどのくらい稼げますか?

月に週1〜2件のペースでエアコン設置をこなすだけでも、月2〜6万円程度の副収入が見込めます。複数の仕事を組み合わせて月10万円以上を目指す方もいますが、本業との両立を考えると月4〜8万円程度を現実的な目標にするのがおすすめです。EV充電設備などの高単価案件を扱えるようになれば、件数を増やさずに収入を伸ばすことも可能です。

Q. 会社員でも電気工事の副業はできますか?

会社員でも副業として電気工事を行うこと自体は法律上問題ありません。ただし、勤務先の就業規則で副業禁止が定められている場合は、懲戒処分のリスクがあります。まず就業規則を確認し、必要であれば会社に相談してから始めましょう。副業を認めている企業が近年増えていますが、建設・電気系の会社では競業避止義務がある場合もあるため要注意です。

まとめ

電気工事士の資格は、副業としての活用価値が非常に高い国家資格です。エアコン取り付けやコンセント増設など需要が安定している仕事から、EV充電設備やスマートホームといった最新ニーズに応える案件まで、選択肢は幅広くあります。

副業を始めるにあたっては、電気工事業の登録・届出など法的な手続きを必ず確認することが重要です。資格があっても登録なしで営業すれば違法になります。法律を守った上で正しく始めることで、長期的に安定した副収入を築けます。

まずは就業規則の確認と電気工事業の登録手続きを確認し、小さな案件から少しずつ実績を積み重ねていきましょう。建設・電気業界でのキャリアをさらに広げたいと考えているなら、転職エージェントに相談することも一つの選択肢です。

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著者:ジョブハウス建設 編集部

建設・建築・インフラ業界に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス建設」編集部です。技術士、建設コンサルタント、施工管理など、建設分野の幅広い専門職・技術職に関する情報を、現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。

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