RCCMとは、建設コンサルタント業務の管理技術者・照査技術者になるための民間資格です。正式名称は「シビルコンサルティングマネージャ(Registered Civil Engineering Consulting Manager)」で、一般社団法人 建設コンサルタンツ協会が認定しています。
この記事では、RCCMの資格概要から試験内容、合格率、取得するメリット、技術士との違いまでをわかりやすく解説します。建設コンサルタント業界でキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
RCCMとは?建設コンサルタント業務に必須の管理技術者資格

RCCMは、道路・河川・上下水道などのインフラ整備に関わる建設コンサルタント業務で必要とされる資格です。ここではRCCMの基本的な情報を整理します。
RCCMの正式名称と資格制度の目的
RCCMはRegistered Civil Engineering Consulting Managerの略称で、日本語では「シビルコンサルティングマネージャ」と呼ばれます。
この資格制度は、建設コンサルタント業務に携わる技術者の育成と、技術力の客観的な評価を目的として創設されました。国土交通省の「設計業務等共通仕様書」において、業務を担当する技術者の要件として位置づけられており、建設コンサルタント業界では事実上の必須資格となっています。
RCCMの役割 — 管理技術者・照査技術者・業務担当者とは
RCCM資格の保有者は、建設コンサルタント業務において以下の3つの役割を担うことができます。
- 管理技術者:業務全体の進行管理・品質管理を統括する責任者。発注者との窓口も担当
- 照査技術者:業務の成果品(設計図書など)の技術的な照査(チェック)を行う
- 業務担当者:実際の調査・設計・検討作業を実施する技術者
特に官公庁が発注する建設コンサルタント業務では、管理技術者と照査技術者に技術士またはRCCMの資格保有が求められるケースがほとんどです。RCCMを取得することで、業務の中心的な役割を担えるようになります。
RCCMは国家資格?民間資格?資格の位置づけを整理
RCCMは民間資格です。技術士のような国家資格ではありません。しかし、以下の点から実質的に高い権威性を持っています。
- 国土交通省の「設計業務等共通仕様書」で管理技術者等の要件として認められている
- 官公庁発注の建設コンサルタント業務の入札要件に含まれることが多い
- 建設コンサルタンツ協会(業界団体)が認定・運営する信頼性の高い資格
民間資格ではあるものの、建設コンサルタント業界での通用度は国家資格に匹敵すると言えるでしょう。
RCCMの22専門技術部門の一覧と選び方
RCCM試験は、以下の22の専門技術部門から自分の実務経験に合致する部門を1つ選択して受験します。
| No. | 部門名 | No. | 部門名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 河川、砂防及び海岸・海洋 | 12 | 地質 |
| 2 | 港湾及び空港 | 13 | 土質及び基礎 |
| 3 | 電力土木 | 14 | 鋼構造及びコンクリート |
| 4 | 道路 | 15 | トンネル |
| 5 | 鉄道 | 16 | 施工計画、施工設備及び積算 |
| 6 | 上水道及び工業用水道 | 17 | 建設環境 |
| 7 | 下水道 | 18 | 機械 |
| 8 | 農業土木 | 19 | 水産土木 |
| 9 | 森林土木 | 20 | 電気電子 |
| 10 | 造園 | 21 | 廃棄物 |
| 11 | 都市計画及び地方計画 | 22 | 建設情報 |
部門の選び方は、自分の実務経験に最も合致する分野を選ぶのが基本です。「道路」「河川、砂防及び海岸・海洋」「鋼構造及びコンクリート」は受験者が特に多い部門です。将来のキャリアで携わりたい業務分野も考慮しながら選びましょう。
出典:一般社団法人 建設コンサルタンツ協会「RCCM資格ホームページ」
RCCMと技術士の違いは?役割・難易度・年収を徹底比較

「RCCMと技術士、どちらを取ればいいの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。ここでは両資格の違いを項目ごとに比較します。
資格の種類と所管の違い(民間資格 vs 国家資格)
| 比較項目 | RCCM | 技術士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 民間資格 | 国家資格 |
| 所管・認定機関 | 建設コンサルタンツ協会 | 文部科学省 |
| 対象分野 | 建設コンサルタント業務(22部門) | 科学技術全般(21部門) |
| 更新制度 | 4年ごとに更新が必要 | 更新不要(登録は永久) |
技術士は「五大国家資格」の一つに数えられ、資格そのものの知名度と権威性はRCCMより上です。一方、RCCMは建設コンサルタント業務に特化した実務者向けの資格であり、業界内での通用度は技術士と同等です。
試験の難易度と合格率の比較(RCCM約40% vs 技術士約10%)
| 試験 | 合格率 | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| RCCM | 約40〜48% | 中堅〜ベテラン向け実務者試験 |
| 技術士 第一次試験 | 約30〜40% | 基礎科学技術の知識を問う |
| 技術士 第二次試験(建設部門) | 約9.8% | 最難関クラスの論文試験 |
RCCMの合格率は約40〜48%で、技術士二次試験(約10%)と比較すると大幅に高いです。ただし、RCCMには一定の実務経験が受験要件となっているため、受験者のレベルは低くありません。しっかり準備すれば十分に合格できる現実的な難易度と言えます。
年収・資格手当の違い(RCCM vs 技術士)
| 項目 | RCCM | 技術士 |
|---|---|---|
| 想定年収 | 480〜730万円 | 600〜800万円以上 |
| 資格手当の相場 | 月1〜3万円 | 月1〜4万円 |
年収面では技術士のほうが高い傾向にありますが、RCCMでも年収700万円以上を実現している方は多くいます。特にRCCMと技術士の両方を保有している技術者は、建設コンサルタント業界で最も高い市場価値を持ちます。
どちらを先に取るべき?キャリア戦略としての使い分け
結論から言えば、まずRCCMを取得し、その後に技術士を目指すのが王道ルートです。
- RCCM:合格率が高く、実務経験を活かしやすい。管理技術者として活躍する第一歩
- 技術士:RCCMで培った実務力をベースに、さらに高い専門性を証明する最終目標
RCCMの取得過程で論述力や管理技術力を磨いておくと、技術士二次試験の対策にも直結します。キャリアの段階を踏んで取得していくのが効率的です。
RCCM試験の内容と合格率【令和7年度最新】

RCCM試験は「試験A」と「試験B」の2つで構成されています。ここでは出題内容、試験方式、受験資格、合格率の推移をまとめます。
試験A(問題I・II)と試験B(問題III・IV)の出題内容
RCCM試験は以下の4つの問題で構成され、試験Aと試験Bに分かれて実施されます。
| 区分 | 問題 | 内容 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 試験A(130分) | 問題I | 受験部門の業務経験 | 記述式 |
| 問題II | 法制度・建設一般知識 | 択一式 | |
| 試験B(130分) | 問題III | 管理技術力に関する論述 | 記述式 |
| 問題IV | 基礎技術知識 | 択一式 |
問題Iでは自分の業務経験を具体的に記述する力が求められ、問題IIIでは管理技術者としてのマネジメント力が問われます。択一式と記述式の両方が出題されるため、バランスの取れた対策が必要です。
CBT方式とは?試験の受け方とパソコン操作の注意点
RCCM試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。全国のプロメトリック社のテストセンターで、パソコンを使って解答します。
- 試験会場:全国のプロメトリック・テストセンター(都市部を中心に多数)
- 試験期間中であれば、自分の都合に合わせて受験日を選択可能
- 記述式問題はキーボードで入力するため、タイピングに慣れておく必要がある
従来の紙ベースの試験と異なり、CBT方式では試験日の選択肢が広がるメリットがあります。ただし、論述問題をキーボードで入力する必要があるため、パソコンでの文章入力に不慣れな方は事前に練習しておきましょう。
RCCM試験の受験資格 — 学歴別に必要な実務経験年数
RCCM試験を受験するには、学歴に応じた建設コンサルタント等業務の実務経験が必要です。
| 最終学歴 | 必要な実務経験年数 |
|---|---|
| 大学院修了(博士・修士) | 5年以上 |
| 大学卒業 | 7年以上 |
| 短期大学・高等専門学校卒業 | 9年以上 |
| 高等学校卒業 | 11年以上 |
| 中学校卒業 | 14年以上 |
大学卒であれば卒業後7年以上の実務経験が必要です。30歳前後から受験資格を満たす方が多いため、20代のうちから計画的にキャリアを積んでおくことが大切です。
合格率の推移(令和3〜5年度)と難易度の実態
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和5年度(2023年度) | 40.9% |
| 令和4年度(2022年度) | 48.2% |
| 令和3年度(2021年度) | 47.1% |
| 平成30年度(2018年度) | 38.1% |
近年の合格率は40〜48%台で推移しています。約2人に1人が合格する計算ですが、受験者は全員が実務経験を持つ中堅以上の技術者です。誰でも簡単に受かるわけではなく、しっかりと準備すれば十分に合格を狙える現実的な難易度です。
RCCM試験の受験料・スケジュール・申込方法

RCCM試験を受験する際の費用やスケジュールを把握しておくことは、計画的な受験準備の第一歩です。
受験手数料は17,320円 — 登録手数料との合計は約4万円
RCCM試験にかかる費用は以下のとおりです。
| 費目 | 金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 受験手数料 | 17,320円 | カード払い |
| 登録手数料(合格後) | 23,100円 | カード払い |
| 合計 | 40,420円 | — |
受験から登録までの合計は約4万円です。受験手数料の支払いはクレジットカードで行います。なお、RCCM資格は4年ごとの更新が必要で、更新時にも手数料が発生します。
令和7年度の試験日程と申込スケジュール
令和7年度(2025年度)のRCCM試験スケジュールは以下のとおりです。
- 受験申込受付期間:2025年5月12日〜6月11日
- 受験予約期間:2025年7月4日〜10月28日
- 試験実施期間:2025年9月1日〜10月31日
- 合格発表:2026年2月27日(予定)
CBT方式のため、約2か月間の試験期間中に自分の都合のよい日を選んで受験できます。繁忙期を避けて受験日を設定できるのは、働きながら受験する技術者にとって大きなメリットです。
受験申込の流れ(Web申請・プロメトリック予約)
RCCM試験の申込手順は以下の3ステップです。
- Web申請:建設コンサルタンツ協会のRCCM資格ホームページからWeb申請システムにアクセスし、必要事項を入力・受験手数料を支払い
- プロメトリック予約:受験予約期間になったら、プロメトリック社のサイトで希望のテストセンター・日時を予約
- 受験:予約した日時にテストセンターで試験A・試験Bを受験
試験Aと試験Bは同日に受験することも、別日に分けて受験することも可能です。スケジュールに余裕があれば、別日にして集中力を分散させるのも一つの戦略です。
合格後の登録手続きと4年ごとの更新制度
RCCM試験に合格した後は、登録講習の受講と登録申請が必要です。
- 合格後4年以内に登録申請を行う必要がある
- 登録手数料23,100円(税込)を支払い、登録講習を受講
- 登録後は4年ごとに更新が必要(更新講習の受講+更新手数料)
技術士は一度登録すれば更新不要ですが、RCCMは定期的な更新が求められます。これはRCCMが継続的な学習(CPD)を重視する制度であることの表れです。更新を忘れると資格が失効するため、期限管理には注意しましょう。
RCCMを取得する5つのメリット【年収・転職・キャリア】

RCCMを取得することで、建設コンサルタント業界でのキャリアに大きな変化が生まれます。具体的なメリットを5つ紹介します。
建設コンサルタント業務で管理技術者になれる
RCCMの最大のメリットは、国土交通省発注の設計業務等で管理技術者・照査技術者になれることです。管理技術者は業務の責任者として、発注者との打ち合わせから成果品の納品まで統括する重要なポジションです。
RCCMがなければ業務担当者としての参加に限られるため、業務をリードしたい方にとって取得は必須と言えます。
年収480〜730万円 — 資格手当や昇給の目安
RCCM保有者を対象とした求人の想定年収は480〜730万円程度です。建設コンサルタントの平均年収(約540万円)と比較すると、資格保有者のほうが高い傾向にあります。
- 資格手当:月1〜3万円(年間12〜36万円)
- 管理技術者として業務を受注できることで、昇進・昇給にもつながる
- RCCMに加えて技術士を取得すれば年収800万円超えも視野に入る
官公庁発注の入札で企業の競争力が上がる
官公庁が発注する建設コンサルタント業務では、入札参加時にRCCM保有者の人数が評価ポイントになることがあります。企業にとってRCCM保有者は「受注力」に直結する存在であり、資格取得者には手当や昇給で報いる企業が多いのです。
特に中小規模の建設コンサルタント会社では、RCCM保有者の確保が経営課題になっているケースもあり、資格があれば転職時に有利な条件を引き出しやすくなります。
技術士の前段階として実務力を証明できる
RCCMの試験では業務経験の記述や管理技術力の論述が求められるため、合格すること自体が実務力の客観的な証明になります。技術士二次試験を見据えた「ステップアップ資格」としても最適です。
RCCMで身につけた論述力やプロジェクト管理の視点は、そのまま技術士試験の対策にも活かせます。
転職市場での評価が高まり選択肢が広がる
建設コンサルタント業界は慢性的な技術者不足に直面しています。RCCM保有者は転職市場でも即戦力として高い評価を受けます。
- 建設コンサルタント会社への転職で有利
- 発注者支援業務(官公庁の補助業務)のポジションにも応募できる
- 異業種からの転職でも、RCCMがあれば専門性の証明になる
資格を持っていることで応募できる求人の幅が広がり、年収交渉でも有利に立てるケースが増えます。
RCCM試験に合格するための勉強法と対策ポイント

RCCMの合格率は約40%と、試験対策を適切に行えば十分に合格を狙えます。ここでは試験A・試験Bそれぞれの対策法と、効率的な勉強スケジュールを紹介します。
試験A(業務経歴・法制度)の対策 — 経験の棚卸しが鍵
問題I(業務経験・記述式)は、自分のこれまでの業務経験を具体的に記述する問題です。対策のポイントは以下のとおりです。
- 過去に携わったプロジェクトを時系列で整理し、自分の役割・成果を明確にする
- 課題に対してどのような技術的判断を行い、どう解決したかを具体的に書けるようにする
- 業務経歴書の内容と齟齬がないよう、事前に入念に準備する
問題II(法制度・建設一般知識・択一式)は、建設関連の法制度や一般知識が出題されます。過去問を繰り返し解いてパターンを掴むのが最も効率的です。
試験B(管理技術力・技術知識)の対策 — 論述と択一の両立
問題III(管理技術力・記述式)は、管理技術者としてどのようにプロジェクトを管理するかを論述する問題です。
- 品質管理・工程管理・安全管理・コスト管理の4つの管理視点を意識して論述する
- 出題テーマは事前に公表されることがあるため、RCCM資格ホームページを確認する
- 制限時間内にキーボードで論述を完成させる練習を重点的に行う
問題IV(基礎技術知識・択一式)は、受験部門の専門知識が問われます。自分の部門に関連するテキストや参考書で基本事項を復習しましょう。
過去問の入手方法と活用法
RCCM試験の過去問は、以下の方法で入手できます。
- 建設コンサルタンツ協会の公式サイト:過去の出題テーマや傾向が掲載されることがある
- 市販の参考書・問題集:RCCM試験対策の専門書籍
- SUKIYAKI塾などの受験支援サイト:無料で過去問解説や対策情報を公開
過去問を3〜5年分解くことで、出題傾向と自分の弱点がわかります。択一式は過去問の繰り返しで得点力が上がりやすいため、最低でも3回は反復することをおすすめします。
勉強時間の目安と効率的なスケジュールの立て方
RCCM試験に合格するための勉強時間は、100〜200時間程度が目安です。
- 3か月前から:1日1〜2時間の勉強で約150時間を確保
- 択一式(問題II・IV):最初の1〜2か月で過去問を中心に対策
- 記述式(問題I・III):試験1〜2か月前から論述練習に集中
- 直前1週間:弱点分野の復習とキーボード入力の最終確認
働きながら受験する方がほとんどなので、通勤時間や休日を活用した計画的な勉強が重要です。択一式は隙間時間で、記述式はまとまった時間を確保して対策するのが効率的です。
RCCMに関するよくある質問(Q&A)
Q. RCCMとは何の略ですか?
Registered Civil Engineering Consulting Manager(シビルコンサルティングマネージャ)の略称です。建設コンサルタント業務の管理技術者・照査技術者になるための民間資格で、一般社団法人 建設コンサルタンツ協会が認定しています。
Q. RCCMは国家資格ですか?
RCCMは国家資格ではなく民間資格です。ただし、国土交通省の設計業務等共通仕様書で管理技術者等の要件として認められており、建設コンサルタント業界での通用度は国家資格に匹敵します。
Q. RCCMと技術士はどちらが難しいですか?
技術士のほうが圧倒的に難しいです。RCCMの合格率は約40〜48%ですが、技術士二次試験(建設部門)の合格率は約10%です。まずRCCMを取得し、次のステップとして技術士を目指すのが一般的なキャリアルートです。
Q. RCCMの受験に年齢制限はありますか?
年齢制限はありませんが、学歴に応じた実務経験年数が必要です。大学卒であれば卒業後7年以上、高校卒であれば11年以上の実務経験が受験要件となっています。
Q. RCCMの資格は更新が必要ですか?
はい、4年ごとの更新が必要です。更新講習の受講と更新手数料の支払いが求められます。更新を忘れると資格が失効するため、期限管理には注意してください。
まとめ — RCCMは建設コンサルタントのキャリアを開く鍵
この記事のポイントを整理します。
- RCCMとは、建設コンサルタント業務の管理技術者・照査技術者になるための民間資格
- 22の専門技術部門があり、CBT方式で試験A・試験Bを受験
- 合格率は約40〜48%で、技術士(約10%)より取得しやすい
- 受験手数料17,320円+登録手数料23,100円で、合計約4万円
- 年収480〜730万円が見込め、資格手当は月1〜3万円が相場
- まずRCCMを取得し、その後に技術士を目指すのが効率的なキャリア戦略
建設コンサルタント業界でステップアップを目指すなら、RCCMの取得は避けて通れません。計画的に準備を進め、合格を勝ち取りましょう。
建設業界で、あなたのキャリアを次のステージへ。
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