「建築(建設)業界で年収が高い会社はどこ?」という疑問に、まず結論です。

有価証券報告書ベースの“平均年収ランキング”では、大手上場の建設会社が上位に並び、平均年収1,000万円を超える企業もあります。

一方で、ランキングの数字は全社員平均です。若手の年収とはズレやすいので、会社規模・職種・役職とセットで読み解くことが大切です。

  • 会社別ランキングの数字は「平均年収」(若手の年収そのものではない)
  • 年収は 会社規模×職種×役職 で大きく変わる
  • 年収アップの道筋は、「上位企業に入る」だけではない

この記事では、最新の公表データ(直近の有報集計・統計)をもとに、会社別ランキングを整理しつつ、「自分に当てはめるとどう見るべきか」まで転職目線で解説します。


建築年収ランキング【最新データ】会社別TOP20

建築(建設)業界の年収ランキングは、多くの記事で上場企業の有価証券報告書に記載された「平均年間給与」をもとに作られます。比較の土台がそろうので、企業間の“年収水準”をざっくり把握するのに向いています。

なお、有価証券報告書ベースのランキングは上場企業が中心です。たとえば竹中工務店は非上場のため、この手法のランキングには原則入りません(「年収が高い=必ず載る」わけではありません)。

出典:ダイヤモンド・オンライン「年収が高い建設会社ランキング2024」

上場企業の平均年収ランキングTOP20一覧

「年収が高い建設会社ランキング2024」(有価証券報告書データ、単体従業員50人未満を除外、対象期間:2023年5月期〜2024年4月期)では、上位に平均年収1,000万円超の企業が複数並びます。

同記事内の例では、1位は鹿島建設で平均年収1177.2万円です。

ポイント:平均年収は「平均年齢が高い」「管理職比率が高い」ほど上がりやすい傾向があります。若手の実年収と一致しない前提で見ましょう。

スーパーゼネコンの年収はなぜ高い?(傾向)

スーパーゼネコンは、ランキング上位に出やすい代表格です。背景としては、次の要素が挙げられます。

  • 大型案件(都市再開発・インフラ)を多く扱い、単価が大きい
  • 技術職・管理職比率が高く、平均年収が上がりやすい
  • 福利厚生や賞与設計が手厚いケースがある

「年収が高い=自分に合う」とは限らないので、転勤・出張・働き方も必ずセットで確認しましょう。

準大手・中堅ゼネコンでも高年収は狙える

ランキング上位=スーパーゼネコンだけではありません。準大手・中堅にも年収水準が高い会社はあり、若手にとっては次のメリットがあります。

  • 現場経験を早めに積める
  • 役割が広く、成長速度が出やすい
  • 地域・案件の傾向が合えば働きやすい

「最大手に入る」以外にも、経験の取り方次第で年収を上げるルートは作れます。

建築系専門会社(設計・設備・プラント)も上位に入る

建設業界の年収ランキングには、ゼネコンだけでなく、設備(電気・管)やプラント・エンジニアリングなど周辺領域の会社が上位に入る年もあります。

「建築=ゼネコンだけ」と決めつけないほうが、年収の選択肢は増えます。

ランキングの算出方法とデータの根拠

会社別ランキングの主な根拠は次の2つです。

  • 有価証券報告書(平均年間給与):上場中心で比較しやすい
  • 統計(産業別平均給与):業界全体の水準を把握できる

「どのデータを使ったランキングか」で数字の見え方は変わります。

建築業界の平均年収はいくら?年代別・男女別データ

会社別の建築年収ランキングを見る前に、まずは「業界全体の水準」を押さえておきましょう。ランキング上位企業は確かに高年収ですが、業界平均と比べると“別世界”になりやすいからです。

国税庁の統計(令和5年分)では、建設業の平均給与は548.1万円です。さらに同じ統計でみると、男性は596.6万円、女性は347.5万円となっています(いずれも1年を通じて勤務した給与所得者、乙欄適用者を除く)。

出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

建築業界全体の平均年収【最新統計】

「建設業は稼げる」と言われる背景の一つは、統計上の平均給与が全体の中でも高めに出やすいことです。ただしこの平均は、職種が混在し、管理職も含み、年齢構成の影響も受けます。

平均年収は“業界の目安”であって、若手の年収そのものではありません。

20代の建築年収相場|若手のリアルな見方

20代の段階では、会社別ランキングに出てくるような「平均年収(全社員平均)」との差が大きくなりがちです。まずは期待値調整しておくと、情報の見誤りが減ります。

  • 担当範囲が広がる/責任が増えるタイミングで年収は上がりやすい
  • 元請け/下請け、案件規模、職種で伸び方が変わる

「今が低い=将来も低い」ではなく、伸ばし方の設計が重要です。

30代の建築年収相場|年収が伸びる分岐点

30代は年収が伸びやすい年代です。現場の中核を担ったり、マネジメント要素が増えたりして、担当単価が上がりやすいからです。

年収差を作りやすいのは主にこの4つです。

  • 会社規模(制度・賞与設計が厚いケースが多い)
  • 職種(需給がタイトな領域は上がりやすい)
  • 役職・マネジメント経験
  • 担当案件の規模・難易度

30代は「経験の棚卸し」が年収交渉に直結しやすいタイミングです。

男女別の建築年収データと差の実態

統計上、建設業の平均給与は男性596.6万円/女性347.5万円です。この差は性別だけで決まるというより、職種構成、勤続年数、役職比率、雇用形態などの要素が影響します。

転職判断では「職種・経験・役割でどう上げるか」に落とし込むのが現実的です。

他業界と比較した建築業界の年収水準

同じ国税庁統計で比較すると、建設業(548.1万円)は「金融ほどではないが、平均としては高め」という位置づけです。

業種(国税庁統計) 平均給与(令和5年分)
建設業 548.1万円
卸売業・小売業 390.6万円
宿泊業・飲食サービス業 271.8万円
金融業・保険業 654.3万円

建設業は「中上位水準」ですが、会社と職種で差が大きいのが特徴です。

建築の職種別年収ランキング|施工管理・設計・設備の違い

年収を考えるうえで、会社だけでなく職種はかなり重要です。同じ会社でも「施工管理」「設計」「設備」「積算」「PM」で、年収の伸び方が変わるからです。

施工管理の年収が伸びやすい理由

施工管理は、経験がそのまま市場価値になりやすい職種です。

  • 現場規模や担当範囲が広がるほど評価されやすい
  • 元請け側の経験は、転職時の評価になりやすい
  • マネジメント(主任〜所長補佐など)がつくと年収が上がりやすい

「資格がないから上がらない」ではなく、何を任されてきたかが評価されます。

建築設計の年収は「企業形態」で差が出やすい

設計職は、働く場で年収レンジが変わりやすい職種です。

  • 設計事務所(規模・案件単価で差が出やすい)
  • 組織設計(分業・評価制度が整っているケースが多い)
  • ゼネコン設計(プロジェクト規模が大きくなりやすい)

年収を伸ばすなら「専門性×案件難易度」の積み上げが効きます。

設備・電気・管工事は「専門性」で上がりやすい

設備系は専門性が強く、案件の入り口が多い領域です。電気・管工事の施工管理、設備設計、省エネ・更新需要に紐づく領域などは、経験が評価されやすい傾向があります。

建築だけでなく設備まで視野を広げると、年収アップの選択肢が増えます。

BIM・建設DX人材の年収は求人で差が大きい

BIMやDX領域は会社によって役割定義がバラつくため、年収も幅が出ます。ただ、“現場が分かる+ツールが扱える”人材は重宝されやすい傾向にあります。

  • BIMを「作図担当」で終わらせず、運用改善まで担う
  • 現場/設計/発注者のどこに価値を出すかを言語化する

DX領域は「何を改善できるか」を説明できるほど評価されやすくなります。

資格なしでも年収が上がりやすい職種は?

資格は強力ですが、未保有でも年収を上げる道はあります。現実的に伸ばしやすいのは、次のような「経験が評価される領域」です。

  • 大規模案件の施工管理(元請け側経験)
  • 専門設備(電気・管)など需給がタイトな領域
  • マネジメント補佐(工程・原価・安全を回す経験)

資格は後から載せられます。まずは評価される経験を取りに行くのが近道です。

建築年収ランキングの注意点|平均年収の落とし穴

ランキング記事は便利ですが、読み方を間違えると判断を誤ります。特に「平均年収」をそのまま自分に当てはめるのは危険です。

有価証券報告書の平均年収は高く見えやすい

有価証券報告書の平均年収は、基本的に正社員中心で、平均年齢や役職比率の影響を受けます。会社の職種構成にも左右されるため、若手の年収とはズレやすい傾向があります。

ランキングは「比較の目安」であり、あなたの年収をそのまま表すものではありません。

口コミ年収データとの違い(使い分け)

口コミサイトの年収データは、職種別の実態が見えやすい一方で、投稿者の偏り(母数・属性)や年収定義の違い(残業代込み/手当込みなど)があり得ます。

有報=比較の土台、口コミ=実態の補助くらいの使い分けが安全です。

単体・連結・子会社で数字は変わる

ランキングによって「単体」か「連結」か、対象の取り方が異なります。同じグループでも、子会社の処遇や職種構成が違えば、当然年収も変わります。

数字を見るときは「何を対象にした平均か」を必ず確認しましょう。

年収=手取りではない(目安の考え方)

年収からは、所得税・住民税・社会保険料などが差し引かれます。個人差はありますが、一般的には額面の2〜3割程度が引かれることが多いです。

転職時は「賞与比率・残業代の扱い・手当」まで含めて比較するのがおすすめです。

年収だけで会社を選ぶリスク

年収が高い会社ほど、転勤・出張の可能性、現場の責任範囲、繁忙期の負荷が増えるケースもあります。

年収×働き方×キャリアの伸びのバランスで判断しましょう。

建築業界で年収を上げる5つの方法【20代・30代向け】

建築年収ランキングを見て「上位企業に入らないと無理」と感じる必要はありません。実際の転職支援でも、年収アップは“ルート設計”で決まるケースが大半です。

① 元請け・上流工程に近づく

建築業界は、商流が上流に近いほど年収水準が上がる傾向があります。

  • 下請け → 一次請け
  • 一次請け → 元請け
  • 施工側 → 発注者側(デベロッパー・CMなど)

同じ施工管理でも「立場」が変わるだけで年収レンジは変わります。

② 専門性を持つ(設備・積算・PMなど)

「なんでもできる人」よりも、「この分野なら任せられる人」のほうが評価されやすいのが実情です。

  • 設備(電気・管工事)
  • 積算
  • プロジェクトマネジメント
  • 原価管理

資格がなくても、専門領域を言語化できるかで市場価値は変わります。

③ マネジメント経験を積む

30代以降、年収差を大きくするのはマネジメント経験です。役職がつかなくても「どこまで責任を持っていたか」は評価されます。

  • 協力会社の統括
  • 若手育成
  • 原価・工程の最終責任

「何億円規模を管理し、何人を動かしていたか」まで言えると強いです。

④ 資格は“戦略的に”取得する

資格は年収アップの近道になることがありますが、万能ではありません。評価されやすい資格としては次が代表的です。

  • 一級施工管理技士
  • 一級建築士
  • 電気・管工事施工管理技士

資格だけでは年収は大きく上がりません。「資格×経験×ポジション」が揃って効きます。

⑤ 年収アップ転職を成功させる具体ステップ

年収を上げる転職は、勢いではなく準備が9割です。最低限、次は整理しておきましょう。

  • 担当案件の規模・役割
  • 原価・利益への関与
  • マネジメント人数
  • 保有資格と取得予定

「いくら上げたいか」を先に決めると、転職活動の精度が一気に上がります。

【結論】建築年収ランキングから見る“狙うべき会社”とは

ここまで建築年収ランキングと平均年収、職種別の違いを見てきました。結局、どんな会社を狙うべきか。答えはシンプルです。

“年収が高い会社”ではなく、“自分の経験で上がる会社”を選ぶこと。

年収1,000万円を目指せる企業の特徴

年収1,000万円超の企業には共通点があります。

  • 大規模案件を扱っている
  • 利益率が高い
  • 技術者単価が高い
  • 管理職比率が高い

ただし若手がすぐ到達できるわけではありません。「将来的に届く環境かどうか」を見て判断しましょう。

若手が狙うべき企業規模とは?

20代・30代前半であれば、成長機会が多く、案件を任せてもらえて、責任範囲が広がる環境のほうが長期的に年収が伸びやすい傾向があります。

必ずしも“最大手”が最適とは限りません。

安定性と年収のバランスをどう考えるか

年収が高い企業ほど、転勤が多い/現場責任が重い/繁忙期の負荷が大きい、といった側面もあります。働き方や将来のキャリアパスまで含めて判断することが大切です。

年収アップを実現した転職パターン

転職支援で多いのは、「立場を上げる」転職です。

  • 地場ゼネコン → 準大手へ
  • 二次請け → 元請けへ
  • 施工管理 → 発注者側へ

ポイントは“会社名”よりも「上流に近づく経験」を積めるかどうかです。

まずは自分の市場価値を知る

年収ランキングを見るだけでは、自分の立ち位置はわかりません。

  • 今の経験で、どの企業に評価されるか
  • いくら提示される可能性があるか

転職する・しないはその後で決めれば問題ありません。

建築年収ランキングに関するよくある質問(Q&A)

建築年収ランキングを調べている方が、実際によく検索している疑問にお答えします。結論から簡潔にお伝えします。

Q1. 建築業界で年収1,000万円は本当に可能ですか?

結論:

可能です。ただし、大手企業や管理職クラスが中心です。

有価証券報告書ベースのランキングでは、平均年収が1,000万円を超える上場建設会社もあります。若手がすぐ到達できる水準ではないため、管理職・大規模案件の中核・発注者側などのルートで考えるのが現実的です。

Q2. 建築業界の平均年収は他業界と比べて高いですか?

結論:

建設業の平均給与は548.1万円で、全体の中でも高めです。

ただし、職種や企業規模で差は大きく、「建設業なら全員が高年収」というわけではありません。自分の職種・立場に置き換えて判断しましょう。

Q3. 施工管理の年収はどれくらいですか?

結論:

経験の質(元請け・案件規模・マネジメント)で大きく変わります。

若手のうちは会社平均より低く見えやすい一方、元請け経験や大規模案件、工程・原価管理などの経験があると年収が伸びやすい傾向があります。資格の有無だけで決まるわけではありません。

Q4. ゼネコンとサブコンではどちらが年収が高いですか?

結論:

一概には言えませんが、大手ゼネコンは平均年収が高い傾向があります。

一方で、設備系サブコン(電気・管工事)は専門性が高く、経験者は高年収を狙いやすい分野です。「会社名」だけでなく、職種と立場(元請け・一次請けなど)で比較するのがポイントです。

Q5. 建築業界は今後も年収が上がりますか?

結論:

緩やかな上昇は期待できますが、企業差は広がりやすいです。

技術者不足や更新需要、人材確保の競争などを背景に、待遇改善の動きはあります。ただし、すべての企業が同じように上がるわけではないため、成長領域・利益率・案件構成なども見て判断しましょう。

Q6. 資格がなくても年収は上がりますか?

結論:

上がります。まずは評価される経験を取りに行くのが近道です。

大規模案件の施工管理(元請け側)、専門設備、マネジメント補佐などは、資格がなくても経験の質で評価されやすい領域です。資格は“加速装置”として、後から載せる戦略も取れます。

Q7. 建築年収ランキングはどこまで信用できますか?

結論:

比較の目安としては有効ですが、個人の年収とは一致しません。

有価証券報告書の平均年収は、平均年齢・役職構成の影響を受けます。数字を見るときは「単体か連結か」「平均年齢」など前提条件を確認し、職種と経験に置き換えて判断しましょう。

まとめ|建築年収ランキングは“ゴール”ではなく“判断材料”

建築年収ランキングは、業界の水準を知るうえで有効です。ただし、それはあくまで“平均”の話です。

本当に見るべきは、次の3つです。

  • 自分の職種
  • 自分の経験
  • 自分の将来像

20代・30代は、年収を伸ばす余地が大きいタイミングです。大切なのは、正しい情報をもとに“戦略的に動くこと”。

もし今、「今の年収が適正かわからない」「上げられる余地があるのか知りたい」「どの企業が現実的な選択肢か知りたい」と感じているなら、一度市場価値を確認してみるのも一つの手です。

年収は、会社任せではなく“設計”できます。ランキングを見た今が、その第一歩です。



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