建設コンサルタントの年収は、企業規模や事業構造によって大きく異なります。 ここでは、2024〜2025年公開の有価証券報告書に基づく「平均年間給与」をもとに、年収水準の高い企業を整理します。



建設コンサルタント年収ランキング(有価証券報告書ベース)

以下は、上場企業の「提出会社単体」の平均年間給与を基準に並べたものです。 あくまで有価証券報告書ベースの客観データである点をご確認ください。

順位 企業名 平均年間給与 対象年度 備考
1位 ID&Eホールディングス(旧:日本工営) 約1,006万円 2024年6月期 HD単体
2位 建設技術研究所 9,952,061円 2024年12月期 提出会社単体
3位 E・Jホールディングス 約916万円 2024年5月期 HD単体
4位 いであ 7,431,000円 2024年12月期 提出会社単体
5位 応用地質 7,305,638円 2024年12月期 提出会社単体

上位2社は平均年間給与がほぼ1,000万円水準に達しています。 建設コンサルタント業界が高年収と言われる理由は、ここにあります。

出典: EDINET(金融庁 有価証券報告書閲覧システム)

ホールディングス企業の年収はどう見るべきか?

ID&EホールディングスやE・Jホールディングスは持株会社(HD)体制を採用しています。

持株会社は従業員数が少なく、管理職比率が高いため、平均年収が高く出やすい傾向があります。

  • 持株会社単体の平均値である
  • 現場技術者は事業会社側に在籍
  • 実態年収は事業会社ごとに異なる

転職を検討する場合は、「グループ平均」ではなく、配属先となる事業会社の条件を確認することが重要です。

非上場企業(パシフィックコンサルタンツなど)の年収水準

パシフィックコンサルタンツは非上場企業のため、平均年間給与は公開されていません。

各種口コミデータや業界推計では、 700万円〜800万円台が中心レンジとされることが多いです。

ただし、役職・技術士資格・プロジェクト規模によって差が大きいため、正確な提示年収は個別確認が必要です。

建設コンサルタントは本当に高年収業界なのか?

結論として、建設コンサルタントは国内技術職の中でも高水準の業界です。

  • 大手上場企業:平均900万〜1,000万円水準
  • 中堅規模:700万〜850万円
  • 中小規模:500万〜700万円

企業選び次第で年収が200万〜300万円変わるのが、この業界の特徴です。

建設コンサルタントの平均年収はいくら?年代・職種別に解説

ランキング上位企業は確かに高水準ですが、実際に気になるのは「自分の年齢・立場でいくらか」という点ではないでしょうか。 ここでは、建設コンサルタントの平均年収を年代別・職種別に整理します。

建設コンサルタントの平均年収【業界全体像】

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の“土木技術者”区分を参考にすると、 全国平均年収は約560万円〜620万円前後が一つの目安になります。

※ゼネコンや設計会社を含む統計のため、大手建設コンサルに限るとやや高くなる傾向があります。

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

20代・30代の建設コンサルタント年収相場

  • 20代前半:400万〜480万円
  • 20代後半:480万〜600万円
  • 30代前半:600万〜750万円
  • 30代後半:750万〜900万円

30代前半で700万円に届くかどうかが、大手と中堅の差が出始めるラインです。

技術職・営業職・管理職の年収の違い

  • 技術職:500万〜850万円
  • 営業職:450万〜700万円
  • 管理職:900万〜1,200万円

年収を大きく押し上げるのは管理職レンジです。

技術士あり・なしで年収はどれくらい変わる?

  • 資格なし:500万〜650万円
  • 技術士補:600万〜750万円
  • 技術士:700万〜1,000万円超

技術士取得で100万〜200万円上がるケースは珍しくありません。

建設コンサルタントで年収が高い企業の特徴とは?


年収ランキング上位企業には共通点があります。規模だけでなく、案件の質や事業構造が影響します。

売上規模と年収の関係

  • 売上1,000億円超:平均900万円台
  • 売上300〜500億円:700万〜850万円
  • 中小規模:500万〜700万円

企業規模=受注単価=給与原資と考えるとわかりやすいでしょう。

官公庁案件中心企業は年収が高い?

公共事業中心の企業は利益が安定しやすく、人件費に還元しやすい傾向があります。

利益率の高さが給与水準を左右します。

海外案件を持つ企業は高年収になりやすい理由

海外ODAや大型インフラ案件は単価が高く、年収水準を押し上げます。

海外比率が高い企業ほど平均年収が高い傾向があります。

残業時間と年収のリアルな関係

  • 月20時間未満:基本給中心
  • 月40時間前後:年収+50万〜100万円
  • 月60時間超:収入は増えるが負荷も大きい

残業代込みの高年収になっていないかは確認が必要です。

建設コンサルタントで年収1,000万円を目指すキャリア戦略


建設コンサルタントで年収1,000万円は現実的な目標です。 ただし、年次だけでは到達しません。役割・資格・企業選びが決定的に重要です。

20代からできる年収アップのキャリア設計

若手のうちに意識すべきは次の3点です。

  • 専門分野を明確にする(河川・道路・防災など)
  • プロジェクト管理経験を積む
  • 利益率の高い案件に関わる

「どの案件に入るか」で将来年収は大きく変わります。

技術士取得は本当に必要か?

結論から言うと、年収1,000万円を目指すなら取得メリットは大きいです。

  • 官公庁案件での評価加点
  • 管理技術者ポジションへの昇格
  • 転職市場での市場価値向上

技術士保有者は年収レンジが一段上がる傾向があります。

出典: 日本技術士会

大手転職で年収を上げる方法

同じ経験年数でも、企業規模で年収は変わります。

  • 売上規模が大きい企業を選ぶ
  • 海外案件を持つ企業を狙う
  • マネジメント採用枠を狙う

転職1回で年収が100万〜200万円上がる事例は珍しくありません。

発注者側(官公庁・デベロッパー)への転職という選択肢

設計側から発注者側へ転じるケースもあります。

  • 自治体技術職
  • 鉄道・電力などのインフラ企業
  • デベロッパー

40代で1,000万円超を安定的に得るルートとして有力です。

建設コンサルタントの将来性|年収は今後どうなる?

年収を考える上で、業界の将来性は欠かせません。 結論として、建設コンサル市場は中長期的に安定しています。

インフラ老朽化と防災需要の拡大

高度経済成長期に整備されたインフラの更新期を迎えています。

維持管理・更新需要は今後も継続する見込みです。

出典: 国土交通省

公共事業予算の推移

国の一般会計における公共事業関係費は、近年はおおむね6兆円前後で推移しています。

急減している状況ではありません。

DX・BIM・データ活用で伸びる人材像

建設DXの進展により、データ解析やBIM/CIM活用が評価対象になっています。

デジタルスキル保有者は今後さらに有利です。

今転職すると年収は上がるのか?

人材不足が続く中、経験者採用は活発です。

即戦力層は提示年収が上振れしやすい環境にあります。

建設コンサルタントの年収に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、「建設コンサルタント 年収」とあわせて検索されやすい疑問に、端的に回答します。

Q. 建設コンサルタントの年収は将来下がる可能性はありますか?

A. 急激に下がる可能性は低いと考えられます。

インフラ老朽化対策や防災需要は中長期的に継続します。公共事業費も近年は大きく減少していません。 市場縮小リスクは比較的低い業界です。

Q. 建設コンサルタントで年収1,000万円は何歳くらいで到達できますか?

A. 目安は40代前後で管理職クラスです。

大手企業で課長級以上、または技術士保有+プロジェクトマネジメント経験がある場合に到達するケースが多いです。 30代で到達する例は一部に限られます。

Q. 建設コンサルタントとゼネコンはどちらが年収が高いですか?

A. 平均年収では大手ゼネコンの方が高い傾向にあります。

ただし、建設コンサルは設計・計画中心で働き方が安定しているケースが多いのが特徴です。 年収と働き方のバランスで選ぶ人が多い業界です。

Q. 地方勤務だと年収は下がりますか?

A. 大手企業では全国一律テーブルが多く、大きくは下がらないケースが一般的です。

地域手当の差はありますが、基本給は共通の場合が多いです。 中小企業では地域差が出ることがあります。

Q. 建設コンサルタントは激務だから年収が高いのですか?

A. 一部は事実ですが、主因は技術単価と利益率の高さです。

残業代込みで年収が上振れするケースもありますが、 基本給水準そのものが高い企業も多いのが実情です。

Q. 資格なしでも年収アップは可能ですか?

A. 可能です。ただしスピードは緩やかになります。

技術士取得が昇給レンジを押し上げるのは事実ですが、 企業選びだけで年収が上がるケースもあります。

まとめ|建設コンサルタントは「企業選び」で年収が大きく変わる

建設コンサルタントは、国内技術職の中でも年収水準が高い業界です。 上場大手では平均900万円台後半、企業によっては1,000万円水準に達しています。

一方で、同じ建設コンサルタントでも、

  • 企業規模
  • 事業構造(HDか事業会社か)
  • 担当分野
  • 資格の有無

によって、年収は200万〜300万円単位で変わります。

特に20代〜30代の段階では、 「どの企業で経験を積むか」が、その後の年収カーブを決定づけます。

今すぐ転職する必要はありません。ただし、

  • 自分の市場価値はいくらか
  • 同世代の年収水準はどのくらいか
  • 今の会社で1,000万円は目指せるのか

この3点を把握しておくことは、将来の選択肢を広げることにつながります。

建設コンサルタント業界は経験者採用が活発です。 年収アップを本気で考えるなら、まずは自分の適正年収を知ることから始めてみてください。



建設業界で、あなたのキャリアを次のステージへ。

技術士・施工管理技士・建築士などの資格を活かした転職やキャリアアップをお考えなら、建設・建築・インフラ業界に特化した、完全無料の転職支援サービス 「ジョブハウスエージェント」をご利用ください。業界に精通したアドバイザーが、経験や希望条件に合わせて最適な求人をご提案します。

著者:ジョブハウス建設 編集部

建設・建築・インフラ業界に特化した転職支援プラットフォーム「ジョブハウス建設」編集部です。技術士、建設コンサルタント、施工管理など、建設分野の幅広い専門職・技術職に関する情報を、現場の知見と最新データをもとに正確かつわかりやすく発信しています。

関連記事