金属加工の仕事を検討する際、多くの方が気になるのが「実際どれくらい稼げるのか」という点です。

結論からお伝えすると、金属加工職の平均年収はおよそ422万円で、日本全体の平均よりやや低めの水準です。

ただし、これはあくまで全体の平均です。年齢や勤務先の規模、資格の有無によって、年収には数百万円単位の差が生まれます。

この記事では最新の統計データをもとに、金属加工の年収の実態と、未経験からでも年収を上げていくための具体的な方法を解説します。

この記事でわかること

  • 金属加工の平均年収と年齢・地域別の最新データ
  • 年収を左右する4つの要因(年齢・地域・企業規模・商流)
  • 未経験・資格なしから年収を上げる5つの具体策

金属加工とは?仕事内容と働き方の基本

金属加工の仕事内容と働き方の基本

年収の話に入る前に、金属加工がどんな仕事なのかを簡単に整理しておきましょう。

金属加工の主な作業内容(切削・プレス・溶接・研磨)

金属加工とは、金属材料を切ったり削ったり、曲げたり溶かしたりして、部品や製品の形に仕上げる仕事です。

代表的な作業には切削・プレス・溶接・研磨があり、工場によってどの工程を専門にするかが異なります。

NC旋盤やマシニングセンタといった工作機械を操作する仕事もあれば、手作業での仕上げ加工が中心の現場もあります。

自動車部品や建築金物、精密機器の部品など、扱う製品も工場によってさまざまで、それぞれ求められる精度や作業スピードが異なります。

最近ではNC機械のプログラム設定や品質チェックなど、体力よりも正確さ・集中力が求められる工程も増えています。

働く場所と雇用形態の違い(正社員・派遣・期間工)

働き方には正社員・派遣社員・期間工・アルバイトといった選択肢があります。

正社員は基本給に加えて資格手当や役職手当がつきやすく、長期的な年収アップを狙いやすいのが特徴です。

派遣や期間工は時給・日給制が多く、稼働時間を増やすことで短期的に収入を確保しやすい傾向があります。

特に期間工は入社時の慰労金や満了慰労金といった手当が用意されている企業もあり、短期間でまとまった収入を得やすい働き方です。

1日の勤務スケジュール例

多くの工場では2交代制または3交代制のシフトが組まれています。

例えば日勤帯であれば8時〜17時勤務、夜勤を含む交代制であれば22時〜翌7時勤務といった形が一般的です。

夜勤や休日出勤には深夜手当・休日手当がつくため、シフトの組み方が年収に直結します。

配属先の工程によっては、繁忙期に残業や休日出勤が増えることもあり、その分年収が上振れするケースもあります。

未経験者が感じやすい体力面のリアル

立ち仕事や重量物の取り扱いがある工程では、体力的な負担を感じる方も少なくありません。

一方で、機械操作が中心の工程では体力面の負担が比較的軽く、未経験からでも始めやすい仕事も多くあります。

面接や職場見学の際に、担当予定の工程でどの程度の体力・重量物の取り扱いがあるかを確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

金属加工の平均年収はいくら?【統計データで解説】

金属加工の平均年収データ

ここからは、統計データをもとに金属加工の年収を具体的に見ていきましょう。

全国平均年収と月給・時給の目安

金属加工関連の仕事全体(雇用形態問わず)の平均年収は422万円、平均時給は1,248円というデータがあります。

月給に換算すると約35万円、初任給の目安は22万円程度です。

正社員・派遣・アルバイトの年収差

雇用形態別に見ると、金額の出方が変わってきます。

雇用形態 年収・時給
正社員 年収427万円
派遣社員 時給1,401円
アルバイト 時給1,295円

正社員として働く場合の平均年収は427万円で、時給制の派遣・アルバイトよりも年収ベースでは安定しやすい傾向があります。

日本の平均年収と比較してどうか

金属加工の平均年収は、日本全体の平均年収と比べるとやや低めの水準です。

ただし後述するように、資格・企業規模・商流によって年収は大きく変動するため、平均値だけで判断するのは早計です。

給与幅で見る年収のリアル

正社員の給与分布を見ると、ボリュームが多いのは405万〜451万円の水準です。

全体の給与幅としては314万〜679万円と比較的広く、勤務先や経験・スキルによって大きな差が出ることがわかります。

出典:求人ボックス 給料ナビ

年収を左右する4つの要因(年齢・地域・企業規模・商流)

年収を左右する4つの要因

金属加工の年収は、以下の4つの要因によって大きく変わってきます。

年齢・経験年数別の年収推移

関連職種である機械加工技能士のデータを見ると、経験を積むほど年収が上がっていく傾向が確認できます。

区分 年収(万円)
全体平均 465.6
45〜49歳 535.8
大企業(1000人以上) 587.6

45〜49歳の層では月収換算で44.6万円まで上がっており、経験年数が年収に直結していることがわかります。

出典:プレックスジョブマガジン

都道府県別の年収差

金属加工の仕事は、勤務地によっても年収が変わります。

求人ボックスのデータでは、都道府県別の最高は宮崎県443万円、最低は高知県354万円で、その差は90万円にのぼります。

同じ職種・同じ経験年数でも、勤務地の選び方次第で年収が変わる可能性がある点は覚えておきたいポイントです。

企業規模(大手・中小)による違い

先ほどの機械加工技能士のデータでも見たとおり、従業員1000人以上の大企業では平均587.6万円と、全体平均を大きく上回ります。

大手企業ほど資格手当や評価制度が整備されているケースが多く、経験がそのまま年収に反映されやすい傾向があります。

元請けと下請け、商流の違いによる差

金属加工の現場は、発注元から直接仕事を受ける「元請け」と、そこからさらに仕事を受ける「下請け」に分かれます。

一般的に、商流が深くなる(下請けの下請けになる)ほど利益率が下がりやすく、現場の給与水準にも影響が出やすいといわれています。

転職時には、応募先の企業がどのポジションの商流にあるかも、年収を見極める材料のひとつになります。

金属加工で年収を上げる5つの方法

金属加工で年収を上げる5つの方法

ここまでの内容を踏まえて、実際に年収を上げるための具体的な方法を5つ紹介します。

資格を取得して手当・評価を上げる

資格取得は、未経験からでも最短で年収に差をつけられる方法です。

代表的な国家検定である技能検定「機械加工」は3級から特級まで等級が分かれており、実務経験を積みながら段階的に取得できます。

試験の内容や職種区分の詳細は中央職業能力開発協会(JAVADA)の機械加工職種ページで確認できます。

元請け・大手企業への転職を目指す

前述のとおり、大企業や元請け企業ほど年収水準が高い傾向があります。

今の職場が下請けのポジションにある場合、同じスキルでも元請け側の企業に転職するだけで年収が上がるケースがあります。

求人を見る際は、企業がどの製品・どの取引先向けに加工を行っているかをチェックすると、商流上のポジションを把握しやすくなります。

技術営業・品質管理など関連職種にキャリアチェンジする

現場での加工経験は、品質管理・生産管理・技術営業といった職種でも評価されます。

現場を離れて管理側・提案側のポジションに移ることで、年収帯そのものが変わることもあります。

特に技術営業は、現場の知識を活かしながら顧客対応やコスト提案ができる人材として重宝されやすい職種です。

夜勤・交代制勤務で収入を増やす

深夜手当・交代勤務手当がつく現場を選ぶことで、同じ仕事内容でも年収を増やせる場合があります。

体力面との相談は必要ですが、短期的に収入を伸ばしたい方には有効な選択肢です。

ただし長期的に働き続けることを考えると、体力への負担と手当額のバランスを見て判断することが大切です。

転職エージェントを使って非公開求人にアプローチする

年収の高い求人ほど、一般には公開されていない非公開求人として扱われることがあります。

製造業に特化した転職エージェントを利用すると、こうした非公開求人や、給与交渉を含めた転職活動のサポートを受けられます。

自分では気づきにくい経験の活かし方や、条件面の交渉ポイントについてアドバイスを受けられるのも、エージェントを使うメリットです。

未経験・資格なしから金属加工に転職するには

未経験・資格なしから金属加工に転職する方法

「資格がないから無理」と諦める前に、未経験から金属加工に転職するためのポイントを整理しておきましょう。

未経験者を採用する企業の特徴

金属加工業界は人手不足の企業が多く、未経験者向けの研修制度を整えている企業が少なくありません。

入社後にOJTで加工技術を学び、並行して資格取得を支援する制度がある企業は、未経験者にとって狙い目です。

また、期間工として働きながら実務経験を積み、その後正社員登用を目指すというルートもあります。

資格なしでも応募できる求人の見分け方

求人票の「応募資格」欄に「未経験可」「資格取得支援あり」と明記されている求人は、資格なしでも応募しやすい求人です。

逆に「〇級以上必須」と明記されている求人は、まずは経験を積んでから応募を検討しましょう。

研修期間の長さや教育担当者の有無も、求人票や面接で確認しておきたいポイントです。

入社後に取得しておきたい資格

入社後は、まずフォークリフト運転技能講習や玉掛け技能講習など、現場で汎用性の高い資格から取得するのがおすすめです。

その後、実務経験を積みながら技能検定「機械加工」の取得を目指すと、年収アップまでの道筋が明確になります。

技能検定制度全体の仕組みは、厚生労働省が運営する「技のとびら」機械加工技能士の紹介ページでも確認できます。

転職活動で準備しておくこと

未経験からの転職では、これまでの仕事で培った体力・集中力・手先の器用さなど、加工現場で活かせる強みを整理しておくことが大切です。

製造業に詳しい転職エージェントに相談すれば、自分の強みが活かせる求人を効率的に見つけやすくなります。

金属加工の年収に関するよくある質問

Q. 金属加工の平均年収はどのくらいですか?

求人ボックスのデータによると、金属加工関連の仕事全体の平均年収は422万円です。

雇用形態別に見ると、正社員に限った平均年収は427万円、全体の給与幅は314万〜679万円となっています。

Q. 未経験でも金属加工の仕事に転職できますか?

可能です。金属加工業界は人手不足の企業が多く、未経験者向けの研修制度や資格取得支援制度を用意している企業が少なくありません。

Q. 金属加工で年収を上げるにはどうすればいいですか?

技能検定「機械加工」などの資格取得、元請け・大手企業への転職、品質管理・技術営業など関連職種へのキャリアチェンジが有効です。

非公開求人にアプローチできる転職エージェントの活用も、年収アップの近道になります。

Q. 資格がなくても応募できますか?

求人票に「未経験可」「資格取得支援あり」と明記されている場合は、資格なしでも応募できます。

入社後にフォークリフト運転技能講習などの資格を取得し、段階的にスキルアップしていく流れが一般的です。

Q. 金属加工の仕事はきついと聞きますが本当ですか?

工程によって体力的な負担は異なります。重量物を扱う工程では体力的なきつさを感じやすい一方、機械操作が中心の工程は負担が比較的軽い傾向があります。

面接や職場見学の段階で担当予定の工程を確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

まとめ:金属加工は年収アップの余地が大きい仕事

金属加工の平均年収は422万円で、日本全体の平均よりやや低い水準ですが、資格取得・企業選び・キャリアチェンジによって年収を伸ばせる余地は十分にあります。

特に、元請け・大手企業への転職や技能検定「機械加工」の取得は、未経験からでも着実に年収を上げていくための近道です。

まずは自分の強みを整理し、製造業に詳しい転職エージェントに相談しながら、年収アップにつながる一歩を踏み出してみましょう。

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著者:ジョブハウス工場 編集部

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