第二次世界大戦以降、高度経済成長期において日本のものづくりを支えた機械・金属・鉄鋼業ですが、実際には工場では何を作っているの?

いまはどんな状況なの?今後どうなっていくの?そんな疑問をこちらで徹底的に解説いたします!

 

機械・金属・鉄鋼業界ってどんなところ?

 はじめに各業界にどういった特徴や大手企業があるのか簡単に説明します。

 

機械業界

機械業界の工場では主にボイラーやエンジン等の原動機や船舶などをはじめとする大型の製品を作っています。そしてこれらは、日本のものづくりを支えている中心産業でもあります。


近年の動向では、建設機械、重機の規模は拡大傾向にあり、一時的に規模の落ち込んだ工作機械は回復の兆しをみせています。

また、海外展開を行っている企業も多くあり、日本の技術力を世界に向けても発信しています。近年では、新興国の経済成長が著しくそれに伴い機械の需要も拡大しました


業界の規模は25兆7,317億円で、239,909人の人々が働いています。そして国内大手の企業は、三菱重工・小松製作所・ダイキン工業・クボタ製作所などがあげられます。

 

 

金属業界

金属業界(非鉄金属業界)の中心製造品は、電線・ケーブルや伸銅、アルミニウムなどです。平成20年頃から、資源価格の高騰、金融危機、円高の影響も相まって業界規模が大幅に縮小しました。

しかし、平成25年度に入り、海外市場自動車市場の影響を受けたことで回復傾向にあります。


今後はさらなる海外事業展開、ダウンストリーム(上位会社から下位会社への資本の売却)の強化が重要になっていくと考えられます。

大手企業として、住友電気工業・三菱マテリアル・JX金属(JXホールディングス)などがあげられます。業界の規模は11兆8,654億円で、45,027人の人々が働いています。

 

鉄鋼業界

鉄鋼業界では、橋・建設物・電車・船舶を作る際に使用する鋼材を製造しています。

鉄鋼業は日本の基幹輸出品目のうちの1つです。平成19年までは成長を続けていましたが、平成20年からは世界全体の不況の煽りを受けて市場規模は縮小しました。


しかし近年になって再び回復へと向かっています。

1970年から2000年まで世界の主要鉄鋼メーカーの中で日本企業である新日鐵住金が世界生産量1位で、続いてアメリカやヨーロッパの企業がランクインしていました。


2013年には新日鐵住金は2位に順位を落とし、1位はヨーロッパ系の企業に代わりました。

また、ここで特筆することは首位二か国ではなく3から5位、7から9位までをそれまでほとんどランク外であった中国系の企業がランクインしていることです。


国内大手企業は新日鐵住金・JEFスチール(JFEホールディングス)・神戸製鋼所などがあげられます。業界規模の規模は16兆1,282億円で、70,331人の人々が働いています。

 


工場はどんなところにあるの?

次に各業界の工場がどこに拠点を置いているのか説明します。

 

機械工場

三菱重工の本工場は長崎造船所というところです。このほかに、下関(北海道)、広島(広島)、名古屋(愛知)など全国各所に工場を所有しています。

小松製作所の工場は、関東地方を中心にひたちなか(茨城)、湘南(神奈川)や千葉(千葉)に工場を所有しています。

そのほかに、ダイキン工業の本工場は大阪府の堺市にあり、クボタの本工場は兵庫県尼崎市にあります。

 

金属工場

住友電気工業は、大阪に本工場、そのほかは伊丹市(兵庫)、横浜(神奈川)に工場をおいています。

三菱マテリアルの金属事業は、秋田(秋田)、直島(香川)、生野(兵庫)で主に行われており、JX金属は一原木嫌悪磯原工場というところに製造拠点をおいています。

 

鉄鋼工場

 新日鐵住金の製鋼所は大阪府に拠点を置いており、製鉄所は鹿島(茨城)、君津(千葉)、和歌山(和歌山)、八幡(福岡)等に拠点を置いています。

JEFスチール(JFEホールディングス)は仙台(宮城)のほかに、東日本製鉄所、知多製造所(愛知)、西日本製鉄所などを所有しています。神戸製鋼所

 

 

 

各工場ではどんな製品を作っているの?

つぎにそれぞれの業界で実際にどのような製品が作られているのか説明していきます。

 

機械工場

工作機、食品・製薬工場等の製造機械やエレベーターなどの大型の機械を製造しています。

(例)農業関連機器(トラクター・田植え機・コンバイン等)・エンジン・建設/工作機械・フォークリフト・業務用空調製品など

 

金属工場

日本国内での需要の高いアルミ製品、ベースメタル、レアメタルや貴金属などを製造しています。

(例)自動車・通信整備・工業用製品/材料・セメント・コンクリート・伸銅品(銅を加工して扱いやすい形にしたもの)・金属粉末などが主な製品です。

 

鉄鋼工場

鉄鋼の作り方には電気炉法と高炉法の二通りがあります。電気炉法は、鉄のスクラップを原料とします。電機の熱によって鉄を溶かして不純物を取り除いて製鋼する方法です。

高炉法は鉄鉱石を原料とします。炉の中に鉄鉱石とコークスを交互に投入し、熱風を吹き込むことでコークスが燃えて二酸化炭素を発生させます。その二酸化炭素の働きによって鉄鉱石が鉄になります。

(例)厚鋼板・薄板・建材・特殊ステンレス・チタンなどが主な製品です。

 

 

各工場の海外進出は?

ここでは、それぞれの工場の海外進出の状況について説明します。

 

各製造業界は、今後も市場規模の拡大に向かうと予想ができます

農耕機械で有名なクボタはタイ・ミャンマー・バングラデシュをはじめとする日本国外にも製品を輸出しています。また、金属業界の住友電気は、前身である住友電線製造所の時代からグローバル展開を続けています。


さらに、鉄鋼業界の最大手企業である新日鐵住金もここ数年で以前より一層力を入れて海外建材事業に従事し、新たな需要の獲得に努めています。

このように、製造業の海外進出は著しく、特にアジア圏への進出の動きが活発化しました。


人件費や施設維持費が比較的安価になったことは、多くのプラスの影響をもたらしましたが、「日本国内の産業の空洞化」というマイナス影響ももたらしました。

しかし、ここ数年のうちに工場の海外進出を進めていた企業が日本国内に再び工場を建設する「製造業の原点回帰」という現象が起こっています。

それは、以前ほど海外工場の人件費が安価ではなくなったことが原因として挙げられます。


さらに、製品の質が重視されるようになったことから、より技術力のある日本の工場ワーカーが求められるようになってきたからです。

日本に残す分野は残し、海外展開を進めるところは進めるという形で製造業は市場規模の拡大を目指しています。

 


最後に

これで「機械・金属・鉄鋼工場ってどんなところ?」の記事は終わりです。

 

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