このページでは、バスという乗り物についての全体像を掴むために紹介した『バス全体』のページの中でも触れた、「路線バス」について路線バスの仕事情報なども合わせて詳しく説明していきたいと思います。



路線バスとは?

主に路線バスとは、読者のみなさんがよく町中でよく目にする、駅や営業所の周りを決まった時間・決まったルートで循環しながら人々の移動の足となる、乗り合い式の大型車両のことを指します。

路線バスはすでに行き先が決まっており、車両前方・後方上部にそのバスの行き先が表示されています。


路線バスの乗車定員

路線バスは大型車両と説明しましたが、その定員数は70名強とされており一般的に満員状態とされるのは50名からです。

しかし、本当に定員数に達しているバスというのは考えてみれば見たことがないのではないでしょうか?70人以上が乗っている路線バスとは…考えるだけでも恐ろしくなってしまいますね。

路線バスの乗車定員数は、道路交通法により「座席数+つり革数」を基準に定めらています。バスの中には「座席数+床面積」を基準にしているバスもあります。


路線バスの特徴

①路線バスが他のバス(観光バス、送迎バス、高速バス)やタクシーと大きく異なるのは、不特定多数の人を乗客対象としていることです。

つまり定員に達するまでは、誰でも何人でも乗ることができる、『乗り合い形式』という点です。そのため自然と車両にも他のバスの車体との差異が生まれてきました。

乗客が乗り降りしやすいように左前方と左中部に取り付けられたドアや、前方ドアを乗降する際に乗客が清算するため運転席の横に精算機がついているのも路線バス特徴です。

最近では空気圧を利用しバスの車体を傾けたり、前方ドアの乗り口付近の階段をなくしたり一段にするなど、乗客の乗り降りの円滑化や高齢者の方や車イスの方の利用を意識した、いわゆるバリアフリー化が進み路線バスの車両形式も統一化されてきています。


②他のバスやタクシーと比較した時に挙げられる路線バスの特徴としては実際に走るそのコースや順路、運賃体系があります。

路線バスは高速道路を走ることはなく、町の中など俗に言う『下道・一般道』を走ります。

駅やバス会社の営業所などのバスターミナルから、各停留所を結んだ決まった道を決まった時間に走ります。ですのでバスターミナルや停留所にはバスの時刻表があり、利用者はその時刻表を見て路線バスに乗ります。


③路線バスは鉄道のように不特定多数の人の移動を目的としているため、乗車するにあたり乗客一人当たりにかかってくる運賃が他のバス(観光バス、送迎バス、高速バス)やタクシーよりも大幅に安いと言うのも特徴です。

支払いにはSuicaやPASMOなどのICカード・現金・バスカードが用いられ、定期券(乗車時に運転手に提示)も存在します。

支払い方法としては、乗車時に精算する前払い式、降車時に精算する後払い式と2パターンになっており、運賃は均一であったり乗車距離によって変動したり(キロ制・区間制)バス会社や地域によって様々です。



路線バスの運転手さんって?

ここまで路線バスについて大まかに説明をしてきましたが、ここからはその路線バスの運転手とはどのような人なのかを説明していきたいと思います。


どんな仕事なの?

当たり前のことではありますが路線バスの運転手は、バスを運転し乗客を目的地まで送り届けることを仕事としています。

しかし、それは単純そうに見えても、社会における存在意義は非常に高いものです。

地域によっては道路が舗装されていない地域や、そうでなくとも他に電車などの公共交通機関が通っていない地域ではバスが人々の主な移動手段の一つとなっており、人々の生活の一部になっています。そのため地域に密着した形のサービスを提供するバス会社も少なくありません。

筆者も含め私たちは、日常的にバスを利用し、乗らないのだとしても一歩家を出れば必ず目にはするのではないでしょうか。

それほど路線バスは私たちの日常に深く浸透している存在なのです。


勤務時間はどれくらい?

路線バス運転手の勤務形態は主にシフト制になっており、「早番」「遅番」「通し」「中休」の4つに分類されます。

基本的には拘束時間は8時間ですが中には拘束時間16時間(中休)というものもあるので、働き方によってそれに伴う給料もかなり変動してきます。

この16時間シフト(中休)は、朝の業務を終えた運転手が一旦業務から離れたあと同じ日の夜に再び業務を行うシフトを指します。会社によっては間の空き時間を拘束時間に含めなかったり含めたりと勤務体系は様々です。

どのシフトでも、乗客を乗せて長時間運転をしますが、4時間以上の連続運転をする場合は30分以上の休憩(10分ごとに分けられる)を設けなくてはならないことが法律で定められているなど、運転手にとても無理を強いる業務内容というわけではありません。

自分の働き方にあった休み方をすることも可能です。


路線バスの運転手になるには?

路線バスという車両のサイズを考えると、通常の乗用車とは明らかに車両のサイズが違うのはみなさんも簡単に想像できるように、それと同じく運転するにあたり必要な免許の種類も違ってきます。

路線バスの運転手になるためには「大型自動車第二種運転免許」が必要になってきます。

第二種運転免許とは、道路交通法の免許区分の一つで、主にタクシーやバスなどの旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合や運転代行業務を行う場合に必要な免許です。

簡単に言えば、お金を払ったお客さんを乗せて運転することを仕事にする時に必要な免許ということです。

この第二種運転免許の取得に際しては「お客さんを乗せて走る」、つまりお客さんの命を預かっているという視点から免許取得試験の中の適性試験や学科試験は第一種運転免許よりもやや高くなっており、技能試験は第一種運転免許に比べると厳しく、高い審査基準が設けられており、その合格率は10%とも言われています。

意外に狭き門ということがわかります。

このことから、バスの運転手さん達は自分の仕事にやりがいや大きな責任感など、誇りを持って臨んでいるのであろうことが想像できます。


バス運転手の年齢層は?

会社によって年齢制限は異なるものの、バスドライバーの中には若手からベテラン層まで幅広い年齢の方が活躍しており、最近では女性ドライバーの方の求人も増えてきています。

大型免許の取得費用を会社が負担してくれたり、未経験であっても募集・採用したりその後の研修制度に力を入れている会社もあります。


お給料はいくらなの?

バスの運転手の平均月収は平成27年度の時点で31万円、平均年収は425万円、時給に換算すると1743円です。もちろん勤務するバス会社の規模やその待遇によって差は生まれてきます。

加えて、民間バス会社が運営する民営よりも都道府県や市町村が運営する公営の方が比較的給料が高いといったデータもあります。


路線バス運転手になるメリット

路線バスの運転手の業務は長時間にわたり運転しなければならないので激務だと考えている方もいらっしゃるのではないかと思いますが、会社や働き方によって勤務形態や待遇が異なるので、裏を返せば快適な職場環境を手に入れやすい業界です。

路線バスの運転手は出退勤時間がバスの運行ダイヤ基準で考えられているので、分単位となっているのに加えて、バスの運転は時刻表通りなので業務が終われば家路につくことができるので残業も少ないです。

日々の業務内容は時間通りに決まっているので(あらかじめシフトを提出するため)、事前にプライベートの予定を立てやすいということも挙げることができます。

バスドライバーというものは長時間一人で業務をこなすため、嫌な上司や顧客などとの人付き合いは一切なく無駄な対人トラブルを抱えにくいというメリットもそのひとつです。

そして何よりも、自分が運転することがで多くの人の役に立っている、人のためになっていると肌で実感できる仕事であるということです。

直接的に言われることは少なくとも、路線バスを利用する多くの人は大きな感謝を感じているはずです。路線バスの運転手とは、多くの人から信頼され感謝される、そんな「カッコイイ」仕事なのです。



最後に

ここまで路線バスの概要から運転手の業務について説明してきましたが、少しでも理解を深めていただけたでしょうか。

路線バスの運転手には、一人で行うため業務のため忍耐力が求められ、お客様の安心安全を気にしながら時間も気にしなければならないという、細やかさや優しさも必要です。

もしも興味をお持ちになってくださったのであれば、是非バスドライバーになったご自分の姿を想像しながら、当サイト内にある路線バスドライバーや観光バスドライバー転職求人など、他のバスドライバーに関連した求人を見比べてみてはいかがでしょうか。